凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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ママ達とランチのついでに入園式用のスーツを下見。 「私、スーツをもう買ったの」とNちゃん。 こんなスーツで、こんな襟だから、中に着るブラウスはどんなのがいいとか、コサージュはこんなのがいいとか、あーだこーだと皆で盛り上がる。
「これはやっぱりカジュアルすぎるかなぁ?」と鮮やかな色彩のプリントのフレアースカートをあてるKちゃん。 「コサージュじゃなくて、チェーンとかのぶらさがり系のブローチもいいよね」 「バックもこれよりこっちかなぁ?」 皆さん活き活きキラキラ。 女性っておしゃれが生きがいというか、やっぱりパワーになるんだなぁとぼんやり思いながらあわせるが、正直、ついていけていない自分を感じている。 だってフリルのブラウスだの、華やかな色彩のコサージュだの、私は昔から自分が身につけるのは苦手なのだもの。 入園式も適当にアイの入学式の時のグレイのスーツに黒のコサージュでいいか、なんて思ってたし。 おしゃれに本当に無関心になってしまっているんだなぁ私って。 でもインに白のブラウスは欲しいなって思ってはいるのよ。 でもこのアルフィーの高見沢さんみたいなフリルは駄目。
「これにこれはどう?」とMちゃんがKちゃんにアドバイスを求める。 「この襟ならこっちのブラウスよね。色はこっちが明るくていいかな」 Kちゃんが的確に答える。 彼女はブライダル関係の仕事をしている。 華やかな席でのコーディネートは手馴れたものだ。 KちゃんもNちゃんも、年齢も職歴もまったく接点の無い、子供つながりでないと絶対知り合い一緒に行動する事もなかったであろうタイプの人達。 一緒にいると小さくても新鮮な発見の連続で楽しい。
私は、というと、結局「女の子を持つ幼稚園ママの先輩」として経験談を話し、参考にしてもらったり、アイつながりでの幼稚園の情報だのなんだのを彼女達に流すのが役目といった感じだろうか。 自分の中に相手に提供する知恵だの経験だのが子供関係のものしかないのが情けない所。
こういう人達と知り合いになれたという事は、自分も自分磨きをする時期に入ってきたんだって事を思い知る機会をもらったんだろう、となんとなく思う。
私の中には、私が築いてきた私自身の知恵と経験がない。 からっぽすぎる。 からっぽでないと、子育てできなかったのもあるけれど。 からっぽにしないと、あれもしたいのに、これもしたいのに、やれない、できない、と、苛立つばかりだったから。
今年から、少しずつ、からっぽの自分に、何かを入れていかなきゃと思う。 多分、そういう時期なんだ。 何かを積み重ねていかなきゃ。 この人達のように、自信を持って語れる何かを自分の中に。
頑張ろう。
とりあえず、入園式、スーツを新調しようかな…ってちょっと違うか。
当て逃げされてしまった。 厳密に言うと、「当て逃げを許してしまった」か。
細かく記憶を振り返るとますます怒りがこみ上げてくるので割愛。 わき道から出てきた車が私の後部バンパーに傷をつけたのだ。
まぁいい。人間で考えると道を歩いていてちょっと肩が触れた程度の感じだ。 バンパーもかすり傷で多分コンパウンドで磨けば分からなくなるんじゃないかな、といった感じだし。
ただ、問題は、わき道から出てきてぶつけてきたにもかかわらず、相手は運転席から降りもしないし、あやまりもしなかった事だ。 傷を確かめるべく車から降りた私も、なんでだか思わず「だいじょうぶですかぁ?」なんて声をかけてしまって。 違うだろ。ここは「どこ見てんですか?」と怒るべきだろうが。ぶつけられたんだし。 相手は黒のサングラスをかけた緩やかなウェーブヘアの有閑マダム風の女性。 車もホロ付きのオープンカーらしくしゃれた外車。 しかしこちらが傷を確認してる間も相手は運転席に鎮座したまま、信号が変わるのを待つだけって感じ。
アイの習い事の時間がせまっていたのと、昼寝中のアユムを一人置いて来たため、こちらも急いで帰りたかったってのもある。 傷もたいした事ないし、修理に出すほどでもないし、もういいか、と思ったのも事実。 何より、近所の交差点だったので、これ以上ここでこうしていると、近所の噂にもなるし、信号も変わっちゃうし、
信号が変わったので車に戻って発進させた。 そう思いながらも、前方のコンビニの駐車場にでも停めて話をしなきゃいけないかな、とも思っていた。 でも相手は私と反対方向に走り去っていった。
結局、一言も相手の声も聞かなかった。
バカだ。私って。 あそこは怒らなきゃいけなかったのに。 傷はたいした事なくても、謝罪の言葉くらい言うべきだろう。 どう考えても100-0で相手が悪いんだから。 車の傷って外からじゃ分からないんだから、たいしたこと無いと思っていても、調べてもらったら中が大変な事になってたりするのに。
あの場合は、近くのコンビニの駐車場にでもお互い移動して、とりあえず連絡先くらいは聞いておくべきだった。 こちらは強気にでなきゃいけなかったんだ。
なのに、強気に出れない私。 昨年もぶつけられたけど、こちらが被害者であるにもかかわらず、とても気分は憂鬱だったのだ。 無かった事にしたい、と思ってしまった弱気な自分。 逃げたのは私だ。 情けない。
もっと怒れる人間にならなきゃ。 もっと、強い人間に。 落ち込み。
暁
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