凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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集合住宅内のTさん宅の異動が決まった。
同じ転勤族のHさん宅は今年も異動なし。 また一年間よろしく、と挨拶しあったけど。
Tさん宅の子供は二人とも男の子だし、歳も兄がアイの一つ下で弟がアユムの一つ上で見事にすれ違いというか、子供的には共通項が無かったけれど、親的には楽しい人だったのでかなり残念。
ちょっと天然が入った感じのTさんは、でもとても前向きで楽観的で楽しい人だった。 同じ天然系でも私はかなりネガティブな方なので、Tさんのリアクションはとても新鮮で、一緒にいてとても気持ちが救われる感じがあり、なのに微妙に私と感性がかぶる所もあって、密かに親近感を抱いていた。
引越しは来月頭。 集合住宅内のママ仲間で集まって送別会の相談をするも、日がないのと、それぞれの予定調整が中々難しい。 せめて子供が春休みに入る前に分かっていれば、学校や幼稚園に行っている間にランチでもできたのにねぇと皆で残念がる。
とりあえず、お店を予約してとかは、子供入れて総勢20名なので大変だし。 近所の公園でお弁当を持ち寄って花見にしようか、と話す。 花は咲いてないかもしれないけど仕方ないね。 子供達は勝手に遊んでいればいいし、大人は座って話していればいいし。 そこで集合写真とろうよ。 それを色紙に貼って寄せ書きしよう。 スナップ写真も沢山とって。 デジカメで撮ればすぐプリントできるし。 皆で飲みに行こうって話も実行できずじまいだったね。 子供をみてもらえないと動けないしね。
あれこれ相談しつつ、合間に「さびしくなるねぇ」と誰かがつぶやく。 じゃぁ日にちはTさんに聞いてから。それにしてもさみしくなるねぇ。 お弁当は注文してもいいかもね。あぁでもいなくなるのってやっぱり寂しいねぇ。
東京出身のTさん夫婦。 今度の異動先は北陸だそうだ。 「あの家族の事だから、きっとスキーがんがんすべりまくるだろうね」 「いや、スノボよきっと」 「また運動神経ばつぐんのS君は物凄く上達するだろうね」
ポジティブでアクティブなTさん一家だから、誰もが嬉々として雪国生活を楽しむ彼らの姿を思い浮かべ笑う。 そして誰かが「あぁでもさみしくなるねぇ」と続ける。
春だものね。仕方ない。 お花見、晴れるといいな。桜が咲くといいな。
来月から姪っ子が同じ市内に越して来る。
私にセー●ームーンやアンパン●ンの歌を一生懸命教えてくれた姪っ子が。 きんぎょ注●報のお茶碗を姉妹で奪い合って泣いていた姪っ子が。
新米叔母さんだった私は何が子供にとって良いのかもわからず、それでも自分が叔母である事がなんだか嬉しく、誇らしく?自分なりに可愛がっていたつもりだけれど、自分が親になってみてやっと「それよりあの時はあぁしてあげれば良かったんだなぁ」とか「こういう時ってこうしてあげればよかったのか」と気づくことが多く、残念というか、義姉の育児の手助けがまったく出来ていなかった当時の自分にちょっと情けない思いもする。
姪っ子は生後間もない頃熱性痙攣を起こし、それ以来ずっと脳神経外科に通院する生活になった。 お菓子の味も知らない乳飲み子が、授乳の後に粉薬を何種類も飲む様は、見ていても大変そうで可哀相で、当時の義姉の思いはいかんばかりだったか計り知れない。
小学生になって薬を飲まなくて良くなった時は、心からおめでとう、と喜んだものだ。 でも、それもつかの間で、再び発作が起こり、薬を手放せない生活に戻り、高校生になって一度止めたら、やはり発作が起きたとかで、本人がもう薬無しでは不安なようになってしまっていて、結局飲み続けている状態らしい。
そんな人一倍手をかけた我が子を手放すのは義姉もかなり心配で辛い選択だったようだけれど、本人が一度家を出てみたい、と言うらしく、その希望を優先させたそうだ。 で、それならば、と私が住む地域に決めたというわけで。
幸い、というか、我が家の家系として当然、というか、私のかかりつけの脳外科医院があるわけだし、義姉にはそこを紹介してみようと思っている。
先日は住む場所を決めてきた。 うちから自転車で行ける距離のワンルームタイプの寮。 何かあったらすぐ私がかけつけられる。 引越しは今月末。 義姉は来月頭の入学式までちょっとだけこちらに滞在して色々姪っ子の新生活を一緒に整えていく予定らしい。
引越しの時はあちこち近所を案内してまわろう。 一緒に雑貨やめぐりをしよう。 義姉と姪っ子が楽しい時間を過ごせるよう。 新しい生活が楽しみでたまらなくなるよう。 バイト先は近くのショッピングモール内とかはどうかな。 ビデオ屋はここが近いけど、夜に自転車じゃちょっと物騒かな。 ここの100円ショップで身の回りのものは揃えていいかな。 雑貨はこっちのお店が可愛いかな。 入学式が済んだらあそこのお店でランチはどうかな。 あそこの写真屋さんで入学祝の記念写真を撮るとか。 アユムの入園祝いの写真もついでに撮っても楽しいかも。
あれやこれや、一人で思いを馳せ楽しんでいる。 義姉は「今は忙しくて実感が湧かないんだけれど、荷造りし始めると一人泣いちゃうのかもしれないねぇ」とちょっと寂しそうに話す。
来月から私は年頃の娘の母代理だ。 義姉の分も、しっかり姪っ子をみてあげなきゃ。 姪に楽しい学生生活を送れるよう尽力し、義姉を安心させてあげなきゃ。 頑張ろう。
暁
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