妻が買ってきた音楽を聴く機械はなかなかよさそうだ。 ずいぶんたくさんの曲が入るようではないか。
「あー,ずいぶん取り込んだよ。アンタのビートルズが多すぎるんだよ」 「ランダムにしてるとやたら出てくるからとばして聞いてるよ」
な,なんだと! 20世紀の財産に対してなんて失礼な発言をするんだ。
「20世紀ってことは前世紀ってことだよ,いいじゃんよ」
ぐぐぐ。 ほんとに何も分かってないな。
まあ取り込んでくれたんならそれはそれでよしとしよう。
「もうほとんどめぼしいものは取り込んだね。はぁー疲れた」
そうですか。 じゃ,ユーミンや佐野元春やサイモン&ガーファンクルなんかも取り込んだんですね。
「あ?それはまだ」
じゃあ何を取り込んだんだよ。 まあ,今もめても仕方ない。 とにかく明日は持っていくからな,それ。 使い方を教えてくれ。
「え〜〜〜〜〜!何でもってくのよ。これあたしんじゃん」
がっ。いつアナタのものになったんですか。 だいたいアナタ,家にいるでしょうが。
「明日移動時間が長いの?」
いや,飲み会があるからちょっと見せびらかそうかと思って。
「なんだ〜,そんなことなら早く言ってよ」 「持ってっていいよ,いっぱい自慢してきてね」
で,懇切丁寧に使い方を教えてくれました。 途中なんどか怒られましたけどね,ええ。
休みだというのに,目覚まし時計の音が。
おや,お出かけは昼からじゃなかったですかね。
「だってこのチャンスにうろうろしなくちゃ。うろうろ」
いつもは支度が遅いくせに妙に早いじゃないですか。 しかも,駅まで送れという。 アナタのその足は何のためについてるんですかね。
「誰のせいでこんな田舎に住んでると思ってんの」
がっ。 それは言わない約束だろ。 む。でも,まあ,仕方ない,送りましょう。
しかし,早くから支度していたわりには出ていったのは10時だった。 やれやれやっと行ったとほっとしていたら,20分後メールが。
「もうついた」
そんなこといちいちメールしてくんなよと思っていたら今度は電話が。
「ビーックビックビック…」 「あのさー」
アナタデパートに行ったんじゃなかったんですか。またそこかよ。
「うちってCD何枚ある?」
あっ。こないだからずーっと言っているあれを買うつもりだな。
「あのねー。10GBと20GBがあってね…」 「あ,そんなこと言ってもわからないか」 「2,000曲入るのと4,000曲入るのがあってね,どっちがいいかなーって」
どっちって2,000曲でいいに決まってるじゃないか。
「でも,1万円強で倍入るんだよ」
む。それは確かに。 では,正確に集計してお電話しましょう。 集計の結果,2,000曲のほうということになった。
しかし,また電話が。
「やっぱり無駄遣いかなー」 「ねね,贅沢品かなー。日本語入力ソフト買ったほうがいいかなー」
うるせーなー,もう。 せっかく子供が母のとこにいって静かだっていうのに。
いいんじゃないですかね。買っちゃえば。
「え,そ,そう?アンタがそう言うんならいいかな。うひひ」
プチ。と電話は切れてそれ以後かかってこなかった。
もちろんご購入なさったに違いない。
そして,夕方。 待てど暮らせど電話がかかってこない。 い,いつ帰ってくるんですかね。 迎えに行くと思うと落ち着かないんですけど。
すると,がちゃり。玄関を開ける音が。 し,しまった。うるさいからって携帯の電源切っちゃってたか? いや,入ってるじゃないか。
す,すみません。電話聞こえなかったんですけど。 先に謝ると,ご機嫌で。
「電話してないよ。雨も降ってなかったし,めんどうだったから歩いて帰ってきた」
しまった。なんで謝っちゃったんだ,僕。
妻がプロバイダを変えたいという。 CGIが使えないからいやだそうだ。 CGIってナニ?
「あー,でも変えるとメアドもお知らせしなきゃかあ」 「あれ?BCCってはじめの宛先にはだれいれればいいの?」
はっはっは! そんなことも知らんのか。 ITリーダーが教えてやろう。
これがそうとうくやしかったらしい。
「なんか,屈辱的だわ」 「だってこんなの使うことないんだもん」
などと負け惜しみの嵐だ。 心地よいなあ。
「でもさ,あんたこんなの知ってても役にたたないじゃん」 「メアド変わったってお知らせするの,2〜3人でしょ」 「1通ずつ送ってもたいした手間じゃないもんね,けけけ」
2,3人じゃないですよ。 4,5人はいるぞ。 どうしても負けたくないのはわかるが, 今日は間違いなくあなたの負けです。
会社を休んで,上のムスメの音楽会と,下のムスメの保護者会に出た。
なんて有意義な1日なんだろう。
音楽会で上のムスメのだめだめ〜な姿を見ようが, 保護者会で下のムスメが裏番である事実をしらされようが, 働いているより百万倍もましだもんね〜。
お,3連休じゃないか。 さあ,かわいいムスメ達とゆっくり過ごすぞ。
大雪だ。 これでは車は動かせない。 旅行の最終日は早めに帰ることにしているのだが, 今日に限っては昼頃1番気温が高いときに出るのが得策だろう。
昼ご飯まで雪遊びとプールで時間をつぶします。
断腸の思いで発表すると,小躍りするムスメ2人…と妻。 こいつら何も考えてないよなー。 子供はともかくもう少し考えてもらいたいよな。
とりあえず部屋の前の庭で雪遊び。 さ,さむい。 子供たちはトランス状態なので,全然寒くなさそうだ。 妻は。 もちろんガラスの向こうで手を振るだけなので寒いわけがない。
子供も鼻が垂れてきたところで,プールに誘う。 チェックアウトしてからプールへ。 子供1人ずつ受け持ちだが,当然のように上のムスメを連れていく妻。 「すっごい役に立つんだよ〜」 知ってるよ。
「おかーさんがいいー!!!」と絶叫する下のムスメを連れて更衣室へ。 水着を見せたらだまった。
プールに行くと,上のムスメだけ登場。 入らないのか? いや,水着を持っていたよな。 辺りを見回すと,プールの周りに配置されたスパにて発見。 ときおりふらふらと現れては,また消えていく。 はい,もとから期待してませんから腹も立ちません。 でも,温水とはいえ,泳がずに子供の番をしていると,寒いんですよ。 なんて寒い旅行なんだ。
最後の数分だけ代わってもらえました。
「2コース回っちゃったよ。健康コースと美容コース」
はいはい。僕はなんだかよくわからないけど温かいのにつかりました。
帰りはホテル近くの道は雪がすごかったが, 那須街道に出るとちゃんと除雪してあり, しばらく下ると雪はもうなかった。 あそこによりたい,ここによりたいとぶつぶつ言う妻を無視して, どこにも寄らずに一路自宅へ。
途中で子供が寝てくれて静かになる予定だったが, 全然寝なくてうるさかった。
あ,1番うるさい人は寝てくれましたけどね。ぐっすり。
ふ…。
1泊で旅行に行く。
今回は海方面ではないが, ちゃんと温水プールがついている。
妻は雪を心配しているが,まさかこんな時期に。 この人は変なところで心配性だ。
しかし,これは心配というより野生の勘だった。 途中までは快晴だったのに,現地に着くと雪が舞っているではないか。 子供は大喜びだが,僕は急に胃が痛くなってきた。 うちの車にチェーンは積んでいないんだぞ。
妻と子供はすでに大はしゃぎで 「明日は帰れないかもね,ラッキー」などと言っている。 冗談じゃない。
君たちはそれでいいかもしれないが,僕はどうなる。 まっとうな社会人として,遊びに行ったら雪で帰れませんでした, などとは口が裂けても言えないぞ。 い,いま帰れば大丈夫だな。 でも,それはもったいないか…
いろいろな考えに取りつかれているうちにスキができたらしく, 気がつくと,テディベアミュージアムなるところにいた。 どうもネット絡みらしいが,くまと写真をとる。うーむ。
そして子供たちの気合いの入りぶりに引き返すわけにも行かず, そのまま宿に向かう。 こっちは気が気でないのに, 妻は帰りにはここに寄りたいあそこに寄りたいと大騒ぎだ。 帰りはそれどころじゃないと思いますよ。
宿に着くと,体調が悪くて入れないという妻を部屋に残して早速プール。 後から来るはずなのに,ちっとも来ないので電話すると, 「あれ?私も行くの???」
一瞬,プールから見えるガラス張りのティールームから手を振ったかと思うとすぐに姿が見えなくなる。 次に姿を見せたのはもうプールから上がるときだった。 かろうじて上のムスメを風呂に連れていってくれたからよしとするか。
ちなみに姿を消していた間はマッサージ椅子で揉まれていた模様。 夕食後,疲れ切った僕とムスメたちは早々に就寝。 疲れていない誰かさんは人が寝ている部屋でいつまでもテレビを見ていた。
ユースケサンタマリアの声が耳について離れない…
最近,僕のパソコンは上のムスメと共有である。
「どーせ使わないんだからいいでしょ」
と,妻に言われたのはITリーダーになる前だったので, 別に支障はなかったのだが。
使用する時間帯は異なっているので問題はない。
しかし,上のムスメは妻に似てだらしないのだ。 パソコンのフタは開けっ放しだし。 CDは入れっぱなしだし。
で,今日ネットをしようと立ち上げたら, いきなりよっくん英語がはじまった。
いえ,僕がやりたいのはエイゴじゃないんですけど。
わたわたしてたら,また妻がかちゃかちゃキーをたたいている…
会社から帰るなり,妻が後をついて歩きながら,グチグチ言っている。
「もーさー,なんかしてるとすぐ子供が寄ってきてさ」 「きーきー声で2人でいっぺんにいろいろ言うんだよ」 「それも立て続けになんか要求してきたり」 「しまいには脳みそがつるつるになってアタマがパンパンな感じで」 「きーーーーーってなるんだよ,わかる?」
わかりますよ… 今まさにその状態なんですよ。
しかも僕は1人多いんですよ,相手が。
2002年11月06日(水) |
けちぞうメールまたまた進化 |
弟にメールを送らねばならない。 妻からEメールでとどいたURLをCメールで送る…
わ,わからないんですけど。
妻が横でわぁわぁ言っているができないものはできない。
「もう,貸してよっ」
携帯とられた。 いや,見られたって何もないですけどね。
「はい,後は自分でやってね」
帰ってきた携帯には,ずらずらとURLが。 ま,いいや。 えーと,メニューです…と。 あれ?えーと。
音引きってどうやって出すんだ?
「あー,だからそれはね………」 「やめた,教えない。アンタのためにならないから」
うそだ。ネタにならないからだな。 この「わ」の辺りが怪しいんだ。 おお!出たぞ!!!
「んまあ,さすがリーダーじゃないの」
妻はくやしそうだ。
「でもさ,アンタアドレス帳に3件しか登録されてないじゃん」 「私と,アンタのママと,私の実家。私がやってあげたやつだけだね」
「さては,登録の仕方がわからないんだねっ」
ご,ご名答…
ITリーダーの講習を終えた僕はもうネタにならないらしい。 妻はとても不満そうだ。
最近は積極的にノートパソコンを開き, インターネットに接続している。 壁紙だって変えられるようになったんだぞ。
「どーせ,○ちゃんでも見てるんでしょ」
「なにせ,リーダーの愛読書は「うわさの真相」だもんね。」
愛読書って言うな。
創刊当時から読んでるだけだぞ。
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