2020年04月29日(水) |
口腔がん−5 心配なら まず歯科に相談 |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
口腔がんに詳しく、2019年の診療指針の改訂に関わった九州大歯学部長の中村誠司さんに聞いた。
――口腔がんとは
口の中にできるがんの総称です。 舌や歯肉、頬のように、口の中を覆う粘膜にできるものが9割以上を占めます。 唾液を分泌する唾液腺にできるものもあります
人種や国、地域の生活習慣などで異なりますが、日本人の場合、舌がんが6割と最も多く、上下の歯肉がん、舌と歯肉の間の『口底』にできるがん、頬の粘膜がんなどが続きます。
――がんになる要因は
最もリスクの高い生活習慣は喫煙です。 南アジアでは、口腔がんが全てのがんの3割を占めますが、かみたばこの習慣が影響していると言われています。 これに飲酒が重なると、相乗的に作用するとみられています。 また、虫歯で欠けた歯などが口の中を慢性的に刺激することが、引き金になるとも考えられています。
――患者の数は
推計で毎年7000〜8000人です。 著名な女性タレントが最近、舌がんであることを公表し、心配して受診する人が増えています。
――がんを疑うポイントは
病変は濃い赤や白色で、潰瘍やしこりを伴うことが多いです。 初期は痛みや出血があるとは限りません。 しばらく治らないと感じながらも、単なる口内炎と思って放置してしまうケースがしばしばあります。 通常の炎症や傷は1、2週間もすれば大半は治ります。 それでも改善しなければ、別の病気を疑いましょう。
口腔がんは、食べる、発声する、のみ込むといった大切な機能が損なわれます。 異常に早く気づくことができれば、その後の治療で患者さんにかかる負担を抑えることもできます。
――治療法は
がんのできた部位、進行度で異なります。 一般的には病変部とその周辺を切除することが多いですが、放射線療法も有効な治療の一つです。 抗がん剤治療を併用することもあります。
舌や頬、あごの骨などが対象になるので、手術後にかんだり、のみ込んだりする機能に障害を残すことや、顔など外見に影響を及ぼすこともあります。 早期に発見できれば、切除する範囲が小さくて済みます。
――心配な場合、どこにかかればいいですか
かかりつけの歯科医院に相談すると良いでしょう。 耳鼻咽喉科でも対応が可能です。 がんの疑いがあれば、治療が可能な口腔外科などのある医療機関を紹介してもらえます。
口腔がんは、首のリンパ節や肺などに転移しやすいのが特徴です。 また、患者の10人に1人は、食道や胃など上部消化管のがんが見つかると言われ、口腔外科医だけでは対応できないこともあります。 治療にあたる上で、各診療科との連携の重要性が高まっています。
2020年04月28日(火) |
口腔がん−4 抗がん剤・放射線で温存 |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
口腔がんが進行しても切除しないで、温存の可能性を探ることもできる。
東京都内の女性(73)は2016年の春頃、舌の左側にブツブツした小さな腫れ物ができた。 痛みはなく、自然に治ると考えていた。 ところが約4か月後、痛みはないものの、舌のただれがひどくなり、話をすることも難しくなった。 慌てて近くの大学病院を受診すると、舌がんと診断された。
舌がんは、口腔がんの半数以上を占め、年間4000人以上が発病するとされる。 発見が早期であれば、手術で一部を切除するだけで済む。 進行した場合は、切除する範囲が大きくなり、舌の機能を維持することも難しい。 腕やももの皮膚や筋肉などを使う再建術を並行して行う。
女性のがんは進行しており、舌のほぼ全てを切除しなければならない状態だった。 そんな中、同じ年の10月に訪れた横浜市立大病院で、口腔外科教授の光藤健司さんから「動注化学放射線療法」を提案された。
がん細胞には血管から栄養が運ばれているが、耳の脇の動脈から入れたカテーテル(管)を通じて抗がん剤を注入。 放射線治療も併用し、がんを小さくすることで温存を目指す治療だ。
同病院では06〜15年、舌がん患者118人に対し、この治療を実施した。 その結果、再発・転移を3年間抑えた割合は80%で、3年生存率は82%だった。
女性は11月上旬から約2か月間、がんの患部に抗がん剤をカテーテルで注入した。 並行して行った放射線照射も計35回に上った。 現在、がんは画像検査で確認できないほど小さい。
点滴で全身に抗がん剤を行き渡らせる通常の方法と比べ、全身の倦怠けんたい感や吐き気、脱毛といった副作用は少ない。 ただ、動注化学放射線療法の場合、ほとんどの患者が口内炎を発症し、食事が取れなくなることがある。 ひどい口内炎に悩まされた女性は、チューブで胃に栄養を直接入れる「胃ろう」をつけた。
治療の副作用である口内炎は3か月で消えた。 舌は温存されたが、機能の全てが残ったわけではない。 熱い物は食べづらく、舌を巻いて発音する「ラ行」も言いにくくなった。 現在はスポーツクラブに毎日通うほど元気に過ごす。 女性は「一時は死も覚悟した。今は感謝しかない」と話す。
動注化学放射線療法は公的医療保険の対象となっているものの、治療技術やカテーテル管理の難しさなどから、この治療が受けられる医療機関はまだ限られている。
光藤さんは「進行がんでも大幅に切除するのを避けたい時は、治療の選択肢の一つになり得るのではないか」と話している。
2020年04月27日(月) |
口腔がん−3 口内炎かと思っていた |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
大相撲の元前頭筆頭・薩洲洋の立田山裕教さん(62)は、昨年2月頃から、舌の裏側が引っかかるような感じが気になっていた。 痛みはなかったため、自然に治ると思い、鏡で見て確認することもなく、そのままにしていた。
しばらくして違和感はなくなった。 治ったと思い、すっかり忘れていた夏頃、ぶり返した。 8月上旬、東京都内のかかりつけの歯科医院で診てもらうと、舌の裏に病変があり、「大きな病院で詳しく調べてもらった方がいい」と言われた。
口腔外科のある総合病院を紹介されたが、診療は2か月待ち。 大学病院出身の医師がいる別の歯科医院で「がんの疑いがある」と告げられた。 下あごの歯肉と舌の間の「口底」という部分に、白色が交じった赤く硬いしこりが確認された。
すぐに東京医科歯科大歯学部病院を受診。 顎口腔外科教授の原田浩之さんは、患部の組織を採取して調べた結果、「口底がん」と診断した。
口底の粘膜は、舌や下あごの骨とつながっている。 がんが進行すると、これらも含めて切除しなければならない。 また、このがんの患者は、食道など上部消化管のがんになる頻度も高いとされる。
立田山さんのがんは、口底の左側にあり、2センチに満たない早期のがんだった。 1週間余り後には9月場所も迫っており、かなり迷ったが、手術を受けることにした。
9月中旬には、がんのできた部位を切除し、右の太ももから3センチほど切り取った皮膚を移植した。 コンピューター断層撮影法(CT)の検査で、左あごの下の顎下腺に唾液の成分のカルシウムが固まった「唾石」も見つかり、顎下腺にあるリンパ節と一緒に摘出した。
2週間後に退院。 しゃべりにくさも1か月ほどで慣れ、今は手術前と同じように話せている。 陸奥部屋の年寄として後進の指導にあたる立田山さんは「単なる口内炎だと思っていたが、認識が甘かった。早い段階で治療が受けられて本当に良かった」と話す。
口底がんは特に、喫煙や飲酒がリスクを高めると考えられている。 それまで1日20本のたばこを吸い、現役時代から度数の強いアルコール飲料を飲んできた立田山さん。 今もアルコールは適度に楽しみながらも、たばこは手術前にきっぱりやめた。
原田さんは「口内炎のような症状が2週間以上続いたら、がんの疑いもある。 口の中の異変や違和感が続いたら、速やかに歯科医院を受診してほしい」と呼びかけている。
2020年04月26日(日) |
口腔がん−2 今度は頬粘膜に 手術再び |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
昨日の続きです♪
歯肉がんの手術を受けてから12年がたとうとしていた2017年2月、大道芸人の源げん吾朗さん(69)の口の中に見つかったのは、頬粘膜のがんだった。かつて切除した左下あごの6本の歯を補う入れ歯の近くにできていた。
がんが粘膜にとどまっていれば、放射線の照射で済む場合もある。 だが、源さんのがんは、あごの骨まで広がっている可能性があった。 3月に手術を受け、粘膜だけでなく、左あごの骨の一部を残して切除した。
半月ほどで退院すると、東京都内の舞台に出演。 ところが、復帰して約2週間後の4月中旬、魚の干物を食べている時に、左あごで「パキッ」という音が鳴った。 鈍い痛みが続き、大学病院の主治医に診てもらったところ、あごの骨が折れていた。 「笑い話みたいですが、本当に痛かった」
再び入院し、あごの折れた部分を安定させるため、チタン製のプレートを埋め込む手術を受けた。 無事終わり、退院できるはずだったが、思わぬ不調に襲われた。 持病の痛風の症状がぶり返した後に、右の手足がひどくしびれ、歩けなくなった。 手術によるストレスの可能性もあったが、原因は分からなかった。
3か月を超えるリハビリを経て、9月初めに退院。その後も右足の裏にしびれが残っている。 週末や祝日の午後に浅草で紙芝居を披露している時には夢中で気にならないが、帰宅すると、じんじんと痛む。 「屋外のパフォーマンスは開放感があり、面白くてやめられない」
「立て板に水」の話芸の支えとなるのは口の動きと滑舌。 手術で切除した部位には、ももの皮膚を移植している。 粘膜と違って柔軟性に欠けるため、「こまめに口を閉じたり、開いたりしています」と話す。 現在も検査やリハビリのために定期的に通院している。
活動を再開してからは、自らの闘病体験をネタにすることもある。
「話芸を持ち味にする芸人が歯肉がん。それは、皮肉(シニク)だ」
近頃気がかりなのは、新型コロナウイルスの感染拡大だ。 通い慣れた浅草では、2月下旬から外国人の姿を見かけなくなった。 3月に入ると日本人もめっきり減った。春休みに都内の小学校を会場に予定していた紙芝居も中止となった。
今年秋には、長年交流を続けているモンゴルの学校を訪れるつもりだったが、実現できるかどうかも不透明になっている。
「今は辛抱。落ち着いた頃に、多くの人たちに喜んでもらいたい」。 コンディションを整え、その日を心待ちにしている。
2020年04月25日(土) |
口腔がん−1 歯茎に斑点 骨ごと摘出 |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
「さあ、始まるよ、始まるよ――」
2月下旬、東京・浅草の浅草寺近くの路上で、拍子木の小気味よい音とともに、道行く人たちに呼びかける大道芸人の源げん吾朗さん(69)の声が響き渡る。
外国人旅行客やベビーカーを押す母親に囲まれると、昭和初期に登場して人気を呼んだ「黄金バット」の紙芝居を始めた。 さらわれる少女や謎の怪物らの声色こわいろを使い分ける。 外国人を意識して「ウェート・ア・ミニット(少し待って)」などと英語も交え、場を盛り上げる。
源さんは1970年、役者を目指して山形県から上京し、劇団に入った。 度胸をつけようと新宿の歩行者天国で始めた紙芝居が評判となり、漫談家で同郷の俳優・ケーシー高峰さんに75年、弟子入りした。
その後、大道芸人として生きていこうと心に決め、「バナナのたたき売り」や「ガマの油売り」などの軽妙な口上を持ち芸に活動。全国各地を回り、米国など海外15か国でも公演を果たした。 浅草では土日祝日に紙芝居を披露している。
そんな源さんが口の中の異変に気づいたのは、2005年3月。 左側の下あごの歯茎に赤い斑点があるのを見つけた。かかりつけの歯科クリニックで歯周病の炎症を疑われ、抗菌薬を処方されたが、しばらくしても症状は改善しなかった。
紹介先の大学病院を受診したところ、歯肉がんと診断された。 口の中にできる「口腔がん」の2割近くを占め、舌がんに次いで多い。 治療の基本は手術。 下あごの歯肉がんは、あごの骨に広がりやすいため、進行しているほど、あごの骨を広く切除しなければならない。
「これまでのようにしゃべることが、できなくなるのではないか」。 話芸で身を立てる源さんは、口の中にメスを入れることに不安を感じた。 ただ、命には代えられず、2か月後に手術を受けた。 下あごの左側の歯6本を歯茎と骨も一緒に摘出し、入れ歯で補った。
2年後の07年10月、左足に皮膚がんの悪性黒色腫(メラノーマ)が見つかった。 幸い早期に切除できたため、すぐに仕事に復帰できた。 その後も大学病院には数か月に1回通った。
17年2月、口の中を診た担当医が、歯肉のそばにある粘膜が白く変色しているのを見つけた。 「腫瘍のようですね」。 組織を採取して調べると、がんだった。 歯肉がんの手術から10年余り。 完治したと安心していただけに一瞬、動揺した。
しかし、すぐに腹をくくった。 「気落ちしても仕方がない。また舞台に立つんだ」
明日に続きます♪
2020年04月24日(金) |
初診オンライン、歯科も開始へ |
共同通信によると・・・
厚生労働省が、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)を開いたのだそうで、、、
歯科でも新型コロナウイルスの院内感染を防ぐため、初診からスマートフォンやパソコンを使ったオンライン診療を可能にすると提案し、了承されたのだとか。 歯科でのオンライン診療は痛み止めを処方する場合などの活用が中心となりそうだとのこと。
医療機関が受け取る診療報酬の初診料は1850円。 患者の自己負担(1〜3割)は最大で550円程度となる。 薬の処方などの料金は別途かかる。 医科では既に初診からのオンライン診療が始まっている。
いつから、どうやってやるのでしょうね???
慶應義塾大学病院によると・・・
新型コロナウイルス以外の病気で入院する予定の患者にPCR検査をした結果、約6%の人が自覚症状がないものの陽性だったことが分かったのだそう。
4月13日から19日に新型コロナウイルスの治療以外で入院する予定の患者67人にPCR検査をしたところ、約5.97%にあたる4人が陽性と判定されたということです。 いずれも新型コロナウイルスの特徴的な症状はありませんでした。 この結果について慶応大学病院は院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があるとしています。
地域って、、、東京都の人口が、およそ1400万人ですから、そのまま換算すると、ぬぁんと83万3千人もの人たちが『陽性』っていうことになりますね???
ちなみに、都の発表によると、本日までの累計陽性者は3306人ですから、2桁違います。
PCR検査の精度の向上と、サンプル数の増大に期待したいものです♪
2020年04月12日(日) |
不調から人生大逆転! 寝たきりにならない秘訣 |
今朝のTBS系健康カプセル!ゲンキの時間は、↑ ゲンキご長寿たちの逆転劇の秘密を徹底リサーチして、健康長寿を手に入れるヒントをご紹介していました。
番組では、口・歯の健康の大切さについても触れていました。
身体のフレイルは、口から始まるとも言われています。 それが、最近注目されている「口腔フレイル」。 口腔フレイルは、口の機能が低下し、食べこぼしやむせるなどの症状が現れます。 すると、食事量の低下につながり身体全体のフレイルが始まりやすくなるのです。 また、食事をする上で歯の健康も大切。定期的に歯科で検診を受けたり、歯のケアを行ったりして、口と歯の健康を守りましょう。
『年のせい 今から始めて 大逆転』
・・・とのことでした♪
2020年04月07日(火) |
緊急事態宣言への当院の対応−2 |
政府が『緊急事態宣言』を出しました。
当院では、変則的に、診療時間の短縮・休診をする日があります。
つきまして
診療のお申込みについては、ホームページの「24時間インターネット予約」欄から
ご予約の変更等は、お電話ではなく、ホームページの「ご意見・お問い合わせ」欄から
のご連絡をお願いいたします。
今までメールで遣り取りさせていただいた方は、そのアドレスからの直メールでも構いません。
変則的な診療時間の短縮・休診って、開院以来の今までと何ら変わらないとも言えますが(笑)。
2020年04月06日(月) |
緊急事態宣言への当院の対応−1 |
医療機関は、活動自粛要請の対象ではありません。
皆さまの口腔内環境を維持する為、また、環境悪化に依る肺炎リスク等を “予防” する為にも、当院では、今まで以上に感染対策を行ったうえで、診療を継続することにいたしました。
感染対策としましては、全ての診療時にフェイスシールドを用いるなど、これまでの対応に加え、今まで以上にご予約の間隔を空け、患者さん同士の接触が極力無いように、また、換気に留意しながらの診療、更には、患者さんの切れ目毎に、診療台から玄関のドアノブに至るまでの清拭に努めて参ります。
皆さまにおかれましても、健康状態にご留意いただき、発熱や咳などが認められる際には、ご躊躇なくご予約の変更のご連絡をお願いいたします。
2020年04月03日(金) |
羽田新ルート運用開始 |
3月29日から予定されていた ↑ ですが、南風にならず、今日から運用され始めました。
って、そもそも不要不急の・・・によって『大幅な減便中』なのですから、わざわざ新ルートを運用する意味ってあるのでしょうか。
既成事実を作るためだけの運用! としか思えないのですが。。。
↑ が全面施行され、2人以上の人が利用する施設が原則屋内禁煙となりました。
学校や病院、児童福祉施設、行政機関、旅客運送事業自動車・航空機については屋内は完全禁煙で喫煙室を設ける事ができません。
ただ、こうした施設の屋外には、必要な措置が取られた場所に限り、喫煙場所の設置ができちゃうのだそうです。
まあ、どんなに工夫した喫煙場所を設置しても、サードハンドスモークを鑑みると、喫煙者はそもそも迷惑な存在なのですから、新型コロナに感染しちゃえ! という声すらアチコチから聞こえてきます。。。
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