母が亡くなって四十九日も済んで少し落ち着いて
来週末にひろに逢える。喪が明けたわけではないけど
許してくれると思う。私の母なら。

このところ、来月に古巣の本社に戻ることになった彼は
連日、東京、名古屋、大阪と送別会で忙しいらしく、
深夜に酔って帰る電車からメッセをくれることが多い。
内容は他愛もないことばかりだけど
もう三ヶ月も逢っていないので私も嬉しい。
しかし恋しい以上にひろが電車で居眠りをして
乗り換えの駅や降りる駅を乗り越すことが時々あるので
辛抱強く寝ないようにメッセの相手をしているのも事実。

「もっと早く逢いたかった」

他愛もないメッセージの後に唐突に言われた。

「うん、三ヶ月は長かったね」と返信すると
「違うよ」と返ってきた。


「違うよ。もっと早い時期に出会っていれば良かった」

いくら酔っていたってこんな台詞は今まで言ったことがなかった。
しばらく考えてから
「うん、そうかもしれないし、今だから良かったのかもしれないよ」と返した。


もっと早く出会いたかった。


それは言ってはいけないこと。
私たちは縁があって今出会うことができたからそれで良かったと思う。

夢うさぎ ｜MAIL

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