A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2006年02月27日(月) MOONDOGを楽しむ

大好きなアート・ガーファンクルの“オール・マイ・ラブズ・ラフター”に
友人のTさんも強く惹かれていることを知り、大いに喜ぶ。
そっかー、キース・ジャレットの匂いかぁー。さすが、Tさんの耳はすごい。
「ウォーターマーク」はガーファンクルの最高傑作。間違いない。
全曲ジミー・ウェッブの書き下ろしというのも
今考えてみるとすごいことだ。もちろんリアルタイムで感動した記憶がある。
当時の僕の彼女も好きだった。ふたりでよく聴いたな。
3rdアルバムまでのガーファンクルは、文句なく全部よい。聴けよ若者。


・’゜☆。.:*:・’゜★゜


それでもCoccoの新曲“音速パンチ”(3曲入り)を購入してみる。金が無いのに・・・・。
で、早速結論。やはり駄目曲。
駄目な点は3つ。
1 曲も詞も表面的でちっとも心の奥に届いてこない。つまり元が悪い。
2 今さらなアレンジ。(聴いてて恥かしくなる。)
3 これまた今さらなミキシング。こんな録音をしている限り進歩はない。
以上、カップリング2曲に関しても全く同じ感想を抱く。
タワレコ池袋店(だったかな?間違ったらすまん)では3曲目必聴!とか書いてあったが
録音だけ綺麗なこんな薄っぺらい内容の歌に感動してちゃ駄目よ。若者。
つまり、Coccoには積極的に歌を作る理由が無いように思うのだ。
もしもやる気満々でこの作品だったら、それは才能が枯渇したということ。だね。
岸田繁がコラボを解消(?)したのもCoccoに見切りをつけたから?分からんが。


昨年発売されたMOONDOGのベストアルバムを本日購入。
当然だが輸入盤。36曲入り78分。
で、ムーンドッグを知ってる人って、どれくらいいるのだろう?
僕もTさんの部屋で初めて聴いた。衝撃的に面白かった。
この面白さを分かち合える友人が、、僕にはTさんしかいない。
そして僕もTさんも決してムーンドッグをしかつめ顔で聴いたりはしない。
この世のあらゆる「音」の価値を知り、その面白さを理解できるから
ムーンドッグも楽しめちゃうのだ。
前衛だが決してアカデミックではない、ムーンドッグ。
哀しみが通奏低音として流れつづけるムーンドッグ。

中ジャケの写真も素敵だぞ!







2006年02月22日(水) 編集CD-R 【 そして僕は途方に暮れる 】


墨田妖児 近影


できれば死なないほうがいい。これは照屋林助の名言。
僕も何とか80歳までは元気な耳で生きたいと思う。あと30年。
僕がブライアン・ウィルソンを知ってから30年が経つ。あれからと同じ年月を生きていくのは、
ちょっとしんどいかな?とも思うが
耳の理解力・読解力・分析力・持久力・判断力・脚力
さらにいえば耳の好奇心・探究心・研究心、もっと突き詰めれば耳の性欲が
驚くほど全くもって低下しないこの50男にとっては残りの30年は少なくとも
音楽に関する精神と肉体のバランスさえ崩れなければ、決して長すぎる年月ではない
とも考える。聴くべき音楽、聴かれるべき音楽はまだまだ残っているし、
日々生産されるガラクタの山の中にも時として宝物が埋もれている可能性だって
少なくないのだ。
これからの人生のテーマは孤独との闘いということになるだろう。
ますます音楽の重要性が増してくるはずだ。
音楽があるから死なずにすむ。

できることなら、世の中の全ての「音」を体験してみたいな。
まむし源のごとき精力絶倫耳男であることだわ。自画自賛。





編集CD-R sumita’s selection 2006.2.22


【 そして僕は途方に暮れる 】


1 パティ・スミス/マイ・ジェネレイション (1976Live)
2 冨田ラボ feat. 田中拡邦 /アタタカイ雨 (2006)
3 ジャパン/オール・トモローズ・パーティーズ (1979)
4 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド/アイ・キャン・スタンド・イット(1969)
5 ジャパン/クワイエット・ライフ (1980)
6 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド/オール・トモローズ・パーティーズ(1966)
7 冨田ラボ feat.ケミストリー/ずっと読みかけの夏 (2006)
8 パティ・スミス/ビコーズ・ザ・ナイト (1978)
9 ロキシー・ミュージック/リメイク・リモデル (1972)
10 冨田ラボ feat.ハナレグミ/眠りの森 (2003)
11 パティ・スミス/フレデリック (1979)
12 ロキシー・ミュージック/ドゥ・ザ・ストランド (1973)
13 パティ・スミス/マイ・ジェネレーション (2005Live)
14 ハナレグミ/そして僕は途方に暮れる (2003Live)


30年近い年月を挟んでの二つの“マイ・ジェネレーション”。甲乙をつけるべきものでは
ないだろう。そんなパティの駄作といわれるアルバムからポップなナンバーを2曲。
これもパティ・スミスである、と言い切れる度量が欲しいな、君たち。
ジャパンはとっくに再評価・再再評価されてはいるが、それはそのへんの音楽に詳しい
連中の間だけの話。今の20歳はジャパンを知らない。知って欲しくもないが(笑)
ヴェルヴェットの真価が分かるのは、ドイツのCANを聴いてから。パンク体験経由では
外観しか理解できない。と、言い切る自信はちょっと無いけど(笑)弱気じゃ。
ロキシー・ミュージックは毒抜き・骨抜き・インポアルバム「アバロン」あたりが
代表作らしいが、1枚目から5枚目までを体験しなければ何の意味も無い。
しかも同時代に体験しなければ意味が無い。ってことは、君たちが聴いても
意味は無い。だから聴かなくていい。聴くなよ。聴くなよ。ちょっとだけなら・・・。
冨田ラボに関しては昨日の日記を読んで欲しい。
“眠りの森”は1stアルバムから。
最後のハナレグミは友人編集のCD-Rにも入っていた気がする。
いい声だし脱力感も絶妙だし説得力もある。ルックスは苦手。

・'゜☆。.:*:・'゜★゜


ほら寝言で何か言ってる
聞き取れなくて耳をすました
上下する胸の線
たまらなく愛しい
流星雨の音が響いてる

        冨田ラボ“眠りの森”  作詞・松本隆





2006年02月21日(火) 冨田ラボの新アルバム 『シップランチング』





冨田ラボこと冨田恵一の2ndアルバムがリリースされた。
本当に素晴らしい!何もかもが素晴らしい!説明するのももったいないほど素晴らしい!
素晴らしい、を3回続けて使用した時点で僕は評論家にはなれないな。(笑)

ようするに欠点が見つからないのだ。ホーンセクションとストリングセクション以外は
全て彼自身による演奏。(ただしドラムスは打ち込み。その話はのちほど)
それにしてもベースもギターもキーボードも上手い。上手すぎる。
エンジニアも彼。録音場所もマンションの彼の部屋。
作曲・編曲も彼。最後の曲ではAOR系の味のあるヴォーカルまで披露している。
1962年北海道生まれ。僕の友人と同じ。これは関係ないか(笑)

1 まず曲がいい。転調の嵐も感動的だが、さりげないメロディーラインのものにも
  センスが光る。何度でも繰り返して聴きたくなるメロディ。
2 卓越したアレンジ。松任谷正隆(ユーミンのご亭主)のセンスに一番近いかな。
  特に楽器の使い方と、その音のバランスの絶妙さといったらもう・・・。
3 1曲ずつ変わるゲストヴォーカル(インストナンバーもあるが)が、全て良い。
  ケミストリーなんて見直してしまった。
4 極めて70年代色の濃いサウンドテイスト。アナログサウンドへのこだわり。
5 密室的な作業にありがちな独りよがりとか箱庭的な音づくりへ安易に
  傾倒していく間違いを一箇所も犯していない。

どうだ!これだけ聴いてもすごいのはわかるだろうが。
最後に。

驚くべきは、ここで聴かれる全てのドラムスが打ち込みであるという点。
ホンモノそっくりとか、そういう次元を遥かに超えてしまっている昨今の打ち込み事情だが
それでも一応タイコ叩きの僕としては、それが打ち込みかどうかの判断はつく。
と、思ってた。
どこで判断するかというと、微妙な「ズレ」の感覚。意識的であれ無意識であれ
生のドラムスには必ずズレが生じる。そしてそのズレが他の楽器(主にベースギター)と
重なったときにグルーヴが生まれる。つまり、その演奏にグルーヴがあるということは
ズレが生じていることの証なのである。
すごいね。もうズレまで計算して打ち込んでいく時代なんだね。
センスがなければ不可能。ドラムスを実際に叩くだけではだめで、ドラムスを徹底的に
聴きこんだ者でなければズレをコンピューター上で再現する事は
絶対にできない。これは断言。
で、冨田恵一は、このアルバムでそれをやってのけている。しかも音色にまで神経が
行き届いている。これって、作った音ではなくて、誰かが叩いた音をサンプルとして
ストックしてるのか?だとしたら、すごい数のサンプルではないだろうか。
それらのサンプルを分解し組み合わせ新たな架空のドラマーを作り出す
アナログ感覚の作業にはどれほどの根気がいるのだろうか。

今年、日本人でこれ以上の感動的なアルバムを作れるアーチストがいるかなー?


2006年02月20日(月) 死をもって償う

加害者が精神耗弱であれ、精神異常であれ
とにかく殺される理由がたったの1%もないような人間を殺してしまったときは
自らの死をもって償うしかないのだ。死刑になって当然なのである。
死刑は国家による殺人であると力説する、そんな死刑反対論者の「思い」も
理解はできるが、命には明らかに重みの差がある。加害者と被害者の命の重みは違う。
失われた命は二度と戻ってこない。その事実を抱えてこれからの日々を生きる
遺族にとっては、加害者が深く反省しようと精神病院に送り込まれようと
とにかく加害者が生きてこの世に存在することが納得できないのだという。
もちろん被害者の遺族の考え方は完全に一致している訳ではない。
要は、納得して受け入れて新たな気持ちで生きていけるかどうか、ということだ。
僕の家族が同じ目に遭ったら、とてもじゃないが納得も受け入れもできない。
つまり、僕自身の手で殺してやりたいと願うだろう。
その思いを代行する手段として、たたひとつの例外としてなら国家による殺人も
あってよいと考える。
宮崎勤も生きている。麻原も生きている。その他凶悪殺人を犯した人間の多くが
生きている。遺族は眠れない夜を送っているのだろう。


2006年02月17日(金) 喋るな!

子供が犠牲になる事件が起きるたび
被害者に、あるいは加害者に関わる人たちは
テレビカメラの前で本当によく喋る。
事件が起きてまだ数時間しか経っていないというのに。
僕には理解できない。
テレビカメラを向けられてハイになっているのだろうか?

ペラペラ喋る前に子供の死を悼めよ、遺族のことを考えろよ、おまえら!喋るな!

ひたすら嫌悪を催す。


2006年02月14日(火) 編集CD-R 【 Beautiful 】





駄目だ・・・足の踏み場がない。CDを買っては聴き漁り、そのまま床に放置プレイ。
仕事疲れを理由に掃除をしないもんだから、遂に畳が見えなくなったぞ。
昨年の夏まではきちんとジャンルごとにラックに整理していたCDも
途中からグズグズになり、今は何がどこにあるのか探すのも大変。で、探さないで
諦める(苦笑)。聴きたくないとき出てくる。

一応、僕的分類方法があって、
「ジャズ」「クラシック」「米ロック・ポップス」「英ロック・ポップス」 
「その他ロック・ポップス」「ブラジル物を中心とするワールドミュージック」
「日本のロック・ポップス・歌謡曲女子編」「日本のロック・ポップス・歌謡曲男子編」「ソウル&ブルース」「アニメ音楽・アニメドラマ
「ビーチボーイズ」←何故か独立している 「編集CD-R」「落語他特殊分野」

と、これは昔の話。今は、デレク・ベイリーの隣りにソニンがいたり
リッチー・ホウテンと三上寛が重なっていたりする。どちらもお気の毒。

仕事から帰ってくる。飯を食う。風呂に入る。テレビはつけず、ラジオをつける。
ホッと息をつくこと20分くらい。やにわに聴きたいCDを5〜6枚チョイスし
かけはじめる。2〜3曲聴いて次のアルバムへ。聴いたら右手で届いた場所に放置。
で。そんなことを一ヶ月も繰り返すと、部屋は収集つかない状態に
なるのだ。萌え萌えのメイドに来て貰って、綺麗にしてもらいたい。
ついでに・・・ボクも。

さてそんななか、CD-Rの製作だけはきちんと続けている。ほとんど強迫観念でもって。
たぶん編集CD-R病なんだとおもう。
友人に送りつけることを無上の喜びとしている
友人も困ってるだろうなぁ(笑)
sumita’s selectionが山と積まれている光景が目に浮かぶ。
いや、開封してないかも(爆)

しかし、編集CD-Rは楽しいぞ。友人の息子さんも一生懸命作成しているが
それは見事なもんだ。半分は僕の趣味に合わない音楽だが、チョイスする過程で
かなりのセンスを必要とするこの作業を難なくこなしているのには驚く。まだ15歳なのに。

で、また部屋をとっちらかすだけのCDを購入してしまう。これはもう病気としか
言いようがないな。昼飯を毎日300円定食で、洋服は3年間買わず、
底に穴があいた靴を履き、酒は焼酎しか飲まず、タバコはやらず、風俗にも行かず、
ひたすら音楽に魂を捧げ、CD購入に切磋琢磨(意味がちがうか?)する。わたし。
親父の耳が急に遠くなった。補聴器が必要なほど。これは遺伝するのか?
漠然とした恐怖を感じつつ、その時はその時で死んでしまえばいいや〜、なんて
思いながら、今日も中古CD屋にイクイク。

本日購入のブツ。ほとんどが買い直し。ほんと懲りない奴。


★Paul Motian Band/Garden of Eden ※新譜
★矢野顕子/PRESTO ※新譜
★吉井和哉/Beautiful ※新譜
★Atomic/Happy New Years ※新譜
★Ruben Blades/Buscando America(中古)
★Willie Colon/Solo(中古)
★萱野茂・平取アイヌ文化保存会/アイヌのうた
★Syd Barrett/Wouldn’t You Miss Me?
★ピンク・フロイド/ピンク・フロイドの道(中古)
★ナラ・レオン/美しきボサノバのミューズ
★モット・ザ・フープル/黄金の軌跡(中古)
★デヴィッド・ボウイ/アラジン・セイン(中古)
★デヴィッド・ボウイ/ハンキー・ドリー(中古)
★デヴィッド・ボウイ/ピンナップス(中古)
★ロキシー・ミュージック/ロキシー・ミュージック(中古)
★ロキシー・ミュージック/フォー・ユア・プレジャー(中古)
★ロキシー・ミュージック/ストランデッド(中古)
★ロキシー・ミュージック/カントリー・ライフ(中古)
★ロキシー・ミュージック/サイレン(中古)




・'゜☆。.:*:・'゜★゜





編集CD-R  sumita’s selection 2006.2.14


【 Beautiful 】


1 ピンク・フロイド/シー・エミリー・プレイ (1967)
2 ピンク・フロイド/アーノルド・レーン (1967)
3 ピンク・フロイド/絵の具箱 (1967)
4 吉井和哉/Beautiful (2006)
5 プララド・ブラマーチャリー/シルヘットの歌 (1979録音)
6 ダーガル・ブラザーズ/ドゥルパド (1988録音)
7 アトミック/ローマ (2006)
8 アトミック/コスマテスコ (2006)
9 矢野顕子withくるり/Presto (2006)
10 平取アイヌ文化保存会・上田とし/ヤイサマ (2000録音)
11 ポール・モーシャン・バンド/エヴィデンス (2006)
12 T・ガンボールド/四才の赤毛馬 (1991録音)
13 ウィリー・コロン/コロニサシオーネス (1979)
14 ウィリー・コロン/ヌエバ・ヨーク (1979)
15 グヌン・ジャティ/スカール・マス (1986録音)
16 シド・バレット/ベイビー・レモネード (1970)
17 シド・バレット/ウドゥント・ユー・ミス・ミー (1969)

シド・バレット時代のピンクフロイドを3曲続けて。
吉井の新曲にはやられた。コンビニという言葉がはじめて音楽的に響いた瞬間。
北インドのバウルソングと同じく北インドの古典声楽。
アトミックの新作は想像どおりの傑作。生々しい音たち。
矢野顕子と岸田繁の共作。どちらがメロディを書いたのだろうか?完全な共作メロ?
このレベルに達するのは容易ではないぞ、お若いの。
アイヌの即興歌。この節回しのルーツはどこ?ちょっと驚くほど個性的。びっくり。
ポール・モーシャンのドラムソロが聴きたくてこれを収録。演奏自体は短く
ドラムス以外に聴きどころはないが(笑)ドラムスだけで満足。
12のモンゴルのホーミーは高原の朝青龍を思い浮かべながら聴いた。
ウィリー・コロンの「ソロ」はサルサの超名盤。サルサ進化の最終形かも。
15のガムランは録音の良さに驚く。
最後はシド・バレットのダーク・サイド・オブ・ザ・ムーンで。









2006年02月13日(月) ポール・モーシャン「Garden of Eden」の感想をちょこっとだけ。。





すぐに連想したのは、かつてのウエストコーストジャズ。ジェリーマリガンあたり。
最初はクール・ジャズか?とも思ったが、もっと分かり易い。ヒットするのも頷ける。
ポール・モーシャンの新譜「Garden of Eden」。
冒頭のミンガスの“直立猿人”と2曲目の“グッバイ・ポーク・パイ・ハット”は
オリジナルの粘着質な部分を全て取り除いたかのような
風通しのいい演奏になっている。それがウエストコーストジャズを思い起こさせた
理由かも。
演奏もコンパクトにまとめられており、初めてジャズを聴く人にも
すんなり受け入れられるように「できて」はいる。2曲目まではね。
たとえば、ジャズでちょいと寛ごうとこのアルバムに手を出すと
おそらくドラムスを耳の一番遠くで聴くことになるのではないか?と思う。
一番近くで聴くのはサックスのハーモニーだろうな。
でもって、そういう聴き方はそれで正しいのであって、人間一番身を任せやすい部分に
もたれかかればいいので、僕はたまたま僕の背中を這いずり回るようなこの気色の良い
ドラムスに依存してしまうだけでね。

聴き進むうちに、だんだんモーシャンのドラムスがAECのドン・モイエ風に聴こえてきた。
これって見当違い?かなー・・・。
強烈にアフリカを感じてしまうのだ。ドラムスというよりはパーカッション。 

と書いたところで、最後にジミー・コブ風の技を見せつけて終わるあたりは
粋じゃないすか。この人は、聴き手を煙に巻くのがお上手。

結論。いいアルバムだ。曲はどれもポップだし
モーシャンのサウンドプロデュースもとっちらかった印象がない。
だからといってお行儀が良すぎるわけでもない。適度にインテリで適度に下世話。
両方にちょうどいいバランスで立っている。
衝撃的な部分は皆無だが、そのぶん味わい深い。年季がちがうしね。
もちろん「何に集中して聴くか」でお楽しみの度合いも質も随分違うが。

ひとつだけ残念なのは、ベースの存在感が薄いこと。
マーク・ドレッサーだったら?最近ジャズをあんまり聴いていないので
的外れかもしれないが(なんだか消極的だな(苦笑))
マーク・ドレッサーありでしょ?

突然、閃いた、モーシャンも年齢が年齢なので
キース・ジャレット、マーク・ドレッサーの二人と
トリオを組んで、後世に残る傑作を作ってほしいな。ほしいな。
この3人、接点あるんでしょうか?やっぱり的外れ?ですかね?






2006年02月07日(火) 編集CD-R 【 鉄砲玉の美学 】

トーキング・ヘッズ、噂のリマスター盤のバラ売りが始まった。
「モア・ソングス」「フィア・オブ・ミュージック」「リメイン・イン・ライト」
の3枚を輸入盤で購入。
音の良さ(凄さ!)にまずは驚く。並みの驚きではない。ものすごいことになっている。
技術の進歩に感動。ヘッドホーンで聴くとリアルに味わえるが
彼らはコントロール・ルームでこの音を聴いていたのだろうか?
大袈裟ではなく、ひとつひとつの音の意味が初めて理解できた。
感動のレベルの高さは、「リメイン」>「モア」>「フィア」の順番。

ディス・ヒートはアナログ盤の発売当時も相当気に入っていたが
今回のCDのほうがずっと深みのある音になっている。リマスターで
音のバランスを変えているんだろう。名作中の名作。

スティーヴィー自身によるドラムスは極めて評価が高い。
なかでも“迷信”は極めつけ。
こんなドラムス、当たり前だが僕には叩けない。ハイハットとタムタムに
彼の技が集約されている。これがグルーヴっていうやつだ。見事すぎ!

フレッド・フリス、ビル・ラズウェル、フレッド・メイハーのマサカー唯一のアルバム。
ほとんどフリスの名作「Guiter Solos」のバンド的展開状態で最高。
菊池成孔の日本盤ライナーは、かなりうざいが(苦笑)

ソバンザ・ニマニサはコンゴの若いグループ。十代だっけ?
電気親指ピアノだ。

頭脳警察の“ふざけるんじゃねよ”は東映の『鉄砲玉の美学』主題歌。
かなりエグイ歌詞の粟津“人体改造”は、
同じく東映『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』の挿入歌。作曲は荒木一郎。

ソフトマシーンは名作2ndから。
で、ソフトマシーンのオリジナルメンバー、ケヴィン・エアーズは
有名なBBCお宝音源から、ポップなナンバーを2曲。
“スター”は僕の一番のお気に入り。



編集CD-R  【 鉄砲玉の美学 】

1 トーキング・ヘッズ/ボーン・アンダー・パンチェス (1980)
2 トーキング・ヘッズ/アイム・ノット・イン・ラブ (1978)
3 トーキング・ヘッズ/シティーズ (1979)
4 ディス・ヒート/ホリゾンタル・ホールド (1979)
5 スティーヴィー・ワンダー/迷信 (1972)
6 デヴィッド・ボウイ/スターマン (1972)
7 マサカー/レッグス (1981)
8 ソバンザ・ニマニサ/キウエムボ (2002)
9 頭脳警察/ふざけるんじゃねいよ (1973)
10 粟津號/人体改造 (1973)
11 ソフト・マシーン/イブ・アネモネ・アンド・ベア (1969)
12 ケヴィン・エアーズ/シューティング・イン・ア・バケット・ブルース (1973Live)
13 ケヴィン・エアーズ/スター (1976Live)

・'゜☆。.:*:・'゜★゜


最近、寝るときはこのCDを聴いている。
何を言っているのか理解できないが、それがかえってよくて(もちろん演者にとっては
不本意ではあろうが)、沖縄の独特な言葉の節回しとリズムだけが
脳内にしみわたる。α波出まくり漫談ライブである。
照屋林助





『うちな〜ゆんたく・沖縄の笑い芸/
照屋林助“ワタブーショウ”、小那覇舞天“ブーテン漫談”』




追伸


Coccoの新曲“高速パンチ”をラジオで聴いた。
全然、駄目。迷走状態。Singer Songerは何だったの?何も学んでないじゃない。
かつてのCoccoにはもう戻れないのだろうか。


2006年02月01日(水) 編集CD-R 【 頼りない天使 】

sumita’s selection  2006.2.1

編集CD-R  【 頼りない天使 】


1 クラムボン/ナイト・クルージング (2004) ※フィッシュマンズのカヴァー
2 エルヴィス・コステロ/アクシデント・ウィル・ハプン (1979)
3 ステーヴィー・ワンダー/100億光年の彼方 (1974)
4 スティーヴィー・ワンダー/美の鳥 (1974)
5 カブサッキ東京セッション/ミルトン (2004)
6 イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズ/ヒット・ミー・ウィズ・ユア・リズム・スティック (1978)
7 ルー・リード/ヘロイン (1984Live)
8 デヴィッド・ボウイ/フェイム (1978Live)
9 UA/頼りない天使 (2004) ※フィッシュマンズのカヴァー
10 アストル・ピアソラ/天使のミロンガ (1986)
11 レイ・ハラカミ/終わりの季節 (2005) ※細野晴臣のカヴァー
12 ランディー・ニューマン/ルイジアナ1927 (2006)
13 細野晴臣/はらいそ (1978)


スティーヴィー・ワンダーの天才。フィッシュマンズの永遠性。
メロディメイカーとしてのエルヴィス・コステロ。
ロバート・クワインとカルロス・アロマー。注目すべき勝井祐二の仕事。
ピアソラの孤独。屹立する細野晴臣。もう存在しないかつてのニュー・オーリンズ・・・。

今回も通勤途中、電車内で聴くCD-R。
しかし、見回せばみんな何かを聴いている。
静かな車内には、実はさまざまな音楽が流れているのにみんな他人のそれには
無関心(のふり?)。僕は、実は知りたかったりする。すごく。意外性を期待したりして。

まだ、ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』を読んでときめいている僕。
マイルス・デイヴィスの「ザ・セラー・ドア・セッションズ」(6枚組)の半分だけ楽しみ、
残りは晩年の楽しみに取っておこう、なんて考えている僕。
今日、甲状腺の血液検査で4300円もとられて凹む。で、実際に病んでいたら
おそらくもっと凹む。右手の薬指は、曲がったまま、或いは時には伸びたまま。

なのに、音楽はいくらでも吸収できちゃって、ちょっと変な感じだ。
ますます耳だけが肉体本体とは別に機能していく。独り立ちする耳。うむ。すごいぞ。


響 一朗

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