モスクワ留学日記
もくじ|前|次
2008年02月21日(木) |
需要と供給、必要たる人間であれ。 |
モスクワ マイナス7度 冷え気味
胃腸の調子がすこぶる悪い日々をお過ごしの自分、元気だせ。
ゲルルル…(腹音)
◇◇◇
さて需要と供給のバランスといいますか
タイミングといいますか
人探し、仕事探しなどはうまく互いの条件に合うと
意外とすんなり決まったり
しょーがないけどまぁ妥協すっかと決まったり
条件出しすぎてちっとも決まらなかったり
なんてことがありますが。
ロシア語を使える日本人の需要は年々高まっているようです。
通訳などやっておりますと、
訳す内容が高度であればあるほど、自分の力不足を感じてしまいますし
話の内容が複雑であればあるほど、頭フル回転で言葉選びに気を遣いまして
厳しい話であればあるほど、数時間もこなせばげっそり体力消耗するわけです。
通訳というものは言葉まんま伝えたらよいのですが
まんま伝えても通じない場面ではどうするか。
何を言わんとしているか、その本当の意味を伝えるのに補足説明したり
命題から遠い部分は端折ったり、わかりやすい例えでかみ砕いたり、
そんな気転が必要になってきます。
例えば「アホか」
という言葉を訳して伝えたところで問題の解決にはなりません。
「○○を実現するために、このような手順で行う作業を要求しました。 しかしまだできていないために注意をしているのです。 この納期で作業を完成させて私に報告してください。」
何のために
どういう手順の仕事を行い
いつまでに
誰に報告
特に重要なのは「何のために」「どういう目的で」さらに言えば 「これをすることでこのような結果を出したいので協力頼む」
くらいの説明をしないと、まったく動きません。まったく。
今日の日記は自戒を込めて書いていますが
温厚な私でもキレそうになる時は多々あります。
でも、キレ損なんですね。
話してる相手は悪いと思っていないのだし
こちらが何に対してキレるのか理解できない場合が多いのだから。
そしてキレるとつい言わなくてもいい余計なことを口走って
墓穴を掘ることになりかねないので
時間をかけて冷静に説明するように努めています。
必ずしも効果的とは限りませんが、少なくともこの方法をもってして
良好な人間関係づくりに役立った部分あるだろうと感じています。
そして先の需要と供給の話に戻るわけですが、
もっと自信もっていいんじゃない>自分
言葉以上の、気持ちを伝える能力に長けているんじゃない>自分
大人になるとあまりほめてもらう機会ってないから、
自分で自分をほめてあげる。ヨシヨシ。
モスクワ 0〜2度 雪
細かい雪が降っています。 夜には冷えて、ぎゅむ ぎゅむ と雪を踏む音が心地よく。
◇◇◇
前回の日記を読んで心配された方から励ましのメールをいただきました。 ありがとうございます。
ロシアに長くいることを非難されたというわけではなく、 単純に「どうして?」と聞かれることが多いんですね。
しかし今年で11年目ですよ。私の青春モスクワにあり。
成長したかなぁ。
大きならせん階段を上っているようなものかなーと思います。
同じことを繰り返しているようで、ちょっとずつ上に行くような。
◇◇◇
ところでロシアのバブルっぷりがすごいです。
たとえばホテル。地方都市のホテルで1泊約3万円。 歯ブラシすら置いてないような、お湯もろくに出ないような部屋で。
コーポレート料金あるとその半分くらいになるのでしょうが、 それにしても。。
需要があるからこその強気商売ですが、 不動産以外のすべても、もちろんどんどん値上がってます。 牛乳1パック100円だったのが今じゃ200円ですよ奥さん! 物価が倍、給料も2倍にあがるかってーと、そううまくはいきませんからね。
そしてなんかうまいこと裏の世界で暮らしてる人たちの多いことよ! 金が余ってしゃーないという輩がヒマだからレストランでもやっか、 なんてって高級レストラン開けたりするわけです。
金がすべての世の中で、正直者は下手をこく時代ってのは
なかなかどうしてやるせないものです。
悪が裁かれる時代になってほしいなぁ。
モスクワ マイナス6度
相変わらず雪はないもののちょっと寒くなってきました。 週末の夜はマイナス17度とか。
◇◇◇
仕事がはかどらないーー
どんなに知識や経験をふりかざして対処に当たったとしても 現地人がしっかり理解して動いていく組織にしなければ 我々はただの取り越し苦労だったり骨折り損だったり。
およそ複雑骨折の様相を呈しているけれども カリカリしてもしゃーないのだと、ここはひとつ流れに任せてだな。
と、
前述の仕事がはかどらないーー に戻るわけですが。
◇◇◇
ところでどうしてそんなに長いことロシアにいるの?ロシア好きなの?
もっといい国いっぱいあるよー!と言われます。
それはもぅしばしば。
ひとつはっきりしているのは、私は寒い所が好きということ。 どさんこ魂は永遠に不滅。
そしてほかの国をあまり知らないという事。 そして特にロシアにこだわっているわけではないという事。
何かのきっかけでガイコクに触れる機会があったら、 私の住んでいる場所はロシアではなかったかも。
たまたまロシア語を選んで、たまたま国費留学に受かって、 たまたまロシアに住み続けているだけ。
何か大きなきっかけがあれば、ロシアを離れて他の国に行くでしょう。
人生なんてそんなもん。
きっかけなんてそんなもん。
願わくば、毎日笑って過ごしたいものです。
|