ATFの戦争映画観戦記



【File107】マカロニ戦線異状アリ・・・珍説イタリア戦争映画史《総括》

2004年11月07日(日)

なんと半年振りの観戦記・・・この間色々な事があったが、それは皆さんもご承知の通り・・・早速ながら久しぶりの【開演ブザー】携帯電話の電源はお切り下さい・・・【今回も、この書き込みに資料的価値は〝全く〟無いと思われ・・・】

【かくてマカロニは誕生す!】
イタリア国民の大半は、そんな事は気にも止めてはいないかもしれないが、イタリアは第二次大戦における枢軸側=敗戦国である。その軍隊のヘタレぶりは世界中に知れ渡っている。それを如実に表しているのが、以前にも述べた『次はイタリア抜きでやろう』と言うブラック・ジョークである。イタリア人は良く「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ」と言う・・・訳せば「食べて、歌って、愛する」である。人生の幸福と美しさを讚え、そして生きるイタリア人自身を賛美する言葉だが、ドイツ人はそれを聞くと「あいつら飲んで歌って女口説いて、その合間に戦争してるから負けるんだ」と口を揃えて言う。またイタリア人をして『一人のイタリア人は〝恋する人〟二人のイタリア人は〝決闘する人〟三人のイタリア人は〝退却する軍隊〟』等と例えられたりする。しかしドイツ占領下において独軍とファシストに対し、パルチザンによる血みどろの抵抗運動が繰り広げられ、同じ国民同士・・・隣人同士が殺し合うような、多くの悲劇を生み出した事も、また事実である・・・その様な悲劇を乗り越えて復興した戦後イタリア映画界は「戦火のかなた(1949)」や「無防備都市(1950)」に代表されるネオ・リアリズモ作品と呼ばれる名作を多数生み出した。その後イタリア映画界は1960年代半ば頃まで、このネオ・リアリズモ主義の演出技法を受け継ぎながら、さらには戦後アメリカから流入したハリウッド映画の影響をも吸収し、新たな演出技法による秀作戦争映画を多数生み出す・・・「人間魚雷奇襲せよ(1953公開)」「潜水艦潜航せず(1955公開)」「空挺部隊(1959公開)」「壮絶鬼部隊(1960公開)」「ロベレ将軍(1960公開)」「全艦船を撃沈せよ(1960公開)」「ローマで夜だった(1961公開)」「祖国は誰のものぞ(1963公開)」「潜水艦ベターソン(1964公開)」「国境は燃えている(1966公開)」等々・・・これらリアル系戦争映画は、確かに優れた戦争映画であり、また芸術作品としても評価も高いが、時を経て戦争の悲しい記憶が人々の心の中から薄れて行く程に製作されなくなる・・・観客である一般大衆の要求は娯楽映画へと傾いて行く・・・画面の中で繰り広げられる派手なアクションシーンや美男美女の繰り広げるラヴシーン、おどけたコミカルな演技に、或いは手に汗握り、喝采し、涙し、そして観終った後の爽快感を求め始めるのである。1960年代に入り経済的に豊かになって来ると、この傾向は益々顕著なものとなる。そしてイタリア映画界は、必然的に戦後大量に流入して来たハリウッドやイギリス、フランスなどの娯楽映画・・・古代や中世の歴史活劇や西部劇、ギャング(マフィア)やスパイ物、コメディ、ホラー・・・の影響を色濃く受け・・・と言うよりも早い話が〝手っ取り早く模倣した〟作品群を生み出し、大量生産されて行った・・・これらは世界映画史上、俗に海外で〝マカロニ〟の冠詞を付けられて呼ばれる事となるイタリア製通俗大衆娯楽映画たちであった・・・。

【マカロニ・コンバットの誕生】
世の中には私などより数倍も数十倍も詳しく、そして熱く語っている映画系サイトは山程あるし、この観戦記を読まれている皆さまの中にも詳しい方は大勢居そうなので、これ以上マカロニ映画全般について語るつもりはない。さてマカロニ映画作品・・・特にアクション系西部劇である『マカロニ・ウエスタン』が大量生産される中で、スパイ物やギャング・刑事物のアクション系映画と並んで戦争映画も製作される。それらは他のマカロニ映画作品と同様に、短期間に低コストで大量に製作された・・・金と時間、手間のかかっていない戦争映画・・・大量のエキストラや軍服や兵器等の小道具、戦車や戦闘機、軍艦等の大道具、ミニチュアによる特撮セットの製作や準備にコストや時間が大量にかかる大部隊同士の激突する大会戦や、多数の戦闘機が飛び交う大空中戦、戦艦同士が巨砲を撃ち合う大海戦とは異なる戦場・・・を舞台とし、必然的に小部隊による限定された戦闘・・・例えば「コンバット」の様な・・・を描いた作品であった。しかし「コンバット」の様な毎週30~60分の時間枠内で完結する物語を描いたテレビ的な映画では客は呼べない。確かに戦争映画の中には、一兵士の日常や小規模戦闘を中心に描かれた作品は幾つかあるが、反戦などのテーマを強く打ち出したり芸術性の高い作品でなければ、コアな戦争映画ファンでもない限り、それほど映画として一般には話題にはならない。それでは一般観客が喜ぶ〝小部隊による限られた戦闘空間〟とは・・・そこで登場するするのが【①秘密兵器】【②機密情報】【③重要人物】【④大作戦】そして【⑤特別任務部隊】と言う5つのキーワードである。ストーリーは戦局を一転させる程重要な・・・秘密兵器の破壊又は奪取、重大な機密情報の入手、重要人物の救出又は誘拐或いは暗殺・・・そして殆んどの場合、これらに描かれた設定は、その後に実施される予定の世紀の大作戦の布石で、任務達成の為に最低限の少人数による特別任務部隊(ある時は精鋭揃いであったり、またある時は囚人や飲んだくれのゴロツキだったりするが、大抵はそれぞれが特殊な技能を持っているのが一般的)が投入され、危機また危機の物語が展開し、観客たちは彼らの活躍を手に汗握り、スクリーンに喰い入るのである。そして、その合間には色っぽいお姉さんとのラヴシーンのオマケが入り・・・こうしてお決まりパターンによるイタリア製お手軽お気軽戦争映画が生み出される。これらの作品は既に人気が出ていたイタリア製西部劇『マカロニ・ウェスタン』と共に日本の映画配給会社によって大量に買い付けられて映画館で上映され、そしてテレビの洋画劇場で繰り返し放映された・・・これらはイタリア製西部劇『マカロニ・ウェスタン』に肖って名前が付けられた・・・それが『マカロニ・コンバット』である!

【マカロニ・コンバットの攻防・・・いや興亡】
前述の様に『マカロニ・コンバット』は、マカロニ諸作品と切っても切れない関係にある・・・大体プロデューサーや監督、脚本や音楽担当等の主要な製作スタッフは元より主演俳優までも、既にマカロニ諸作品において名前の知られた面々だ・・・リー・ヴァン・クリーフ、ジャック・パランス、ジャンニ・ガルコ、ジョージ・ヒルトン、クラウス・キンスキー、ガイ・マディスン、ロベール・オッセン、フレデリック・スタフォード、ヴァン・ジョンソン、ピーター・フートン、ジュリアーノ・ジェンマ、リチャード・ハリソン・・・等々。またウンベルト・レンツィなんて監督に至っては、他の映画会社との契約上本名が使えなかったりするので、幾つもの別名を使い分けて何本も作品を制作している。ロケ地にしたってイタリア国内は勿論の事、それまでのマカロニ諸作品(歴史物や西部劇)の撮影に良く使用されていたスペインが利用された。スペインには、砂漠の様に乾燥し荒れた土地や緑溢れる森林地帯、聳える山々、風光明媚な海辺の島々、歴史深い古い街並み等、様々な気候風土に恵まれている。砂塵舞う荒涼とした戦場や、レジスタンスの待ち伏せるフランスの田舎道の雰囲気は充分・・・砂漠での戦闘シーンならエジプトって手もある。当時のスペインやエジプトの軍隊は安いコストで戦車やら大砲、時には兵隊まで貸してくれた・・・全く低コストな戦争映画を撮影するには持ってこいの場所だ。しかし幾ら製作コストを抑えようとしても、所詮は映画・・・どんなシーンでも一発で監督のOKが出るなんて希である。貴重な撮影用のフィルムはどんどん消費されて行く。ショボイとは言え爆破シーンや砲撃シーン、銃撃戦シーンは結構なコストがかかる。爆破シーンの撮り直しとなると、こりゃ大変だ。幾らセットとは言え、作り直すにはコストと時間がかかって面倒臭い。ならばいっその事、他の作品で使った戦闘シーンや爆破シーンをそのまま使っちゃどうだろう・・・版権の問題なんて気にすんなぁ(そんなぁこたぁないぞ・・・でも新たに撮影するよりは安いんだろうな)なぁ~に観客なんてズブの素人のアフォ(オイオイ)ばかりなんだから、そんなシーンの区別なんてつかないって(くそぉ~日本の戦争映画ファンを舐めんなよ~ッ!)・・・こうしてシーンの使い回しは当たり前田のクラッカー。しかし待てよ!どうせなら戦闘シーン以外でも使いまわしが出来ないもんかなぁ・・・何か上手い手は無いものか?(きっと編集担当者の誰かが、何かの偶然で思いついたのだと思うのだが)・・・どうせ編集段階でカットされたシーンや何度も取り直されたテイクのフィルムは廃棄されるのだから、どうせならそれらを繋ぎ合わせて、別に一本作っちまったらどうだろう・・・(オイオイ幾らなんでもそりゃないだろう・・・って?いえいえ、それがあるんだよなぁ、これが)。最早『マカロニ・コンバット』の世界は、マカロニ・ウェスタンの舞台である西部の如く無法地帯と化していたのだった(実はマカロニ・コンバットだけに限らずマカロニ諸作品全般に当て嵌まる事なのだが・・・汗)こうして、後代の我々戦争映画ファン突っ込みどころ満載な『マカロニ・コンバット』の世界が形成されて行く・・・。

【イタリア製戦争映画≠マカロニ・コンバット】
実は、我が観戦記で今年一月から書き始めた一連の『マカロニ戦線異状アリ・・・珍説イタリア戦争映画史』というテーマの本題は、この『イタリア製戦争映画≠マカロニ・コンバット』に他ならなかった。「炎の戦線エル・アラメイン」によって、久方ぶりに映画ファンにも注目されたイタリア製戦争映画・・・しかし大半の見解では悲しいかな〝イタリア製戦争映画=マカロニ・コンバット〟と言う公式が罷り通っている・・・この考え方は、残念ながら一部戦争映画ファンの間にも蔓延しているのである。しかし無理もない事かもしれない。今までは戦争映画全体ですら、きちんと系統だって分類されている訳でもなく、それぞれの映画評論家が思い思い自著で勝手に分類している程度・・・況してやその中のイタリア製戦争映画を更に分類しようなどと言う物好きはいるはずもない。戦争映画について書かれた本自体も少ないが、それ以上に『マカロニ・コンバット』について書かれた本は少ない。私が知る限りでは、カルトな月刊映画雑誌「映画秘宝」で知られる洋泉社から出版されている『マカロニ・アクション大全/剣と拳銃の鎮魂歌(二階堂卓也 箸/1999年)』の中で、一章として取り上げられているくらいだが、一ジャンルとして取り上げられているだけで、詳しく分類されている訳でもなく、況してや全作品をリストアップしている訳でもなく、研究文献としては甚だ物足りない。仕方無い・・・物足りないのであれば、自分で調べるしかないのか・・・戦争映画好きの中には『マカロニ・コンバット』のファンは多く、中には私なども足元にも及ばない大家と呼ばれる方々も数多く存在している。そんな皆さんを差し置いて、私などが出娑婆った事を書くのも、誠におこがましいのであるが、これも戦争映画、引いては『マカロニ・コンバット』を愛するが故の暴挙として敢えてお許しをいただき、またご批判、ご意見、反論は甘んじて受けるつもりである・・・。

【マカロニ・コンバットの定義】
分類するにはキチンとした定義付けが必要である。そこで私が知り得る限りの智識と資料を基にして、取り合えず以下の様に定義付けた。「イタリア国内の映画会社が製作または資本参加(合作)している」であるとか「監督や脚本・撮影・音楽等の主要スタッフがイタリア人」等と言う定義は当たり前なので、この際は省く。

マカロニ・コンバットの定義
①第二次大戦のヨーロッパ戦線或いは北アフリカ戦線が舞台。
②戦局を左右する様な重大な特殊作戦を遂行する特別編成攻撃隊或いは偶然の成り行きで巻き込まれる小部隊の兵士が主人公。
③戦線や作戦の設定、軍装や兵装の考証は二の次のアクション作品。
④マカロニ・ウェスタンでもお馴染みの監督、俳優により製作されており、紅一点の金髪おねぇ~ちゃんが登場。
⑤他作品のフィルムやストーリー設定の使いまわし。
⑥日本公開時の邦題の名付け方がいい加減。


私が所有する文献、及びネット上より発見する事が出来た資料を基にして、1945年以降に公開されたイタリア製戦争映画のリストは、前の観戦記に書いた通りである。あくまでも限られた資料を基にしているので完全ではない(一応私自身が観戦済みの作品及び資料等で内容が判明している作品に限定)。日本国内で公開及び放映、またソフトが発売されていない作品についてはお手上げ状態なので、全く不完全な資料であるがお許しいただこう。さて前述の定義①を基にして、第二次大戦を舞台とした作品を抽出すると97作品となった。その中から、更に定義②③を当て嵌めて消去して行くと、残った作品は以下の30作品となる。

マカロニ・コンバット認定作品
戦闘(1962製作/1964公開)
奇襲戦隊(1967製作/1967公開)
北アフリカ特攻作戦(1967公開)
敵中降下作戦(1968公開)
油田基地大爆破(1968公開)
大爆破/特殊命令!ナチに潜行せよ(1968公開)
アルデンヌの戦い(1967製作/1968公開)
ゼロ・奪還!最高軍事機密/壮絶!潜行決死隊(1968公開)
地獄のノルマンディ(1968公開)
Dデイ特攻指令・V2基地を爆破せよ!!/死の戦線ノルマンディー(1968公開)
戦場のガンマン(1968製作/1969公開)
無頼漢戦隊/コマンド44・ツメルコフ空港破壊指令/特攻コマンド大戦略(1968製作/1969公開)
地獄の戦場コマンドス(略奪者/1969製作・公開)
ヘル・コマンドー7(1969公開)
戦場のアウトロー・ロンメルを殺れ!/ロンメル戦車軍団の最後(1969公開)
最後の戦塵/地獄の遊撃戦(1969公開)
地獄のプラトーン/ドイツ奇襲作戦(1970公開)
激戦地(1969製作/1970公開)
栄光の戦場(1969製作/1970公開)
空爆大作戦/決死のエアーバトル(L1970製作/1971公開)
バトル・コマンド熱砂の大作戦/砂漠の激戦(1971公開)
栄光の北アフリカ戦線(1972公開)
地獄の勇者たち/地獄の英雄(1974公開)
シシリー要塞異常なし(1972製作/1974公開)
特攻ファイター!MT要塞(1975公開)
地獄のバスターズ/V-ロケット強奪大作戦(T1976公開)
激突!タイガー重戦車・最後の砲火(1978公開)
ジュリアーノ・ジェンマのウォー・ジャック(1980公開)
地獄のウォータイム(1986公開)
ブリッジ・トゥ・ヘル(1986公開)

ここで問題となるのが、世間一般(?)では『マカロニ・コンバット』作品として認知されている以下の作品を除いた事である。

マカロニ・コンバット除外作品
①砂漠の戦場エル・アラメン(1968製作/1969公開)
②熱砂の戦車軍団(1969製作/1971公開)
③特攻大戦線(1971製作・公開)
④裂けた鉤十字/ローマの最も長い一日/ローマの虐殺(1973公開)
⑤ブラック・シャツ独裁者ムッソリーニを狙え!/パルチザン総攻撃・独裁者ムッソリーニを射殺せよ(1974製作・公開)
⑥ザ・ビッグ・バトル/巨大なる戦線(1977公開)
⑦戦争と友情(1978製作/1980公開)

大方の異論を無視して私論を言わせていただく。まず①「砂漠の戦場エル・アラメン」は、ストーリーの成り行き上、英軍を陽動する為に囮となる伊空挺部隊の悲劇を描いた作品である。伊空挺部隊はヘタレ揃いのイタリア軍の中でも別格な勇猛果敢な部隊で、過去のイタリア製戦争映画でも多々描かれている。イタリア人自身が自慢いや誇りにしている部隊なので、結果的にはB級作品的な出来となってはいるが、元々の製作側の意図としては、他のマカロニ作品とは同列ではないと判断した。②「熱砂の戦車軍団」は、小部隊が主人公なのと邦題がいい加減な点は別として、至って真面目に作られた作品・・・どちらかと言えば戦争と極暑の砂漠と言った極限状態に置かれた敵味方の人間性を問うたドラマであると判断した。③「特攻大戦線」はジュリアーノ・ジェンマが抗独パルチザンの英雄コルバリの生涯を演じた社会派史実ドラマである。第一この作品をマカロニに分類する事自体イタリア国民に対して失礼である。至って邦題由縁の所業であろうが・・・同じく④「裂けた鉤十字」と⑤「ブラック・シャツ独裁者ムッソリーニを狙え!」も社会派史実ドラマである。④は抗独パルチザンによる爆破テロに起因してドイツ軍がイタリア人300名以上を虐殺した「アルデァティーネの悲劇」事件を題材にした作品。⑤は邦題から想像される通り、第二次大戦末期のムッソリーニの逃亡、逮捕、射殺までをドキュメンタリータッチで描いた、これも社会派史実ドラマ。仮にこの③④⑤をマカロニ作品に分類するとすれば、他にも同様のスタンスで製作されたイタリア製戦争映画が多数あるので、それらもマカロニ作品として分類せねばならなくなる。⑥「ザ・ビッグ・バトル」と⑦「戦争と友情」だが、⑥の監督はハンフリー・ロンガンで⑦がハンク・マイルストンなのだが、この二人実は同一人物・・・ウンベルト・レンツィである。彼自身はマカロニ界の大御所である事には間違いないが、この2作品には内容的に一部特殊作戦的なシーンがあるとは言え、全体的には戦争に翻弄される人間たちを描いた大河ドラマに外ならない。この様な理由から正直言って私は、これら作品をマカロニ作品と同列として観戦する気にはなれないのである。

【総括・・・マカロニ・コンバットよ永遠に・・・】
はっきり言って今まで書いて来た事は、ごく一部の人たち以外・・・いや私だけか・・・には、全く取るに足らない事である。『マカロニ・コンバット』かどうかなんて、どうでも良いじゃん・・・大多数の皆さんがそう思っているだろう。登場する軍服や銃や戦車が変だとか、ストーリーが変だとか、この俳優また出てるよぉ・・・なんて言って楽しんでれば良いんじゃないの・・・確かにそうだ。しかし映画ファンの多くが〝イタリア製戦争映画=マカロニ・コンバット〟と思っている様な状況には、どうしても納得出来なかった。何度も言うが、私自身は『マカロニ・コンバット』が嫌いな訳ではない。寧ろ好きと言って良い。好きが故に『マカロニ・コンバット』でもない作品を『マカロニ・コンバット』だと言って、誤った評価をしている事に納得が行かないだけである。そして本来はもっと違った評価をされるべきであろう作品が多い事にも・・・。私が前述の如く分類した『マカロニ・コンバット』作品の中には、別途機会を設けて取り上げたい作品が幾つかある・・・「地獄のウォータイム」や「ブリッジ・トゥ・ヘル」はユーゴ製戦争映画群と切り離して語る事は出来ない。また以前に観戦記でも取り上げた様に、マカロニ諸作品の中には、ナチ・ゲシュタポ物とエログロ物が融合して生み出されたナチ女囚作品群も忘れる事が出来ない。更にはベトナム戦争映画のブームによって生み出されたイタリア製ベトナム戦争映画諸作品は、第二次『マカロニ・コンバット』作品群として別途評価されるべきだと思われる。

自国の軍隊のヘタレぶりも何のその、ドイツ占領軍及びファシストに対し果敢に抵抗運動を繰り広げ自由を手に入れた、イタリア人たちのラテンの熱い血が生み出したお気楽娯楽戦争映画・・・それが『マカロニ・コンバット』である。『マカロニ・コンバット』よ永遠に・・・【続く】
【2005年3月15日/2006年6月20日一部修正】

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