皇帝の日記
目次もくもく|ぶらり過去旅|ぶらり未来旅
えー・・いつも通りにイサムさんから風邪をもらいまして・・。 しかもお腹に来たので、トイレの住人になりました。 一日で2キロも減ったよ。 げそ。
子どもらの面倒も見れると思っていたのだけれど、トイレに居る間に学校を休んでいるイサムさんがウイジの入ったストローラーを押して、家の外に出て行こうとしていた。 お手伝いさんに止められて事無きを得たが。 ぞっとしますね。 やっぱり誰か常に見てないと。
というわけで、早々に戦線を離脱して、イサムさんはジャバ夫さんに、ウイジは義母に引き渡されたのでありました。 さようなら、また会う日まで。 いや、夜にはウイジは返されて来たけど。 やっぱり、夜勤は自分でしないといけませんからね。 げそげそ。
いや、しかし人間ってあんまりいつまでも横になっていられませんね。 吐き気も有ったので、ずっと横になってウトウトしていたのだが。 トイレ以外に、搾乳のために起きなきゃいかんので、時々起き上がって搾乳して、母乳を義母に届けるの繰り返しだけ。 そしたら、夕方には関節が痛くなってしまった。 いてて。
今身長測ったら、ちょっと伸びてるかも知れない。 ふう。 皆様、日本は冬に突入したようですが、風邪にはお気をつけなすって。
あ、今日もイサムさんに「明日は学校行けそう?」って聞いたら、「のーのっのっのー」と軽快なリズムで否定された。 でも鼻水止まってるから。 明日は学校に行ってくれ。
イサムさんがまた風邪ひいた。
前回の風邪群は、一応家族全員が感染した後に、誰もこじらせる事無く一週間で完治したのです。 毎回気管支炎の皇帝には、快挙。 ウイジにうつしたら困るという一念で治したようなもん。
しかし、またしてもイサムさん鼻水が滝のように出ている。 うーん。 痩せっぽちさんで、あんまり食べないから、弱ってるんじゃないかなあ。 鼻水をグイグイ袖で拭くから、鼻の下真っ赤になっちゃうし。 また一週間風邪と格闘か。 ふう。
ぼやーっと晩ご飯を食べながら「明日風邪治ったら学校行く?」と聞いたら「No way!」って答えて来た。
イサムさんが2単語でしゃべった事に動揺。 更に会話が成り立っている事に動揺。
つかイサムさんももう2歳8ヶ月くらいだし。 しゃべったって全然普通なんだけど。 いや、むしろ同い年の子はもっと色々しゃべってるんだけどさ。
あんまりこだわりのない子育ての中で、ひとつ決めているのが「他所の子と比べない事」なんですが。 うちの子がイサムさんである以上、他の子がどういう風に成長していても、イサムさんには関係のない事ですから。 だからしゃべらなくても全然気にしてなかったというか、むしろしゃべらない子なんだな、とすら思い始めていたところなので、不覚にもびっくりしてしまった。
おおー・・。
イサムさん、ついにしゃべるのか・・。
なんか、ひとつの時代が終わったかのような感慨に耽ってしまう。
しかしNo wayって。 思いっきり否定されたので、明日は大事を取って学校は休みます。 鼻水たらしてると、他の子にうつっちゃうもんね。 ふう。
ほうれん草のおひたしを食べたい。 と猛烈に思ったので、コックさんにレシピをあげたらば、ちゃんと作れたのです。 これからはこれを作ってもらって、冷蔵庫に入れておけば、朝食に一皿ずつおひたしが食べれるじゃありませんか。 米と味噌汁は自分でなんとかするので、完璧だ。
と思って「ちょっと多めに作っておくんなまし」と言っておいたら、お皿一杯に作ってくれた。
のだが。
「私、この料理に合うオリジナルのソース考えたアルよ」
と・・・。
何故・・・。
お出汁入ってるし・・・。
ピーナッツベースの、おそらくガーリックなどが入ったソースが、外付けではなく中に練り込まれていた。 おう。
それだけでは濃いのか、最後にレモンを搾ってあり、これまた料理としては上手に着地しておりました。
でも、もうおひたしじゃないよね。 つか、和食で無くなっている。
あう・・。
味が薄かったら、勝手に醤油かけて食べるんで。 気を使わないで下さい・・・。
まだ彼氏だったジャバ夫さんと、中国で一緒にガンダムを観ていた時の事。 シャアがガルマを罠にはめたシーンで、ジャバ夫さんが本気で「オーマイガ!なんで!?なんで!?友達でしょ?」とうろたえていたのを見て、「この人、本当に善良な人間なんだな・・・」と思った。 ・・・ということを、突然思い出したのでした。
しかも、「なんで!?」と叫んだ直後、絶妙なタイミングでシャアが「坊やだからさ」って言った。 その後に「友達でしょ?」と続いたのでした。 なんかそれがとても面白かった。
オーマイガ! 11年も前の事だ。
何故皆同じタイミングで離婚するのでしょうね。 義母が「そろそろサンクスギビングだからじゃない?」と言っていた。 年末のホリデーシーズンは、ハロウィーン、サンクスギビング、クリスマス、ニューイヤーとイベントが目白押し。 奥様はストレスが溜まり、爆発しやすいんだとか。 ふむ。 能天気でパーティー好きなアメリカ人にも、このお祭り騒ぎはやはりストレスであったのか。
ツイッターを見ていても、日本でもこの季節になると奥様方が体調を崩している。 年末年始の支度や帰省の準備などでストレスが溜まって抵抗力が落ち、風邪をひきやすくなっているのではないだろうか。
皇帝は年がら年中風邪をひきやすいので、何の参考にもなりませんが。
義実家に同居している嫁さんのストレスやいかに、と思われるところだが、これらの西洋行事に関して言えば、私実にストレスフリー。 私の伝統ではございませんから、おほほほ。 というお客様姿勢を貫いて生き抜いております。 おほほほ。
義母が毎年老体にむち打ち、でっかいターキーを焼いたりクリスマスツリーの手配をしたり、忙しそうであったが、去年からは義妹が代わってやっているのであります。 ホリデーシーズンはお手伝いさん達にとってもホリデーなので、私は食器の片付けとかキッチンの後始末とか洗濯を頑張りますが。 普通の家事に毛の生えたようなもんなので、免疫力を削るような特別感はない。
かと言って、別にお節を作ったり大掃除したりするわけでもないので、その気軽さたるや、嫁に行った先で正月に羽子板で遊んでた森鴎外の娘並み。 これからも、七面鳥の焼き方だけは絶対に覚えない方向で頑張ろうと思う。
だってあれ、実は見た目だけで、それほど美味しく無い・・・ごほごほ。
ナナが太り過ぎて、首輪が毎日はじけとんでいる。 いや、猫の首が絞まらないように、ある程度の圧力がかかるとパチンと取れる仕組みの首輪なのだ(木の枝とかに首輪が引っかかったりした時の為。 それにしても、そんなに取れてちゃ首輪の意味がないので、早々外れない筈なのに。 同じ首輪をしているモモは外れないのに。 ナナよ。 モモの餌まで食べる前に、良く己が身を見たまえ。 お前はデブだ。 もうちょっと動きたまえ。
さて、ウイジが丸々して来た。 イサムさんは赤ちゃんの頃から太った事がないので新鮮。 お手伝いさん達がウイジを見ながら口々に何か言ってニコニコ笑っていたが、「セニョリータ」と「グランデ」だけは聞き取れた。 うむ、南米基準でもでかいと言っているのだな。
では、教科書には無い英会話の巻〜。
赤ちゃんがビッグ(大きい)と言うのは、お母さんにとって褒め言葉になりますので、普通ぐらいの大きさの赤ちゃんに対してでも「大きいねえ〜」と連発しましょう。 未熟児だったりあからさまに小さい子にはさすがにビッグとは言えないので、アドーラボー(かわいい)とか言いましょう。 あからさまにかわいくない子の時は、指が綺麗とかほっぺがピンクとか、とにかくなんでも良いから褒めて。
アメリカ人は耳の形に奇妙なこだわりがあるので、「キュート(かわいい)なお耳ね」とかも褒め言葉。 大きい耳、高い鼻、薄い唇は嫌がられるらしいので、その辺は避ける。 人によるけど、赤毛も親が言い出すまでは話題にしないのが無難。
そして、赤ちゃんにはファット(デブ)は使わない事。 ラウンド(丸い)かチャビー(ぽっちゃり)で褒め言葉に。
ちなみに大人にビッグ(大きい)を使うと、何故か遠回しに「デブ」と言ってる事になるようなので、デブに身体の話はしない方が良いでしょう。 背の高い人はビッグではなくトールで。
アメリカには産褥期という考え方が無いようです。 普通分娩だと次の日に退院してしまうだけの事はあって、きっと産後の肥立ちの悪い人とかあんまり居ないんでしょうね。 皇帝はきっと虚弱な嫁さんだと思われている事でしょう。
さて、そんなわけで金曜日ウイジを連れてロスまで2時間かけて行き、結婚式に出席し、3時間かけて帰って来るという無茶をしてみた。 前日に緊張し過ぎてブルブルしていたけれど、準備を入念にしたせいか、大したトラブルも無く無事に帰って来れたのでありました。
宗教色を取り除き、シンプルにして素敵なお式でした。 花嫁さんがペーパークラフトを趣味にしていて、会場には手作りのデコレーションが散りばめられたり、細かな工夫が一杯。 二人とも伝統を忌み嫌っており、アメリカの結婚式の「〜すべき」がことごとく無かったのが興味深かった。 ケーキはカップケーキで、ファーストダンスも無し。 その分二人で色々考えてプログラムを組んでて、音楽も友達のバンドを呼んでたり。 新郎新婦仲が良いのが伝わって来る。
ウイジは最初だけちょっと起きてて、後は二時間毎の授乳以外ぐっすり。 移動の車の中でもずっと寝ててくれて助かった。 皇帝は搾乳しないと死ぬので、控え室で一人せっせと授乳準備に勤しんでいたけれど。 まあ良いのです。 パーティーはもちろん皆英語で話しているし、ずっと居ると疲れちゃうからね。 時々さっと抜け出せて、丁度いい塩梅でした。
そして日曜日。 なんと産前にオペラのチケットを買っていたのだ。 何故このタイミングでオペラに行けると思っていたのか、ちょっと過去の自分。 まあ仕方が無い。 どうしようか悩んだけど、搾乳が一回分飛んじゃうのを覚悟で、ウイジとイサムさんをジャバ夫さんに見てもらい、義母とオペラに。
演目はプッチーニの「ラ・ボエーヌ」。 前にLAで一回観てるけど、その時は演出が現代風で面白くなかったから、是非クラシック版で楽しみたい。 というわけで、バリバリのベーシックな演出。 だけど良かった。 前衛とか要らないんだ、僕は。
あとね、LAで観たときは、ヒロインのミミが健康的過ぎて死にそうに無いのが興ざめだったな。 ある意味太り過ぎで死ぬんじゃないかとは思ったけど。 ラスト、ミミが詩人の恋人の部屋に続く階段を登り切れずに倒れてしまうシーンとか、心臓発作?って感じだったものね。 オペラ歌手の外見は作品に関係ない、とは言いつつも、やっぱりある程度視覚的な雰囲気作りは大事なのだ。
今回はセットも良く出来ていたし、席も良いところが取れていたし、大満足。 舞台の上方に字幕が英語で出るのだが、ちゃんと落ち着いて読めて、牛歩ながら英語読解もちょっとずつレベルアップしてるのがわかったし。 良い気分転換にもなった。
ただ、4時間外出してたのでやっぱり最後は搾乳の為にダッシュで帰った。 痛かった。 ばた。
ところで「枕の下に置いてある私の帽子、思い出に取っておいて」って言うところ。 帽子って枕の下に置いておいて良いもんでしょうかね?
イサムさんの洟垂れは治らず。 ウイジもちょっと鼻がつまってブヒブヒ言って来たような・・・。 私は葛根湯とビタミン剤とのどぬーるスプレーで乗り切ろうと奮闘中ながら、お腹も壊したのでちょっとくじけそうな今日この頃。 健康が一番ですね、ほんと。
さて、産後の一ヶ月検診で産婦人科に行って来たのだが、もう回復してるから何しても良いよ、とお墨付きをもらった。 今回の手術も最終的に医療用の糊で傷口を塞いでいるので、外にまだ貼り付いてる糊もゴリゴリして剥がして良いよ、と言われた。
それって怖いよねー、と前回も中々糊を取れなかったのだ。 だって、まだ傷口の周りの皮膚を触ると、ちょっとじーんと痛いじゃんか。 それをゴリゴリこするのがね、ちと嫌。 オイルとか塗ってからこすると取れやすいらしいんだけれども。 まあ別に誰が見るわけでもないので、気長に少しずつ剥がしますよ。
お腹のサイズもほぼ元に戻り、余すところは皮のみ。 弛んだ皮は、これまた地道に運動してちょっとずつなおすしか無いのだ。 こらからまた運動します。 とりあえず月曜日からかな。
でも月曜と火曜は、結局課題が終わらなかったので学校に補講しに行って来なきゃならん。 じゃあ水曜からかな・・・と、どんどん先延ばしに。 今からやれば良いのにね。 はは。
さて、腹の伸び切っていた皮が少しずつ集まって来るうち、なんか腹の色が黒くなった気がするのだ。 腹黒い。 なじょして?とお風呂から出た後にタオルでちょっと強めにこすったら、垢が!
そりゃあ妊娠中も石鹸を泡立てたブラシ(柄の長いヤツ)でシャカシャカ洗ってはいたが。 お腹を強くこすったらいかんと思っていたので、ゴシゴシではなくてシャカシャカ。 張り切った皮に付いていた垢が、皮膚の収縮と共に濃縮されて、かなりな密度に。 こりゃいかん。 あんまりこするとまた傷が伸びてジーンとするので、ちょっとずつ端からこすっている。
日本だったらお湯につかってふやかしてから、韓国垢擦りで取るんだけど。 残念ながら今回の家、湯船が無いのだ。
何事もコツコツやるしか無いようです。
ナナがウイジの上に乗っかってたんだが、ウイジがもぞっと動いたらビクッてなって飛び退いた。 ナナ、あんたそれ座布団かなんかだと思ってたんかい?
さて、細かい事を色々やらかしてくれるコックさんだが。 ある日皇帝を呼び止めて曰く「私、和食を極めた」 なんとこの御仁。 うなぎ屋が串うつだけで3年も修行するっつーのに、数える程しか作った事無い和食極めたとのたまうか。 さらに「もう基本はわかったから、これからは私オリジナルの和食をつくるネ」
え
やめて
オリジナルて
「大丈夫『料理の鉄人』(アイロン・シェフ・アメリカ)て番組見て研究したアル」
いや・・・。 あれは奇をてらった創作料理の番組だから。 普通にシジミの味噌汁とか飲みたいんよ、わしは。
何故か、誰かがうさんくさい事言い出すと、脳内でエセ中国人みたいにしゃべってるように翻訳されるのであった。
そして彼女が最近作った和食(?)と言えば
細かく切られた蕎麦をポン酢にビタビタに浸けて、茹でたズッキーニと刻んだ生姜とニンニクを混ぜ込んだ、箸でもフォークでも食べにくい付け合わせとか。 花の付いている赤ちゃんズッキーニの、花の中に蟹のほぐし身を詰めた天ぷら(これもポン酢でシオシオ)とか。 生の白菜を刻んだサラダの上にトンカツwithリンゴとか。 胡椒をふったスイカのステーキ醤油味(なんらかの肉汁で香付け)とか。
さすがに、最終的に味はまとめて来ていますが、我が輩の脳内で「こういう味の筈」という食品の常識をことごとく裏切ってくれるので、美味しいのか美味しくないのかわからないという。 普通の料理を極めてはくれまいか。
そんな彼女に、「乳腺炎気味だから、脂肪分の少ない食事にして欲しい」と言ったら、その昼は拳大くらいの肉団子のチーズ巻きと、ドレッシングたっぷりのサラダだった。 そして夜は鶏肉にクリームソースかけたのと、揚げカリフラワー。 油・・・。
ロス時代に知り合った夫婦が、3組も離婚する事になった。 どうしたの皆。 どこも7年以上結婚していたのに。 仲良さそうだったのに。
そんな離婚旋風吹き荒れる中、今週末結婚式に呼ばれているのだが。 花嫁花婿はそのうち2組と共通の知り合い。
花嫁さんに「2時間毎に搾乳せな、乳腺が詰まって死ぬんだけど。会場に搾乳したり哺乳したりできるような部屋ある?」と電話で確認したりしてたら、「なあなあ皇帝はん。そんなことより結婚てなんやろなあ・・・うちもう結婚が信じられんわ・・・」とか言われてしまい。 はて、結婚とはなんでしょう。 僕が結婚する時、親戚の英語の教授がこんな言葉を贈ってくれました。
結婚とは忍耐(ペイシェント)です。
・・・だってさ。 忍耐が全てでは無いけれど、忍耐が果たす役割は大きいと思う今日この頃。 どちらか一方ではなく、双方が努力する事が結婚ではないでしょうか。 その人と一緒に居たければね。 どうなんでしょうか。
結局搾乳は出来るのか出来ないのかわからないまま電話が終わってしまった。
お式の直前に友達が2組も離婚とは、マリッジブルーにならざるを得ないよね。 花嫁さんには可哀想に。 しかも納得の離婚ではないようで、1組は式を欠席、1組は片っぽ欠席だとか。
こんな時に「風邪ひいたから出んわ」とは言えんなあ。 頑張って治さないと。
ところで体型が戻ってないので、結婚式に着ていくようなドレスが、ことごとく入らないという・・・。 仕方が無いので普通のワンピースでウエストがゴムのを引っ張り出して来た。 ウイジが吐いたりして汚すだろうから、母子ともに2、3着くらい予備を持つ予定。 イサムさんは洟垂れだし、お留守番です。
そういえば、イサムさんが2ヶ月の頃にもルームメイトの結婚式に出たけど。 教会でオムツ替えを拒否られて、大変な思いをしたような・・・。
結局搾乳はどうするべかな。 まあ行けばなんとかなるかね?
皇帝
|