世にもいい加減なネバーエンディング海外ドラマ
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2003年12月27日(土) |
新・逃亡者〜「顔」その6 |
女はしゃべり続けていた。「さっき『女が勧める酒を飲めないっていうの?』なんて言ったことよ。ほんと、陳腐だわ。」でも、実の所、耳に届かなかった。途中でフェイドアウトしていくように。何故ならそんなことより、「偽者のミスター・キンブル」とはどういうことなんだ?お尋ね者ということが真実でなく偽りならどんなにいいかと、何度も思ったが、このお尋ね者の、本物の、逃げ場も無さそうで、土地勘も無く、追い詰められた状態の、繰り返し言うが本物の俺を前にして「偽者のミスター・キンブル」だと?!どういうことなんだ? 一瞬、目をつぶり、頭の回転をあげた、何がはじまりだった?ここへは何故来てしまった?「偽のミスター・キンブル」?手にじっとり汗をかいているのを感じながら、額の汗に気付かれていないだろうかと、その手で何気なく髪に手をやり、そう、頭の中で自問自答していたその時、女の声が現実に聞こえた。クロスしたのだ、自問自答と。女はこう言った「偽のミスター・キンブル・・・・あなたが本物なら、女の注ぐ酒を飲まないわけがないもの、あんな陳腐な言葉を言うまでも無くね・・・。」にんまりと笑いかける。 「私はね、暇じゃないの!あなたを探してはるばる来たのよ?偽者さん、本物のリチャード・キンブルの居所を知ってないなんて、ここまで来て言わせないわよ!そうでなきゃ、あなたがここに来られるはずがないんだから!」突然、口調が変わった。明らかに怒らせたようだ。しかし、「来られるはずがないとは、どういうことだ」
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