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2005年10月24日(月)
不安で押しつぶされそうになる。 壁一枚隔てた部屋の中で。上から見つめる肖像画。悪趣味に並べられ感謝状たち。 居心地の悪いソファの上で。 優しい笑顔も、言葉も、何の役にも立たない。 自分でどうにかするしかない。 でも。 涙が溢れそうになるのを懸命に堪える。
2005年10月10日(月)
久しぶりに高校時代のともだちに会った。 地元を出ている私は滅多に高校時代の友達には会わない。避けているとかそういうわけではなく、ただ地元に帰るのがめんどうなのだ。
オトコとシゴトとオモイデバナシと。その3点で構成されている会話。それで完結してしまう人生。 不意にふらふらと生きることができたらいいのに、と思う。仕事も男も特定のものを持たず、思い出にさえも縛られず、自由に、本当に自由に生きられたら、と。 でも私は臆病だから、何にも所属しない自由をひどく居心地悪く思うことも、泣きそうなくらい不安に思うことも知っているので、行動に移すことはない。ただいつもひどくそれに焦がれているだけ。 届かないから。つかめないから。 ないものねだりと知っていても、いつでも他人がうらやましい。自分に誇れるものなんて何一つない。そういう風にうちひしがれていた毎夜の記憶を思い出した。
2005年10月09日(日)
本を買った。 江國香織のものを2冊。 さっそくぬるいお風呂の中で読んだ。私はいつもお風呂に本を持って入る。 「落下する夕方」を読んだのだけど、なぜか読んだ後は頭がぼぉっとして誰とも話したくない気分になった。いつまでも眠っていたいような。 足の皮膚がふやけ、このままお湯(と言えるほど暖かくはなかったけれど)に溶けてしまいそうだった。 当分、「落下する夕方」は読みたくない。 それほど力のある本だった。
2005年10月08日(土)
久しぶりに父と会う。 恋人と住むようになってから、なんとなく疎遠気味だったから。 仲が悪いわけじゃない。むしろ世間の父子より仲はいいと思うし、私はファザコンだと自認している。 それでも久しぶりだった。どういうわけか。
緩んだ輪郭に不摂生を感じたけれど、私の忠告を聞き入れるような人ではないし、聞き入れてほしくはない、とも思った。
2005年10月07日(金)
目が合った瞬間に逸らしてしまう。見透かされたみたいだったから。
神経をそばだてて、まるでハリネズミのようになっている。 些細な話さえ、気に障る。 何かが私を壊していく。
2005年10月06日(木)
からだがふわふわしていた。頭もぼぉっとして。昨日の夢が続いているようだった。
いつから夢を諦めて生きてきたんだろう。いつから知ってしまったんだろう。いつでもこんな風にすべてを知っているような気持ちでいた気がする。こんな開けた場所にいた気がする。
2005年10月05日(水)
硬い座席。猛スピードで流れる景色。大きな手で握るハンドル。 まるで現実じゃないみたいだった。夢の中の出来事のような。それは最も現実的なことなのに。
ひとつひとつがクリアになっていく。目の前が開けて、見渡せる。見たかったものはもちろん、見たくないものも。
2005年10月04日(火)
少しずつ肌寒くなってきて、季節が巡り逝くことを知る。 景色は何も変わらないのに、時間だけがぐるぐるとまわっていく。 私は変わりたくないのに。動く歩道に乗ってしまったように、立ち止まっていても進んでしまう。
2005年10月03日(月)
朝は誰にも平等にやってくる。 くたびれたからだをひきずって、車に乗る。朝の道路は混んでいる。のろのろと動く車の列に不快感だけが募っていく。 けれどやってきてしまえば意外に何もなく、すんなりと仕事になじんでしまう。 昨日に似た今日が、また始まる。
2005年10月02日(日)
明日が来ることが怖くなった。 明日が来ることが嫌だった夜はよくあるけれど、怖くなったのは久しぶり。 もう思い出せないけれど、たぶん中学校のとき以来だと思う。この閉塞感。泣き出しそうな不安。 逃げ出したい。楽しいだけの世界に生きたい。 こんな夜は叶いもしない、そんなことばかりを想ってしまう。
少しだけシシリアンキスを舐めて、からだをほんわかさせる。 琥珀色の液体がとろりと舌にまとわりつく。
2005年10月01日(土)
美容院は好き。 行くと車が工場で整備されるみたいに、すっきりとする。
初めてパーマをかけた。3年越し。念願という言葉はこういうときのためにある。 くるくるになった髪の毛。友達は「どうした?」と言い放ち、恋人は「似合うよ」と笑った。でもそんなことはどうでもよかった。私がこうしたかったのだから。
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