Rollin' Age

2004年07月13日(火)
 戻れません

 
 今日の東京は暑かった。

 大阪勤務の私がなぜ東京の天気の話をするのかというと、東京に行っていたから。昨日の深夜に帰京して、今日も夜には大阪に戻らねばならないということで、あまり遊ぶ暇も無かった(当然だ)のだけれど、東京駅まで友人呼び出して酒に付き合ってもらったりもしました。せっかく東京くんだりまで行くのに、仕事だけして帰ってくるのもなんだべさ(間違ってる)。

 宿泊先は実家だった。GWで一度帰っているので、二ヶ月ぶり。当然、何が変わったわけでもなく、相変わらず家族みんな達者で、久々にお袋の料理にあずかり、懐かしい自室で睡眠を取り、朝はうだうだしながら出てきたけれど、やっぱ実家はいいなぁなんて思う。

 妙に感傷的になったりもする。これはまぁ、最近の傾向だけれど。

 午前1時過ぎに着いた地元の空気は、とても懐かしかった。この街で暮らしていたんだっけなぁと思いつつ、二度と戻らない学生時代を振り返ってみたりする。実家の空気は、どこか違っていた。小学生のころよく行った祖父母の家の匂いがした。匂いというか、雰囲気というか。いつでも帰れるのだけれど、もはやホームじゃない。「たまに戻る場所」という雰囲気。

 流れている空気が違う。実家の空気は、今までと変わらない。だけど、もう俺は別の空気で生きている。いまもまだ後ろ髪引かれるほどに蜜の味がする怠惰な生活には、もう戻れない。「うっかり」電車を乗り過ごして、そのまま実家に居座ろうかと、かなり真剣に考えてみてものの、当然そりゃお天道様が、いやいや、会社が許さねぇ。何日徹夜しても片付かない、山のような仕事と、それを果たさねばならない責任が、あぁどこまでも、どこまでも待ち構えている。あと何十年、死ぬまでか、続くのか。

 嫌だなぁと心のそこから思う。気が向いたときだけ働いて、遊ぶに困らない生活、どこかに落ちてないものだろうか。まだまだ学生時代に未練たらたらで。それじゃぁいかんと思いつつ。九月に一週間ほど夏休みをもらえる。実家に帰る。旅行とかも面倒くさい。ただただ寝て、喫茶店で本でも読んで、だらだらしながら夜は友人をとっかえひっかえ捕まえて飲む。いまんとこそれが唯一の希望。こんな小市民に、どうか幸ありますように。



2004年07月08日(木)
 1年に1回

 昼過ぎに何気なく、「こんな記事書きました」と、父にメールを送った。

 深夜になって、返事が届いた。

  今日はメールを有難う。
  母さんからいつも話を聞いています。
  記事も必ず読んでいます。
  頑張っているなと嬉しく思います。
  暑いので服や冷房などはどうしているのかと気になりますが、
  もう一人前の大人なのだからとやかく言う立場にないのだと静観し、
  自分の生活、リズムを早く確立して欲しいと願っています。
  今度会えるのをただ楽しみにしています。

 職場で、涙が止まらなくなった。
 抜け出して、誰もいない深夜の公園のベンチで泣いた。

 この5年間で、5回泣いている。

 片思いの相手に思いっきり振られて、泣いた。

 一ヶ月の約束の住み込みバイトを途中で断念して、泣いた。
 
 先輩の死を唐突に実感して、泣いた。

 自分を拾ってくれた会社の内定を断った帰り道、泣いた。
 
 そして、今日、と。


 ああ、俺は、生きてる。
 感情は動くし、涙は出る。

 まだ、成長する。


 いい年した男が、まぁ、たまには泣くのも良いかと思う。
 1年に1回程度なら。



2004年07月07日(水)
 春と夏を繋ぐ星空になればいい

肌にざらつく部屋のカーペット。
足が一本折れたままのコタツ。
レールのぶっ壊れたカーテン。
ビールの空き缶が入ったゴミ袋。
ペットボトルが散らばってる台所。
床に山積みの新聞紙。空っぽの冷蔵庫。
タオルケットが外れかけた布団。
灰皿からあふれ出した吸殻。
飲みかけの日本酒のビン。
何ヶ月か前に届いた手紙。

今日の大阪、34℃。
いつの間にか半袖のワイシャツを着ていた。
そっか、もう夏だ。
関西に暮らして、大阪で働いて三ヶ月経った・・・。

「3日、3ヶ月、3年」と言われる。
まずは3日やってみろ。そしたら3ヶ月続けてみろ。
3年たってようやく少し分かってくる、という意味らしい。
前からどうして「3」なのか、不思議に思ってた。
1ヶ月とか、1年とかのほうがキリがいい。
節目としては、「1」のほうが相応しいように思えるのに。
「1」を3回繰り返すことに意味があるのだろうか。

さて、3ヶ月経ったわけだ。
もうこの場で何度も書いているから、
いい加減辟易されるかもしれないが、
とにかく辛い。やってらんねぇ。

仕事がキツイとかじゃない。
逃げ場が無いのが辛い。
毎日毎日仕事のできない自分と向き合わざるを得ない。
職場に行かないという選択肢は無い。
仕事を放り投げるという選択肢も無い。
上司の何分の一かのスピードで何分の一かの仕事をこなす。

あの人はこれだけの量を、あの人はこれだけの質を、
それに比べて俺は、とか思うとほんとやってらんない。
職場にいるのは皆が皆、記者で、自分もその一人だった。
「ほぼ」同じ土俵に立っている。
まだしばらくは「新入りだから」というのが許されるが、
いつこの特権が消え去るのか、少し、怖い。
経験の差なんて埋めようも無いけれど、少し、あせる。

すごい職場にいるもんだ、と思う。
今更になって、3ヶ月前から既に自分は記者だったと気づく。
取材して、書くという、この職場は誰もが、まったく同じ仕事をしている。
そして、外部からすれば、10年目のベテランも新人も変わらねぇ。
こんな俺が取材担当になったことをアンラッキーだと思ってほしい。

さて、夏が来たわけだ。
夏というか、今日は七夕だったらしい。
金とか地位とか名誉とか愛とか世界平和とか、
そんなものより、自信が欲しい。
俺は使えねぇ奴だという思いに捕われて歩みを止めないように、
少しばかりの自信が欲しい。

ああ、だけどもう、気づけば日付は変わっていた。
大阪の夏は、まだまだこれから、らしい。



2004年07月05日(月)
 拝啓こんな日々です

午前1時
 今週の予定がほとんど入っていないという事実に押し潰されそうになる。
午前2時
 半ば錯乱したように深夜のファミレスに逃げ込む。予定の整理。
午前3時
 コンビニでジャンプ買って帰宅。読みふける。現実逃避。
午前4時
 3時間後起きられるかという恐怖に振えつつ寝る。目覚ましは3個。
午前7時
 起きる。寝る。
午前7時30分
 起きる。寝る。
午前8時
 起きる。寝る。
午前8時15分
 起きる。寝る。
午前8時30分
 起きる。午前に入れたアポを無かったことにしようかと考え出す。寝る。
午前8時40分
 起きる。「風邪」とか「急用」とかアポを断る理由を考え出す。寝る。
午前8時43分
 起きる。本気で考える。でも仕方なく起きる。
午前9時
 顔洗って歯みがいてヒゲそってネクタイ締めて家を出る。
午前9時40分
 道に迷う。
午前10時
 なんとか取材先に到着。たまたま家から近くて良かったね。
午前11時
 何も下調べしてこなかったのを隠しつつ相手にしゃべらせ間を持たせる。
午前11時30分
 成り行きで取材先の施設を見学。零下30度の保存庫とかに潜入。
午前11時45分
 お礼を言って取材先を出る。ふ〜、なんとかなった。・・・ほんとかよ?
午前12時30分
 梅田着。職場に帰りたくないので時間を潰す場所を探す。
午後1時
 上司からTEL。3時から懇意の企業が新商品の説明に来るとのこと。
午後1時30分
 昼飯を食う。そのまま居座り、今週のアポを入れるためTELしまくる。
午後2時
 3件に2件は「ただいま席を外しております」。予定、埋まらねぇ。
午後2時20分
 疲れた。絶望した。あきらめる。職場へ向かう
午後2時45分
 帰社。というか出社。机の上に連絡事項とか。処理する。
午後3時
 お客様到着。上司とともに話を聞く。
午後4時
 なかなかおもしろい話だったので記事にするということになる。
午後5時
 難航する。
午後5時30分
 難航しながら書き上げる。上司のチェック。たくさん赤が入る。
午後6時
 書き直し。
午後6時20分
 書き直し終わる。原稿を送る。
午後6時30分
 雑用で近所の記者クラブへ。
午後7時15分
 帰社。書類などの整理。
午後7時30分
 デスクのもとで送られてくる原稿をチェックするという仕事。
午後9時40分
 終わる。
午後10時
 夜の街をふらふら。飯処を探す。
午後10時40分
 帰社。溜まっているリリースの整理。
午後11時
 やっぱり埋まってない今週の予定を構想する。
午後12時
 メールの返信とか。お礼のメールとか。
午前1時
 あー、帰ろ。
午前1時45分
 帰宅。蒸し暑い。缶ビールを飲む。
午前2時
 風呂に入る。ネットに繋ぐ。日記を書く。
午前2時30分
 何も予定入ってない明日をどう切り抜けるのか悩む。
午前2時45分
 悩んでも仕方ないので寝る。


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