Just for today !
re-invention



 大事な話をしないまま

朝5時に起きてしまう。
風呂へ行ったり公衆電話でメールのチェックをしたり。
なんとなくのんびり過ごして,ボーリング大会。
まあまあ楽しかったけれど,
大事なことを,結局話さないままだったように感じる。
高速道路を飛ばして,15時過ぎには,帰宅。
図書館で本を返却。
ビデオ録画しておいた,昨日のNHKスペシャルを
もう一度見ようとするが,気がつくとソファーでうとうと。

夜になると胃が痛くなり,早めに就寝するが,
気になっている生徒の親から電話をいただく。
どういう関わりをしていけばいいのか。
生徒にとって,本当に楽しい学校でありたいと思う。


2004年02月29日(日)



 学年部旅行

学年部旅行の1日目。東伊豆へ。
いつもは会話の少ない学年だけど,この旅行を通して,
少しでも気持ちの交流ができるといいなと思う。
城ヶ崎海岸と,ワイルドスミス絵本美術館へ。
ワイルドスミス氏は,実は数学の教師だったとのこと。
安野光正氏に似たタッチの絵もあり,接点があるのかも。

露天風呂の中で,教員2年目のOさんと話しこむ。
教育学専攻とのことなので,
大学でどんなことを学んできたのか聞いてみると,
林竹二氏と佐藤学氏についてだという。
浜之郷小や安城西中にも行ったことがあり,
佐藤氏とも直接メールのやり取りをしたことがあるとのこと。
灯台下暗し。こんな近くに,こんな人がいたのか。

「授業分析・検討」は,もっといい方法はないのだろうか。
附属のように時間をかけることは,なかなかできない。
時間をかけて分析し,それで授業が変わるのならいいが,
時間を掛ける割に,見る側も,授業者も変化がないのではないか。
これでは,校内研修や市教研などを繰り返していても,
個人の授業力はUPしていかない。
個人の感性にゆだねられ,そこに頼るばかりでは駄目だ。

夜の宴会の後,
NHKスペシャル「よみがえる教室~ある校長と教師たちの挑戦~」を
Yさん,Oさんの三人で見る。
公開授業で,子供のことを思って問えなくなってしまう担任と,
そこをあえて踏み込んで,直接その子に「自分ならどう思う?」
と聞いてしまう大瀬校長。
教室の中でこうした本物のやり取りができることがいい。
大瀬校長は3学期の「命の授業」をやりたかったことだろう。
実現すれば,さらに踏み込んだ子供とのやり取りがあったはず。
「子どもの求めているのは良い授業(学力の上がる)ではなく,
先生が自分を見てくれている授業である」
という今の教育の流行に逆らった言葉も,説得力がある。
こんな意識で,自分も授業をしていこうと思う。


2004年02月28日(土)



 一人の生徒の満足のため

残りわずかの授業を考えて,4時ごろ目が覚める。
家で子供と時々遊んでいる
ポリドロンのようなフレーム模型を使おうと決意。
起きて,さっそく操作してみる。
正八面体だって,倒してみるとおもしろい形だ。
上から見ると,別の形にも思えてくる。
知識ではなく,感覚を磨くことが大事だと改めて思う。

さらに,ほんの少し読書。
「リピーターを呼ぶ感動サービス」
T社の社是は「一人のお客様の満足と 一人の社員の幸せ」
そして行動指針は,「本日開店のこころ」
とのこと。
受け売りだが,
一人の生徒の満足のため,笑顔のため今日も働こうと思う。
初めて教師になったときの気持ちで。
気が滅入ったときにこの本はいい。勇気が出る。

授業は,等距離というテーマで,垂直二等分線から外心へ。
こんなことをやっているから,間に合わないと思いつつも,
生徒と一緒に楽しく過ごす。
一直線から等距離という話で,円柱の側面が出てきたのには感動。
さらに,2点から等距離のところでも空間的に考える生徒もいて
これでは,やはり終われない。

夜は,久しぶりの山田会。
もう10年以上も前の学年部の集まり。
こういうメンバーと,もう一回学校をやったら楽しいだろうと
いつも思う。
今日は,附属中の坂本さんとばかり話してしまった。
これはちょっと反省。
授業分析の手法について,いいものはないかと思う。
附属は徹底して分析をしているようだが,
あまりに時間がかかり,普通の学校ではできない。
学校改革の話になったので,またまた小牧中についてPRする。
自分が教育長なら,まちがいなくこういう学校に
「学校を一日閉鎖して休んででもいいから視察に行け」
と言うことだろう。
どの学校だって,みんな努力をしている。
でも具体的に,できることを変えているところは少ない。



2004年02月27日(金)



 大変だから面白いと言えるか?

朝から,学年で小さな問題がいくつか起き,
落ち着かない。
人を大事にすることができない。
ごまかしている人間関係も気になる。
「自分は大事にされていない」という叫びなのか。
まずは,学年の体制を変えてたい。
生徒との関係作りに,学年できちんと向き合おうと思う。
いろいろあった中で,Yさんと話ができたのが収穫か。

授業の残りが少ないのに,平面図形に時間をかけてしまう。
図形的な感覚には,数式と同じく個人差があり,
単純と思われる作図も,把握できない生徒がいる。
回りの生徒同士でサポートし合うムードを高めたい。
それにしても,相変わらずのコンパス忘れ。
こういうところを,動かしたいものだ。

放課後,総合の学年代表の生徒を指導。
なかなかいい顔をしていて,うれしい。

「学校は大変だから面白い」と,
当然の顔をして言えるようになりたい。


2004年02月26日(木)



 いまひとつ・・・

たいした量ではないのだが,仕事に追われている感じ。

授業は,距離という言葉をキーワードに,
進んでいるクラスは垂直二等分線,
遅れいているクラスは垂線。
今週中に,平面図形が終わらない・・・ウム。
一点と一直線の距離は垂線。
「本当に垂線が一番短い長さなのだろうか?」
という発問で,クラスによっていろいろな収まり方をする。
それぞれがしっかり考えるから,そうなるのだろう。
授業を重ねていくと,他のクラスで出たアイディアを
紹介したくなるが,それがいいことなのか悩む。
教室の学びで生み出されていないものを
安易に持ち込むことが,生徒の考える習慣を奪わないように
気をつけなければとも思う。

総合は,学級発表会。
よくがんばっているが,
発表する側も聞く側も突込みが足りない。
学年発表会で,修正したい。

来週,布川先生や両角先生が
自分の授業を見に来て下さるとのこと。
見るに値する授業にできるか,かなり心配。
生徒にとっていい授業をいつもやろうとしているのなら,
いつ見られてもいいはずだよなと思いつつ。

飯島先生に,ちゃんとした授業案も送らないと。

久しぶり,MLで紹介のあった森竹さんの
教材の感動が,科学する心を育てる」を読む。
いいなあ。
静岡の方なのだから,一度お会いしたいと思う。


2004年02月25日(水)



 一人の生徒のために

 昨日聞いた,石田先生の話。
「多数決が公平とは限らない。
 少数意見が常に取り入れないシステムなのだから。
 それより,10人がいたら順番に一人一人の意見を
 採用するのも,一つの公平な方法だ。」


今日は一つのクラスで,本当に一人の生徒のために
50分丸々使ってしまった。
考えてみれば,この生徒がわかる授業を,
これまでどれだけ行なってきたのか。
彼にしてみれば,わからない授業が進められてきたのだろう。
こういうことがあってもいいと考えることなのか。
支えてくれたクラスの生徒に感謝。
でも,残り時間はわずかであせる自分。

三年生の選択が終了。
写真つきの感想をまとめたプリントを配布。
いい出逢いができて,ありがたかった。

大阪で,習熟度が全校で取り入れられるとのこと。
みんな一緒の改革をしないと,学校は変わらないのか。


2004年02月24日(火)



 学びの楽しさを醸し出す

学びを生徒の中から生み出していく授業を心がけて,
変化している自分,変化している生徒を感じる。
考える授業になっている実感がわいてきた。
参加している生徒全員がそうといえば怪しいが,
学びの緊張感はずいぶん違う。

点と直線の距離で「垂線がなぜ最も短いのか」を問う。
生徒達は,最初は何を言えばいいのか苦労していたが,
垂線以外は,両側に同じものができることや
円の性質を持ち出し,解決につなげていくのは見事。
最後に,接線の性質に結びつけてまとめたところ,
授業後に,一人の生徒が,
「結局先生がまとめている」
と不満顔でつぶやきに来る。
自分たちで最後までやりたいと思ったのだろう。
自分も中学生のころ,そんなことを思ったな。
学びの楽しさを醸し出す授業をしていきたい。
明日もがんばろう。

昼から,はーとぴあ清水で福祉教育担当者会。
静岡と清水が合併したことをようやく感じる会に。
講師の桃山学院大学 石田易司教授がいい。
休憩も挟まずに2時間30分,手を使い,体を動かし,
福祉教育について教えてくださった。
ぽろっと洩らした,
「福祉教育のコーディネーターは教員でない方が・・」
という本音を,聞き取った方はどのぐらいいたのか。
地域の人的資源を活用するために,
学校の資源を地域に開放する。
自分にもできることが,あるはずだと思った。



2004年02月23日(月)



 責任の所在

道徳副読本の指導書検討。
回を重ねるごとに,悩みは大きくなる。
その場でできることは,意見を出して変えていくが,
これでいいのかと思ってしまうのは自分だけなのか。
静岡県のシェアの大半を占めいている責任を感じるなら,
もう少し本気でメンバーを集めるべきだと思う。
監修に事前に原稿を送る意味はあったのか。

成績処理を始める。
2学期制なのだから,こういう指導・評価をしていると
胸を張って言えるものになっていない。
「表現・処理」と「知識・理解」に関しては,
再チャレンジが可能なシステムを,来年はぜひとも作りたい。

NHKスペシャル「オウム 獄中からの手紙」を見る。
これでは被害者は浮かばれない。

他人のことだとわかるが,振り返ってみると,
自分の足元もかなり怪しい。
文句を言っているだけではいけない。
自分のできることは,責任を持ってやろう。


2004年02月22日(日)



 教え子を招いて

午前中は部活。
このところ,1年生に怪我が続出で,人数は少ない。
本気させることが,どこまでできるのか。
厳しい中にも,楽しい雰囲気を大切にするコーチに感謝。
いくつかの仕事を処理して帰宅。

午後は,来月,総合の基礎講座2「私の選んだ道」で
ゲストに迎える松下さんを我が家に招いて打ち合わせ。
教員になったばかりのころ教えた剣道部の生徒。
(あのころは,めちゃめちゃ練習していたなあ・・・)
2年前独立して自分の設計事務所を構えたとのこと。
自宅兼事務所を自分で設計し,それを見て,
仕事の依頼もぼちぼちあるらしい。
お父様が木工家具を作っているので,
机や棚はもちろんのこと,キッチン,洗面台などまでも,
木の風合いを生かしたオリジナルなものを用意できるのが,
強みになっているようだ。
最近建てた家の図面や写真を見せてもらう。なかなか楽しそう。
今,家を建てるのなら間違いなく依頼するのだが・・・残念。
直接会うのは10年ぶりぐらいになる。
高校時代から,一級建築士の資格を取得し独立するまでの
紆余曲折を聞き,あっという間の6時間半。
単なるサクセスストーリーではなく,
勉強が嫌いだったことや,楽しくない毎日で悩んでいたことなど
飾らず自分を出してくれるのがありがたい。
授業として,約2時間をどう構成するのかは固まらなかったが,
彼女の持ち味をきちんと引き出せば,
楽しい時間になることを確信する。
近いうちに,一度事務所を訪ねようと思う。

教え子をゲストに招いて授業をするのはこれで4人目。
これからも以前の生徒達から,たくさん教えてもらおうと思う。
そんな関わりができるのも,この職業の楽しいところ。


2004年02月21日(土)



 テンションを下げる

昨夜つながらなかったYahooBBが,今朝は回復。
ネットのない生活は考えられなくなっている自分が怖い。
さっそく,日記をUPする。
いつも刺激をいただいてる玉置先生の日記を読むと,
自分の日記について,お褒めの言葉をいただいており,
なんともうれしい気持ちで学校へ。

「教師がテンションを下げる」を実践。
これだけで生徒の学びに向かうエネルギー(気配)を
きちんと感じることができ,あまりの違いに驚く。
だから,生徒の些細な反応を軸に授業を展開でき,
教室に学びの緊張感を生み出すことができる。
こんなことで,授業が変わり生徒が変わるのか・・・
「生徒が反応しない」のではなく,
「生徒の反応を生み出す間のない授業」
「生徒の反応を,受け止める余裕のない教師」だったのか。
こんなことを,この年になるまでわかっていなかった。
自分の普段の授業を反省するが,それ以上に,
教科書の流れでも,充実した授業ができることに感動。
いいことを学ばせていただいた。
道徳の授業で,いつもやっていることを
数学でもやればいいのだ。
肩の荷がふっと下りたような気がした。

選択では,影の長さの問題の解明に必死に取り組む。
相似の発想がないとできない内容を,
一人の生徒が見事,解いてしまう。
説明させようとすると,もっと考えたいという反応が多く
次回までの宿題に。

放課後,新年度のための会議。
黒板を校長室に持ち込んで,話を進める。
できることは少ないが,できることはやろうと思う。

飯島先生から,量も思いも盛りだくさんのメールがMLに流れる。
こういう刺激を受けて,教育を具体的に動かす力になりたい。

帰宅後,教え子のお通夜へ。
20代というのに,ずいぶん疲れた顔。
言葉がない。


2004年02月20日(金)



 残りわずかの授業で

ちょっと疲れを感じながら登校。
靴箱前での登校指導をしながら,2日間の様子を聞く。
関わりをもてない生徒を,どう巻き込んでいくのか。
これが一番の問題なのかもしれないと感じた。

授業の残り時間を考えると,こんなことをしていては
いけないと思いつつも,ついつい多くを紹介してしまう。
1年生の図形は,あまり脈絡がない(?)分だけ,
やりたいようにできてしまう面白さがある。

三年生の選択も残り2回。
1年間週1回の授業で,
自分で問いを持つ面白さを感じる生徒に育ち,かなり満足。
他に認められ,自分も楽しさに気がつくようになると,
発想も豊かで,思い切って発言できるようになる。
メンバーが18人というのもよかった。
少人数制のよさは,生徒に発言できる機会が増えること。
生徒同士の何気ない関わりあいを教師が見とれること。

帰りに本屋へ。
玉置先生お奨めの「公立中学校の挑戦」がようやく入荷。
手にして唖然・・・南菅中に行く前に読むべき本だった。

2週間ほど前,妻と1時間も楽しく電話で話していた
以前の教え子が他界したとのこと。
生きることが難しい時代になったのか。


2004年02月19日(木)



 馬場先生の教師としての姿

GCを活用した授業を川崎で中心になって進めてきた
馬場校長先生の退官記念授業。
それも生徒がGCを操作するのだからぜひとも・・・・
授業展開を見たいと思っていた。
しかし,そこで見せて戴いたものは,
馬場先生の校長としての姿,教師としての姿だった。
校長室に入って,開口一番,
「生徒の名前を覚えていない。それが残念だ。」
「授業案も,書いたけどその通りやらないから。」
座席も,いつもの隊形ではなく,
三人が1台のコンピュータを操作できるようなもの。
さらにその三人も,男女が必ず混ざるような形。
生徒との関係や,環境に一番気を配っておられた。
校長でありながら,授業を離れて何年も経つのに
自分がたたき台になる覚悟もすごい。

授業や,授業後の研究協議でメモしたことをいくつか。
・平行四辺形について,教師は単純で美しい(?)図形だと考えている。しかし平行四辺形は生徒にとって難しい図形なのだということを改めて感じた。性質について学んだはずなのに,意外と生徒はわかっていない。だから,対角線で区切られた三角形さえ,全部面積が等しいことが見えていない。
・生徒それぞれの学びが,共有化されるとおもしろかった。①と②が等しいことで悩んでいたYさんが,数式の関係から最後には等しくなることがわかっていたのはすごい。
・素材のおもしろさをよく知っていることの良し悪し。授業者は知っているから,そこへもって行きたくなってしまう。うまく流れればいいけれど,そうでないときに生徒の学び・思考とのズレが生じる。生徒のおもしろさをどうしたら作れるのか。生徒は生徒なりの追求をしていた。こんなとき授業者はどうしたらいいのか。個の学びを全体に共有化する手段が,必要だ。教師が全部わかっていないほうが,いいのかもしれないと感じたりして・・・。そこを補うのがプロの技なのか?
・研修会での話題の焦点化,もっていき方の難しさ。やはり,発言を黒板でまとめるべきだ。どのあたりの発言なのか,見えてこない。多くの先生方の見守る中,校長先生の授業ということで,互いに気軽に話が出にくいと思ったが,以外に校内の先生方が率直に発言していたのは,これまでの積み重ねがあってのことだろう。
・馬場先生の学校にして,普段はコンピュータを使った数学をしていない?見せることもしていないのか?なぜそうなのか?難しいものだと改めて感じた。
・「なぜテクノロジーなのか」という問いに対して,答えているか。動かしたときに,生徒は一気に集中した。でも時間の問題や,細かい数値を読みきれない生徒は,「ホントかな?」とか,「見つけたぞ」という感じにはならなかったのが残念。今回は統合的な見方ができるだけでもいいのではないかと思った。
・「テンションを下げる。語りかけることで,子供達の思考が高まる。佐藤学先生の言われていることを実践している。」というの金田先生の発言が新鮮だった。いつも自分がテンションをあげっぱなしの授業を振り返る。
・座席の配置,人間関係を考えての席のよさを多くの先生方が指摘していた。だとしたらそれをもっと生かすべきではないかと思う。習熟度別などを考えることよりも,生徒同士の人間関係をもっと考えるべきだ。
・指導案作りにエネルギーを費やさない。話し合いにエネルギーをかける。授業研究を全員が実践し,年5回は全体で授業を見る。こういう研修体制を作っていることがいい。今,注目を浴びている佐藤学先生や埼玉大庄司康生先生といった外部の方を定期的に招いてこれらが展開されているのもすごい。今回の庄司先生の授業の見方も,普通の教員ではとても気がつかない視点。これが継続されれば,授業の見方(教師)が変わり,だから授業が変わり,学校が変わっていくことだろう。
飯島先生の川崎に対するメッセージが,多くの方に届くといいな。

帰りは,地曳先生に新横浜のホームまで見送っていただく。
「あと10年,今までより面白いことをやりたい。」
GCのメンバーが集まると,
自分の仕事についてのそれぞれの思いを聞ける。
自分も・・という思いになる。


2004年02月18日(水)



 古今東西の教科書に浸る

静大の両角先生に紹介していただいた,東京江東区にある
教科書研究センター附属図書館に一日こもる。
数学だけに限ると,思っていたよりコンパクトだが,
戦前のものから,各社別に教科書がずらりと並ぶ。
両角先生から,
「昭和30年代の必修・選択に分かれたものを見るべき」
というアドバイスを戴かなければ,何を見ていいのやらという
感じだったと思う。

教科書は,時代の影響をそのまま受けているのを感じる。

戦後間もないころの教科書は,
一緒に新しい日本を創っていこうという気概に満ちている。
単元学習によるものは,なるほど批判されるだけのことはあるが,
「家計」の章などは,海外のものはもちろん,
現在の高校の教科書に載っているようなもの。
また巻頭言や,章の扉の言葉は,
中学生を子ども扱いしていない,考えられた言葉が多い。
大人になってから再放送で見た
「ウルトラマンセブン」の最後の一言にも似ていると思った。
また,自分が生まれるより前のこの当時の図で,
今の教科書にもいくつか残っているのを見つけ,驚く。

その後の高度成長時代の夜明けのころのものには,
勢いがある。これからは科学の時代だと謳っているようだ。

1年生の内容で,
「比と割合」の次に「比例・反比例」を学ぶ流れはおもしろい。
速さや濃度の公式を意味もわからず覚えるのではなく,
こうやって並べることで,全部同じものだと思わせるのは,
水道方式で強調し,自分も気に入っている
「一あたりの量×いくつ分=全体量」の発想と同じだ。
そこから比例・反比例を学ぶようにすると,
何を定数・変数にするのかによって,比例にも反比例にもなる
事が見えてくるようでおもしろい。
(今では,なぜ反比例を扱うのかがよくわからなくなっている。)

必修・選択という記述のある3年生の教科書は,
見るべきものが確かにあった。
おそらく8年ぐらい使われていたのではないかと思うが,
(見本本のため,発行年月日がないものが大半であるため)
必修が週3時間,選択が週2時間とのことで,
これだけのボリュームを詰め込めたのだろう。
特に驚いたのは,ほとんど各社とも
最終章に「点の運動と作図」という章があり,
点の軌跡を本格的に扱っているものだった。
奈良の吉田先生に,自分が初めて作図ツールの世界を
手ほどきしていただいた時の内容もたくさんあった。
(それに今頃気がつくのは,恥ずかしい??)
このように,章を横断した内容を,別な視点で統合的に学ぶことを,
今再び選択授業の中で扱えばいいと,強く感じた。
参考に東京書籍と学校図書のものをコピーしてくる。
(1ページ40円は高いか安いか)

光村など,数学では聞いたことがない会社も,
実は数学の教科書を出していたことを知る。
「つわものどもの夢の後」のような場でもあることを感じた。

9時半の開館時刻からあっという間に時間が過ぎ,
13時を回っていた。
食事をしてから,当然午後も,ここに戻る。

海外のものをいくつか見たが,カラフルで大判で慣れないためか,
目がちらちらする。韓国のものが日本に一番近いように思った。
また韓国では,テクノロジーを積極的に活用され始めているとのこと
だったので,いくつか見たが,よくわからなかった。
事前にNaocoの中澤さんに聞いておくべきだったと反省。
欧米のものは,調べている方がいて十分には見れなかった。
カナダ・パーマーセカンダリーで自分が見たものを
再度見ようと思ったが置いてなく,残念。

また自分が考えている図形と関数を統合的に学ぶものは,
見方が甘かったかもしれないが,
海外の教科書の中でも見つけることはできなかった。
海外教科書でのテクノロジー活用は,
「今ある学習を,テクノロジーを使うと簡単・便利ですよ」
というもののようだ。

自分は,作図ツールを前提として,
新たな学びの視点を創造できるといい。
こうやって調べていくと,自分の位置が少しずつ見えてくる。
こんな時間を戴いたことに感謝。

閉館間際は,高校の教科書と,現在の各社の指導書,
さらには道徳の副読本を斜め読み。
(各社の指導書は現行本とその前の本のみで,
 それ以前の古いものを置いてないのはなぜだろう?)

教科書はそう高価ではないので,学校でも買ってもらえるが,
指導書はなかなか手に入らない。
(自分で買えばいいのだろうが・・・)
啓林館の指導書の通論(学年のものとは別冊)は,
数学教育の歴史と今がコンパクトにまとまったいい内容だ。
これから教師を目指す大学生はもちろん,
自分のような自己流で授業をしてきた人にはお奨めの一冊。
東京書籍は,学年とは別に選択・課題学習用の指導書が出ていた。
これも,手元にあると幅が広がりそうだ。
市の教育センターにこれらは置いてあるのか?調べてみよう。

充実したが,思っていた以上に疲れた一日。
横浜のホテルに戻り食事をし,早々に就寝。


2004年02月17日(火)



 学年末テストで悩む

学年末テスト。
計算は大丈夫だと思っていたが,
ちょっと難しい問題を出題するとできていない。
これでいいのかと心配になる。
難しくてもがんばる,あきらめない姿勢,
生徒のモチベーションをどうやって上げていくのかは,
どんな授業であれ,教育の永遠のテーマだろう。

今回の問題で,なかなかいいと思うもの2つ。
************************************************
1)「反比例のグラフは,Ⅹ軸やY軸に交わらない。」
 その理由を,わかりやすく説明しなさい。

2)方程式2x+1=7と,比例の式y=2xでは,
 文字xの意味がかなり違います。
 どこがどのように違うのか,わかりやすく説明しなさい。
************************************************
この手の問題は一般的には「数学的見方・考え方」なのだろうが,
本当にそれでいいのだろうか。
深い理解力,もしくは確かな知識を問う問題ではないのか。
「数学的な見方・考え方」のとらえを,
単元の内容ではなく,学びの方法にねざしたものにしないと,
授業も面白いものに変わらない。
ペーペーテストで「数学的な見方・考え方」を測ろうとするのは,
そもそも無理があるのではないかと思う。
無理があるから,観点を設けたのではないのか。

突然,明日から出張に出ることに。
この時期は受験があるためか,
東京都内のビジネスホテルはどこも満室状態。


2004年02月16日(月)



 学校における最大の商品は・・・

息子をサッカーの試合会場に送った帰りに,図書館へ。
何度か通うようになると,興味のあるコーナーが見えてくる。
そこを丸ごと読んでしまう時間が,
大学時代はあったのかと思うと,
なんともったいないことをしていた思う。
もっとも,必要感がなければ人は学ばない。

教育関係と,ビジネス関係の本を借りる。
「感動サービス」 坂本光司著を読む。
さっそく,最初の項で納得。
サービスには大きく分けて二種類ある。
表面上は両者とも似ているが,中身は大きく違う。
一つは,真に顧客の側に立ったサービス。
もう一つは,顧客の側に経っているかのようには見えるが,
実は自分自身の保身のため,
責任転嫁のために提供するサービス。

生徒のことを考えているような顔をして,
実は,そうではない対応をしていることがある。
これでは,いい学校にはならない。
また,京都のMタクシーのモットーの一つは,
タクシー会社の最大の商品はドライバー
なのだそうだ。
だとすると,学校の最大の商品は教師であり,
教師の提供する授業・指導となる。
「こんな先生が集まっている学校に行かせたい」
「この学校なら自分の子供を託したい」
と思われる指導を自分たちはしているだろうか。
自校では,「生徒に開かれた学校を」と校長は謳っている。
しかし,自分を含めた職員が,
真に理解し生かしているとは言い難い。
学校の在り方だけでなく,
自分の指導のあり方も見直していこうと決意。

3月に実施する漢字テストの出題文・問題を選定する。
ネット上で見つけた,「from中村俊輔 前略三浦和良様
国語の先生になった気分。

MLに両角先生からメール。
東京に教科書研究センター附属図書館があるとの情報をいただく。
どうせなら,川崎に行く前日に一日篭ろうかと思う。

2年前,評価をめぐる議論を,ある指導主事とした際,
最後に「もっと勉強しろよ」に言われ,
「自分は勉強していない様に見えますか?」と
答えたのを思い出した。
そのときの評価についての自分の主張は,
今でも正しいと思っている。
しかし,「勉強している」という言葉は自惚れも甚だしい。
恥ずかしい限りだ。


2004年02月15日(日)



 充電しつつ

テスト前のため,部活もない休日。
早朝から目が覚めてしまい,メールをいくつか処理。
自分が管理しているs-mathから,
ここ数日配信されなかったのが,なぜか復旧。
理由は不明だが,まあいいか。
励ましのメールもいくつかいただいて,ありがたい。

道徳副読本の指導案づくりも締め切りが近い。
今ひとつエンジンがかからず,
録画しておいたNHKビデオを見ながらの作業。
わたしはあきらめない「柴田理恵」さん。
ぶっちゃけトーク・「素」で生きていると思っていたが,
柴田さんが,実はまじめな優等生だったことや,
面白おかしく人を楽しませることの裏側の苦労を知る。
生徒にも見せたい内容だが,1年生の彼らにこの味が伝わるか?

本屋で数学教育3月号を購入。
影の長さの授業を,暗幕で真っ暗にした体育館で,
電灯をともして実践された方がいたとのこと。
そこから数学化するところはちょっと甘い(?)けれど,
これも,生徒は楽しかっただろうな。
また,太陽の影の長さと角度を追求するものは,
なるほど,単純ではないことがよくわかった。
春休みに,ぜひ子供と挑戦したい。
さらに,地球の大きさを1mの棒の影から測る実践。
インターネット時代の今だからできる楽しい実験。
ちょっと話は違うが,先週博多へ行ったとき,
朝,日が昇るのが遅いのを感じたのを思い出す。
地球の大きさのスケールの大きさと,
2千年前のエラトステネスと勝負しているのがまたいい。
(しかも負けているのが面白い。)
本屋では,またいろいろと買ってしまった。
小山裕史氏の「奇跡のトレーニング」は,
部活動での長年の自分の疑問に答えてくれそうなもの。
読み進めるのが楽しみだ。

道徳の指導案をなんとか一つまとめ,さらにビデオを見る。
佐世保の先生から送っていただいた,
テレメンタリー「ニワトリからの贈り物」
自分が育てたニワトリを解体実習することで命の尊さを学ぶもの。
画像は悪いが,ぜひどこかで使いたい内容だ。
生徒向けというだけでなく,
教師の悩みにも,踏み込んでいる。
それでいて生徒の前では毅然としている教師の姿もいい。
ビデオというバーチャル世界ではなく,
形を変えて,実際に何かできないものだろうかと思う。

気がつくと,この日記のカウンターが4桁に。
約3ヶ月でこの数は,なかなかすごい。
いつも(たまに?)読んでいただいている方々にも感謝。


2004年02月14日(土)



 数学的手法を活用する楽しさ

学年末テスト初日。実技教科のみのテスト。
監督しながらテストの仕上げをする。

第5時,2年生の数学選択。
1年生の授業では明確にしなかった,
影の長さの問題を,さらに進めて行なう。
電灯と人の高さの比が等しければ,同じ関数になることを
いくつかの例から,確かめる。(1年必修ではここまで。)
電灯と人の高さをマトリックスの表にして分類する生徒がいて
「こう場面で数学的手法を発想できるのはいいね」とほめる。
分類する手法はいろいろあるものだと思うが,
普通の授業では意識してきちんと扱っていない。
数学が現実に生かされない理由がここにもあるように思った。
今回は,逆に数式から条件をまとめる形を紹介。

  式      電灯:人
Y=1/4*Ⅹ    5:1
Y=1/3*Ⅹ    4:1 
Y=1/2*Ⅹ    3:1    
Y=2/3*Ⅹ    5:2
Y=Ⅹ        2:1
Y=3/2*Ⅹ    5:3

比例定数と比の関係が,
並べてることで見えてくる。
関係が見えたら,
「Y=3/4*Ⅹ になるのはどんな比?
 本当にそうなるのか確かめてみよう。 」
ここで時間切れだが,生徒は追求をやめようとしない。
関係が見えてくると,本当かどうか確かめたくもなる。
なぜそうなるのだろうという問いも生まれる。
その上で数式的にも,図形的にも論証できるとなると,
さらに感動があるだろう。来週が楽しみだ。
出来合いの何かを学んで,これを覚えようという数学よりも,
何かを解明していく中で数学的手法を活用するのがいい。
実験的にそれができる選択は,とても楽しい。

放課後は職員会議+新対全体会。
黒板で話し合いをまとめるだけでも,
顔が上がって,互いの表情が見えるので,
話し合う中で,妥協点も見えてくる。
こんな当たり前のことを,なぜ今までやってこなかったのか。


2004年02月13日(金)



 人が集まる場に

点対称の作図が好評だったので,
ついでに線対称も作図することに。
しかし,思ったようにはいかない。
ひし形を利用して対応する点を作図することから説明したが,
それでもできない生徒が続出。
TTの剱持先生にずいぶん助けてもらう。
作図の難易度からすると,
定番の角の二等分線や垂直二等分線を扱ってからでないと
やはり難しいのか。
作図だけなら,たこ形を利用する作図の方が簡単が,
それでは「なぜ」の部分があまりに欠落してしまう。
扱わない方が,よかったかもしれないと後悔。

総合のまとめ最終回。
静岡を空襲したB29の搭乗員を弔った慰霊碑を知り,
慰霊碑を立てた方のご子息お会いして,
どんな思いだったのかを聞いてくる生徒など,
内容的には面白いものが多かった。
とはいえ数学的な手法を,
生徒たちが全く活用していないのが悲しい。
統計などを基礎講座として扱えばいいのだろうと思う。
来年度は,この辺にも着手したい。

テスト問題を考える。
「数学的考え方」をテストで図ることに,やはり疑問を感じる。
一度パターン化して覚えてしまっていれば,できる問題ようになる
方程式の文章題を,「数学的考え方」などと言いたくはない。
共感してくれる教員は,どのくらいいるのだろうか?

夜は市の数学同好会。
今回は,両角ゼミの学生の卒論・院生の修論がメイン。
自分も例の影の長さの問題を持っていく。
限られた時間の中で,せっかくの論文を十分読みきれない。
何を話題にしていいのか,自分の発想の幅の狭さを感じる。
文献をベースにしている学生さんと,
生徒との毎日をベースにしている教員,
うまくかみ合うと,面白いものが生まれるのだろう。
また,話し出すと夢中になってしまうのも,考えなければ。
できるだけ多くの方が発言できるような気配りも,
必要なのだろう。
せっかく忙しい中を集まってくれたのに,
発言する場もなく帰るのでは申し訳ない。
人を動かすためには,人が集まる場にしていかないと。

話題を活性化しつつも,
多くの方の発言に,うなずきながらメモを取る両角先生。
「自分なんかは・・」と言いながらも
常に生徒たちを想定しながら,率直な発言をする金山先生。
自分も,自分なりにできることを考えようと思う。

「3月に授業を見たい」と言われて,
「いつでもいいですよ」と胸を張って言えないのが残念。
けっしていい加減な授業をしているつもりはないが,
見ていただけるだけのものを,限られた時間の中で
やれるかというと,ちょっと難しい。


2004年02月12日(木)



 仕事が進まない休日

朝からちょっと風邪気味。

母の目が充血していて,心配なので当番医を探すと,
なんと高校の同級生の眼科。
朝一番で診察してもらう。
幸いたいしたことはなかったようだ。
わかりやすい説明で,安心も増す。
学校での様々な場面で,
プロとしての説明が,自分にできているのか?

自分の数学のサイトに少しだけ手を入れる。
もう少し何とかしたいと思うが,
これだけでも意外と時間がかかる。

道徳の副読本,テストなど,目前の仕事が山積。



2004年02月11日(水)



 点対称な図形の見方

朝から,事故報告をいくつか書く。

授業は点対称の続き。
教科書にある点対称な図形の対応する点を結び,
そこからどんなことに気がつくのか,
図形の豊かな見方を問う授業。
見えている生徒には,見えているのだなと感心。
川上さんからの手紙の効果なのだろう,
いつも以上に,
生徒が自分なりの見方や問いを
持とうとする。
点対称は,
対応する辺が平行であることや,
対称の中心を通る線で分割しても,
合同な図形になることまで出てきて,
扱ってしまった。
楽しい時間だが,
証明抜きでここまで進んでしまって,
果たしていいものか?まあいいか。
また,こういう場面での発言を,
きちんと評価しておくといいのだろうと思った。

教室にはLANが配備されていないので
点対称や線対称のお絵かきができるJAVAのサイトを,
ノートパソコンで表示しておいて,それを持っていって
代表の生徒に操作させる。(正確にはいじらせる。)
その上で,ノートに作図をさせる。
これも楽しいが,教科書では削除された内容。

公立高校前期試験発表。
心配していた部活の生徒も合格の知らせ。
ありがたい。

放課後,学年委員会。
本気でリーダーを育てよう。
学校は,人を育てる場でなければいけない。

帰りに入院先にお見舞いに。
大きなことにはならないで済みそうで,ちょっと安心。
同時に,気になる話も聞く。

夜も,仕事をしなければと思ったが・・・。


2004年02月10日(火)



 久しぶりの学校で

久しぶりの学校。
自分がいなかった間にいくつかの事件があり,
朝からその対応に追われる。

授業では,川上先生からのメールをさっそく紹介。
学年の掲示板に模造紙大に拡大して掲示する。
うれしそうに,しっかり読んでいた生徒の目。
ありがたい。

今年自分が行った「影の長さ」授業案もUPする。
PDFの問題ではなく,サイトの容量が
一杯になっていたのが問題だったようだ。
いくつかのファイルを削除すると,すんなりUP。
そろそろ,本格的に手を入れる必要がありそうだ。

授業は点対称。
ほぼ教科書どおりの流れで授業しているが,
これはこれでおもしろい。
作図を,どこまでさせるべきか。


そうこうしていると,また事件。
素早く対応でき,とりあえすは一段落。
後は大事に至らないことを願う。

久しぶりに中学時代の恩師から電話。
仕事を依頼されるが,丁重に断る。
申し訳ないが,
今,自分がやりたいことをやる時間がほしい。


2004年02月09日(月)



 思うようにはいかない

午前中は,柔道部の指導。
いつものように保護者,三年生,コーチと
たくさんの方にサポートしていただく。
自分で自分をどうしたら燃やせるのか。
モチベーションをどう高めるのか。
生徒たちは,決していい加減ではないのだが,
本気で力を出し切っているところまではいかない。
練習終盤の乱取りで,1年生の部員が投げられる際,
畳に手を着いてしまい,けが発生。
ちょうど保護者がいてそのまま病院へ。
右手首骨折とのこと。

午後から,「影の長さ」の授業展開を文書化する。
何とかできるが,どうもPDF化するとおかしい。
ワードで40Kのものが,PDFにすると400Kになってしまう。
また,GCファイルをHtm形式で保存するが,
UPすると,それが見えない。
困った。




2004年02月08日(日)



 川上さんから生徒宛に手紙

2日間たまっていたメールを読み,昨日の様子をUP。
ネットなしの生活は考えられなくなっている。

そうこうしていると,岡山の川上さんからメール。
昨日の帰りの電車の中で,
以前,川上さんから教えていただいた,影の長さの授業での
おもしろい生徒の表れを話したところ,
その生徒宛に,さっそくお手紙を下さった。
相似比が等しいことと「内項の積=外項の積」を使い,
なぜ比例になるのか,なぜ反比例になるのかを導いたり,
マイナスの場合についての意味を明快に解説。
内容は,当然1年生の学習内容をはるかに超えている。
「なぜ比例になるのか」という生徒の問いに
「また3年生でやるよ」で自分は授業を終わっていたが,
ためらうことなく,ズバリ答えていた。
このあたりの大胆さは,さすが。
「全員がわからなくてもいい」「1年生だって,いいじゃないか」
という割りきりも,時には必要。
さっそく,月曜日に印刷して生徒たちに配布しようと思う。
それとも,拡大して掲示した方がいいかな?
わからない生徒も多いだろうけれど,当人は喜ぶだろうし,
それ以上にびっくりし,感激することだろう。
見ず知らずの生徒に対して,これだけの精力を傾けて下さる
川上さんの姿勢に,心から感謝。
同時に,この実践をする前に
川上先生に伝えておくべきだったと反省・後悔。

岡山のマスカットスタジアムの授業案を見ていると,
自分のとはちょっと違う展開だった。
明日中に自分の展開をまとめて川上さんに見てもらおうと思う。

午後は,パンクの修理。
トレッド面だったので,修理できると思っていたのだが,
驚くほど大きな石が刺さっていて,結局は,
この冬購入したばかりのスタッドレスタイヤを1本交換することに。
「こんなの見たことがない」と言われてしまった。

夜,以前おかしくなったHDから指導案を取り出す作業。
膨大なファイルの山。
結局2時間でたった1つしか見つからない。


2004年02月07日(土)



 有田中にて

朝,シャワーを浴び朝食に行く準備を始めようと思っていると,
ドアをノックする音。
上原さんもネクタイを締めつつ「出発時間変更の指令あり!」
とのこと。あわてて着替え,飛び出す。
列車で川上さんとも合流。
有田へ着くとまた雪。さすがに飯島先生(?)

西山先生の授業を参観。1年生の接線の授業。
ろ紙を折り,その対称性から接線の性質を導こうとする。
生徒も緊張して思うように進まなかったが,
光る発言もいくつか出る。
無理をしないで終了。このあたりは,さすが。
接線には,多様で複合的な数学的要素が含まれていることを
再認識する。
1年の平面図形の総まとめになる。
嵐のような指導内容削減の中,
1年生に残した方の意図が見えた気もした。
「性質と作図を覚えておしまい」ではもったいない。
自分も,ちょっとこだわった授業をしてみようと思う。

3年選択,森先生の授業。TTとはいえ生徒が40人。
しかも,一人一台のパソコンで,GCを使いこなしている。
点の束縛条件を変更している生徒もいたのには驚き。
授業は正三角形を素材にした問題。
こうやって自分なりの素材で挑戦してくださるのもありがたい。
予想→GC操作→発見→考察といった流れにしようという
思いはよくわかるが,思ったようには生徒が発見してくれない。
宝物を埋めてあるところを,
なんとか掘らせようという思いが,授業者を焦らせる。
難しいものだ。

授業の合間に,お借りしているCASIOのClassPad300
初めて本格的に使ってみる。
タッチペンで図形をいじれるのは,初心者にはいい。
液晶表示も,そこそこ細かくてきれい。(240×160dot)
ズーム機能が付いていて,見たいところの表示サイズを
自在に変えられるのはうれしい。
しかし,測定の機能があるのかどうかわからなかったり,
元になる図形という発想がないのか,
線分上にとった点を動かすと,線分も動いてしまうなど
これでいいのか?と疑問に思う点も見つかる。
(借り物だから,ベータ版なのかもしれない。)
もう少し,いじってCASIOに問い合わせてみよう。
でも,英語で質問するのかな?

昼は,ギャラリー有田。名物の「ごどうふ」をいただく。
器がこれでもかと出て,おいしくいただく。

事後研は,九州陶磁文化館で。
「よし,できた!」の声とともに,ここでも川上ワールドが炸裂。
授業者の用意した素材を,どう授業化するのかを具体的に示す。
生徒の素朴な問いを引き出し,
最後には,特殊から一般という関連を見出す流れに。
それを楽しそうにやってしまうところがまたいい。
どうやら自分は,見切りが早いようだ。
粘り強く,自分の願う方向に考え抜く姿勢を学ぼう。

作図ツールは,生徒を惹きつける魅力があるし,多様性を生む。
乗りこなすのが難しい荒馬だということを感じる。
慣れてくれば楽しい道具だが,
授業をコントロールするためには,使い分けが必要になる。

おかげさまで今年度は,作図ツールに関する授業を,
いくつも見せていただいた。
こういう場を設けてくださった,飯島先生はじめ皆様方に感謝。
活力のある方々と触れ合うことで,
自分も一層,活性化してくるのを感じる。

飛行機は,予定時刻を20分以上遅れて到着。
最終の新幹線に間に合わず,鈍行に乗って深夜に帰宅。
これもいい経験。


2004年02月06日(金)



 時流を読んで動く

始発の新幹線で品川へ。京浜急行で羽田。
東京からよりは確かに便利。
群馬の上原さんとも無事合流。飛行機の座席も偶然隣に。
「はなわ」の唄ではないが,佐賀に行くのに佐賀空港は使わない。
近いから利用されるのではなく,便の数や価格,
つまり利便性で決定される。
静岡空港も,同じ運命をたどる気がしてならない。
向かい風が強かったらしく,予定より30分ほど遅れて博多着。
有名なラーメンをいただいてから,吉野ヶ里遺跡へ。
電車を降りると雪。
スキー場でも,こんな雪になることはないぐらいの降り方。
歩けど歩けど遺跡が近づかない。
視界が悪くなり,建物も見えなくなる。
やっとの思いで到着。
ここも,すばらしい建物,かなりの数の従業員。
平日とはいえ見に来る人はほとんどいない。
どうするつもりなのだろうか。
国の遺跡だから,問題ない??

原さん飯島先生とも合流し,中洲へ。
日本の数学教育を大きく変えるプロジェクトが提案される。
歴史の証人にでもなった気分。
今という時流を考えて,市場のないところに市場を創り出す。
当然ペイできる仕組みまで含めて。
ビジョンがしっかりしてれば,夢は夢では終わらない。
静岡空港も,そこに市場を生み出す仕組みを考えているのだろうか?


2004年02月05日(木)



 伝える技術・伝わるHeart

朝,恒例の生徒の出迎えを靴箱前で。
挨拶するときの表情,声のトーン,一声かけるタイミング。
なんとなくではいけないことを改めて思う。
人との関わりが下手な生徒が多いが,
自分だってうまいわけじゃない。

校舎をつなぐ渡り廊下のセンスのなさ。
通路の屋根を支える鉄骨のペンキは剥げ,錆だらけ。
蛍光灯も,つかないことがあり,なんとも情けない。
ゴミを平気で落とす生徒がいるというのも嫌だが,
その前に,それを許さない環境にしなければ。
こういうことにも気を配れる人が,必要だと思う。
外部評価が必要だと言われても仕方がない。
とにかく提案しよう。
できることをやっていこう。

授業は平面図形。
いつものように授業最初にノートの感想点検をしてまわると,
指示したことが,きちんと伝わっていないクラスがあり驚く。
「教科書○ページを開けて,△行目を指差しなさい」
といった,はやりの○○式の指導を批判するのは簡単だが,
こういった基本的なことができていない現実を見ると,
それもわかる。
もちろん,そんな気は自分にはないが。

道徳は,異性の理解について。
本音も聞けて,なかなか面白かった。

放課後,新年度計画会議。
ビジョンが見えるような,見えないような。
前回自分が提案したつもりのことが,
実は伝わっていなかったのだということがわかる。
怒っても仕方がないけれど,
これだから,時間が無駄に流れるのだと思う。
黒板のないところで会議をやってはいけないと
改めて思う。

明日は九州へ。


2004年02月04日(水)



 

これまで,今ひとつ盛り上がらなかったs-mathがいい感じに。
算数授業研究会というコアになる部分,共通の話題があるから,
話が広がるし深まりもする。
身近な仲間でMLを開設するというのは,
なかなか意味のあることなのだと再確認。

授業は,3問プリントで時間がかかる。
文字式で表すことや,比例・反比例の求式。
びっくりするほど忘れている。
繰り返していくことで,通過率を上げようと思う。

帰りに家庭訪問を一軒。
人と人との関係づくりは,簡単だけど難しい。

市立図書館で本を借りる。
図書館は,項目別に分かれているので,
その分野のことを一気に深く調べるにはいいが,
旬の本も古い本も渾然一体。
番号の棚になかったりすると,探すのに一苦労。

そう思って,借りた「プロジェクト・ホテル」を読むと,
本にも旬があり,新しい本からでないと,エネルギーをもらえない
という記述に出会う。
今読みたいと思うものは,新刊であることが多い。
お金を出して買わなければならない本が自分には多いようだ。

弟の娘(小2)が来て,泊まっていく。
3日後に日本を離れるとのこと。
「抱っこして」という言葉に,
戸惑いながらも,抱えてぎゅっと抱きしめる。
「がんばれよ!
 若いということは,変化に対応できるということなのだから」
心の中でつぶやく。


2004年02月03日(火)



 距離があった方が

アメリカに転勤になった弟からメールが届く。
アメリカという国について語っていた。
いろいろなことを教えてもらおう。
近くにいても,話ができるとは限らない。
距離があったほうが,話ができるようになるかもしれないと感じた。

平面図形の授業が始まる。
パソコンとプロジェクターを用意したが,
切ったり貼ったりに時間がかかり,活用するまでいかずに終了。
手で触る感覚のほうが大事な場面では,無理して使う必要もない。
図形を共に楽しむ中で,次の学びにつながる展開にしたい。

部活の生徒の保護者が突然他界,通夜に。
柔道が好きで,よく顔を出していただいた方。
1人の死は本当に重い。


2004年02月02日(月)



 銀杏木のベンチで考えたこと

早朝,息子のサッカーの練習試合に中藁科小へ。
校庭の真ん中に大きな銀杏木と,それを取り囲むベンチ。
ほっとする雰囲気を持つ小学校だ。
こんな学校を母校に持つと,
「いつかこの樹の下に集まろう」なんて話になるのだろう。

息子のチームは決して強くはないが,
いい指導者に恵まれ,幸せなやつだと思う。
コーチングをする姿勢,表情,声のトーン。
どれをとっても,楽しくがんばろうと思える。

試合までの時間に,そのベンチで読書。
斎藤孝氏の「段取り力」
マニュアルの裏側にある段取りを読み取る力。
マニュアルを構築する側の立場に立って考える習慣。
トラブルを吸収する「段取り力」,これもいい。
引用する文章が面白い。
エッセンスを知っても読んでみたくなる。
読書好きの方が薦める本を読めば,はずれはない。
特に「プロジェクト・ホテル」は読みたい。
ここで取り上げられた話ではないが,
田中康夫氏が知事になった時,
県民の目線で,開かれた県政にするのだと言って,
真っ先に庁舎を改善したのを思い出した。
「子どもの視線に立って,学校を変えていこう。」
そういう姿勢が,校長・教員にはあるのか?
靴箱一つをとっても,情けないわが学校。
昨日見た,橘小の環境がうらやましく思えたが,
「小さなことでも改善しよう」という目で見ていないから
改善されないのだ。
お金をかけるからいいものができるのではない。

その他「トヨタ式改善力」「読書力」「ゴールデンボーイ」・・
このところ本を買う習慣がついてしまい,月に1万円は下らない。
自分を磨くためには必要な投資だが,
やっぱりお金がないのは辛い。
とりあえず読みたい本は図書館で借りることにしようと決意。
ネットで検索・予約して,借りるようにすればいいのだ。

日記の下に,検索できるタグを付ける。
これにより「TI92」などのキーワードを打てば,
その記述のある日記が一覧できる。
これは使える!

両角先生とメールでやりとり。
数学教育について,本気で考えておられるのがよくわかる。
さあ,自分ができることは何だろうか。


2004年02月01日(日)
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