doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 スライの『暴動』と『フレッシュ』 & トップページに掲載した作品 Vol. 24

スライ&ザ・ファミリー・ストーンの『There's A Riot Goin' On(暴動)』(1971年)のタイトル曲は無音である。音は入っていない。先日発売された『暴動』のリマスターEU盤では、クレジット上は「0分00秒」だが、実質約4秒。一方、今までに数百回は聴いている1987年発売の日本盤CDの『暴動』では、タイトル曲は約8秒間の無音となっている。スライの意向はどうなのか知らないが、リマスター盤『暴動』はタイトル曲の短さへの違和感が拭えない。

今回のスライ&ザ・ファミリー・ストーンのリマスター盤発売に際し、1曲目の「In Time」を除く全曲がオリジナルとは別ミックス&テイクという別ヴァージョンの『Fresh』(1991年発売のUS盤CDの1stプレスと同年後発の日本盤CD)の存在を初めて知る方、逆に、今までオリジナルだと思って聴いていたCDが、実は別ヴァージョンの『Fresh』だったとリマスター盤を聴いて驚く方もいると思われる。
ちなみに、1987年にEdselから発売された『Fresh』のCD(オリジナル音源収録)を愛聴盤としていた私は、1991年当時、どこかの音楽雑誌(『ADLIB』?)で別ヴァージョンの『Fresh』のCDが現在出回っている&回収予定との情報を知り、即本屋からレコード店まで買いに走り、『Fresh』の別ヴァージョンCD(US盤1stプレス)を入手。それから何ヵ月か後(の翌年?)、『Fresh』のオリジナルと別ヴァージョンCDを比較検証した記事が『レコード・コレクターズ』誌に載った。再掲に期待したい。

ジミ・ヘンドリックスから影響を受けて制作されたマディ・ ウォーターズの問題作『Electric Mud』(1968年)のハウリン・ウルフ版で、『Electric Mud』同様ピート・コージーのギターをフィーチャーしたヘヴィでファンクネスすら滴るエレクトリック・サイケ・ブルース・アルバム、ハウリン・ウルフの世界初CD化となる異色作『The Howlin' Wolf Album』(1969年発表, 2/21発売の日本盤, 初回限定生産, 紙ジャケット仕様, 2007年24ビット・リマスター, 試聴
イギー・ポップ率いるザ・ストゥージズの34年ぶりの新作アルバム『The Weirdness』(3/7発売の日本盤, 歌詞の対訳付き, 日本盤のみ1曲追加, 全曲の歌詞のプチ対訳, The Official Stooges My Space Page
NYブルックリン拠点の人種混合多国籍アフロビート・バンド、アンティバラスのAntiレーベル移籍第一弾『Security』(3/6発売のUS盤, プロデュースはトータスのジョン・マッケンタイア, 試聴
ソフト・マシーンの1970年発表の『THIRD』(3/20発売のEU盤, 2CD最新リマスター盤, ボーナス・ディスクは既発盤『Live At The Proms 1970』『Live 1970』と同じ1970年8月13日のロイヤル・アルバート・ホールでのBBC用ライヴ音源を約39分収録, 日本盤紙ジャケ仕様4/18発売予定
1989年にMCAから12インチ・シングルが先行発売されたものの、お蔵入りとなってしまったファンカデリックの幻のアルバム『By Way Of The Drum』(3/6にHip-O Selectから正規発売, 5,000枚の限定盤, Tr.2はクリームのカヴァー, 4曲追加, 試聴
オハイオ・プレイヤーズの1973年発表の『Ecstasy』(3/1?発売のUK盤, リマスター&5曲追加, 試聴

ジョアン・ジルベルトのギター弾き語りによる1985年録音のライヴ盤で、オリジナル・ジャケット&オリジナル・フォーマットで復刻された2CD『Live At The 19th Montreux Jazz Festival』(3/25発売の日本盤, 紙ジャケ仕様, 歌詞の対訳付き, 本作に未収録の「Rosa Morena」入りUS盤の試聴
ジョアン・ジルベルトがカヴァーしてきた1930〜50年代のサンバのオリジナル録音集で、ソロ・デビュー前のガロートス・ダ・ルア名義による音源や初の自作曲、ソロ名義初の録音となる1956年のSP音源などを追加した編集盤『ジョアン・ジルベルトが愛したサンバ − OS SAMBAS QUE JOAO GILBERTO AMA』(3/25発売の日本盤, 本作を独自制作したOffice Sambinhaで購入すると、「今回収録できなかったヴォーカル・グループ時代の録音4曲などを収めた」全5曲入り非売品CD-Rをプレゼント【限定100枚】→プレゼントはすでに終了)
デヴィッド・ボウイの1975年発表作『Young Americans』のDVD付きスペシャル・エディション(4/4発売の日本盤, 2007年リマスター, 日本語字幕付き, ボーナス・トラック3曲追加, 試聴
ジョン・ゾーンの『Six Litanies For Heliogabalus』(3/27にTZADIKから発売, US盤, 試聴
ニール・ヤングの1971年1月19日のカナダ・トロントにおけるギター&ピアノ弾き語りによる未発表ライヴ盤『Live At Massey Hall 1971』(3/13発売のUS盤, DVD付き[NTSC Region All], 試聴
ライ・クーダーの『MY NAME IS BUDDY』(3/6発売のUS盤, 3/28発売の日本盤はこちら

スライ&ザ・ファミリー・ストーンの3大傑作『Stand!』(1969年)、『There's A Riot Goin' On』(1971年)、『Fresh』(1973年)のリマスター盤(4/9発売のEU盤, LIMITED DELUXE EDITION, デジパック仕様, ボーナス・トラック追加, 日本盤紙ジャケ仕様は5/2発売予定, 7CDの試聴
ザ・ポップ・グループが1979年に発表した1stアルバム『Y』のリマスター盤(4/9発売のUK盤, Rhino, 1996年発売のCD[1曲目に1stシングルA面曲追加]と同一曲順&ボーナス・トラックとして1stシングルB面曲を追加, 試聴
グナワの聖地モロッコのタメスロットで録音されたグナワの名人たちの共演集『Gnawa Home songs グナーワ・ホーム・ソングス』(2/18発売の直輸入盤, ライス・レコード, ライナーの日本語訳付き, 試聴
“砂漠のブルース”と形容されるサハラ砂漠の遊牧民のバンド・ティナリウェンと同じトゥアレグ人で、ニジェール政府によるトゥアレグ人弾圧のため15歳の時に亡命したリビアにおいて、カダフィ大佐の軍事キャンプでゲリラ教育を受け、反政府レジスタンスのゲリラ兵として瀕死の重傷を負うまで活動した在仏トゥアレグ人の元ゲリラ兵&砂漠のギター・ヒーローでもあったムーサ・アグ・ケイナが、フランスで出会ったミュージシャンたちと結成したトゥーマスト(TOUMAST=アイデンティティ、自治民族の意)の『ISHUMAR イシュマール 〜機関銃の代わりにギターを〜』(3/11発売のEU直輸入盤, 試聴

ディーター・メビウス/コニー・プランク/マニ・ノイマイヤー(MOEBIUS−PLANK−NEUMEIER)の1982年発表作で、後のテクノなどに多大な影響を与えた大傑作『Zero Set』(2/25にCaptain Trip Recordsから発売, 2007年リマスター, 限定1,000枚, 紙ジャケ仕様, 旧盤の試聴
ルー・リード初の「electronic meditation music」で、全編アンビエントなインストの異色作『Hudson River Wind Meditations』(4/9発売のEU盤, 試聴, 『MYSPACE MUSIC』でTr.4の試聴)
マッツ・グスタフソン(bs, electronics)/サーストン・ムーア(elg)/ジム・オルーク(electronics)/テリー・エックス(elg)/マッシモ・プピロ(elb)/ポール・ニルセン・ラヴ(ds, per)からなる6人組インプロ・ユニット、オリジナル・サイレンスの1stアルバム『The First Original Silence』(4/16にSmalltown Superjazzzから発売)
ノルウェーの完全即興演奏グループ・Supersilentのトランペット奏者、Arve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)の『Strjon ストリオーン』(3/25発売の日本盤, ライナーの訳付き, myspace.comでTr.1, 11, 12の試聴)
フェアポート・コンヴェンションの1967年12月から1974年8月までのBBC放送用音源を収録した4CD『Live At The BBC』(4/13発売のEU盤, 試聴
メイヨ・トンプソン率いるザ・レッド・クレイオラの待望の初CD化となる1979年発表作『SOLDIER-TALK』(4/6発売の直輸入盤, 歌詞の対訳付き, リマスター盤, 試聴
フランス・マルセイユのミクスチャー・レゲエ・バンド、マッシリア・サウンド・システム(現在、活動休止)のタトゥー(ヴォーカル)とブリュー(ギター, バンジョー)らが結成したムッスーT(Moussu T e lei Jovents)の2ndアルバム『Forever Polida』(4/17発売の直輸入盤, 試聴

2007年04月28日(土)



 “最後の瞽女(ごぜ)” 小林ハルさんのDVD発売

盲目の女旅芸人・瞽女(ごぜ)小林ハルさん(1900−2005)のDVD『小林ハル 〜渾身の熱唱〜』が発売された。
4/18(水)16:00〜21:00には小林ハルさんのDVD完成記念の試写会が、東京・八丁堀の自主上映映画館『リトルシアター』で行われる。

越後瞽女小林ハルDVD発売(『新潟日報 NIIGATA NIPPO On Line』2007年4月10日)
瞽女 小林ハルさん渾身の熱唱 DVD完成 & 小林ハルさんDVD完成記念試写会のお知らせ(『映画瞽女公式サイト』の「ニュース&メディア」)

DVDの企画・制作は「瞽女文化を顕彰する会」。1980年代にBSN新潟放送が特別番組用に収録した小林ハルさんの映像を約1時間半に再編集し、DVD化したそうで、小林ハルさんの瞽女唄は「祭文松坂・石童丸」や「葛の葉子別れ」、「佐渡おけさ」など9曲収録。

DVDの値段は3,000円+送料300円。「瞽女文化を顕彰する会」事務局(電話 025-276-7554)とBSN新潟放送事業局(イベントダイヤル電話 025-230-8655)で販売中という。
早速「瞽女文化を顕彰する会」事務局に電話をかけ、購入の申し込みをしておいた(郵便振替による送金確認後、発送。郵便振替用紙は送られてくる専用の用紙を使用とのこと)。

ネットで聴けるラジオ番組「最後のごぜ 小林ハルさんを偲ぶ」(約30分, NHKラジオ第2『視覚障害者のみなさんへ』)
“最後の瞽女(ごぜ)” 小林ハルさん死去(『doo-bop days』2005年04月25日)

2007年04月12日(木)



 成毛 滋氏 逝く

ギタリストの成毛 滋(なるも・しげる)氏が、3/29(木)に大腸がんのため亡くなった。60歳だった。葬儀・告別式はすでに近親者で済ませたという。訃報が公表されたのは4/5(木)らしい。

ギタリストの成毛滋さん死去(『asahi.com』2007年04月05日14時32分)
成毛滋氏死去 ギタリスト(『東京新聞 TOKYO Web』2007年4月6日 13時05分)

遅まきながら本日(4/6)、成毛氏の訃報をネットで知る。
1年前、NHK教育テレビで放映された『趣味悠々』「楽しく弾こう! 大人のエレキ・ギター」第1回に、成毛 滋氏が出演した。久しぶりにテレビで見る成毛氏は以前より痩せており、顔色も心なしか良くない。闘病中or病み上がりと思われ、心配していたのだが、まさか亡くなってしまうとは・・・・。

10代のある数年間、成毛 滋氏のラジオ番組『パープル・エクスプレス』のリスナーだった。そこで初めて聴いたジミ・ヘンドリックスのモンタレー・ポップ・フェスティヴァルでの「Killing Floor」とレッド・ツェッペリンの「Communication Breakdown」。20年以上経った今でもあの時の興奮と衝撃は忘れられない。

追悼の意を込め、成毛氏のラジオ番組『パープル・エクスプレス』のテーマ曲「Purple Express」(作・演奏:成毛 滋)と、同番組のスポンサーであった佐川急便のラジオCMで使用された「暗闇の地獄の悪魔の炎」(作・演奏:成毛 滋)をネットで数回聴かせてもらった(→『Dr. Siegel's Archives 成毛 滋のレア音源』の「CM」にて)。成毛氏率いるフライド・エッグのCD『Dr.Siegel's Fried Egg Shooting Machine(ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン)』(1972年)なども聴こうと思っている。

ご冥福をお祈りします。

Dr.Siegel's Archives 成毛滋のレア音源
日本人に〈リズム音痴〉からの脱出は可能か!(成毛 滋 1972年)(「友寄隆哉 3 日本人とリズム感」より)
成毛 滋 「暗闇の地獄の悪魔の炎」(『doo-bop days』2005年09月19日, 2006年4月6日 追記)

2007年04月06日(金)
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