皇帝の日記
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ウイジが臭かった。
お風呂には定期的に入れているし、一体この小さな子が何故にこんなにこうばしいのかしら? そういえば、イサムさんも生後3ヶ月くらいで浮浪者の香に包まれていた事が有った。 それはまあシーツの汚れがきちんと洗えていなかったというオチだったが。
ウイジはウイジ自体が臭い。 マイ・ラブリー・ベイビー☆ウイジがホームレスの香。 家なき子。 うーん。 仕方ないのでもう一回お風呂につけてみる。
ウイジはお風呂が好きじゃないので、赤ちゃん用の小さなお風呂に入れる度に「ぎゃわわわわわわっわんんんん!」と泣くのであります。 顔は真っ赤、唇はわなわな震えて、体中に力を入れて本格的に泣きます。 しかも、お湯につかっている間ずっと。
なんという体力・・・。
そんな事もあって、お風呂は素早く! ちゃちゃちゃちゃっと入れてしまう。
だが今回は違う。 泣こうがわめこうが、とにかく匂いの元を絶たなければ。 がっちりと握られている手の平を開いて洗ったり、耳の裏をゴシゴシしてみたり。
泣き声に耐えながら、ウイジを丹念に洗って行くと・・・。
見つけた!ついにウイジの宝物を見つけた!
それは、脇の下と膝の裏。 むっちむちの肉に包まれて、今までじっと守り続けて来た得体の知れない白い垢。
垢と言うか、油の塊みたいな。
こ、これが伝説のウイジの油・・・。 不老不死の妙薬(嘘
泡立てた石鹸で丁寧に洗い流し、ついに無臭なウイジになったのです。 やれやれ。
病院ネタが出たついでに、ちょっと気になっていた事を書こうと思う。
手術の時に、よく患者が酸素マスクを着けているじゃありませんか。 あれ、今回着けなかった。 イサムさんの時は、軽く死にかけていたのでちょっとの間だけ酸素マスクを着ける事態になったが、今回は始めから最後まで自力で呼吸していた。
麻酔医が来て、背骨にぶすっと針を刺すじゃないですか。 その後、徐々に半身麻酔が効いて来て、大体アバラのあたりまで感覚が無くなって行きます。 そんな上の方までしびれて来ると、困った事に今まで勝手に呼吸に協力してくれていた横隔膜あたりの筋肉までもが動きを止めてしまうのでありまする。 当然息苦しくなってきますわな。
あらやだ、私息が出来なくて死んじゃうのかしら。 と、軽くパニックになるでしょう。 麻酔医は手術中ずっと頭の上ら辺に立ちあっているので「あのー息苦しいんですけどー」と言うと、 「酸素は足りてるから大丈夫。努力して呼吸して下さい」とか言われる。
人差し指の先に、光るクリップみたいのが着けられていて、それが酸素濃度を測ってくれているらしいんだけど。 指先が光っているので、横に居るジャバ夫さんとシャイニングごっこやETごっこをしながら気を紛らわせたりしてみるも、息苦しい事には変わりなく。 苦しんでると手術が終わりに近づき、段々呼吸できるようになって来る。 すると感覚が戻ってきますわな。 今度は、感覚が完全に戻るより先に腹を閉じてくれないと困る! とまた軽くパニックに。
パニックにならない為に、鎮静剤みたいのを打ってくれるのだけれど、今回はいらないだろうと判断されたようで、素面だったのだ。 先生、一応要るか要らないか聞いてくれれば良いのに。
これから割腹する人で、パニックしそうだったら鎮静剤はもらった方が良いよ。 お勧めしておきます。
さて、イサムさんのお迎えに行く途中に「ヤノナリ」という名の通りがあるのだが。
通る度に「織田ヤノナリ」とか「明智ヤノナリ」とか姓をくっつけて語感を楽しんでいる。 今のところベストマッチングは「石田ヤノナリ」だと思っている。
こないだヤノナリを通り過ぎる時、猫が飛び出して来たので「ネコナリ!」ってなった。 我が輩が。
中国留学中に、アホなアメリカ人の男の子がいた。 あまりに言動がアホなので、私のような外国人にもアホである事がバレていた。 何故か関西系の学生が多かったので、「バカ」とは呼ばれずに「アホやんなあ」と親愛を込めて(?)「アホ」の称号を欲しいままにしていた彼。
なんだったか、一度アホな事をしでかした時に、日本人の間で「アホ」と黙認されているアホな日本人留学生の男の子に「しょうがないだろ!こいつアホなんだから!許してやれよ!」とかばわれていたキング・オブ・アホな彼。
学校の昼休みに食堂で話をしたところ、あまりにアホすぎるのでアメリカのばあちゃんが怒って、中国の学校に島流しになったと言っていた。 どんだけアホやんなあ・・・。
そんな彼が、久々にジャバ夫さんと連絡を取って来たと思ったら、またアホな事を色々と言って笑わせてくれたのだが。 なんと、その後アメリカに戻り、今は東海岸で医者になっているのだとか。 怖い・・・。
さて、今日でイサムさんは今学期の授業が終わる。 学校から「冬のボーナスを先生に出すので、寄付して下さい」と連絡が来た。 なんじゃそら。
どうやら、親から寄付金をもらい、それを教師の勤務時間に比例させて山分けするシステムらしい。 なんという不安定な収入か。 ボーナスってのは、雇い主が払うんじゃないのか? それともチップ的な意味合いなのか? サービスを受けているのは、確かに我等だが。 子供を人質に取って寄付しろっつーのは、ちょっとあこぎなんじゃねえの?
それとも「世の中は金が物を言うんじゃ!」という資本主義の仕組みを、子供のころから叩き込もうと言うのか。
実際、寄付金額が何かに影響するわけではないと言っているけれどもが。 人間だもの。 どうだかねえ。
しかも支払いは小切手なので、誰がいくら支払っているのかバレバレ。
一応、イサムさんが来学期からもオムツを取り替えてもらえそうな程度の金額は入れて来た。 でもまだ納得がいかんのよ・・・。
一体いくら払うのが相場なのかもわからんし・・・。
もや〜。
2011年12月16日(金) |
元気です。おろおろ。 |
あんまり病院行ったと呟くと心配されてしまうので、先に言っておきます。 私、非常に元気であります。
ほんで、なんでまた病院に行く事になったかと言うと、産後の悪露(おろ)がなかなか終わらなかったので、産婦人科に出戻りになったのだ。
これまたこんな事を書くのはどうかと思ったのだけれど、他のアメリカで暮らすレディーの役に立つかもしれないと思ったからなのであります。
そもそも悪露とは何ぞや。 赤ちゃんを産むと、胎盤が後から出て来る「後産」というのは有名ですね。 あれは痛いらしい(帝王切開だと後産は無い。 ぶるぶる。 しかしそれで終わりではないのです。 誰もが赤ちゃんが産まれた事に熱狂している間、母は一ヶ月くらい胎盤が剥がれた後も出血し続けておるのです。 恐ろしい話ですね。 しかし、これ自体は痛くも痒くもないのです。 私も、痛くも痒くも貧血にもなっておりません。 イサムさんの時も3週間くらい悪露がありましたが、育児に翻弄されている間に気がつけば終わっていた程度。
ところが、今回まーだ悪露が続いているのであります。 一ヶ月過ぎるころから気になり出して来て、色々調べてみると、段々心配になって来たのでした。 以下ネットで調べた事なので、ソースがあやふやなところもありますが。
1)二人目以降は初産より早く悪露が終わる筈。 2)帝王切開の場合、胎盤が一気に取れるから、さっさと終わる筈。 3)二ヶ月以上続く場合は、異常が有るかもしれないので病院に行くべし
なんと言う事だ。 もう二ヶ月以上だ。 術後10週経っているではないか。 更に「二ヶ月経っても悪露が終わらない場合、一ヶ月検診で医者に相談しましょう」と、ドラえもんの助けが無い限り不可能なアドバイスまで書いてあった。 はてさて。
もしや癌とか悪い病気じゃないだろうか。
最悪の場合を考えておくと、その後が楽。 と言うわけで、出産時の担当医に連絡すると、即日超音波検査をしてくれることになった。
やだ。 即日割り込みとか言って。 まじでそんなに緊急性の高い症状なの? と、どきどきしながら超音波検査をすると、そこには何やら黒い影が。 医者が大きさを測ったりしている。 あらやだわ。 そして「これはプレセンタか、ティッシューが残ってるんですね」と診断。
え。 ティッシュて。
プレセンタは最近化粧品なんかにも使われているからわかりますね。 胎盤です。 先生手術ん時ちゃんと胎盤剥がしてよ。 しかしティッシューとは?
医学用語は難しいので、いつも通り通訳のジャバ夫さんを連れて来ているのだけれど、ジャバ夫さんは帝王切開の時に胎盤を剥がす際、妻の身体が引っ張られてずる〜っと動いたのがトラウマで、先生が超音波検査しているのも直視できずに、一心に携帯画面を見ていて、妻が「え?なんて言ったの?」という目線を送っているのに気がついていない。 (勿論説明は聞いていて、後で訳してくれるわけだが)。
ティッシュー・・・。
私のお腹の中がクリネックス。 そんなわけはないだろうから、鼻をかむティッシュではない事はわかります。 じゃあなんだろう。 プレゼントとか包む時に、箱や袋の隙間に詰め物をする時、ティッシューと言うな、そういえば。 でもウイジがギフトラッピングされて居たわけではあるまいから、手術に関係ありそうな物と言えば、ガーゼみたいなもんかしら?
ちょっとー。 そんなもん残ってたら、それは医療ミスじゃないの。 つかこないだ、手術の後ガーゼを身体の中に忘れられてたお婆ちゃんが亡くなったじゃありませんか。
しかしどうだろうか。 医者の目は仏様のように澄み切っていて、とても命に関わるような医療ミスをしでかした後のようには見えません。
でも私の腹には黒くティッシューと思われる影がばっちり写っている。
・・・。
どうリアクションして良いのかわからないので、とりあえずウイットにとんだテキサス仕込みのアメリカンジョークで、軽やかに様子を見るべき? というわけで 「はっはは、ドクター。いくらなんでも手術中に鼻をかんじゃあ駄目だZE☆」 と肩をすくめて言ってみた。
ジャバ夫さんが「ティシューって、内容物の意味だから」と携帯から顔も上げずに言ってくれました。
そうか。 ばた。
そんなわけで、良い子の皆は産後のお腹の中にはプレセンタとティッシューと夢と希望が詰まっている事がわかりましたね。 同じ過ちを繰り返さないように。
結果は、放っておけばそのうち悪露は終わるでしょう、という診断でした。 変に治療すると、悪化する事もあるので、出血量が多過ぎて貧血になる程とか、日常生活に支障をきたすものでなければ、様子を見ているのが一番だそうです。 でも終わるまでは日本で言う産褥期という扱いなので、風呂、プールなんかに入ってはならない。 後は、疲れを感じたりしたら無理しないようにとの事。
なんで胎盤が残ったりしたのか?それは「年だから」って言われた。
はい、気をつけます。
カリフォルニアに来たばかりの時に8歳だった子が、彼女ができたんだけどデートは映画でいいだろうか、とか言っているのに胸が熱くなります。 うちで働いてる人の三男なんですが・・。 初めて彼と出会った時には、お母さんからはなれたくないので仮病を使って学校を休んで、うちに遊びに来てたんでした。 一緒にテトリスをしたね・・・。 彼女か。 そうかそうか。
しょっちゅう仮病を使って母ちゃんの職場に居た君が。 宿題をうちに忘れて、泣きながら電話をかけて来た君が。 手の骨が折れた!って仮病には、さすがに母ちゃんも乗ってくれなかったね。 今君は彼女とのデートのために、日曜日の教会をしっぽかそうとしている。
と、なんか卒業式の送辞のような気分になってしまった。
さて、昨日生まれて初めてワクチンの注射を打たれたウイジですが。 さすがに打たれた直後は声もでないほど怒っていたけれど、その後ちょっと微熱が2時間くらい出てたかな?程度で、すっかり平常運転。 強いわ。
そして、二日に渡って入浴を激しく拒否し続けているイサムさん。 2歳児にカッとなった時には「この子は寒い冬の日、教会の前に捨てられていたかわいそうな子」と勝手なストーリーを作って、客観的に観察する事にしている。 たいていの事には怒らないで済む。 他のバリエーションは「この子は爆発消滅した星から逃げ出して来た宇宙船の中で、奇跡的に助かった種族最後の子」とか「この子は幼い頃ワシに連れ去られ、ジャングルの虎に育てられて居たところを保護した子」とかだ。
ちなみに昨日ウイジは「ホッキョクグマの赤ちゃんが割れた氷の上に乗っかってカリフォルニアまで流されてきた」設定だった。
おまけ、まろまろ詐欺。 http://portal.nifty.com/cs/dpztv/detail/111214151681/1.htm
ウイジ、人生初の注射を打たれてメガ泣きの巻。
年末なので、ノロだかロタだかインフルだかの子どもらが病院にあふれていて、危険きわまりない検診でした。 小さい小児科なのでね、待合室が別れていないのですよ。 普段は時間帯で病人と検診の子を別けているのだけれど、ちょっと余裕が無かったみたい。 できるだけ周囲の物に触れないようにして、そそくさと帰って来た。
気になるウイジの大きさは、約59cm、6.2kgです。 大きいと思っていたけど(いや大きいけど)巨大児と言う程ではないですね。 どちらも平均値の上限を出てはいないし。 身長に対して、ちょっと重いくらいかな。
さて、義父母のところで働いてる人。 ここ3年くらい、火災の保険関係の業務をひたすらにこなしていた人が居るのだが。 ついに保険に決着がつきつつ有り、つまり彼女の仕事が無くなりそうなのだ。 保険以外にも色々な雑務はあったりするので、来てくれるのはありがたいそうなんだが、今まで通りフルタイムで働いてもらう程の仕事量は無くなってしまう。 というような事情で、雇用の危機にある彼女。 「空いた時間でスキルアップの勉強をして、次の職場を探そうか」というところまで来ている。 でもうちって働きやすいんですよ。 風邪ひいたら休めるし。 労働時間に融通が利くし。 お姉さん怠け者だし。 「どうしようかね?」と独り言のように聞くともなしに聞かれたので、そっとお答えしておきました。
我が家におけるスキルアップとは。
ベビーシッターの資格を持つ事です・・・。
それで勤務時間安泰ですよ、奥さん・・・。
ラブストーリーよりも突然にやってくるおじいちゃん。
アメリカで仕事があったついでに、ロサンゼルス経由で帰国することにした父。 ついでにサンタバーバラに来てもらいました。 たった一日。 しかし、一日といえど貴重な一日。 頻繁に遊びにきてくれているとはいえ、やはり一年に何回じじと孫は会えるのか。 チャンスがあれば、できるだけ会った方が良いでしょう。
というわけで、突然現れたおじいちゃんに、イサムさんの興奮度いきなりマックス。 ついた時にはもう寝る時間過ぎてたのだけれど、「ぎゃあああああああああ」と雄叫びながら家中を走り回るイサムさん。 更に「じーちゃん、じーちゃん」と、普段使えない日本語を。
いさむ の こうげき。
いさむ は じーちゃん を となえた。
かいしん の いちげき。
ところで母はというと、その日の朝からジャバ夫さんがサンフランシスコに出かけたので、働いている人々が出て行ってから、たった6時間だけ家中に大人一人と言う事態に陥っていた。 赤子が二人と三匹。 あう。
犬飯、猫飯、幼児飯、赤子飯。
あっという間にキャパシティーオーバー。 普段、うちにはプライバシーがないわーとかぶつくさ言っていたけれど、一瞬にして「そんなもんいらんわ!」となった。 いつも皆さんに助けられて生きているのね。 よぼよぼ。 じーちゃんが来て、ようやく大人二人になったのでした。 やれやれ。
じーちゃんの使命は他に、クリスマスプレゼントを持って来ることや、日本の本を持って来ることなど。 運び屋稼業。 仕事中なのに、ありがとうございました。
しかし、仕事中なのにゴルフで痛めた足を引きずっているのは何故でしょう。
最近ウイジが夜10時間くらい連続で寝るんですが。 新記録は12時間とか・・・。 さすがにそん時は起きたとたんに空腹すぎて泣いておりましたが。
本当にうちの子は良く寝るわ。 イチャムも相当寝る子だったし(最近「良く寝る子」の名を返上したらしいが。
そんだらば、さぞお母ちゃんは夜寝れるんじゃろうと思うんですが、残念ながら人間ミルクタンクの母は、結局3−4時間毎におっぱいがパンパンに張ってしまうので、搾乳するために起きなくてはなりません。 本当に無念です。 ばた。
でも搾乳しないで同じだけ寝たら、また詰まって痛くて死ぬか、ベッドがミルク浸しになって凍えて死ぬか、二択だろう。 ここだけは頑張らないとね。 とほほ。
搾乳すれど、ウイジは寝ているので、採れたミルクはそのまま。 捨てるのは勿体ないので、起きてる時に飲んでもらう為に哺乳瓶に入れて溜めておきますわな。 そして日中起きてる時に古い順に飲んで行ってもらいます(母乳の常温保存可能時間は、必要のある人は調べてみておくれ。けっこう保つんでびっくりたまげるよ)。 そうすると、搾乳量の少ない皇帝でも、日が暮れるくらいまで母乳オンリーで足りたりする日もでてくる。 足しても、3−4オンス程度。
おう。 なんという事か。 母乳オンリーな日なんて(まだ一日二日だけだけど。 ま、まさかこれが憧れの完全母乳ってやつ? 直母ではないけど。 私の粗乳だけで、この丸々としたウイジが養えるなんて・・・。 っていうか、どんだけ私の栄養が流れ出て行っているのよ。
そう思うと、「ぷぎゅ〜?」などとかわいい声で甘えて来るウイジが、急に小さなヴァンパイアに見えて来る不思議。
「きっしっし。お前の栄養を、残らず吸い取ってくれるわ〜」 「ふっはっはっは。更にその上、飲み過ぎて全部吐いて無駄にしてくれるわ〜」
な、なんという悪魔。
そして、栄養を全て吸い取られた母は、白目から何故か出血したり、口唇ヘルペスがいつまでたっても治らなかったり、口内炎が豊作になったりしている。
・・・。
家にお仕事に来るメキシカン達に「おっらー」と挨拶される度に、心の中で「悟空。わくわくすっぞ」と付け足している今日この頃です。
さて、学校に呼び出されてしまった。 イサムさんの先生に。 どきーん、初呼び出し。 どうしたのかしら。 校内暴力?不純異性交際?どきどき。 しかもメールには(近頃の親はメールで呼び出されるようですよ、奥さん)、「両親揃って来てね」と書いてある。 そ、そんな重大な話が!? 他校の不良グループと問題でも起こしたの!!?
まあそんなわけは無かったのですが。
イサムさんの成長ぶりとか、音楽とダンスが好きだとか、今後は英語の習得が課題だとか、そんな事を話して、情報の共有をして、共にイサムさんを育てて行こうと言うミーティングだった。
世間話をちくっとして。
校内暴力といえば、先生の顔面にパンチ入れたらしい。 あと校長の頬もビンタしたとか。 友達にはしないらしいので、強気をくじくと言うか、いきなりヘッドを潰しにかかるなんて、やるな、イサム。
不純異性交際では、最近ヴァイオレットちゃんとカミラちゃんに好かれていて、三角関係なんだって。 あんた・・。 お母さんとしては、あんた前からカミラちゃんと付き合ってたんだから、不義理な事はしなさんな、という意見だわよ。 女心を弄んで、両天秤に書けるなんざ、痛い目に合うぞ。
お話が終わって、教室にお迎えに行ったら、他所のお母さんの前で踊って拍手をもらっていたイサムさん。 アイドル街道をひた走ってくれ。
ロスの日本領事館に、ウイジの出生届を出しに行ってまいりました。 もう一日仕事。
朝イサムさんを学校に送ってから、急いで搾乳機一式とウイジを車に入れて出発。 ロスに近づくにつれ、ハイウエイは相変わらず大混雑の事故祭り。 それを抜けて、ようやくリトル東京に到着した時には、領事館のお昼休みにばっちり重なり。
仕方が無いので焼き鳥屋さんでお昼食べながら授乳。 お昼は焼き鳥コースを頼んだものの、メニューに単品で牛タンが有ったので、思わず二本追加で注文。 モリモリ食べながら、ウイジをあやしながら、ふとメニューを見ると「砂肝」の文字が。 あ、頼めば良かった。 でももうお腹いっぱい。 でも。 でも。
死ぬまでに、あと何回砂肝が食べれるだろうか。
というわけで、砂肝追加。 そんだけ食べても、けっこう余裕だった。 妊娠中に胃を広げておいた成果かね。
それから紀伊国屋へ行って、イサムさんがぼろぼろにした車の写真集をもう一回クリスマスプレゼントに買うなど。
日系の人が多く来る紀伊国屋。 日本の本は倍近い値段だけど、日本語が出来る貴重な本屋です。 日系のおばあちゃんが、娘の為に日本料理の本を買おうとしていました。 しかし、説明がたどたどしく、店員さんにあーでもにゃーこーでもにゃーと相談。 結局栗原はるみの本を選んだもよう。 長女は料理に興味がなく、次女は割と作る方なので・・・と、詳しく家庭の事情まで言いながらのお買い物。 日本の都会では見なくなった光景で、面白かった。
そして、ならず者達の楽園、日本領事館へ。 ウイジはジャバ夫さんと駐車場で待っていてもらって、書類を抱えてダッシュ。 何故なら駐車料金が高いからな。
今日も多くの日本語片言でありながら、複雑な事情を持った者達が、それぞれのケースを窓口で説明するだけで日が暮れそうな手続きをしている。 結婚したのに届け出を忘れてた日系アメリカ人とか。 パスポート無くしたと思って新しく発行してもらったら、古いのが出て来たとか。 なんかもう色々。 日本語の発音は完璧なのに。 言おうとしている事がうまく伝えられない人々。
頑張れ未来のイサム達。
書類作りは色々難しかったけれど、窓口のお姉さんに見直してもらって、無事終了。 二ヶ月後には日本の文書にも反映されるはず。 やれやれ。
またもロスの混雑を抜けて、サンタバーバラに帰った。
だがしかし、イサムさんのお迎えの時間にわずかに間に合わない感じだったので、義弟に電話して迎えに行って!とお願いすると「おっけ〜」と軽く請け負ってくれた。 が、軽いだけにチャイルドシートを持たずに行ったらしく、学校から受け取りを拒否され。。。 結局10分オーバーで我々が迎えに行ったのでした。 ふう。
先生と叔父さんと一緒に待っていたイサムさん。 ごめんよ。 おもちゃ独り占めで、楽しそうだったけどな。
皇帝
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