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■ さよーなら
嫌に日常的な会話のように、 簡易に君は別れのことばを告げた。
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「終り」ということが怖くて仕方なくなってしまったのは、 一体幾つの時からだったのかもう覚えて無い。 最初は単純に名残惜しいだとか感傷に浸っている時分なのだと思っていた。 けれど次第にソレはそんな簡単に片付けられるものではなくて かなり私にとっては重大な問題なのだと気づかされた。 感傷に浸るなら浸るでいいのだけれど、あの何かが終った瞬間の なんとも言えない悶絶してしまう喪失感。 必ずといって良い程私がそれに苦しめられてしまう。 ソレが怖くて、熱中したドラマの最終話や本のラストシーンは すぐに記憶から消すように半無意識的に脳が動いてしまうようになった。 それでも感動が強すぎて、忘れられないようなことがたびたびあったので 次はソレを回避する為に、最終を見ないようになった。 だから、私の本棚に並ぶ漫画達には『最終巻』がない。 ずっと続くものなどありえないこととはわかっているのに、 終りがきてほしくないと切に願ってしまう。 学期の終り、一年の終り、催し物の終り、物語の終わり、 いつでもなんでも『終り』は私を苦しめる。 どうすればいいのかもわからなくて、ただ独りで落ち込んでしまう。
2003年04月29日(火)
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