コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2006年11月28日(火) わが愛しの MSCIチャイナ・トラッカーファンド(序章)


こんにちは、カン・チュンド です。

わたしがはじめて
久保田早紀の「異邦人」を聴いたのは
小学校5年の冬でした。

今でも時々この歌を口ずさみます。

(インドにいた時は、
しょっちゅう歌っていました・・笑)

ひとつの歌が オマージュ となって、
いろいろな出来事、
思いを想起させてくれるなんてこと、

あなたには ないですか?

(あっ、そうそう、
わたしは資産運用アドバイザーでしたね)


わたしの
インデックス運用アドバイザーとしての
キャリアに、大きな影響を与えているのが、

(実は)MSCIチャイナ・トラッカーファンド です。

このETF、2001年の11月28日に
香港市場に上場しました。

(そうです、今日が5周年なのです)

わたしは以前から
ETFという「道具」に興味を持ち、

もっと以前から
中国という 潜在成長国 に興味がありましたから、

このETFの登場に、
大きな関心を寄せていたのです。

ちょうど5年前の今日、
わたしは CNBC ASIA というケーブルテレビを観ていました。

その中の
Market Watch という番組の中で、

この MSCIチャイナ・トラッカーファンド の上場が
嬉々として伝えられていたことを憶えています。

なぜ、わたしがこれほど
このファンドに期待を寄せていたのか?

それは
中国の株式市場という
【いちば】が(まさに)成長期 を迎え、

その【いちば】を 端的に捉える
インデックス・ファンドが
ようやく登場したからです。


わたしはその時、

大きく羽ばたこうとしている
【いちば】に投資できる 運の良さを
ひしひしと感じていたのです・・。


(話はがらりと変わりますが、)

皆さん、
日経平均株価 ってご存知ですよね?


日本で一番大きな【いちば】、
東京証券取引所第1部の中から、

優良銘柄225社を選んで
指数を構成している「物差し」です。


(文字通り)日本でいちばん有名な
【いちばの平均値】です。

この 日経平均株価の歴史 を辿れば、

日本の【いちば】が
どれだけダイナミックに発展してきたかを
垣間見ることができます。


実は、日経平均株価 という
【いちばの平均値】は、

その所有者が
変遷してきた経緯があります・・。

第2次世界大戦 が終わり、
日本の株式市場が復活したのが
昭和24年の12月でした。

当時の日経平均株価の編者は、
東京証券取引所 にあり、
【東証平均株価】と呼ばれていました。

昭和24年 12月1日の
【東証平均株価】終値は・・

125.62 でした。


ちなみに、
2006年11月27日の
日経平均株価 終値は 15,885.38 です。

(2000年の 30銘柄入れ替えなどで
不連続性 が発生してしまっていますが、
それでも)

◆ この57年で 約126倍 になっています・・。

日本の高度経済成長がいかに
すさまじかったかを物語っていますね。


また【いちばの平均値】とは、
時代を映す 鏡 でもあります。

日経平均プロフィル という
サイトをご覧いただくと、

【いちばの平均値】の大きな起伏を
確認することができます。


1959年12月1日

日経平均株価 終値
973.65


1969年12月1日

日経平均株価 終値
2,251.37


1979年12月1日

日経平均株価 終値
6,474.06


1989年12月1日

日経平均株価 終値
37,132.68


1999年12月1日

日経平均株価 終値
18,495.95


(んー、やはり
バブルで【いちば】が
膨張していたのが分かりますね・・)


その他に、

◆ 経済成長の「黎明期」に
【いちばの平均値】がいちばん成長している

◆(バブル発生もあり)
経済成長の「成熟期」でも
【いちばの平均値】が大きく伸びている

ことが分かります。


さて、ここからが
今日のお話の【本題】ですよ(笑)


日経平均株価 という
【いちばの平均値】を構成する 会社 は、
この57年間、ずっと同じだったのでしょうか?


答え)

NO.



日経平均株価 =【いちばの平均値】
そのものは 大きく成長していますが、

◆ その中身は(実は)入れ替わっているのです。

なぜなら、

企業には【寿命】というものがありますし、

寿命が尽きる前でも、
株式市場という【いちば】から
「退場」させられたりします。

また、新しい企業も
次々と【いちば】に「入場」してきます。

そうです、

【いちばの平均値】を構成する 企業群 は
 変遷 していくものなのです・・。


ちょっと
日経平均株価 銘柄変更履歴」を

クリックしてみてください。

どうですか。

1970年以降だけでも
いちばを構成する会社が
大きく入れ替わっているのが分かりますね。


(名前も聞いたことがないような会社が
随分あるのではないでしょうか・・。

逆によく名前を知っている会社でも、
実は 新しく【いちば】に入場してきた会社だったり
します・・)


この36年間だけでも、
たくさんの会社が【いちば】から去り、
また たくさんの会社が
【いちば】に登場してきました。


海の向こう、
アメリカのダウ工業株30種平均は、

1896年5月に
40.94ドル でスタートしていますが、

(ナント、今の 293分の1です!)

今でも30社の中に名を連ねているのは、
GE(ゼネラル・エレクトリック)

ただ1社です。


ここで ひとつ教訓。

企業という「生き物」は、
栄えては衰え、

時代の中で移ろいゆくものですが、

【いちば】という「生き物」は
その中身を巧みに入れ替えながら、

貪欲に変化し、
成長し続ける 生き物 なのです・・。



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2006年11月17日(金) 分散投資のスピリット


こんにちは、カン・チュンド です。

パン屋さんは、

「やっぱり小麦粉が大事なんだ・・」
と言います。

投資アドバイザーは、

「とにかく長期投資です・・」
と呟きます。

(まあ)ひと口に 長期 と言っても、

その座標軸は所詮
「人が生きる長さ」です。

(誰が 150年後の株式市場のことなど気にするでしょう!)

(正直言いまして)私たちは
200年、300年という「市場のデータ」を持っていません。

例えば、この50年
いちばの調子が良かったのは

(もしかしたら)
ほんの偶然 に過ぎないのかもしれません。


また、私たちはあらゆる手段を駆使して
【未来】を予測しようとしますが、

それは(やはり)予測に過ぎないのです。

【これから先、何があっても不思議じゃない】
というのが、

(おそらく)未来の本質 なのですね。

別の言い方をすると、
【これから先どんなことでも起こり得る】から、

「未来には可能性がある」と云うのです・・。


(はあっと ため息をつきながら)

資産運用 とは、
かくも不確実な「未来」に賭ける行為です。

私たちは
そんな「不確実な未来」にしばしば嫌気がさし、
あるいは耐え切れず、

早急に「ひとつの答え」を求めようとします・・。
(それも半径50センチの思考の中で!)

考えてみますと、
リスクだらけの未来に対して、

早急に「ひとつの答え」を求めようとすること自体、
とてもリスキーですよね(笑)

(でも 本人はそれに気づいていない・・)

(突き詰めて言えば)

資産運用 とは、
リスク について考えることであり、
リスク を飼い慣らす作業そのものなのです。

そして時には、

そのリスクが実際に「発生」してしまったりします。
(とてもドラマティックに・・)

メディアや国家や専門家が予測した
「華やかな理論」は 一瞬にして崩れ落ちるのです。

(もちろん、
 よい意味での「予想外」も起こりますが・・)

植木屋の職人さんが、

「へっ、資産運用なんてのは、
所詮予想屋稼業 じゃあねえか・・」

と言われるのにも 一理あるのです。


わたくしカンは、

「今から20年後に
ダウ工業株平均がいくらになっているかなんて、
ハンセン指数がいくらになっているかなんて、

皆目分かりません!」

と言います。

期待リターン とは、
一介の個人、団体が予想する
リターンの「平均値」に過ぎないのですから・・。

またわたくしカンは、

「今から 9ヵ月、10ヵ月後に
マーケットが上がっているか下がっているかなんて、
まったく分かりません!」

と言い切ります。

なぜなら、

長期の予想が困難なのと同じくらい、
短期の予想も困難と考えるからです。


投資アドバイザー とは、

砂粒 を集めた程度の情報から、
長期の予想を導こうとする 儚い生き物なのですね。

それでも 大きな果実 を目指して
投資というボートを漕ぎ出せるのは、

【ポートフォリオ運用】という
人類の知恵があるからですよ・・。


私たちの先達が、
今よりもずっと過酷な状況に直面し、

リスクの塊に圧倒されながらも
未来に向かって漕ぎ出していった
そのスピリットを、

私たちもどこかで持っているからです。


ユダヤ教の聖典「タルムード」には、

「富は常に三分法で保有すべし。
 すなわち1/3を土地に、
 1/3を商品に、残る1/3を現金で」

と記されています。

(んー、分散投資のスピリットは、
遥か何千年前から 受け継がれているのですね・・)


皆さま、素敵な週末をお過ごしください。



2006年11月11日(土) 【ポートフォリオ創作教室 in 大阪】のご案内


こんにちは、カン・チュンド です。

(突然ですが)

あなたは朝、「パン派」ですか、
それとも「ごはん派」ですか?

(わたしは結婚して「パン派」になりました・・)

食事でも ファッションでも、
ご自分の【スタイル】というものがあると思います。

資産運用においても「独自の考え方」

つまり、
運用を行っていく上での“軸”のようなものがあれば、
投資という作業は、ずいぶん 楽 になるはずですね。

ところが(実際には)多くの方が、
この【投資スタイル】を確立できずにいます。


例えば、
あなたが資産運用を始めた時のことを
思い出してみてください。

とりあえず、
自身がいちばん必要性を感じている
「金融商品」を購入していませんでしたか?

(図星デス?)

そのあと、時々の「流れ」に応じて、
2番手、3番手の「金融商品」を選択していった・・。

(やっぱり?)

つまり「過去」から眺めてみると、

あなたは【点と線】で
運用という作業 を行っているわけです。

すると(どういうことが起こるかというと)


とりあえず今持っている A金融商品 は
いつまで保有し続けるのか・・?

あるいは B金融商品の一部 を、
今度「新発売」される C金融商品 と入れ換えるのか、
入れ換えないのか?

というような
【選択の機会】に悩まされる病 に
かかってしまうのです。

(ホントです)

マネーの缶詰めスクール では、
資産運用 を【面】で捉えています。


あの パーツ(金融商品)を何%・・、
この パーツ は何%・・というように、

ひとつひとつの 金融商品 を
まるで「パズル」のように組み合わせて
【運用の設計図】という 模型 を作っていきます。


(はっきり言ってしまうと)

例えば D金融商品 そのものが、
ミドルリスク・ローリターン であっても、

【設計図】にとって必要、かつ意味があるならば、
組み入れてしまうのです。

つまり、ひとつひとつの金融商品 は
「パーツ」に過ぎない・・。

これが【ポートフォリオ運用】の考え方 です。


もし皆さんがこの先も、
【点と線】の運用 を続けていったらどうでしょう?

その時々で、
金融商品の【取捨選択】を繰り返さなければなりません。

「悩んだり」「喜んだり」
「ちょっと投げやりになったり」「有頂天になったり」、

まさに 喜怒哀楽のオンパレード が続くでしょう。

(何より【長期的な利益】はどうなるのですか?)


さて、第6回 マネーの缶詰めスクール
【ポートフォリオ創作教室】は、
11月19日 大阪 にて開催いたします。

この講座は、参加者の皆さんに
事前に「マネーデータ」をご用意いただき、

セミナー当日「世界にたったひとつしかないポートフォリオ」を
作っていただく【実践型の勉強会】です。

(もちろん、
 最後にポートフォリオを発表していただきます・・)


この【勉強会】に参加されることであなたは、

■ リスク軽減 の威力を実感されます。

(具体的には「相性のよい資産」を併せて保有することで、
ポートフォリオのリスク、標準偏差 が
数字として大きく減少することを確認されます・・)

■ 投資のやり方が、
  圧倒的にシンプル かつ 合理的になります。

(投資スタイルとして「いちば」投資
(インデックス運用)を採用するためです・・)

■ 資産運用の管理が 恐ろしく簡単になります。

(運用を「円グラフ」として捉えるため、
あなたがしなければならないのは 半年ないし
1年に1度の 資産配分調整(リ・バランス)のみです・・)

【あとは、何もしなくてよいのです・・】


もう、株価の動き を気にしたり、
為替の上下 に気を揉んだりすることはありません。

■ あなたが「投資」に割かずにすむ時間は
お仕事や趣味や、大切な人との時に充ててください・・。

それが、
【ポートフォリオ運用】の 醍醐味 なのです。


「ポートフォリオ創作教室」の詳細は【こちら】からご覧ください。


 要するに、
「最初だけ手間ヒマかけて創ればよいのです」(笑)


では皆さん、
素敵な週末をお過ごしくださいませ。



2006年11月10日(金) ゾウの時間、ネズミの時間


こんにちは、カン・チュンド です。

確か 中公新書 で、
このような題名の書物があったと思います。

金融機関というところは、
「ネズミの時間」を持ちがちです。

新しいテーマ、新しい商品 を
どんどん顧客に紹介していく・・。

もちろん、金融機関は 営利企業 ですから、
半期ごとに「利益」を公表しなければなりません。

緊張感とプレッシャーの中、
彼らはあわただしく動き回り、心臓は早く脈打ちます。


一方、消費者(お金を育てる人)は、
ネズミと同じような時間 を持つ必要はありません。

私たちは 営利企業 ではありませんから、
半期ごとに 決算 を発表する必要がありません。

(上司の顔色を伺うこともないわけです・・笑)

長期にわたる(10年、15年〜)運用を、
あくまで自分たちのペースで行えばよいのです。

その歩みはゆっくり堅実で、
心臓も(文字通り)ゆっくり脈打ちます。

(まさしく「ゾウの時間」なのです・・) 


運用のエッセンス とは(実は)単純明快 で
その心は、長期保有 と 分散投資 です。

いろんなところで浮気をしても、
ほかの料理をつまみ食いしても、
結局はこの【原則】に戻ってきます。 

(まるで、ブーメランのようです!)

企業年金 や
富裕層を対象にしたプライベートバンクなどは
ずっと昔から
この【原則】を行ってきたのですが、

つい最近まで その情報・ノウハウは
独占されていました。

しかし、Thank God!

IT社会の進展によって、
わたしやあなたのような「ふつうの消費者」に、
それらの情報・ノウハウが降りてきたのです・・。


「お金を育てる」という作業において、
長期保有と分散投資 という
ノウハウを使用する点において、

■ 私たちと、
プロと呼ばれる機関投資家の間には
プラスもマイナスも(実は)存在しません。

むしろ、

「ネズミの時間」を持ちがちなプロの運用者より、
「ゾウの時間」を持ち得る私たちの方が、
有利な状況に在るのではないでしょうか・・。


ちなみに、本の中では
「ゾウもネズミも、一生に脈打つ心臓の回数は同じである」

ということが、書かれています。


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