歯磨きするたびに思い出すのは
去年亡くなった父親のこと

歯ブラシがまるまるまで磨いて
新しいのを買うよと言っても
まだ磨けるなんて言ってた

４月の終わりに夢を見た

おまえが迎えにきてくれないから病院の健診に行けないから
早く迎えにきてくれって電話がかかってきた
おとうちゃん去年の９月に死んだのだからもう病院にいかなくていいんだよと
そしたらとうちゃんが
そうか俺死んだのか

そんな夢を見て
今年の９月が納骨で３月に仮納骨をしたから
さびしいのかもしれない

それまではうちにいたから


おとうちゃんさびしいの、と思いながら
おしきみを新しくした


こんな思いをするなら
肺炎になってもいいから
一緒に住んだほうがよかったのかもしれない
体が弱かったおとうちゃんだったから
設備の整ったところにとすすめてくれた区役所の人
そのときはそうだと思ったけれど

こんな思いをするなら
つらくても一緒に住んだほうがよかったのかもしれない


一人にさせてごめんね
大好きなおとうちゃんだったのに

死んじゃっても
おとうちゃんは永遠にわたしのおとうちゃんだよ
生まれ変わっても
ずっと家族で

体が弱かったおとうちゃん
今世の使命を全うして
新しい世界で生きているのなら
こんな思いは邪魔なんだろうけれど

生まれ変わってもおとうちゃんの家族でいたい

またおとうちゃんの娘で生まれ変わりたいから


心配かけるかもしれないけど
またおとうちゃんの娘でいさせて