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re-invention



 授業を考える一週間を振り返り

今週は授業をたくさん見て,考える一週間になる。
今日は一番下の息子の学校参観日。
1時間目の授業だけ参観。

見えてくるものは,まず生徒の作り出している空気。
集中しているのか,飽きてるのか,
それでも先生に合わせて授業を受けようとしているのか・・・。
教室の空気は30秒もあれば十分に見えてくる。

丁寧に段階を追って進めることの難しさ。
段階を踏むから,着いていけない生徒が各段階で出てくる。
最後に残った生徒は,優秀な生徒のみで,
ほとんどが途中で挫折してしまうなんてことが起こる。
本当に分かって欲しい生徒が,ついて来れないのは当たり前か。

ゴールのはっきりしない抽象的な課題ではなく,
達成感のある,ゴールがはっきりした,
知的好奇心をくすぐる課題を開発していくこと。

現在の自分の授業で培ってきたものの中で,
捨てなければいけないものも出てくるはず。


久しぶりに新幹線で京都へ。
今出川周辺を娘と散策。
考古学資料館,西陣織会館,楽美術館などを見学。



2007年05月21日(月) 受け止める決意で
2006年05月21日(日) プロの仕事
2005年05月21日(土) 休日も学校で
2004年05月21日(金) 面白さだけでは不十分


2011年05月21日(土)



 「学びの共同体」が見えてくる

テスト2日目。
2時間のテストの後で,総合。
来週からの職場体験前の確認。

昼から富士のM中学校の校内研修会へ。
この学校へ来るのはおそらく4回目。
今日の授業を見て,ようやく
「学びの共同体」の目指す授業がはっきり見えてきた。
それは,自分の今の授業を大きく否定することでもある。

まずは,課題について。
課題に対しての思いが年々薄くなっていった。
課題を工夫することでは,生徒を惹きつけられないと思ってきた。
結局は,生徒同士の関わり合いの中でしか生徒をつなぎ止められないと思ってきた。
でも,そうではない。
やはり面白さがあるから,やりがいも出る。面白さもある。
関わり合いだけでは駄目で,できることは何でもやらなくてはいけない。

今回の課題は,なかなかハイレベル。
「連続する10個の整数の和は,どうなるか。」2個や3個ではない。10個か・・・
法則を見出すのも,難しいのではないかと思ったがそうではなかった。
知的好奇心を揺さぶられると,大きく変わるのだ。

そして,関わり合いを大事にすると言いながら,
生徒の作る空気を感じることに欠けていた自分の授業。
呼吸を合わせるような,そんな感じを大事にしていかなくてはと思った。

生徒の様子を語り出す,教師が本当にたくさんいる。
「知的好奇心が高い子たちなんだと思った。
 もっと課題を工夫しなければと思った。」
それぞれの生徒の関わりや良さを語っている教師。
自分が見ていたのは授業の展開,言うなれば,教師の視線。
でも,ここの先生たちが見ていたのは生徒の様子。生徒の現れ。
「生徒の良さを認める」といういつも大事にしているはずの言葉が,
実は自分にとって,ずいぶん上辺のことだったことを知り,
恥ずかしい限り。

佐藤学先生の語りは明快で,時折見せてくださる笑顔もいい。
学び合いは話し合いじゃない。
教師は,まず自分の意見を持ってから・・・と思いがちで,
すぐに人の意見を聞いてしまうのを嫌う。
でも,依存できない子は学べない。
依存できることを教師は嫌うが,
それで結果としてクラスがバラバラになる。
だからいつまでもわからない子を,放っておくことになる。
5分与えても,できる子は時間の無駄だし,
できない子はやっぱり時間の無駄。
いいことは1つもない。それなのになぜ先生たちは一人でやらせるのか。
一人でできるのは,大人でもかなり難しい。
自分の中で対立軸を作るのは難しい。
僕らは研究者だからそれができるけれど。
書く子は,分かり切ったことを書いているだけで,深まらない。
一人で探求なんてあり得ない。
学生や大学院生でも無理。ましてや中学生では。
それをやらせようとするのは,教師の自己満足だ。
学びとは学び合い。他者の力を必要としている。

なぜ,今日の学びができたのか。その要素はなぜだと思いますか?
明日からでも是非やってみてほしいことがある。
それは,いらない言葉を一言も言っていないことだ。
教師の言葉が多いと,子どもがだれる。
今日の先生の言葉は,全体の1/5ぐらい。
普通は,先生がしゃべりすぎる。
よっぽど内容のある話でないとだれる。
決してテンションが高くないが,無駄がない。
それは教師が無駄話をしていないから。
生徒がなかなか集中していないのは,その逆。
授業冒頭から先生の進めることに生徒がからんでいる。
でも先生は応答しない。たんたんと進めている。
自分の言うことをきちんとさせている。それができている。
ぜひやってほしい。それをやらない限り,
気になる生徒に振り回されて終わる。
課題が易しすぎると,誰も付いて来ない。
それでもやる生徒には育っていない。おっと言わせよう。
最初の10分で。ごちそうを最後に出されても誰も食いつかない。
ごちそうは最初に出せ,学びが育っていない子には特に。
最初から課題。
学び合い,最初は5分,次が10分,最後は11分。
できれば2/3ぐらいにしたい。
先生の説明や全体での確認は減らして,じっくり考えさせたい。
課題さえしっかりしていれば,集中する。
是非挑戦してみてください。
課題が優しすぎるのはだめだ。
学力が低い生徒ほど,優しすぎることはだめだ。
考える内容があることでないと。
難しいことではなくても,意味のあることを。
最初から復習の授業では駄目。
一番最初の10分は,黄金の10分。
ひどいのになると,ミニテストをやったりしている。
テストやるなら,最後にやろう。できなさを痛感させている。
知らず知らずに子どもをつぶしている。
最初の7分以内に学び合いを入れる。
そうでないと1/4の生徒はついて行けなくなり,
わかったふりをする。
わからないと言えない子が,最後には出てきた。
他の子も,立派。問われたらちゃんと答えていた。


2010年05月19日(水) うまくいかなかった事例の説明を受けて
2007年05月19日(土) 久しぶりに母校へ
2006年05月19日(金) 昨年の反省を生かして
2005年05月19日(木) 前時の板書を投影して
2004年05月19日(水) 生徒のワークシート点検で


2011年05月19日(木)



 立場を変えて見ると

午後から,息子の授業参観へ。
高校の数学の授業が4クラス同時に見られるのは,
なかなかない機会。
週末に宿題を出して,点検するようになったのは,
自分の頃にはなかったこと。
授業展開はどのクラスも,概ね3段階。
前半は,プリントを解く。
中盤は,簡単な解説をし,
最後もプリントを配って演習。

授業はベクトルの話。
法線ベクトルや,平面上にある条件など,
基本的なことを板書されている方は一人のみ。
単線的な解説は,理解している生徒しか分からないことだろう。
逆の立場から見ると見えてくるものだが,
自分も似たようなことをやっているのかもしれない。
Grapesを使って授業をしてもらえたら・・・と思ったりもする。

それにしても,こういう学校に通う生徒に対して,
果たして自分の授業は力を持っているのだろうか。
「創造的な力を育てたい」という思いとは裏腹に,
多少のアイディアは必要になるものの,
定義を元にどれだけ正確に再現できるかを競う数学。
官僚や学者になるには,必要なのだろうが。

2007年05月16日(水) きちんと受け止めてもらえるだけで
2006年05月16日(火) 長縄大会で
2005年05月16日(月) 何となくの会議を変えたい
2004年05月16日(日) 仕事の見通しを持つ


2011年05月16日(月)



 もう一度

車を飛ばして、久しぶりに愛知教育大へ。
悩んだ末に参加させてもらうことにした、中学校学級づくりセミナーへ。

これだけ豪華なメンバーがそろうのは,凄いこと。
会の持ち方にも一工夫があり,
講演だけでなく,参加者同士のシェアする時間をとることや,
大学生を積極的に活用することなど,楽しい雰囲気。
堀田先生のセミナーレベルではないものの,
参加者をどう満足させるのかは,これからの時代に必要なこと。

まずは北海道の堀裕嗣先生の全体講演から。
「10の原則」の著書では見えなかったものをたっぷりと。
学年のプロモーションビデオは楽しい。
「技法を包み込むための空気作りに失敗しているのではないか。」
という一言にもうなずける。
お遊びながら,わくわく期待させ笑顔にさせる部分が,
その他の地道な実践を支えていくのだという主張は,今の自分にないもの。
CMのコラージュも,思いっきり楽しい。
出演者を知らないメンバーが見て楽しいのだから,
知っている当事者ならなおさらだろう。
教師力ピラミッドは,もう少しじっくり聞きたかった。
チームで作っていくのだという姿勢は,
その後のコラボレーションして作っていく姿勢とも重なる。
「想像はゼロベースからでは生まれない。組み合わせることだ」

カウンセリング的な手法を聞きたいと思って参加した
新潟の堀川真理先生の講演は,正にドラマ。
ごくせんの世界のような,これまでの葛藤を赤裸々に。
「教師になんかならなければ良かった」という言葉の響きを,
同業者ならよく分かる。
おそらくはいくつかの技を身につけていながらも,
それではなく,真摯に本気で本音で生徒に向き合うことを,
語られる姿に,忘れていたものを思い出す。
「ヤワな感情を共有できる安心感」・・・なるほど。
いい方と出会えたことに感謝。

午後は,一度お会いしたかった桃崎剛寿先生。
基本は押さえながらも,あれだけ多くの実践を重ねられるのは,
時代・時流にアンテナを張って学んでいるから。
紹介してくださった,3人の言葉もなかなか。
①私はいつも新しい発見を求めて本を読んでいる。(立花 隆)
②映画で何を伝えたいか?子どもたちが面白いと思ってくれる映画を作っている。それで手一杯です。(宮崎 駿)
何を伝えたいかといことがわかるようでは,胡散臭い。
面白い」を演出する。どうやって,
③漫画を描くのは,僕が着くって与えているわけではなく,読む人自身の心の奥底を揺さぶり,元々あるものに気付いてもらうことだと思う。(井上雅彦)

今の自分に欠けているものはここなのだろう。
「生徒達は,人生の全てを賭けて来ている」
その必死さに真摯に応える自分でありたい。


時折つぶやく石川晋先生の存在感も独特なもの。
「ハプニングを大事にしたい」という言葉も含蓄がある。
瞳の奥に本気の志が確かに見える。
学級の様子を動画で見せていただいた。


そして,後半の会を仕切っていたのが,
最近読んだ本の著者の長瀬拓也先生。
思いの一端を知る。

自分の今に気がつく一日。
もう一度走り出そう。
できることを探して,残りの日々を費やそうと決意を新たにする。


予定外に懇親会まで参加し,身近な実践をシェア。
失敗だったのは,桃崎先生と名刺交換をさせていただきながら,
アドレスが書いてないことに気がつかなかったこと。


22時近くに帰宅。心地よい疲れ。
こういうわがままを心から許してくれる妻に感謝。

2010年05月14日(金) 嵐への質問
2007年05月14日(月) 拡散する授業
2006年05月14日(日) 道の険しさ
2005年05月14日(土) 生徒の思いをまだ拾い上げていない
2004年05月14日(金) 松下教育財団の贈呈式


2011年05月14日(土)



 自分なりには

デジカメ画像をパソコンに取り込めなくなっていたため、
しばらく日記をUPできなかった。
デジカメ内では記録され再生できるのに、
どうしたことかと思っていたが、lockキーを動かすと、
無事取り込めるようになり、ほっとする。

テストを来週に控え、授業は計算をステップを踏んでひたすら。
自分なりの「ごはん・味噌汁の授業」

多項式×数の計算。
このあたりでも、つまずく生徒はいる。
解説をした後、4人組で問題演習。


次数が上がる乗除の計算は、なかなか難しい。
問題集の問題は教科書よりレベルが上で、苦戦しているので、
復習と確認を行う。
分数が入ってくると、さらに難易度が上がる。
分子が多項式の問題の時間は足りなくなり、
このクラスでは4人組での確認が出来ず、
mimioで解答を記入。たまにはこういうこともいいか。

5年ぶりの最後の選択をGeogebraで。
操作の解説をして、あっという間に時間が過ぎる。
個人差は大きいが、そのうち習得してくれるのではないかと思う。

2010年05月11日(火) 繰り返し語る
2007年05月11日(金) 知的な好奇心を
2006年05月11日(木) できない子が生き生きと
2005年05月11日(水) どの生徒も伸びる
2004年05月11日(火) 人との出逢いで人は変わる


2011年05月11日(水)



 イメージを持つには

連休明けで,気になることもいくつか。

授業は「多項式×数」の計算。
考える授業になっていないが,4人組での学び合いで,
生徒はきちんと取り組んでいる。
音声カードは,どのクラスももう一息。
以前行ったフラッシュカードの方が,彼らには効果があるのかも。



遅れているクラスでは,乗除の混ざった計算。

何をどう計算しているのか,
イメージを持つにはどうしたらいいのだろうか。

2010年05月09日(日) 原稿書きモードに
2007年05月09日(水) 感謝して生きる素晴らしさ
2006年05月09日(火) 仕事配分に迷い
2005年05月09日(月) ( )+( )=-2
2004年05月09日(日) どんな進路指導ができるのか


2011年05月09日(月)



 全てはゲストの安心と安全のために

連休最終日。
思ったように仕事は進まない中、たまたま見ていたTVで、
東日本大震災時のディズニーランドの対応を紹介していた。
「全てはゲストの安心と安全のために」
このキーワードのもと、従業員の9割いるアルバイトでも、
自分で判断して、ゲストのために適切な行動を取ったという話だ。
自分で判断・・・というのは本当は難しい。
とはいえゲストに、売り物のお菓子類を全て配付するのはともかく、
様々なビニール袋を配り、暖をとるために利用させたり、
大きなぬいぐるみを防災ずきん代わりに
安全のために惜しげもなく無料で渡してしまうことなどは、見事。

学校での、行動基準となるキーワードは何だろうか。


2010年05月08日(土) ほっとする休日
2007年05月08日(火) 授業をどう振り返るのか
2006年05月08日(月) 連休明け
2005年05月08日(日) 一人一人と向き合う
2004年05月08日(土) 運は志に対する賜物


2011年05月08日(日)
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