凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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子供会の歓迎会があった。 貰ったプリントには保護者の方も自由においでください、と記してあったので、どんな感じか、ちょっと観てみようかと思って。 それと、今年はこの集合住宅の奥さんが「副会長になってしまった」と苦笑いしてたので、あまりにしらんぷりもできないかなぁと。 だって奥さんとこの下の子まだ年中で大変なのに。 下の子連れて行事には行くって言ってたので、ちょっと子守くらいしてあげれたらいいかなぁと思って。
アイに「おかあさんとアユムも子供会観に行って良い?」と聞くと「後で遅れてきていいよ」と言う。 子供同士誘い合って一緒に行くから大人は後でおいでーという事か。 成長したもんだなぁ。
会場の集会所では子供達が大騒ぎ。 学校の教室も結構騒々しいけどあれでも子供は静かにしてるもんだったんだなぁと子供に対する自分の認識の甘さを痛感。 騒ぎまくる子供達の姿にアユムもつられてハイテンションで飛び回る。 あぁいいよ、一緒に騒いで体力使い果たしてくれ。
奥さんに「ちょっと見学に来たー」と声をかけ、Mちゃんには「アユムと一緒に後ろで遊んでいようかー」と声をかけ、部屋の後方へ。 下の子を連れた保護者が数名座っている。 うちも含めて親子初めての子供会、という家庭の人ばかりのよう。
騒ぎまくる小学生達。うろちょろしまくる幼児達。 「この子とこの子と一緒にあそぼう。」とアユムを指名してくれる五歳児達。 「有難うーでもこの子二歳だから良く分からないと思うけどいい?」と聞くと「えぇ〜?!にさいー?!」と驚く。 一つ下位に思ってたのかな。 アユムはでかいから良くこういう誤解を招くんだよな。 おまけにまだおむつだし、言葉は二歳児なのでなんか精神的発育が追いついていない子みたいに見られてる節が時々見受けられる感じだし。まぁいいけど。
Mちゃんの相手とアユムの相手。 「眠いー」とぐずりだすMちゃんを抱き、一緒に不機嫌になるアユムをなだめ、なんか気分は一杯一杯。 他の保護者と話す余裕もない。 やっぱり子供会の役員って大変そうだなぁ… でも再来年かへたすると来年回ってきそうだしなぁ… これなら学校の役員の方が楽なんじゃないのかな。 色んな役員をするのが好きな奥さんがいたから今度会ったら聞いてみよう。 来年はアユムが入園したら幼稚園の役員決めとかもあるわけだし。 でも来年はアイの小学校の役員をしようかなぁと思っているし。 なんでも小学校は五六年の時の役員が一番大変らしい。 だから三四年のうちにやっておくのが得策とか。先輩ママさん談。 だから、来年はアイの小学校の役員をやって、再来年は多分子供会だろうからそれやって、その次にアユムの幼稚園の役員…って感じになるかもなぁ。 ちなみに今年はここの集合住宅の役員なんですうち。 まぁ、これはほとんど世帯主がやるので必然的にどこもご主人が顔出しするので私は楽といえば楽だけど。 管理人さんとのあれこれとかやっぱりいつもより用事は増えてるけど当然だしねぇ。
社会で生きるって面倒くさ。
アユムを連れ、てくてくと近くのスーパーへ買い物。 ぽかぽかすっかり春の陽気。 時折ヘリの音に「あ、ひこーき、どこかなー?」とアユムが青空を見上げる。 「どこだろうねーひこーきじゃなくてへりこぷたーだけどねー」などといつものようにさり気に訂正しつつ空を見上げ、あぁ良い天気だなぁ…お布団も干したし、お昼を食べたら午後からちょっと公園で遊ばせるか…等、ぼーっと考える。 お布団はどうしようかなぁ…干したままでいいか。夕飯の用意は…とぼんやり考えて、はた、と硬直。
あたし、お鍋の火は止めてきたっけ?
お彼岸におはぎを…じゃない、この時期はおはぎじゃなくてぼたもちなんだっけ? とにかく、彼岸なのでぼたもちでも作ってみようかと思って小豆を買ったまま忘れていた。 その小豆が出てきたので、どうしようかなーアイ達が好きなお餅もあるから時期はずれついでにぜんざいでも作ってみようか、なんて、気まぐれに思いついて、一晩水に浸した小豆を朝からコトコト弱火で煮ていたのだった。 あのガスコンロの火、出掛けに消してきたっけ?
一気に血の気が下がる気がした。 窓から既に煙が立ち上っているんじゃないかしら、集合住宅って外からは火の回りは分かりにくいものよね。換気扇から黒煙があがっているのかしら。
走りながら一度天ぷら油から火が上がった時の事を思い出す。 油を固めて捨てるべく、薬品を入れようと冷えた油を温めていて、そのまま忘れていて、気がついたら火柱が天井まで上がっていた、というありがちな体験を私も一度この集合住宅内でやってしまったのだ。 見た瞬間は「おぉ…TVとかで良く見る場面と一緒だなぁ」と思ったのが我ながら間抜け。 とりあえず足元のキッチンマットを水で濡らしてそれを上から被せてそのまま放置して様子を見ていたら、無事消えていた。 天井も壁もすすだらけ。換気扇のシートは溶けてボロボロ。 でも燃えあがった直後だったのか、どこにも燃え広がってはいなかったので本当に助かった。 それにしても、すぐ目の前のリビングにいたにもかかわらず、母や夫は誰も煙の臭い等にも気がつかなかったなんて。 誰かがいるからといっても油を扱う時は油断しちゃいけない、料理をしている本人以外、他人はまったく台所の様子には無関心なのだ、と身に染みたあの体験。
アユムを抱きかかえ、走る。 15kgを越えたアユムを抱いて走ると股関節がつりそうになってくる。 あぁ特売だからって牛乳二本も買わなきゃ良かった。重すぎる。どうしよう。荷物をこのへんにおいて走って後から取りに戻るか?いや、そんなことよりとにかく急がなきゃ。今この瞬間も火は燃え広がっているかもしれない。
集合住宅が見えてきた。煙は見えない。良かった、大騒ぎになってはいないみたい。人だかりが出来て「奥さん!おたくが火事ですよ!」なんて、集合住宅の住人から言われたりする場面はとりあえず免れたようだ。あとはどんなのだっけ、ドアの隙間から煙が上がっていて、あけた途端炎がいっせいに押し寄せてきて部屋に入れないとか。 今までTVの絵空事で見てきた場面が次々とリアリティを持って甦る。 玄関先、管理人さんと住民が立ち話。 時間があればちょっと世間話に加わったりもするが、今日はそれどころじゃない。 息を切らし、買い物袋を下げ、アユムを抱きかかえ、「どうも」とだけ言って走り去る。あぁ何事かしらと思われているだろうな。何事って大事なんですよおおごと。あぁ事情を話してアユムをちょっと管理人さんに見てもらうべきだったかしら。もう考えられない。とにかく急いで部屋へいかなきゃ。
エレベーターを待つ時間が我慢できなくて階段を駆け上る。 途中から流石にアユムを抱えては無理な状態になり、やむなくアユムを置き去りにして階段を駆け上がる。 アユムが泣きながら階段を上ってくる声が背中に聞こえるが仕方ない。 階段をのぼりきり、見るとドアの隙間から煙は上がっていない。 良かった、それじゃドアを開けた途端室内に煙充満とかじゃ。 ドアを開ける。煙は見当たらない。良かった、それじゃ鍋から火柱とかは、いや、でもあれば油だったからだし、今回すっごく弱火にしてたから火柱はたたないと思うけどそれじゃどうなって
キッチンは何事もなかったかのようにひっそりと静まり返っていた。 鍋の火は消えていた。というか、消して、出かけていた。
床にへたり込む。マラソンの授業のあとってこんな感じで胸が痛かったよなぁ。喉も痛いし。あぁ全身の力が入らないや。これが脱力ってやつか。もう動けない。
ぜいぜいと倒れこんでいるとアユムが泣きながらドアノブを開けようとしている。 あぁごめんごめん。 廊下を這ってドアを開ける。
これ、今年二度目。なんか注意力散漫すぎないか私。 もうアルツとか?なんて、本気で不安になったりして。 火事って怖い。やっぱりキッチンタイマー買おう…それか、圧力鍋だな… それ以前に、もっと気をつけろよってとこだけど、鍋を焦がすのは特技なのでもう気をつけようがないの。って開き直り
暁
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