TOM's Diary
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2007年01月18日(木) |
ホワイトカラーエグゼンプション4 |
ホワイトカラーエグゼンプション(以下「WE」と記述する)の導入について、私が考えるところを書き綴ってきたが、これらは、導入に賛成する労働者の立場から最低限、経営側(使用者側)に守ってもらいたいことを書いたに過ぎない。実際に私は労働組合の役員として裁量労働制導入に関して会社側と協議を重ねている段階であり(裁量労働制とホワイトカラーエグゼンプションの違いについては後述する)、問題点などかなり整理できているつもりだが、記述してきた問題点以外にもいろいろな問題があると思うし、あるいは、私の勤めている会社独特の問題点であり一般的でない点についても記載しているかもしれない。また、公平を期すためには経営者側の観点から見た問題点にも書くべきだとは思うが、新聞報道等にて繰り返し論じられているので、あまり触れていないが、そこはご容赦願いたい。
いずれにしても、日本の競争力をこれまで以上に強めるためには、必要な制度だとは思うものの、うまく導入しなければ逆効果なりかねず、慎重に検討していく必要があるだろうとの思いから書いていることだと言うことは理解してほしい。
なお、労働者側においても、単に残業代カットされる制度だと思い込むのではなく、きちんと制度の内容を理解し、判断をしてもらいたい。 また、WEと裁量労働制の違いだが、大雑把に言うと、対象となる業種が拡大するほか、労使の合意さえあれば本人の同意が要らなくなってしまう点が挙げられる。
したがって、これまで無関係と思われていた人々も対象になることをよく認識し、この制度に関する報道やHPの記事などを興味を持って見て行ってもらいたい。
2007年01月17日(水) |
ホワイトカラーエグゼンプション3 |
ホワイトカラーエグゼンプション(以下「WE」と記述する)の導入においては、裁量性の確保をどのように行うかも重要である。
裁量性の確保と言っても数値ではなかなか表せない。 組合役員をやっている私自身、裁量労働制導入に関する会社との交渉の中でこの辺をどのように判断していくか今なお検討中である。 いろいろ調べてみても「包括的な作業指示のもと、作業を進めていく」「業務の具体的な遂行の手段、時間配分について具体的な指示をしないこと」と言った記述が多く、客観的ではない場合が多い。こうしたことを直接、裁量労働対象者に面談により確認し個別に判断していく必要があるだろう。
なお、裁量労働導入前に少なくとも裁量労働対象者に対してはある程度裁量権を与えた働き方をさせておくことは必要だと考えている。すなわち、裁量労働が入った段階では、対象者全員が裁量権を持った仕事の進め方をしていなければ、裁量労働制への移行は失敗してしまうことになるだろう。 もちろん、裁量労働制では働く場所の裁量や労働時間に関する裁量権も与えられなければならないが、導入以前にそこまでの裁量を与えることは無理である。しかしながら、上記の通り、「業務の具体的な遂行の手段、時間配分について具体的な指示なし」に労働させることは可能であろう(簡単なことのように思われるが、実際の現場に立つと納期やいろいろなしがらみでなかなか難しいのが現実でもある)。
このくらいのことが出来ないで、裁量労働制やWEの導入は難しいのではないかと考える。
2007年01月16日(火) |
ホワイトカラーエグゼンプション2 |
ホワイトカラーエグゼンプション(以下「WE」と記述する)の導入においては、単なる残業代カットにならないよう義務化することが必要だと昨日書いた。すなわち、法制化の時点で対策をしておくことが必要であるという意味だ。
さらに、単なる残業代カットにならないためには次のような対策を事前に行っておくことが重要である。 一つは高残業状態の実態とその要因の把握。 二つ目は不払い残業・生活残業の撲滅である。
一つ目の高残業状態の実態とその要因の把握であるが、個別の企業におけるWE導入に際して、労使で協力して把握するべきであると考えている。 実際の職場においてはチームで作業をしている場合も多々ある。中には当日の自分の作業は終わったが、上司や同僚の作業が終わらないので帰りづらい、あるいは、帰れないと言った理由で会社に残っている作業者がいることもあるだろう。それだけならまだ良いが、なかには残業代欲しさに、あるいは、残業時間が多いほど仕事をした気分になれる(仕事をしてもらえる)と勘違いしている作業者もいるかもしれない。 前者のような場合は社内の慣習で事実上会社に拘束されており、残業代を支払うべきであるが、本来は仕事が終わったら即座に会社から退去すべきであり、そうしない作業者に対しては上司が率先して帰宅させるべきである。それぞれの会社の風土や慣習もあるだろうが、WE導入においては、そういった悪しき習慣は排除しておく必要があるだろう。 万が一、これらの習慣が残ったままでWEを導入してしまっては、作業をしていないにも関わらず会社に残っていたことにより発生した残業代分まで含めて、残業代カットだと主張されかねない。また、残業代をWEのインセンティブ手当てとすることを検討する場合に正当な原資の算出も難しくなるだろう。こういう状況は使用者側だって面倒だと思われる。
二つ目の不払い残業と生活残業の撲滅だが、現状そのような状況がある会社はとても正常な会社とは思えない。正常な状況があってこそ、初めて新制度への移行が行われるべきであり、異常な状態を正すために制度を変えるなどと言うのは労働者としては受け入れがたい。そもそも現状の制度さえ正しく運用できていないのに、そもそも日本の風土にあっているかどうかさえわからない新しい制度が正しく運用できるわけがない。 まして、不払い残業が行われているにも関わらず、会社どころか直接の上司さえその事実を把握できていないなどもってのほかである。 また、不払い残業や生活残業が行われた状況では、WE導入後のさまざまな労働諸条件の整備も公平に行われない可能性がある。そういったことは労働者のモチベーション低下や不満の温床になりかねない。
WE導入に当たって、最低でもこの程度のことはやらねばならないが、労働者を納得させるさせるためには、これだけでは不十分であろう。
2007年01月15日(月) |
ホワイトカラーエグゼンプション1 |
1月9日の日経朝刊だったと思うが、ホワイトカラーエグゼンプション(以下「WE」と記述します)は単なる残業代カットと言うのは間違いだと言う趣旨の、だれかのコメントが載っていた。確かにWEの特徴は作業時間ではなく、成果で評価するため当然残業手当てが出ないので、そこだけを見て、残業代カットと言う指摘をしている人も一部にはいるかと思われる。
しかし、WEが残業代カットにすぎないと言う理由は、そんな単純なものではない。
例えば、残業代の総原資をすべてWEの成果配分に廻すくらいのことは義務化するくらいの必要はあるだろう。
作業時間管理は作業者本人の自己裁量によることになるため、長時間労働による健康管理の責任は使用者側から労働者側へ移動することになる。その責任分担の配分の変更に見合った賃金が労働者へ支払われなければ残業代カットと言われてもやむをえないだろう。
WEのポイントは成果を誰が何をどのような基準を基にどうやって判定するかであるが、これらが客観的に行われなければ残業代カットと言われてもやむをえない。具体的に言うと、使用者側の都合で実際の成果を低めに評価することで実質的な残業代カットにつなげることも可能である。 この評価基準はだれでもが確認できるように公表することを義務づけるなどしなければ、客観性は維持できないと思われる。
WEが単なる残業代カットに過ぎないかどうかは最低でもこれら3点について十分に議論する必要があるのではないだろうか?
今日から一部の都県で運転免許証にICチップが埋め込まれたものが発行されるそうだ。なんでもオウム真理教がらみで偽造免許証が出回ったことがきっかけで偽造されにくいものに変更するんだとか・・・
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