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2004年01月02日(金) 12/31 本番の続き(2) 2003年12月31日(続き) 24:00 担当:マスター ↓現在の進行 ----------------- バスはフェリー乗り場へ向かう。「おい、ほんとにAZ-1を振り切れるんだろうな!?」「まかせとけ!」 みんなダンスをやめ、座席にしっかりとつかまってる。手が、がくがくしてる。ライトアップされている街が、前から後ろにすぎていく。 「…なぁ」 「…え?」 「…フェリーに乗ったら、どこに着くかな」 「なんだ、この期に及んで、そんなこと考えてたのか」 「…さぁ、こればっかりは、運だからなぁ」笑う。 「ちゃんと、やっていけるかな」 「バンドは、世界中どこでもやっていけるよ」 AZ-1はずっと後ろをついてきている。 「曲がよければね」 「確かに」 「やっぱカメラはダメだろ。ストリートじゃ聞こえないよ」 「何よ!携帯電話だって同じようなもんでしょ!」 「あはは」 「でも、南の島に着いたら、どんな楽器を使おうか」 「やっぱり、もう携帯電話はだめだろうな…充電器の規格あわないよ」 「…そうか!」 突然、ジャンベーが運転席の携帯電話君に叫ぶ。 「そのケータイ、鳴らせるか?」 「そりゃあ、番号はわかってるけど」「ボリューム全開にして、ディスプレイの明かりをつけっぱなしにするんだ!なるべく派手に光らせて!」 ケータイをドライバーから受け取り、目覚まし時計さんにパス。ぼそぼそと、目覚まし時計に打ち合わせ。 「バスの最後尾へ!要領はわかるな?」「わかった、やってみる!」 AZ-1の方に向かって、最後尾で鳴っているケータイをかざす目覚まし時計さん。 運転手では、二人が真剣な顔で話し合ってる。 「みんな、座席に捕まれ!」 がしっ!! …… 「10…9…8…7…」 どこからか、遠くカウントダウンの声が聞こえる。 「よし、今だ!」 バスの電気がぱっと全部消える!エンジンの音だけがやけに大きく聞こえる。 ふっと、暗闇に流れるケータイの光。 「行け!!」 瞬間、バスが急カーブ!! いや、これは……ドリフト!? バスはスピンしつつ、90度の曲がり角をターン! そのとき、ケータイを思いっきり窓から投げ出した!! 「…4…3…2」 投げ出した先は…フェリー!?いや、あれは… …船の科学館だ! AZ-1が、そのままケータイの光を追いかけて、フェリーもとい船の科学館へ突っ込んでいく… 「…1…0!」 バスがちょうどスピンして、船の科学館を真正面にとらえたとき、科学館に突っ込んで見えなくなるAZ-1がちらっ…と見えた。 瞬間、がっしゃーんという音と、爆発音。そして、除夜の鐘。 AZ-1がどこかに突っ込んだのか?吹き出す煙。みんな、息を止めてその光景を見つめてる。 「…行こう!」 バスはそのまままた向きを変えて、フェリー乗り場へ。 かくして、一同は無事フェリー乗り場へ到着。 楽器を持った人間と、そうでない人間。 masterが、車内で言う。 「僕たち、新しい地でバンドをやります。みなさんをこれ以上巻き込むわけにはいきません」 つまり… 「ここでお別れです。」 「僕たちは罪を犯してきた人間です。皆さんは、日常に戻ってください。 いつかバンドがうまくいったら、柏駅前で演奏します。たまに駅前を通ったら、僕たちがいないか探してみてください」 かくして、お客さんはバスから降りて、楽器を持った元犯罪者の6人は、バスに乗ってゆっくりとフェリーに向かっていく。 あっ。遠くディズニーリゾートで年越しの花火が上がる。 そしてどこかから音楽が聞こえてくる。それは少しずつ、しかし確実にボリュームを上げていく。 どうやらフェリー発着所のそこかしこから、音楽が聞こえているらしい。 どこからか携帯電話の音。ふと見ると、フェリーの上でこちらに向かって手を振り、お辞儀する6人。 「ありがとうございました!」 終劇。 --------------------------- 終わったあぁぁ…。 壮絶なカーチェイス、命がけでした。そあら、おつかれ! そして、AZ-1を運転していたのは私です。もちろん、生きています。 舞台監督であるともちゃんと、おがゆうが考えた、映画ばりの爆発シーンです。 ご協力いただいた船の科学館、の、お掃除係様、ありがとうございました! こっそり、たき火の煙に見せかけてスモークたくのを許してくれて、ありがとうございます。このご恩、一同、一生忘れません。 AZ-1をここまで酷使しちゃって、ごめん、そあら!あとで、みんなで磨きますね。 あと、フェリーの管理人様達にも篤く御礼申し上げます。整備中のフェリーを、快く移動させてくださってありがとうございました。 そして、こんなシャレにならない公演に最後までおつきあいいただいたお客様。 誠にありがとうございました!! お帰りの際は、バスが柏駅まで向かいます! その後も、ご相談次第でご自宅までお送りいたします。 さぁ、みんな、打ち上げは2日だ! それって、もう、明日だ。 今から年越しそば食いに行く人、手を挙げて!はーい! あっ、お客さん達も?そうだよね。じゃ、途中でどっか寄っていこう! --------------- 以上で、アナコミ第4回公演はすべて終了しました。 皆様、ありがとうございました。 今年も、アナログコミュニケーションをよろしくお願いいたします。 |
2004年01月01日(木) 12/31 本番の続き 22:50 作:三男 現在の進行↓ ---------------------------------- はー、これからどうしよう...俺、こんなことするはずじゃなかったん だ...オカマであることでいじめられた少年時代、みんなのしょうもない犯罪 暦、実はとっても小心者な事、後悔の念...それぞれがぽつぽつと話しだす。 ショボーン。 しばらくして、オカマがカメラを持っていることに誰かが気づく。おいなんだよ それ。カメラよ。何を撮る気だよ。やめろよ。俺たち犯罪者だぞ。写真みたいな 証拠になるものは残すなよ。はあ?カメラで写真なんか撮るはずないじゃない。 これは楽器よ。 全員「はあ?」 ・・・何よ、カメラを楽器にしちゃいけないって言うの?!なんでよ?!あ、分 かったわ。私がオカマだからでしょ!どうせそうなんでしょ!どうせみんなオカ マをバカにしてるんでしょ!キー! お、おいおい落ち着け。バカにしてない。どっちかって言うとかなり気になる ぞ、カメラで楽器。いや実は俺バンドをやってたことがあって...え?私も。 あ、俺も。俺もだ。 「私なんか目覚し時計を楽器にしてるのよ」 おいおいこれはすごくないか?なんかさ、俺たちでバンド組めないかこれ?な あ、みんなで逃げてどっか知らない土地でバンドをやなんない?俺たちまだやり 直せるよ。俺たちにはまだ音楽があるよ! とりあえずの金はおオカマがたっぷり強盗してきてるわけだし!! と、そのとき。 あ・・・あ、あれは・・・赤いランプ。えーと、上に赤いランプが乗ってる白と 黒の車が前方に6号をふさいでるのが見えるんですが。 え?全員が一斉にフロントガラスに張り付く。青ざめる顔。ただ一人を除いて。 「ほんとだー変な車だねーあー分かったー大晦日だからイベントのパレードだよ きっと」おだまりスチームドラム。 山下達郎の「パレード」を歌いだすスチームドラム。三瓶が口を押さえ込む。 「パレードがゆ...んがんぐ」 このバスで逃走してることがばれて、先回りされたんだよきっと。やばいよ絶対 やばい。 タバコ箱のセロファンで無線の芸をやるそあら。「あーあーこちら3号車。ただ いま犯人グループは大型バスで6号を東京方面に逃走ちゅ...んがんぐ」 多分あれは年末の飲酒運転の検問だと思うんだ。俺たちとは関係ない。だから、 うまくやり過ごせば、ばれない。絶対ばれない。 よし。 「おいこらドライバー」ガチャリと猟銃を向けるオカマ。 「変なことすんじゃないわよ。普通にやり過ごすのよ。妙なことやったら... えーと、襲うわよ。いい体してるし」 よし、全員普通の乗客のふりをしよう。普通に席に座るんだ。 「私はドライバーの後ろの席でこいつが変なことしないか見守っとくわ。いい体 してるし」 すでにバスの前には数台の車が列になって一台ずつ検問を受けてる。一台終わる ごとに少しずつ進む。窓の外から赤いランプが車内を照らす。 バスの番だ。それぞれ席につき、息を潜めて固唾を飲む彼ら。 つるがバスの窓を開ける。 警察「年末の飲酒運転検問でーす...あ、あれ?あなたは...?」 つる「(目で意味ありげな合図)」 オカマ「?」 警察「あ、あれ?は、はい、じゃあ免許証見せてください...はい息ハーって やって...は、はいOKです、気をつけて運転してください...」 走り出すバス。静かな車内。 顔を見合う彼ら。...切り抜けた。切り抜けたよ。ため息が出る。 安心した瞬間、突然携帯の着メロ。またびくっとするみんな。 そあらの携帯だ。全員がそあらを見る。 その着メロは「パレード」。ニヤリと笑うそあら。どこからともなくクスクスと 笑い声。変な空気。 「やったーーーーーーー!!」叫ぶ誰か。切り抜けたよーーーー逃げれる、おれ たちきっとこのまま逃げきれるよ!!うわーーい 喜び抱き合うみんな。 転がってくるスチームドラム。もんの荷物から飛び出しちゃったようだ。おいそ んなの持ってきてるのかよー!えへへ。実は俺も。次々と楽器やらカメラやらを 取り出す。みんなで着メロに合わせ「パレード」の大演奏。全員がはじめて団結 した。ような気がする。 ------------------------------------------- 進行は以上。 バスは6号線を進む。現在江戸川の真上。ここから都内だ。 これはいまのとこスケジュール通り。よしよし、大丈夫だ。 警察の検問もほんとにやっているところを、スタッフたちが先回りして、ちょっ とお芝居してもらうようにお願いする作戦が 成功したみたいだ。まさかこんなにうまくいくとは。 ちょっとおまわりさん台詞棒読みだったけど。 かなりの難問を無事クリアした。かなりドキドキしてる。 ----------------------------------------------------- 23:00 担当:asa ---------------------------------------------------- シーン4での楽器演奏成功してよかったよね!お客さんから拍手もらっちゃたし。うふふ。 今は・・・どこだろう? 亀有とかその辺かな。暗いし、国道って景色に変化ないからわからないよ。 おそらく予定通り・・・なのかな。そういえば、新しい方の進行覚えていないや。 そして、物語はここから急展開。 赤いフェラーリAZ−1がバスに付いて来ていることに気が付きます。 このバスを追跡している何よりの証拠は、楽器演奏にAZ−1を運転しているアフロがエンジン音であわせてきていること。 ダンスしているバスの速度にも合わせてきているし。 というか、この演劇に参加してきてる?? このシーンはどちらかというと、後ろの車に観客の目が行くので台詞がないと暇なんですよねー。 だからこうやってちょこっと、日記を書いてしまいます。 「警察か!?」 「誰が追われているんだ?」 「よし、確かめるぞ」「どうやって!」 もう車内の犯罪者たちは大慌て。 踊るわ、わけのわからないコントを始めるわで盛り上がります。 このシーンはテンポが速くて、コント炸裂なので個人的に一番好きだったりします。 (2番目はぬまっちのバスジャックの瞬間。細かくてごめん) でも、あんなに徹夜で考えたコントも2勝5敗って感じでした。 この後のシーンで巻き返すぞ! --------------------------------------------------------- 23:30 サイトウ氏です。 現在23:30。 スタッフ車にいます。 インカムからはバスのなかの様子が聞こえます。ここまでの進行状況は... -------------------------------------------- 後方のAZ-1が何なのか、もめる車内。一度結束した彼らにまた亀裂が。 この中に最近誰かにつけれられてるとか、なんかあったやつがいるんじゃないのか?大体あのAZ-1いつからいるんだ?検問の 時には既にいた気がする。 仮に警察だとして、なんで何もしてこない?交差点とか止まってるときにとっ捕まえにきてもおかしくないはずだ。いや、見失う可能性だってあるんだ。チャンスがあればすぐ来るはずだ。これまでに何度も俺たちを捕まえるチャンスはあった。なぜ何もしてこない? じゃあ警察じゃないんだきっと。いや、ここはとりあえず警察だと考えて行動すべきだ。仮に警察じゃなかったとしても、そのほうが安全だ。 整理してみよう。あれが警察だとして、チャンスがあるのに何もしてこない。様子見か?いや、それは俺たちの行く先を知らない上に、見失う危険から考えにくい。 「警察が、俺たちの行く先を知ってて、見失うこともないとしたら?」 え? 「どういう意味だ?」 「つまり、なんらかの方法でこっちの情報が筒抜けだとしたら?」 「どうやって、そんなこと...」「スパイ」 シーンとするバス。 「おおおお、おれは違うぞ!!断じてスパイなんかじゃない!!」「そう宣言すれば疑いが晴れるなら、誰でもそう言うよ」 「だだだだって俺は、今日朝起きて、年越しそばを買いに行って、ほら証拠のレシートだってあるし、」 「オカマが怪しい」 「え?」ビクッとするオカマ。 「オカマだけがこのバスに最初からいた人間じゃない。あとから無理やり入ってきたんだ」 「警察が何らかの方法でこのバスに俺たち逃亡犯がいることを知って、オカマをスパイとして送り込んできた」 「バカ言ってんじゃないわよ!じゃあそのために銀行強盗したって言うの?」銀行強盗がお前のでっち上げだとしたら? 「はあ!?じゃあラジオつけてみたんさい!あたしの事件のこと放送してるわよ!」 ・・・ 「お前、銀行から逃げるとき、発信機とか付けられたんじゃないのか?」「あたしゃそんなお間抜けじゃないわよ!」 「おい、金の入ったバッグを調べろ」ふざけんな!!んなもん無いっつてんでしょ!!よーしじゃあもう全部脱ぐわよ、すっ ぽんぽんになれば疑いも晴れるでしょ!! わーわーやめろードタバタドタバタ... 全裸になった瞬間、うまいことエンストして車内の電気がOFF。真っ暗に。危ない危ない。 とりあえず、スパイ騒ぎは一段落。そこで、ふとオカマが思いつく。 「そういえば、何であんたたち、このバスツアーに参加したの?」そういえば…こんだけ犯罪者が集まってるのはおかしいじ ゃないか。そこで、劇団から送られてきたチケットをチェック。「あれ…通し番号が、俺達、連続してねぇ?」「そういえば …」他のお客さんのチケットを拝見。ありゃ、こっちには通し番号なんてないぜ! 「おれたち、意図的にこのバスに集められたんじゃないか?」 「なんだって!?」 そんなことができるのはこの劇の主催者だけだ…。このバスの中で劇団関係者と言えば...ただ一人。ドライバー。バック ミラー越しにニヤリと笑う。 はめられた!!ドライバーとAZ-1はグルだったんだ!俺たちを誘き寄せて一斉にとっ捕まえようという作戦だったんだ!! 最初から全部仕組まれたことだったんだ!この公演自体が、一般人を巻き込んだ警察のおとり捜査だったんだ! だからあのとき、ドライバーを見たときの検問の警官の態度がおかしかったんだ!ちきしょー!ドライバーてめー!! その瞬間、運転席と寄席を仕切る部分に鉄格子が降りてくる。 何だよこのバス!ちきしょー閉じ込められた!! みんなで鉄格子をぶっ壊せ!パンチ!キック!アタック!ダンス! ダンス?? ダンス!!ダンスダンスダンス!!! あっ!鉄格子がとれた! 「げっ!」って顔をするドライバー。このヤロー! ドライバーにパンチ!キック!アタック!ダンス! ダンス?? 再びダンス!! かくしてドライバーを隅田川にドボーン!! イェーーーー! 「で、誰が運転するんだ…?」「おれ、大型免許なんて持ってねぇ…」「普通みんな持ってないからな」 「わたしなんかできそうな気がするー」「気のせいだ」 「そういえば、スピード違反500kmで捕まったっていう犯罪歴の奴がいなかったっけ?」「…あ」 「ん?」 そあら。「いいの俺で?みんな、アレ?バンジージャンプとか好き?」「おや?どういう意味だ?」 かくして最も危険な男を運転手に据え、そあら対AZ-1のカーチェイスが始まった! ------------------------------------------------ と、現在ここまで。 最後の隅田川のところ、言問橋からつるを投げ捨てる予定が、その手前で道を間違って一時期どうなるかと思ったけど、なん とか吾妻橋から放り投げることに成功!そのまま6号に合流できたし、危ない危ない。 現在つるの回収にあたってます。極寒です。 え?駒形橋のほうに流されていった? 芝居のほうは、ここからスピードがグンと上がるので、かなり注意が必要。おれたちも早くつるを拾って追いつかないと! え?駒形橋も越えた? --------------------------------------------------------- おがゆーです。 ↓現在の進行 --------------- 「どこかへ逃げなきゃ!」バスとソアラ(クルマ)との激しいカーチェイスが続くぜ。バスのスピーカーからは、バスを追うマスターの声。そこからは、自分たちがダメダメ警察官であること、かつて演劇をやっていた経験からこの作戦を思いついたこと、自分も楽器が好きだったこととかが語られるぜ。しっとりと切ない空気を流しつつ、しかしバスはとんでもないスピードで走り続ける。途中、東京ミレナリオや東京タワー、シオサイトといったオシャレスポットも通り抜けたりしつつ、バスでドリフトとか片輪走行とか、あり得ないドライビングテクニックで一同は都内を走り抜ける。 「どこへ逃げればいいんだ…」行き先に迷うバス。そこで誰かが叫ぶ。「…有明からフェリーが出てる!フェリーに逃げ込めれば、バスで全員逃げられる!」かくしてバスは一路、レインボーブリッジへ! -------------- エー今、寒空の晴海ふ頭です。 船の科学館の海側の、なんか水がたまってるところの広場にいます。 警備員の目をかいくぐって、爆薬をセットし終わりました。 簡単なテストも終わり、あとはバスを待つばかりです。 現在、スタッフ車のハイエースより、ネットカメラによる中継を ノートパソで確認しています。 スピードが速くて、ものすごいかくかくしてます。 でもちょっと問題が…。なんかカップルが多いんですがー。 それと、たった今もんこからテレビ電話が入りまして、 相当バス酔いして青白い感じです。 がんばれー それでは、これより売店の(出てるのよ売店が)大判焼きを買ってきて 暖をとります。 検討を祈る! --------------------------------------------------------- 23:58 報告者:しきちゃん ↓現在の進行 ----------------- バスとAZ-1は、一路レインボーブリッジへ向かう。 レインボーブリッジと言えば、国内でも超有名スポット!バスがその中に突っ込んでいって大丈夫なのか? 「おい、このままじゃ、橋の入り口で止められて終わりだぞ!」「でも、他にルートはないんだ!行くしかないだろ!」 「っていうか、警備のおまわりさんとかもいるんじゃ!?」 「そもそも、レインボーブリッジって高速じゃなかったっけ?」 「…大丈夫、『ゆりかもめ』と同じ下の部分は、『臨港道路』っていう一般道として解放されてるんだ」 「じゃあ、そこが混んでいないことを祈るだけだね…」「…」一同、息をのむ。でも、バスのスピードはもう落とせない。 「…見えた!レインボーブリッジ!」 ビルとビルの間、途切れながら、確かに見える。 バスに乗っている全員が、真剣な顔をしている。 ごくり。 ドライバーがハンドルを思いっきり切る。 バスは進路変更し、「臨港道路(レインボーブリッジ)」の標識へ。 「後ろのAZ-1もやっぱりついてきたよ!」 バスは、今、レインボーブリッジへ…! 「…ダメだ…年越しのクルマでいっぱいだ…」 「よし、楽器だ!」「えっ!?」「みんな、楽器を鳴らせ!!演奏だ!ショーだと思わせれば、道をあけてくれるかも知れない!」「あっ、そうか!」「でも、そんなにうまくいくか?」 「わたしたち、これからバンドやっていくんじゃない!このステージで注目を浴びられなかったら、どっちみちデビューなんて無理よ!」 「…って、お前デビューって、どのくらいのデビューを目指してるんだ?」「とりあえず、やってみようぜ!」 「…よし、みんな窓を全開にしよう!」空いたバスの窓から、冷たい12月の空気がバスの中に吹き込む! 「いちかばちか、さん、に、いち…ミュージック・スタート!」 びよ〜んぴろろろカシャプーぽや〜ん!(ジリリリリーン) 「もっとボリューム出して!」 びよ〜んぴろろろカシャプーぽや〜ん!(ジリリリリーン) 「あっ、道路の人達みんなこっち見てる!」 「よし、みんな楽器ならしながら、そのまま踊れ!ダンスだ!」 オカマのカメラが、リズミカルにストロボをたく! バスのカラオケが、ベースを刻み始める! ダンスだ、みんなおどれー! 「あっ、右の車線が空く!」 これは奇跡か!?とにかく、バスは左車線へ! 前のクルマが、どんどん左車線に避けていってくれてる! あー、クルマの中のちびっ子達がこっちに手を振ってくれてる! よっしゃー、いけるぜおれたち!後ろのAZ-1もなんかちょっとびびってるよ! レインボーブリッジをハイスピードで突破! 背後のクルマから、拍手が聞こえる中、バスは有明へ! 「フェリー乗り場ってどこにあるか知ってるのか?」 「後ろのAZ-1に悟られたら終わりよ!わかってるの!?」 「わかってるぜオカマ!まぁ任せとけ!有明はおれの庭よ!」 って、なんかドライバーの目つき変わってる!こわいよこの人! レインボーブリッジを抜けた直後、バスは海岸線沿いを走っていく。 ------------------------------- 以上、進行でした。 このように、舞台の方は完璧に進んでます! しかし、実際には、レインボーブリッジなんてフルスピードで普通に通過できるはずがない! 当然、スタッフ達は先回りして手を打っていたのです。 20分前、渋滞で動かないクルマの一台一台に、おれが「映画撮影にご協力ください」というビラをまきました! 「『演劇に協力』じゃ、誰も協力してくれないでしょ」という、ともちゃんのアイディアだ!クールだね! そしてみんなが通った後、協力してくれたお礼に手作りクッキーを配る三男の姿があったさ。 こんなんで、レインボーブリッジを封鎖(逆か?)できるなんて、日本もイイ国になった! 予算、ビラ&クッキー代しかかかってないよ! あとは、最後の、あの演出が決まれば…おがゆう、頼んだよ! |