doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 マイ・ベスト・アルバム2007

音楽雑誌、ブログなどで年末恒例の年間ベスト・アルバム。今年も懲りずに挙げておこう。
対象は、私が購入した2007年発売の音楽作品。部門は新作と、リイシュー/発掘音源・映像の2つ。それぞれ10作品を上限として特に良かった作品を挙げた。新作、リイシュー/発掘音源・映像ともに順不同。海外盤では2006年以前に発売済みながら、日本盤・直輸入国内盤としては2007年発売の作品も選考対象に含めた。

新作
ジョー・ヘンリーの『Civilians』
2007年のロックの新作における、おそらく最良のアメリカン・ルーツ・ミュージック。ソングライターの実力としてランディ・ニューマンなどの先達が引き合いに出されるのも納得させられる。枯れたヴォーカルの味わいも格別。

ティナリウェンの『アマン・イマン 〜 水こそ命  Aman Iman: Water Is Life』
サハラ砂漠の遊牧民のバンドによる、“砂漠のブルース”と形容されるレベル・ミュージック。絶賛された前作を超える傑作。サウンド・プロダクツも緻密に練られたもので、さらなる大衆性を獲得した。

トゥーマスト(Toumast)の『Ishumar イシュマール 〜機関銃の代わりにギターを〜
ティナリウェン同様、サハラ砂漠の遊牧民のバンドで、“砂漠のブルース”と形容されるレベル・ミュージック。ただし、こちらは、在仏トゥアレグ人の元ゲリラ兵&砂漠のギター・ヒーローでもあったリーダーのムーサ・アグ・ケイナが、フランスで出会ったミュージシャンたちと結成したバンド。サウンドから垣間見える反骨精神の強度では、ティナリウェンを凌ぐかも。海外盤は2006年発売。

オーケストラ・バオバブ(Orchestra Baobab)の『Made In Dakar メイド・イン・ダカール
1970年に結成されたセネガルの伝説的アフロ・キューバン・バンドが再結成アルバムから約5年ぶりに発表した、過去の作品の再演が中心のアルバム。陽気でご機嫌な曲が多く、アフロ・キューバンを土台とした多彩で幅広い音楽性に溢れている。

アブダル・マリック(Abd Al Malik)の『ジブラルタル Gibraltar』
フランス在住コンゴ系移民2世による2ndアルバム。ポエトリー・リーディング・スタイルの知性的なラップと切迫感を伴ったサウンドが胸に響く。海外盤は2006年発売。

ティケン・ジャー・ファコリー(Tiken Jah Fakoly)の『The African』
西アフリカのコートジボワール出身のティケン・ジャー・ファコリーによる、アフリカン・ルーツ・レゲエの会心作。銃を持った男連中がずらりと居並ぶ戦闘的なジャケット写真に怖気づくが、音楽的にはポップで軽やかでさえある。

バルカン・ビート・ボックス(Balkan Beat Box)の『Nu Med』
ニューヨークの多国籍ミクスチャー・バルカン・ビート・バンドの2ndアルバム。バルカン/北アフリカ音楽の伝統的な諸要素に、ヒップホップ/ブレイクビーツ等の現代性を交配したごった煮サウンドが刺激的で生々しい。

Various Artistの『Gnawa Home songs グナーワ・ホーム・ソングス
グナワ
の聖地モロッコのタメスロットで録音された、グナワの名人たちの共演集。儀式における祈りのような歌とチャント。それらに手拍子とゲンブリ(ベースっぽい音の3弦楽器)、カルカベ(鉄製カスタネット)などが加わって織りなす地味なトランス・ミュージックに、「音楽の根源にあるもの」を感じる。

バセク・クヤーテ&ンゴーニ・バ(Bassekou Kouyate & Ngoni Ba)の『Segu Blue』
西アフリカの音楽大国マリのグリオ(世襲制の職業音楽家, 口承伝承人)の家系出身で、グリオの伝統的な弦楽器であるンゴーニ奏者のバセク・クヤーテが、グリオの語り継ぐ口承伝承などを、マリ初の試みとされるンゴーニのカルテット編成によって取り上げた意欲作。ンゴーニの絡みを中心としたアンサンブルに、グリオの伝統的なヴォーカルや手拍子、パーカッション、バラフォンなどが加わった穏やかなグルーヴと素朴なサウンドが心地よい。「BBC Radio 3 Awards for World Music 2008」のアルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。

マシュー・ディアーMatthew Dear a.k.a. Audion)の『Asa Breed』
デトロイトのクリック/ミニマル・ハウス・アーティストによる本人名義の3rdアルバム。ダークで変態チックなエレクトロ・ポップ風の小品で構成された異色&意欲作。マシュー・ディアー本人による高橋幸宏っぽいヴォーカル入り。
本作を選ぶか、それともフリー/インプロ系ピアノ・トリオのTrio M(Myra Melford, Mark Dresser, Matt Wilson)の『Big Picture』 or クリック/ミニマル・ハウスの最先端を行くリカルド・ヴィラロボス(Ricardo Villalobos)のミックスCD『Fabric 36』にするかで、最後の最後まで迷った。

リイシュー/発掘音源&映像
アレサ・フランクリンの『Rare & Unreleased Recordings From The Golden Reign Of The Queen Of Soul』
“ソウルの女王”がアトランティック時代の1966年から1973年に録音したレア&未発表トラック集。2枚組CD。10月下旬にディスク1の最初の3曲を何の予備知識もなく聴いてぶっ飛び、アレサ熱が何年かぶりに再燃。最近までアトランティック時代のオリジナル・アルバムを中心に聴き直していた。レア&未発表トラック集ながら、重要性ではオリジナル・アルバムに引けを取らない傑作。

フランコ&TPOKジャズの『黄金の20周年 20eme Anniversaire 6 juin 1956−6 juin 1976』
アフリカ音楽最大の巨人、フランコ(1938−1989)率いるT.P.O.K. Jazzの代表作。陽気でまろやかなサウンドと同じフレーズの執拗な反復のある長尺曲ばかりで、当初は聴き進むにつれ苦痛すら覚えるほどだったが、某サイトで詳細なレビューを読ませてもらったおかげか、3回目くらいに聴いた時から何もかもすんなりと受け入れることができた。フランコ絶頂期の1976年にT.P.O.K. Jazz結成20周年記念盤として発表された2枚組LPの復刻盤2CD。

サン・ラ『Disco 3000 Complete Milan Concert 1978』
1978年1月23日のイタリア・ミラノでのライヴを収録したアルバム『Disco 3000』の初CD化&未発表音源を追加したほぼ完全版。約130分収録の2枚組CD。白眉は、チープなリズム・ボックスによるループの渦に、サン・ラのアブストラクトでノイジーなシンセ・ソロが炸裂するナンバーで、ぶっ飛び度が異常に高い。

クラスター(Cluster)の『Sowiesoso ゾヴィゾーゾー
ハンス・ヨアヒム・ローデリウスとディーター・メビウスによるジャーマン電子音楽デュオ、クラスター(Cluster)の代表作の一つ。1976年にコニー・プランクのプロデュースで発表された4thアルバムの、世界初となる音源完全収録版によるリマスター復刻CD(紙ジャケット仕様)。過去のCDではイントロが1分近くも欠損しているトラック1と短縮されていたトラック3を、オリジナルLPに準じて完全収録しているのが選出の決め手。さらに、かつてのCDでは裏ジャケットの一部を拡大して表ジャケットに使用していたが、この復刻CDは初のオリジナル・ジャケット仕様であるのも嬉しい。Captain Trip Recordsから1,000枚限定プレスで発売。

ダイナソーLの『24→24 Music』
アーサー・ラッセル(1951−1992)とウィリアム・ソロコフによるプロジェクト、Dinosaur Lが1981年に発表したアルバムの初CD化。突拍子のないヴォーカルをフィーチャーするなど、アーサー・ラッセルの特異な感性、音の選び方の変態センスなどが窺えるNYアンダーグラウンドのニューウェーヴ・ディスコ作品。オリジナルLP未収録のミックスによる4曲追加。

伊福部 昭の『伊福部 昭 映画音楽の世界』
伊福部先生の映画音楽の2枚組CD決定版ベスト。「作曲者自身が生前にセレクトした作品を中心に、製作会社の垣根を越えた代表的作品を収録」。

松村禎三の『松村禎三の世界』
タワーレコード・オリジナル企画による作曲家・松村禎三編。私が初めて買った松村禎三氏の作品。2枚組CDで1,500円という破格の安さながら、内容は文句なし。日本人としての民族性に立脚したアジア的で独自の音世界に、初めて聴いた時にはただ圧倒されるばかりで、日本のクラシック作曲家の実力のほどを思い知らされた。2007年8月6日、肺炎のため78歳で逝去。亡くなる約5か月前、東京・赤坂のサントリーホール大ホールで行われた「伊福部昭音楽祭」において、車椅子姿の松村禎三氏を何度か見かけたのが最初で最後となってしまった。

山鹿良之の『肥後の琵琶弾き 山鹿良之の世界 〜語りと神事〜 RITES and TALES with BIWA Yamashika Yoshiyuki, Blind Musician of Kyushu』
肥後琵琶の貴重な音源を3枚のCDに収録した後世に遺る作品。琵琶盲僧・永田法順師の6枚組CD(+DVD)のように日常的に繰り返し聴く作品とはなっていないものの、音源の史料価値が非常に高いゆえ選出。よくぞ発売してくれたとさえ思う。平成19年度 第62回 文化庁芸術祭優秀賞受賞。

お鯉さんの『お鯉 -okoi- 唄声は時代(とき)を超えて』
百歳の元芸妓(げいぎ=芸者)で、唄と三味線の名人であるお鯉さんこと多田小餘綾(ただ・こゆるぎ)さんの百寿記念の自主制作CD(プレス盤)。お鯉さん40代後半から99歳の時の録音で、端唄、小唄、長唄、阿波の民謡を収録したベスト盤的アルバム。なかでも91歳、99歳という大変なご高齢でありながら、艶やかな美声と正確な爪(つま)弾きを披露するお鯉さんには感服するしかない。

小林ハルさんのDVD『小林ハル 〜渾身の熱唱〜』
1980年代にBSN新潟放送が撮影した瞽女唄(ごぜうた)を演ずる小林ハルさんの映像でつづる瞽女唄集。小林ハルさんが瞽女としてはすでに引退し、養護盲老人ホームに入所してからのもので、生きるために歌い続けた小林ハルさんの歌声の魅力・凄味は、終生減じることがなかったと再認識させられる。高田瞽女の杉本シズさんと難波コトミさんによる「葛の葉子別れ」(トラック3の前半)をカットせずに収録した配慮も実にありがたい。

2007年12月31日(月)



 平成19年度「国際民俗芸能フェスティバル」入場申込み受付中

平成19年度「国際民俗芸能フェスティバル」(文化庁主催)が、2008年2月20日(水)に東京・初台の新国立劇場で昼夜2公演行われる(昼13:00 / 夜18:00開演, 昼・夜同一プログラム)。入場無料。詳細は下記リンク先参照。申し込みの締め切りは、2008年1月20日(日)とのこと(応募者多数の場合は抽選)。

平成19年度「国際民俗芸能フェスティバル」の実施について(御案内)(『文化庁』平成19年12月28日)
平成19年度「国際民俗芸能フェスティバル」(主催 文化庁)(全日本郷土芸能協会)

【上演芸能】
1.「クラーリッツェ」(クロアチア共和国)
  ゴリャナッツ
2.「バウルの歌と踊り」(バングラデシュ人民共和国)
  パグラ・バブル・オ・タル・ドル[クスティア]
  ポッリ・バウル・シャマジ・ウンノヨン・ションスタ[ダッカ]
3.「白鳥の拝殿踊」(岐阜県郡上市)
  白鳥拝殿踊り保存会
4.「大江八幡神社の御船行事」(静岡県牧之原市)
  大江氏子会
5.「日向盲僧琵琶」(宮崎県延岡市)
  永田法順


音楽雑誌、ブログなどで年末恒例の年間ベスト・アルバム。12/31中には書き上げ、投稿しようと思っている。

2007年12月30日(日)



 トップページに掲載した作品 Vol. 29

盲導犬の育成には、1頭あたり300万から500万円の費用が掛かるという。北海道のある会社(スープカレー関係?)が、盲導犬育成のためのチャリティーCD『Xyzuna 絆』を11月(?)に発売したらしい。そのCDには、故・安東ウメ子さんの「イフンケ」(子守唄)も収録されているとのことで、ちょっぴり気になっている。
サンプリングCD-ROM『スピリッツ・フロム・アイヌ』に入っている「イフンケ」の音源を使用しているのではないかと推測するが、詳細不明。今のところ、『Xyzuna 絆』は北海道でしか売ってないのかも。
アイヌ音楽といえば、安東ウメ子さんやトンコリ奏者のOKIのアルバムに参加しているアイヌの歌い手・床 絵美が、ソロ作『Upopo』(CD-R, 全10曲)と、トンコリ奏者の千葉伸彦氏とのデュオ作『Hunter』を最近ひっそりと発表した。どちらも先住民族のクラフトショップ『Middles』で販売している。

ペーター・ブロッツマン(as, ts, b-cl)、ポール・ニルセン・ラヴ(ds, per)、マッツ・グスタフソン(bs, flutophone)のトリオによる、2006年7月20日のノルウェーのモルデ・インターナショナル・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴを収録したCD、Peter Brotzmann / Paal Nilssen-Love / Mats Gustafssonの『The Fat Is Gone』(ノルウェーのSmalltown Superjazzzから10/22?発売, STSJ138CD, 約61分, 試聴
ノルウェーのサックス奏者、ホーコン・コーンスタ(ts, bass sax, fl, flutonette, melodica)の来日記念盤『Single Engine』(11/21発売の日本盤, Jazzland, 試聴, 12/2の八木美知依の渋谷メアリージェーン公演にゲスト出演及び12/4&5に新宿ピットインでホーヴァル・ヴィーク[p]とともにライヴ予定
ジョー・ヘンリーの傑作『Civilians』(11/21発売の日本盤, ANTI-レーベル, 歌詞の対訳付き, 試聴
Jazz Icons DVDシリーズのジョン・コルトレーン編『John Coltrane Live In '60, '61 & '65』(9/4発売のUS盤, All Region, 約90分, 視聴「WATCH PREVIEW」, 収録映像:1960年3月28日のドイツのテレビ番組でのライヴ【マイルス・デイヴィス・クインテットのメンバーとしてヨーロッパ・ツアーに参加した際の、マイルス抜きのバンドを従えてのライヴ。ゲストとしてスタン・ゲッツとオスカー・ピーターソン参加】+1961年12月4日のドイツのテレビ番組でのライヴ【withエリック・ドルフィー/マッコイ・ターナー/レジー・ウォークマン/エルヴィン・ジョーンズ】+1965年8月1日のベルギーにおけるライヴ【withマッコイ・ターナー/ジミー・ギャリソン/エルヴィン・ジョーンズ】)
ロキシー・ミュージックの軌跡を映像で辿る2枚組DVDで、1stアルバム発表の1972年から名作『Avalon』発表の1982年までのライヴ映像やプロモーション・ビデオ、テレビ番組でのライヴの模様を収録した『The Thrill Of It All』(11/26発売のEU盤, NTSC, 約145分)
ハンス・ヨアヒム・ローデリウスとディーター・メビウスによるジャーマン・エレクトロ・ミュージック・デュオ、クラスター(Cluster)の1976年発表の4thアルバム『Sowiesoso ゾヴィゾーゾー』(9/20にCaptain Trip Recordsから発売の日本盤, Produced by コニー・プランク, 過去のCDではイントロが欠損及び短縮されていたTr.1&3を完全収録, オリジナル・ジャケット仕様[かつてのCDでは裏ジャケを表ジャケに使用], 2007年リマスター, 1,000枚限定プレス)と、クラスターとブライアン・イーノのコラボレーション第一弾、クラスター&イーノの1977年発表作『Cluster&Eno』(11/20にCaptain Trip Recordsから発売の日本盤, Produced by クラスター&コニー・プランク, 2007年リマスター, 1,500枚限定盤, 旧盤の試聴
シカゴのフリー/インプロ系サックス奏者Ken Vandermark(bs, cl, bc)、AtomicのMagnus Broo(tp)、Full Throttle Orchestraを率いるAdam Lane(b)、Paal Nilssen-Love(ds)による4人組ユニット、4 Cornersの2006年6月にポルトガルのコインブラで録音されたライヴ作品『4 Corners』(11/23にディスクユニオンから発売の直輸入盤, Clean Feed, 試聴

Jazz Icons DVDシリーズのチャールズ・ミンガス編とウェス・モンゴメリー編、『Charles Mingus Live In '64』(9/4発売のUS盤, All Region, 120分, 視聴)&『Wes Montgomery Live In '65』(9/4発売のUS盤, All Region, 78分, 視聴
ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)の約3年半ぶりのソロ・アルバム『IM』(11/21発売の日本盤, myspace.com
ノルウェーのギタリスト、ヤコブ・ヤング(Jacob Young)のECMからの2作目『Sideways』(11/20発売のドイツ盤, 試聴
Jazz Icons DVDシリーズのサラ・ヴォーン編『Sarah Vaughan Live In '58 & '64』(9/4発売のUS盤, All Region, 65分, 視聴
チャック・ベリー(1926−)の60歳バースデイ・コンサートを中心とした1987年公開のドキュメンタリー映画『ヘイル!ヘイル!ロックンロール』の4枚組DVDコレクターズ・エディション(12/5発売の日本盤, 音楽プロデュース:キース・リチャーズ, 約568分, 限定盤, 日本語字幕付き, ディスク1:映画本編+ディスク2〜4:ボーナス映像[未公開リハーサル、製作ドキュメンタリー、本編挿入インタビューのフル・サイズ版など])

ダニー・ハサウェイの世界初CD化となる1972年発表のサントラ盤『Come Back Charleston Blue』(12/8発売のUK盤, Supervised by クインシー・ジョーンズ, Rhino, リマスター盤, 未発表ボーナス・トラック2曲追加:「Little Ghetto Boy」のストリングスなしモノラル・ヴァージョン&1971年10月29日のNY公演3rdショウから同曲のライヴ・ヴァージョン, 試聴
セネガルの1970年結成の伝説的アフロ・キューバン・バンド、オーケストラ・バオバブ(Orchestra Baobab)が再結成アルバムから約5年ぶりに発表した新作『Made In Dakar メイド・イン・ダカール』(11/25にライス・レコードから発売の直輸入盤, myspace.com
カエターノ・ヴェローゾ(1942−)が若い世代との4人組ロック・バンド編成で行った、2007年6月12日のリオ・デ・ジャネイロ公演を収録したDVD『Ce - Multishow Ao Vivo』 (12/11発売のEU盤, NTSC, 本編107分+インタビュー31分, 同一公演を約76分収録のCD先行発売)
ペルシャ(イラン)古典音楽の歴代における名声楽家たちの名唱&名伴奏を収録した3CD編集盤『A Century of Avaz: An Anthology』(2003年?にイランのMahoor Institute of Culture and Artから発売, 録音年不明, 32曲・約3時間31分収録, 試聴
李香蘭(1920−)の1992年にEMI香港から「百代・中国時代曲名典」シリーズVol.17として発売された編集盤の復刻CD『蘭閨寂寂』(2007年2月1日にEMI香港から発売, 1955〜57年?に香港で録音, DIGITALLY RE-PROCESSED AT ABBEY ROAD STUDIOS-LONDON, 戦時中に録音された3曲「夜來香」「賣糖歌」「海燕」追加収録, 全18曲すべて北京語ver.)

2007年12月20日(木)



 トップページに掲載した作品 Vol. 28

ロバート・ワイアットの約4年ぶりの新作で、3幕構成の『Comicopera コミックオペラ』(10/17発売の日本盤, 歌詞の対訳付き, 1曲追加, 試聴
アイルランドのケルティック・ミクスチャー・バンド、キーラ(KiLA)の新作『Gamblers' Ballet』(Kila Recordsから8月発売, HMV
沖縄民謡唄者、大城美佐子の芸能生活50年記念リサイタル公演を収録したDVD『一期一会 片思い』10/24発売, 2007年7月8日の那覇市民会館大ホールにおける昼の部・夜の部を収録, 109分)
マイルス・デイヴィスのSACDハイブリッドディスク2作品、1964年2月12日のNY公演を収録した『‘Four’& More』と1970年発表の2枚組『Bitches Brew』(10/24発売の日本盤, ボーナス・トラックなし, 2006年DSDマスタリング)
Fripp & Enoの1992年から2006年にかけての未発表曲集で、『DGM Live!』において2006年10月からダウンロード販売されている『The Cotswold Gnomes』と同内容の作品の2CD限定ヴァージョン『Beyond Even(1992−2006)』(10/24発売の日本盤, ブライアン・イーノの監修・指定による期間限定2枚組フォーマット, ディスク1とディスク2は同一の楽曲&曲順収録, ディスク1は最後の曲を除く全曲をつなげた曲間なし&ディスク2は通常の曲間ありヴァージョン, 英文解説の訳付き )

“ソウルの女王” アレサ・フランクリンの驚愕の2CDレア&未発表トラック集『Rare & Unreleased Recordings From The Golden Reign Of The Queen Of Soul』(10/30?発売のEU盤, アトランティック時代の1966年から1973年録音の全35トラック[アウトテイク+デモ4曲+シングルB面2曲+テレビ音源1曲]収録, 試聴, アレサの7,500枚限定盤『Oh Me Oh My: Aretha Live In Philly, 1972』発売中)
ユッスー・ンドゥールの3年ぶりの新作『Rokku Mi Rokka(Give And Take)』Nonesuchから11/3発売のEU盤, 日本盤は12/5発売予定, 2CDエディションも発売)
ザ・ビートルズの1965年に劇場公開された主演映画第2弾『HELP!』の新装版2枚組DVDスタンダード・エディション(11/7発売の日本盤, ディスク1:映像・音声のデジタル修復が施された映画本編95分、ディスク2:ボーナス映像57分収録, 19,800円の限定盤デラックス・エディション同時発売, 「Yahoo!動画」でダイジェスト映像ほか無料配信中)
ジョイ・ディヴィジョンが1980年に発表した2ndアルバム『Closer』のボーナス・ディスク付きリマスター盤(10/30発売のUS盤, ディスク2=「FOR THE FIRST TIME ON CD Live At University Of London Union February 8, 1980」:オーディエンス録音にて約51分収録)
西アフリカのコートジボワール出身でグリオ(世襲制の職業音楽家)の家系に生まれ育ったレゲエ・ミュージシャン、ティケン・ジャー・ファコリー(TIKEN JAH FAKOLY)の3年ぶりの新作『THE AFRICAN』10/21にライス・レコードから発売の直輸入盤, 試聴
“ソウルの女王” アレサ・フランクリンの1972年春にフィラデルフィアで催された放送関係者の集まりにおける完全未発表ライヴ音源を収録した『Oh Me Oh My:Aretha Live in Philly, 1972』(7,500枚の限定盤, Rhino Handmadeから10/6?発売, 約56分収録, Recorded Live At The National Association Of Television&Radio Announcers Convention, Philadelphia, PA 1972, [参考]10/8注文→10/29発送メール→11/13到着, 限定ナンバー6829/7500)

イギリスの女性ミュージシャン、ブレンダ・レイが2006年に発表した宅録レゲエ・アルバムで、1970年代のルーツ・レゲエのリズム・トラックに自らのウィスパー・ヴォーカルや様々な楽器をオーヴァー・ダビングしてリミックス/ダブ化した1stソロ・アルバム『Walatta』9/15にem recordsから発売, 制作期間:1995−2005年, ブレンダ書き下ろしライナーの訳付き, 試聴
マイルス・デイヴィスの6CD『The Complete On The Corner Sessions』(11/6?発売のUS盤, 2時間を超える未発表音源収録, 13分弱の動画あり
レッド・ツェッペリンの1976年に公開された映画の新装2枚組DVD『The Song Remains The Same 狂熱のライヴ』(11/21発売の日本盤, ディスク1:本編137分、ディスク2:映像特典50分, ライヴ映像:1973年7月27・28・29日のNYマディソン・スクウェア・ガーデン公演と1974年の英国シェパートン・スタジオ)
ジミ・ヘンドリックスの1967年6月18日のモンタレー・ポップ・フェスティヴァルにおける伝説のライヴ・パフォーマンスを収録したDVD、ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの『Live At Monterey』(11/21発売の日本盤, 本編62分+ボーナス映像35分, 映像が存在しない「Can You See Me」は未収録, 1967年2月25日の英国チェルムスフォードでの未発表ライヴ映像2曲「Like A Rolling Stone」と「Stone Free」+最新ドキュメンタリー+未発表カメラ映像を含むマルチアングルなど追加収録)
ニール・ヤングの1977年に制作されながらお蔵入りとなったアルバム名を冠した新作で、旧作3曲と新曲7曲で構成された『Chrome Dreams 2』(10/22発売のEU盤, DVD付きも発売)
在仏アルジェリア系の女性シンガー・ソングライター、スアド・マシの2007年1月29&30日にフランス東部の街サン・ルイの劇場で収録されたライヴCD『Acoustic The Best Of Souad Massi』 (11/18にライス・レコードから発売の直輸入盤, 試聴, 本CDよりも5トラック多く収録されたDVDも発売中[but日本ではほとんど流通していない?])

2007年12月19日(水)



 カールハインツ・シュトックハウゼン逝去

現代音楽の作曲家、カールハインツ・シュトックハウゼンが、12/5(水)にドイツのケルン郊外にあるキュルテンの自宅で亡くなった。79歳だった。死因は現時点では不明。シュトックハウゼンの意向により、訃報の報道は亡くなってから3日後となったらしい。

ドイツ作曲家のシュトックハウゼンさん死去(2007年12月08日 10時46分 朝日新聞)
カールハインツ・シュトックハウゼン氏=ドイツの現代音楽作曲家(2007年12月8日 12時10分 読売新聞)
訃報:カールハインツ・シュトックハウゼンさん 79歳 死去=電子音楽の先駆者(2007年12月8日 毎日新聞 東京夕刊)
電子音楽の祖として知られる現代音楽の作曲家、KALHEINZ STOCKHAUSENが死去(『bounce.com』2007-12-09 掲載)

遅まきながら本日(12/10)訃報を知る。突然のことにただ驚いているばかりで言葉にならない。
2005年6月に天王洲アートスフィアで行われた28年ぶりの来日公演は、3日間とも観に行った。その2日目の公演が終わった後、シュトックハウゼン本人に書いてもらったサインの画像を掲載しておく。
追悼の意を込め、1966年に東京のNHK電子音楽スタジオで作られた電子音楽作品「Telemusic(テレムジーク)」などを聴こうと思っている。

ご冥福をお祈りします。

KLANG Weblog: Stockhausen アーカイブ
シュトックハウゼン音楽情報

2007年12月10日(月)



 伊福部 昭 作曲の「ウポポ」の再現演奏

伊福部 昭先生(1914−2006)が作曲した、北海道のHBCラジオのオープニング&クロージング・テーマ曲「ウポポ」の再現演奏が、『You Tube』で見られる。数日前に知った。伊福部先生作曲の「ウポポ」という曲自体、この動画によって初めて聴いた。

Ifukube 伊福部昭 HBCラジオ「ウポポ」再現演奏(1分26秒)

1952年にHBCラジオが開局することになり、作曲の依頼を受けた伊福部先生は、木管、ホルンなどによる約35秒の室内管弦楽曲「Thema JOHR」こと「ウポポ」(アイヌ語で歌の意)を作曲(1943年に作曲した「吉志舞」からの転用あり)。「ウポポ」の録音時には自ら指揮をとったという。

「ウポポ」は、HBCラジオ開局の1952年から2002年2月までの約50年間、HBCラジオの放送開始&終了を告げる曲として朝5時と深夜(未明)に流されたが、レコード及びCD化はされていない。
『You Tube』で見られる「ウポポ」の再現演奏は、2007年3月27日にチェコのリトミシェル市のスメタナ劇場においてHBCジュニアオーケストラが演奏したもので、2007年4月22日にHBCテレビで放映されたらしい。「ウポポ」の楽譜は散逸しているため、テープ音源から楽譜を書き起こし、原音に忠実に再現したそうだ。

伊福部 昭氏と音更 −2− アイヌ文化との出合い 「土俗的」音楽世界に影響(『WEB TOKACHI』2005.11.16)
伊福部 昭音楽祭オフィシャルサイト

2007年12月08日(土)
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