凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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年度末恒例、アイの英語教室の保護者面談。 教室での様子と、来年度の継続か否かの確認。
日本人講師は「アイちゃんはよく出来ますよ」と絶賛してくれる。 でも誉めて育てるって感じの教室なのでいつものように話は半分で聞く。 英語教室ってどこもそういう感じなのかな?
「今度三年生ですよね?ジョン(外国人講師)はアイちゃんは六年生と一緒のクラスでも大丈夫じゃないかと言うんですけど」 え。それは無理だろう。だって単語まるっきり知らないし。 「だけど、問題は、そうすると六年生になるまで同じ事をまたやる事になるんですよ」 そうか。小学生英語だから、それ以上には進まないわけか。 でも六年生コースまでのが早めに済むのなら、さっさと済ませて良いんじゃ?
あれこれ思うけれど、アイにとってどうした方が一番良いのかが分からない。
アイと同じ幼稚園時代からの教室仲間Yさん宅は五年生と二年生を通わせているわけだけれど、この五年生が先日英検三級に合格したそうだ。 三級は中学三年程度のレベル。 この英語教室では、レベル的にもう卒業らしく、このままこの教室に通っても、同じ事を繰り返し教えるだけなので、個人的にレッスンを受けられるところを探されるか、同じ系列教室で、もう少し上のレベルの他の教室を探されるかしては、と言われたそうな。
しかしそうなると、料金が高くなる。 ここの教室で面倒を見れないから他の教室を勧める、というのなら、その教室をここと同じ料金で受けられるようにしてくれていいんじゃないのか? Yさんは本部にそうかけあったらしい。 「検討してみます」と言われたそうだけれど、その後どうなったかはまだ聞いていない。
でも、小学生で中学の分を習い終わってしまったら、中学での英語の授業の時はどうするんだろう。 自分だけ先に習った事ばかりで、学校や周囲を下に見て周りをなめきった勘違い人間になってしまうんじゃないんだろうか。
「単語とか覚えるために、とりあえず来年度はこのまま繰り上がって三年生のコースで様子を見てみましょう」と講師は言う。 来年度、三年生のコースでは、年度末に英検五級受験が出来る程度まで持っていくそうだ。 順調に行けば三年生で五級。四年生で四級。五年生で三級。 Yさん宅の五年生は、順調に行った人というわけか。
Yさんは「英語って途中で止めると総てがパーになるから続けないと意味が無い」と力説する。 「間を空けちゃうとダメなの。だから、続けさせたいのに、教室がもう教えられないからそこで切るっておかしいじゃない?生徒を育てようって意識を持ってないってのは。能力を伸ばしてやろうとしないってのはおかしいよね?」
うーん、確かに、コレが塾とかなら、自分の所から成績の良い生徒が出るのは名誉なんだろうけど。 小学生英語の教室だと、どうなるんだろう? でも教室的に、次のレベルの受け皿を用意していないってのは、不用意だよなぁ。
ってか、私はアイにどうなって欲しいんだろう? お勉強英語は別に求めていないんだけど。 まぁ、アイの場合、単語とかほとんど読めないし、当然書けない。 まだ耳を育てる年齢なので、ソレでいいと思っているので別に良い。 お勉強英語は、まだ必要ないかな、と思っている。
アイが通うのを嫌だと言い出したらさっさと辞めさせて、替わりにアユムを通わせようかと思っていたけど。 Yさん風に考えると、それじゃ今まで通ってきたアイの経験がすべて台無しになるわけか。
親がどうすればいいか悩みながら通わせていていいのかなぁ。 子供の英語教室っていつが見極め時なんだろう。 ってか、どのあたりからお勉強英語への移行時なんだろう。
私もYさんみたいに、しっかり信念を持って子育てしないといけないなぁ。 そのためには、自分が色々リサーチして勉強しなきゃいけないんだろうなぁ。 うーん…
Kちゃんと久しぶりにランチ。 お店は自然食材のビュッフェスタイル。 あれこれ料理をつつきながら近況を報告しあう。 とはいえ、特に報告するほどの近況がない私。 アイのインフルエンザくらいか。 我ながらつまらない毎日だ事。
Kちゃんはお友達の子供のお祝いに行って来たという。 微妙な言い回し。 「友達が、養子縁組したんです。それで、お祝いに。」
Kちゃんと同じ歳のお友達。 希望していた子と縁が繋がり、このたび乳児園(?)から引き取る事になったそうだ。 「そういう選択肢もあると思ってはいたけど、まさか自分の友達がそういう事になるとは思わなかったので驚きというか」 料理を口元に運びながら話すKちゃん。 可愛い女の子だった。丁度つかまりだちする頃で。お祝いの服を選ぶのも楽しくって楽しくって。 楽しそうに話すKちゃんの様子に、思い切って「聞いても良い?」とふってみる。 「つまり、Kちゃんも、それもありかなって気になったって事?」
「いや、それはないと思う」と皿の料理をつつきながらKちゃんは答える。 「そういう、血のつながりの無い関係は、旦那はまったく考えていないし、絶対嫌がるから」 それは、そういう話は二人の間で既に出たという事か。 「じゃあこのまま二人で過ごす人生をって事?」 「旦那は、出来れば子供は欲しいみたいなんだけど」 ゴーヤチップスをパリパリと食べながらもKちゃんの視線は皿の上の料理を見つめたまま。
男って、いつか出来るだろうみたいな、呑気な考えしか持ってないだろうと思う。 結局他人事っていうか。授かり物だから、なんて綺麗事で済ます甘い考え。 「出来ちゃった」なんて簡単に言えるのは感情と性欲だけで突っ走れる若い 体のうちだけ。 年齢を重ねたら、感情より理性だの常識だのが勝つのが当然。 結局、授かる為には体も心もそれなりの努力はしなきゃいけなくなるわけで。
Kちゃん夫婦の場合はまず夫婦で病院へ行く事なんだろうけど。 どっちにせよ苦痛を味わうのは女性の方なのに、行きたがらないのは男の方なんだよね。こういうのって。
なんて、あれこれ思うけれど、いつものごとく、そこまで突っ込んで言えない。
「男って呑気だからさ、欲しいのなら、Kちゃんが積極的に動いていくしかないと思うよ。ちゃんと二人で向き合ってしっかり話しあってみなきゃ。今後の人生の事をさ。」 それだけ言って皿のかぼちゃを口に入れる。
お腹一杯でお店を出たあと、ウィンドウショッピング。 冬物セールの残りなど冷やかし、物凄く気に入った帽子を見つけたけど、己の年齢と照らし合わせると買うのにはかなり躊躇。 好きと似合うがイコールじゃなくなるのって幾つからなんだろうね、などあれこれ。 コサージュが可愛い帽子だったけれど、私達の年齢じゃ、このコサージュはもうイタイんだと思う、など
とりとめのない事を言い合い笑いあいながら、なんだか、色々考えてしまった。
ただ、Kちゃん夫婦の幸せを願うだけなんだけど。 幸せって、人それぞれなわけだから。 Kちゃん夫婦にとっての幸せを。 そして、それがKちゃん夫婦の周りの人々の幸せに繋がる事を。
それには、どうしていったらいいんだろうなぁ… いや、私が考える事じゃないわけだし。それは余計な事だ。
結局、こうして時々話を聞く事しかできないわけだよな。 他人の私に出来る事は。
ぐるぐるぐるぐる。
暁
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