結局妻はインフルエンザだった。
あの金曜日から寝込み、僕は飲み会にはいったものの1次会で帰ってきた。 土曜日に医者にいけばいいものを、 「動けない」とか言ってる間に、上のムスメにうつった。 休日診療に連れていったが、的外れな薬を出されただけだった。
仕方ないので月曜日に会社を休んだ。 そうこうしてる間に、したのムスメが発熱。 いよいよどうしようもなくなって医者に行こうとすると。
「あたしも行くの〜?」と妻。
当たり前じゃないですか。 僕1人でどうやって2人も医者に見せるんですか。
「でもお、あたしまだ熱があるんだよ、38.8℃」
それがどうしたんだ。 子供が熱を出してるんだぞ。 車、とめられなかったらどうするんだ。
「自転車で連れてけばいいじゃん」
お、オマエはこの寒さの中熱のある子供を自転車にのせろと言うのか。
「わ、わかったよ、行けばいいんでしょ」 「どうせアンタじゃ話もわかんないんでしょ」 「アンタが38.8℃の熱出したときあのときはすみませんでしたって 土下座させてやるから〜!!!」
何を言ってるんだ、 僕は自己管理がしっかりしてるから熱なんか出しません。
3人まとめて見てもらった。 薬代も合わせて一万円近くかかった。 誰が持ち込んだんだっけ、このインフルエンザ。
次の日もどうにもならず、会社を休んだ。
その次の日、出社すると 「けちぞうさんの奥さんが風邪引いたから僕がこの仕事やってるんですよね…」 と若いやつに恨みがましく言われた。
結婚するときはくれぐれも気をつけろよ…
ピザとるからなんか食べてきて。
……
それは明日の話じゃなかったですかね。 明日は数年ぶりに会う友人達との飲み会だ。 子供1人連れてけだのなんだのと言っていた妻だったが、 夕飯はピザ。で、納得していたのだ。
なんだかいやな予感がする。 よし、こんなときこそ携帯だっ。
「もしもしぃ〜いまおかあさん、ちゅうもんしてるからあ」 さんざん鳴らしてやっと出たと思ったら、上のムスメの間の抜けた声。 すぐ横でしたのムスメがきいきい言っている。
やっと電話を変わってもらうと、 「もしもしい」 と同じく間が抜けた妻の声。
明日じゃなかったですかね。ピザ。
「んー、ちょっとごはん作れない事態が発生しちゃって」 「明日作ればおんなじじゃん」 「あ、アンタは同じじゃないか」
たしか外出していたはず。 疲れちゃったのか?
「うひゃひゃ〜。違うよ熱が出ちゃって」
ま、またアナタは数少ない僕の楽しい予定を…
2003年01月16日(木) |
1本指にバッテンマーク |
妻がマニュアルで調べたところ、 「サイドキー無効」でした。
サイドキーなんて使わないから関係ないな。
「えっ!じゃあ、マナーモードの切り替えとかどうやってるの?」 「いちいちぱかってやってんの?」 「そんなんだから使いにくいんじゃーん」
むむう。
えーと。 発信履歴ってどうやってみるんだっけ?
ここじゃないし…。 これでもナイ…。 おかしいな。見られるときは見られるんだけどな。
「ネタ提供ありがとうございます」 おもむろにパソコンを開く妻。
いや、そんなことしてないで早く教えてくださいよ。
「えー、でも忘れないうちに打っちゃわないと…」
開通した途端にそれですか。
「だってみんな待ってるんだよ、更新しないと悪いじゃないの」
みんなって誰だよ。悪いってなんだよ。 いいから早く教えてくれよ。 実はわかんないんじゃないの。
「ナニいってんのよ。わかるにきまってるでしょ」
ふ。単純なやつめ。
ぴっ。
あ、出た。 ど、どこ押したんだよ。 うひうひ笑ってないで教えろよ。
うーん。このボタンだったか。 そうかそうか。
「なんで発信履歴なんか見るの?」
え、いや。ただどんなんかなーと。 どれどれ。
!!! こ、この履歴は。
「ナニ?なんかまずいとこにでもかけてんの?」
いや、なんだか4ヶ所にしかかけてないみたいで。 自宅、妻の携帯、実家、妻の実家…
ト、トランシーバーみたいだな… そうつぶやくと、
「あんたさー、あれでいいじゃん」 「子供用のボタンが3つくらいしかついてないやつ」 「そしたらボタン少ないからもう悩む必要もないじゃんよ」
うひひひひ、と妻が笑った。
ところで、この指一本にバッテンマークってなんなんでしょうか。
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