何でも帳。


同じ星を一緒に観る事が出来たのなら



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2004年01月24日(土) 99年の10月に書いていた京極堂話(汗)


…ファイルの整理をしていたら発掘してしまいました(汗)
途中までしか書いていない、というのがいかにも私らしいのですが(苦笑)
とりあえずはアップしてみたり。
……『何でも帳』だから見逃して下さると嬉しいです…

ちなみに京極堂シリーズでは関口×京極堂というイバラ道ファンです(苦笑)
しかもさせてあげる京極堂というシチュエーションがツボらしいです。
今回の話では関口は出てきていませんが。




どうすればいいか、わからないなら
抱きしめてやればいい。
君だけの 君だけにしかできないやりかたで。


「どうして、お前はこんなトコにいるんだっ!?  随分探し回ったではないか!?」

敗戦直後の東京。混乱は今だ収まっていない…混沌とした街。
やっと海軍から解放されて、戻って来て、消息を辿ろうと目眩坂の先の家を訪れてもそこは、もぬけの殻だった。
木場修も、関君も南方に行ったのは知っているけれど、まだ帰国していないらしい。

いや…安否すらも、確認できていない。
それから、僕にしてはしごく珍しく、探し回っていたのだ。
そう。こいつ……京極を。
いきなり、訪れた僕を見て驚きもせずに、こいつは。

 「……あぁ、榎さんか。」

何て、有難味のない台詞!!僕の苦労を何だと思っている。

こいつが、戦争が始まる前と変わらない風に見える?
まさか。どこに目をつけているんだい、君は?
それでなくても、いつでも親戚一同が死に絶えたかのような顔をしているのが、更に。

更に、憂鬱そうな表情。

「そうとも!いかにも僕だっ!!榎木津 礼二郎様だっ!
 僕だと認識しているのなら、もっと違う事を君は言うべきじゃないのかい?」


駄目だよ。そんな事ばかり、考えていたら。
誰にだって、そう 君にだって 判らない事は、たくさんある。
これからこの国はどうなるのだろう、とか。
木場修や、関君の安否とか、この混乱が一体いつ収まるのだろう とか。

でも、そんな事はいくら考えても、判りはしないじゃあないか。
僕の、この眼が、他の人には見えない物を映すのと同じように。
判らない事は、ある。

「…榎さんにしては、珍しい行動だ。人を探す、だなんて面倒な事を。」
「そんな面倒な事を、この僕がわざわざしてやったんだっ
 だから、他に何か言う事あるだろう?」

あぁ、何だって、この男はこうなんだろう?
僕なら、喜んで抱きつくだろうし(勿論、相手はある程度限られるけれどね。)
木場修なら、あの四角い顔で笑って「よく、帰ってきたな。ま、飲みにでも行こうぜ。」とか言うだろう。

…関君なら?

失語症の関君なら、きっと。

きっと、いつもと変わらないかも知れない。


頼りない声。頼りない顔。頼りない、視線。

「…あぁ、榎さん。久しぶりだね………」

映写機の銀幕のように見える映像。
実際には、見えていないのかも知れない。見える、と認識しているだけで。
それでも、確かに。

京極堂の母屋。座卓の上には干菓子の入った骨壷と湯のみ。
そこに、いつでも本を読んでいる京極がいて。京極の周りには雑然と積んである大量の書籍。
僕は、そこでよく寝転がっていて。柘榴は縁側で日向ぼっこをしていて。
関君は落ち着かない素振りで、そこにいて。
偶に、木場修や、敦っちゃんが、そこを訪れていたりもした。
戦いの日々が終わると、やけに懐かしく思えてしまう。

だから 僕は、あそこに足を向けたのか?
だから 君は、あそこにはいなかったのかい?

 「……榎さんは、僕に何を期待しているんだ?
  僕は、恐らく榎さんが欲しい言葉は言わないよ。
  よく無事に戻ってきた、とか 元気そうで何よりだ、とかは言わない…」

あまりに人が死にすぎたからな。小声で呟くようにそう付け加える。
僕にその言葉を言うのなら、死んで逝った人にもお悔やみの言葉を言わないといけないからか。

そんな事まで考えていたら、疲れてしまうだろうに。
違う。僕が欲しいのは、そんな言葉なんかじゃない。

違う。僕が見たいのは、そんな京極なんかじゃない。

あぁ。もう、何を言えばいいのか、何をすればいいのか判らなくなってしまうじゃないか。

こんなにたくさんのものが見えてしまっては。
京極。君は暫くゆっくり寝ていないのだね?
眠れない夜が続いているのだね?



だったら、僕が眠らせてあげようじゃないか。僕が、救ってやる。

憑かれている、君を。
僕は憑物落としなんかじゃないから、やり方なんて知らないけれど。


どうすればいいか、わからないなら抱きしめてやればいい。



ぎゅっ、と背中に手を回して、痩せ細った肩に顔を埋めて抱きしめる。
元々痩せぎすだったのに更に、細くなってる…抱きごこち、よくないぞ。

ふぅ…大仰な溜息が聞こえる。

 「……榎さん…あんたの突拍子のない行動には
  いい加減、慣れているつもりなんだけどね。
  一体全体、どうしたというんだね?」

呆れ声。ふふ。いつもの調子、少し出てきたかい?




ちなみにこの後のプロットはもう既に覚えていません…(涙)

2004年01月20日(火) 携帯カメラの練習。

◆以前より数段いいカメラ付き携帯になったのに、腕が悪いので練習(涙)

年末に買ってもらった小銭入れv


↑は年末にM月さんのお母様系由で買ってもらった小銭入れですv
使い勝手が良くて、M月さんが最終的に決めてくれたのもあってお気に入りですv

うちの愛猫v


↑はうちの愛猫の『銀子ちゃん』ですv
画像を圧縮かけたのであまり映りはよくないのですが、可愛いのですよ〜v←親バカ。

ちなみに携帯から送った画像は、そのままではとても使えないのでウェブアートデザイナーで画像修正かけました(汗)
…それでもこの程度…(涙)

いつになったらちゃんと携帯カメラで綺麗に撮影出来る様になるんだろ…(涙)

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