コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2004年05月29日(土) ファイナンシャルプランニング序章 その6)


こんにちは、カン・チュンド です。

ご褒美が欲しければ、我慢しなさい・・。
リターンが欲しければ、不確実性 を享受しなさい。

また、

マーケットリスク を受け入れた者だけが「報われる」、
というのも 半ば正しい格言です。

しかし、リスクを受け入れる とは
単に 感情的 陶酔 にはまることではありません。

「よっしゃ。これで行こう!
うわあ、修羅場 に足を突っ込んでいる、
こんなわたしは ステキ・・」

ではないのですね(笑)


リスク とは 計量 するものです。

リスクの塊 を細かく砕いて
大きい小さいを考慮しながら
バランスよく配置する・・。

リスクの大きさを捉え、
分散させ、その威力を最小化することが
適切なリターンを得るための【効率的な方法】なのです。

(当然、これは
感情 で行うのではなく 理性 で行うものです・・)

多くの方は リスクは目に見えず、
実際に起こらないとその「痛み」がわからないので、
真剣に考えようとしません。

左足のかかとに リスク を詰め込んで(能天気に)
「真っ直ぐに歩けるはずだ・・」と
思い込んでいるのです。

運用の設計図(ポートフォリオ)で
云えば 【偏っている】状態ですね・・。


例) 田中さん 45歳。

田中さんには
3,500万円の 資産 があります。

そのうち、
所有するマンションの評価額 が 3,000万円。

注)評価額 とは、
  売却できる価格のことです。

(兵庫県芦屋市のパーフェクト芦屋 204号室・・)

残りの500万円は、
A銀行に 預金 として預けています。

さて、田中さんがこの500万円を用いて、
やれインデックス・ファンドだ、
ヨーロッパ債券ファンドだ、中国株式だ、

と国際分散投資 を行ったとして
(果たして)意味があるのでしょうか・・?


皆さんぜひ、

資産の集合体(ポートフォリオ)を
【円グラフ】でイメージしてみてください。

そもそも田中さんのポートフォリオは、
最初からその「バランス」が
大きく崩れてしまっています。

そうです、

ポートフォリオの中で
占める割合が高い この不動産、

(85%を超えています・・)

芦屋市○○町1−2−3
のパーフェクト芦屋 204号室。


この、世界にふたつとない 動けないモノ・・。

(別名・・有形固定資産)

切り売り・変形ができない 単価の高い資産・・。

(云ってみれば、単品 です)


田中さんの 資産形成 は
(まさに)芦屋という 街の将来 と
一心同体の如く存在する!

と言っても過言ではありません。

(こんなに リスク が
 集中してよいのでしょうか・・)


【偏った】ポートフォリオを
保有する田中さんは、

理に叶ったポートフォリオを
保有する鈴木さんよりも

(潜在的に)大きなリスク を抱えています。


リスクが集中する とは、

(例えば)数種類の 個別株式のみ を保有する、
     偏った業種の 株式のみ を保有する、
     偏った国の 金融資産のみ を保有する、
     偏った国の、偏った 金融資産のみ を保有する、

ということです。


田中さんが抱える 潜在リスク は
非合理的なリスク、つまり
将来のリターンに貢献しない種類のリスク なのです。

(これを
 非システマティック・リスク と呼びます)

私たちは 多様な金融資産
(アセット・クラス)を保有することで

この 非合理的なリスク
できるだけ小さくしなければなりません。

(適切なリターンを得るための【効率的な方法】・・)


その基本は
債券 と 株式 の組み合わせ です。

(債券 は
 満期までの期間が短いもので OK です)

日本の金融資産を特別視せず、
外貨建て資産 も
同じ土俵の上 で評価してください。

また、
株式 とひと口に言っても、

日本を含めた
先進諸国の株式 もあれば、

新興国群(エマージング・マーケット)の
株式 もあります。


あるいは、株式 を
大型株式・小型株式 というふうに
「分類」することも可能です。

(これを「スタイル分類」と呼びます)


バリュー株・グロース株 に
分けることも可能です。

国際的に分散されたポートフォリオに
(スタイル分類における)
小型株式 と バリュー株式 を

(あたかも料理における スパイス の如く)
組み入れることで、
期待リターンの改善を図ることが可能です。

(もちろん保有リスクも!)


資産運用の世界では

これら一連の作業を
「ポートフォリオの設計」と呼んでいます。

(なんだか プラモデル を作るみたいでしょ?)

プラモデル と違うところは、
完成のカタチがひとつではない という点です。


(もっと云えば)完成のカタチは、
おひとりおひとりで異なってくるのです。


そして、運用の設計図作りの決め手は、
その方が「どれくらいのリスクを許容できるか」を
計測することです。


お知らせ)

わたくしの盟友、
村上 慶一 氏 が大阪でセミナーを行います。


【会社を良くする税理士・ダメにする税理士】その見分け方  
   
  < あなたの会社の顧問税理士はどっち?! >

 6月20日(日) 大阪産業創造館 6階 会議室D
   14:00〜16:20   参加費 5,000円

   講師: 財務コンサルタント 村上 慶一 氏



2004年05月27日(木) アメリカ 投資信託業界の不正取引 その2)


こんにちは、カン・チュンド です。

(今日はアメリカのことをお話しますが、
日本の投資信託業界がアメリカより進んでいるとは
思っていません。念のため・・)

「米投信業界 不正相次ぐ」


上記記事をご覧いただくと、
まさに「不正のオンパレード」といった感があります。

投資信託 は本来、
ファンド保有者に積極的に
「情報を開示すること」で知られています。

コスト比率 がわからない生命保険を買うより
国債 に浸かるしか能のない銀行預金より、
「透明性」は高いと考えます。


しかし(考えてみますと)
ファンドの取引が正しくされているか
コスト(手数料)が正しく計算されているかは

(決算期に出される)運用報告書 以外に
知る術がないのが現状です。

この 運用報告書 に書かれている数字は
正しく印字されている と
ファンド保有者は信じています。

(「性善説」に立って・・)


しかし、どうなのでしょう・・、

制度 を作る際には「性悪説」に立って
つまり、

・人は弱いものだから、
 任せておくと必ず 不正 が起こる・・。
(= きちんとしてくれるだろうと信じるだけではダメだ)

という前提で 物事 を進めていく
必要があるのではないでしょうか?


今回「不正取引」に関わったのは、
投資信託の運用会社 と 販売会社
(銀行・証券会社・金融グループなど)

そして、投資信託の保有者である
「大口の機関投資家」

(→ 要するに 金融機関)です。


多くの金融機関 と その経営者・従業員 が
SEC(米証券取引委員会)や 州 に対して
【罰金】の支払いを命じられ

中には、資産運用業界から
永久追放 を受けた人もいます。

(今後は【賠償責任問題】が本格化すると思われますが・・)


さて、一体どんな不正が行われたのかというと、

例えば、(きのうお話した)

・運用会社が、一部の大口顧客だけにそっと
 マーケットでの取引が終わった後の
 「時間外取引」を許してあげる、

とはどういうことなのでしょう?

(簡単です・・)

普通、ファンドは一日一回、
マーケットが終了する時に
その日の「時価」を算出します。

(純資産額、基準価格)

ところが、マーケットの立会いが終了した後に
特定の顧客 だけに(もちろん機関投資家ですが)
取引 を認めていたのです。

(えっ、どういうこと?)


例えば、マーケット終了後に発表された
「決算発表」をもとに

特定の顧客 のみが、
自分の組み入れ銘柄を入れ替える(売買する)ことが
できます。

(最新の情報 をもとに、
他のファンド保有者を出し抜いて
利益 を求めることができてしまう・・)

これって、ファンド運営における
重大な【ルール違反】です。

(もちろん)売買の資金 となるのは
他のファンド保有者のお金(ファンド資産)なのです!


あるいは、

・運用会社 が、一部の大口顧客だけに
 そっと 短期売買 を許してあげる、

とはどういうことなのでしょう?

(短期売買・・非常に短い期間内に、往復取引を行うこと)

ファンド保有者が
短期売買 を行うことは一般に禁止されています。

それは、他のファンド保有者に
「無用のコスト」を強いることになるからです。

例えば、Aファンド を売ったり
買ったりすればするほど

運用会社 は(臨時に)銘柄 を
買ったり売ったりする必要が出てきますね。

(ファンド本体にお金が入ってきたり、
本体からお金が出ていったりするため・・)

(つまり)運用の一貫性 が損なわれる ということ・・。


これは他のファンド保有者にとっては
至極「迷惑な話」です。


また、ファンドマネージャー自身が
短期売買 をして利益を上げていたことも
発覚しました。

(例えば、アメリカのパトナム投資顧問の
ファンドマネージャーです・・)

あるいは、超過手数料 を徴収していたと
申告する運用会社も現れました。

現時点(04年5月)では、

あまりにも多くの金融機関がこの
「不正取引」に手を染めていたので、

「わたしのところも手を挙げます。
 制裁金もお支払いします・・」

という雰囲気になっています。


先ほど挙げた パトナム投資顧問 の
ホームページ(英語)を見ると、

こちら


・SECとマサチューセッツ州に
いくらの制裁金を支払うことで合意したとか、

・去年11月より「不正を未然に防ぐために
このような改革を行ってまいりました」とか、

・関係各位の皆さまの
お力添えに感謝いたしますとか、

当たり障りのない(開き直ったような)
反省文 が載っていますが、

(5百万ドルとか、5千万ドルの
 数字 だけが独り歩きしている・・)


「アメリカの投資信託業界は、
 根元から腐っていたのでは・・」

と思わざるを得ません。


わたしは思うのですが、

アクティブ・ファンド は、
市場(いちば)全体の値動き を
上回ることを「使命」とし

運用会社の人たちは懸命に
株式や債券などの 銘柄 を選び、売り買いしています。

選ぶ ということは
「運用の仕方は 万通り にもなる」ということ。

つまり、

運用という行為自体
  極めて【恣意的】になり得るわけですね・・。



その点、インデックス・ファンド は、
運用成績 をよく見せたり、
ことさら悪く見せたりする必要もありません。

なぜなら、

市場(いちば)全体の値動きと
「連動」すればよいのですから・・。


(逆の言い方をすると)

市場(いちば)全体の値動きと
「連動」するためには

恣意的に 手数料 を抜いたり、
短期売買 をしたり

時間外取引を行う 余裕 など
生じないはずなのです・・。


Oh, what is the mutual fund...?



2004年05月25日(火) アメリカ 投資信託業界の不正取引


こんにちは、カン・チュンド です。

(今から3年くらい前になりますが)
わたしが セミナー を始めた当初は

「ひとりでも多くの方に来ていただきたい」という思いから、
参加費を【無料】にしていました。

このセミナー、
多くの人を集めることには成功しましたが、

「参加者の方を啓蒙する」ことには
(見事に)失敗 しました(苦笑)

そもそもセミナーを開催する 目的 は、
参加していただいた人に
【気づき】を持って帰ってもらうことです。


「ああ、このセミナーに参加してよかった。

何かを学べた・・。目から鱗が落ちた・・etc 」

(わたし自身がセミナーに参加して思うのですが)

【無料】のセミナーより、
2,000円の参加費を支払うセミナーの方が
「ハードル」は高いですね。

しかし、ハードルが高い分、
「何かを学ばなければ」という気持ちも
強くなるのではないでしょうか。


< だいじな基本 >

・(自ら)コスト を支払うことなしに、
  何らかの便益(リターン)を得ることはできません・・。


(わたし自身、このことを理解するために
 それなりのレッスン料 を支払いました・・笑)


さて、先日 信託報酬というコスト について、
「手数料 を支払っている」という
意識 がなかなか芽生えてこない、

とお話しましたが、
これはよろしくありません。

(ファンド運用の中身が
 ブラックボックス化 しているのが原因です・・)

何事もそうですが、
風通しがよくないと 空気 が淀み
モノが腐りやすくなります。

さて、私たちファンド保有者 と
運用会社 の【信頼関係】をまとめてみましょう・・。


・投資 とは 未来の 不確実なもの を取り扱います。

投資信託の 字 にあるように「信じて託しても」
運用会社の運用がいつもうまく行く とは限りません。

この点、ファンド保有者 は
「リスクを取らなければ」なりません・・。

私たちファンド保有者は(運用会社に対して)
投資成果の確約 を求めることはできませんが、

(少なくとも)誠実さ を求めることはできます。

(誠実さとは?)

「ルール」を守る ということ・・。


例えば、

信託報酬という 手数料 を徴収する「ルール」については、
運用会社さんにぜひ守っていただかねばなりません。

ファンドに組み入れる 株式・債券の売り買い が正しく行われ、
ファンドの時価 が正しく計算されることも
(当然)守っていただかねばならないことです。


もし万が一、

運用会社が、一部の大口顧客だけにそっと

マーケットでの取引が終わった後の
「時間外取引」を許してあげる とか、   

一部の大口顧客だけにそっと
短期売買 を許してあげる、とか。

(短期売買・・非常に短い期間内に、
往復取引を行うこと。
多くの投資信託では禁止されています)


あるいは、ファンドマネージャー自身が
短期売買 をして利益を上げる、とか。

あるいは、超過手数料を徴収しておいて
「知らぬ存ぜぬ」の顔をする、とか。

そういうことが行われた場合は

当然、ファンド保有者は
「声を大にして 抗議 すべきです!」


(残念ながら)

今般、アメリカにおいて
上記不正 が大々的に行われていたことが
明らかになりました・・。

タイトルは
「アメリカ投資信託業界の不正取引」です。




2004年05月21日(金) ファイナンシャルプランニング序章 その5)


こんにちは、カン・チュンド です。

今日は 手数料 のお話です。

手数料(コスト)とは、
払う側にとっては 費用 ですが
もらう側にとっては 利益 となります。

したがって、商品・サービスの提供者は
「手数料を いかに払ってもらいやすくするか・・」
に心を砕きます(笑)

投資信託の 信託報酬 など
その典型ですね。


例)Aファンドを保有している
  あなた宛に「請求書」が届きました。

「Aファンド保有者の皆さま。
第8期(03年1/1〜12/31)の 信託報酬 を請求いたします。

請求額 7,235円

恐れ入りますが、
お振込みは○○銀行○○支店 口座番号○○○○ へ」


という文章など、
あなたは見たいですか?(笑)

(見たくもないし、払いたくもないですね・・)


そこで、ファンドの運用会社は考えました。

「一年に一度、信託報酬 を請求するのはよろしくない。
(そこそこの金額になってしまうし・・)
 もっと細かく分けて請求させていただこう・・」

「部長、いっそのこと、
 ファンドの純資産額から 日割りで
 計算するっていうのはどうですか?」

「ふむ。なるほど・・。
 しかし君、どうやって徴収するのかね?」

「私たちが(毎日毎日)純資産額から差し引いて、
 徴収 してしまえばいいんですよ」

「ふむ。それはいい考えだ!」


つまり、信託報酬 というコストの不思議なところは、

手数料 を受け取る側が(自ら)計算して
 (自ら)徴収 までやってしまう


ということです。


ファンド保有者は
「わたし、手数料 を支払っているんだ」
という 意識 がほとんど芽生えません。

(一方、運用会社には)

ファンドの値段が上がろうが下がろうが
コンスタントに 利益 が入ってきます。
(金額は違ってきますが・・)


 <だいじな基本 >

・手数料 とは(運用者にとっては)
確実なマイナスリターン なのですね。


私たちは「プラスのリターン」を
求めて 運用 を行いますが、

未来のリターンは所詮 不確実 です。

不確実なもの を求める中で、
「確実な出費」がどれほどのインパクトを
持つか、皆さんイメージできますか?


皆さんの「運用の設計図」
(ポートフォリオ)を維持するために
より多くの 手数料 がかかれば、

(それだけ)皆さんのリターン(収益)は
目減り するのです。


皆さんが万一、

・手数料 をたくさん払えば、
 将来のリターン もよくなるのでは?

と希望観測的に思っておられたら、
それは単に「間違い」です(笑)

手数料の多寡 と、
リターン との間には、なんの因果関係もありません。


私たちは(そもそも)

ある 不確実なもの を得るために、
財布の中からお金を出しすぎではないでしょうか?


手数料 とは、
運用者 と 金融機関 の パイの奪い合い なのです。


(真剣勝負 です・・)

向こう(金融機関)が 戦略 を練っているのなら、
こちらも 理論武装 する必要があります・・。


  わたしの考え【投資新説】

全4ページにわたる「投資の新しい発想法」です。



2004年05月17日(月) ファイナンシャルプランニング序章 その4)


こんにちは、カン・チュンド です。

(突然ですが)税金 とは、
私たちが「市民生活」という会に所属するための
(いわば)会費 です。

例えば「ひとり1万円」というように
シンプルに決まっていればよいのですが、
現実はそうではありません。

税金をたくさん払う人もいれば、
少なく払う人もいます。

(一般に所得の多い人ほど
たくさんの税金を支払っています・・)


また、ご資産が多い方ほど
税 についてこまごまとしたことを
気にしなければなりません。

(その最終・心配 は 相続税 です・・)

人間の本性は「支払う税金はなるだけ少なくしたい」
というものですから、
節税のニーズ は 古今東西を問わず 普遍的 です(笑)


資産運用においても
「支払う税金はなるだけ少なくしたい・・」
とよく耳にします。

しかし(税法自体が変わってしまえば)
節税 と思ってあくせく行ってきた対策は
ただの紙切れになってしまうのです。

(これも立派なリスク・・)


(実は)資産運用における「節税対策」の落とし穴は、
前提としている税法が であるのに対し、

節税の効果を得たいのは
未来(つまり、運用を行い 利益 が蓄積された時)である
ということなのです・・。

「支払う税金をなるだけ少なくしたい」に注力しすぎて
投資の本来の目的である「資産を育てること」を
おろそかにすれば、(それこそ)本末転倒 です。

それよりも、私たちが気づかないうちに
「ムダな税金を支払っているかもしれない」
ことにもっと心を砕くべきでしょう。

それはどういうことか?


具体例)

アクティブ型の株式ファンド を
想像してみてください。

(投資信託とは パック商品 ですから、
カゴの中にたくさんの株式を組み入れます)

アクティブ・ファンドの場合、

市場(いちば)の中から
さまざまな株式 をピック・アップするわけです。

「さて、どんな株式を組み入れるのか?」

(当然)これから大きく株価が
上昇しそうな株式ですよね。

ファンドがより高い収益を得るためには、
「できるだけ安く買って、高くなったら売却する」
という 行動 を繰り返すことになります。


(なにせ)アクティブ・ファンドは
株式市場という市場(いちば)全体の値動き を
上回ることを「使命」としているのですから・・。

この「安く買って、高くなったら売却する」を実践すると
(当然)税金 がかかってきます。

(譲渡益 に対する課税です・・)

この支払いは、ファンドマネージャーが
自らポケットマネーで行うのでしょうか?

(いや、いや)

ファンド保有者 が負担しているのです。


1回、2回ならまだしも
何十回という売却により かかってくる税金は
半端ではありません。

これらの税金を支払った後に
(運用会社は)純資産額 ÷ 口数 をして
「ファンドの値段」を出しているのです。

もう一度云います。


株式の売却に対する税の支払いは
「ファンド保有者」が行っているのです。

< そして当然、売り買いのたびに、
売買委託手数料 もかかってきます・・ >


皆さん、

私たちはこの種のコストに、
あまりにも無頓着なのではないでしょうか?

(そして更に)

これらのコストを払い続けても、
ファンドの値段が確実に上がっていく保証は
どこにもないのです・・。


合理的な 運用者 は
「節税」に幻想を抱きません。

合理的な 運用者 は
「税金」を支払った後のリターンを最大にするには
どんな投資手法がふさわしいのかを吟味するのです。

インデックス運用ですね・・)




2004年05月11日(火) ファイナンシャルプランニング序章 その3)


こんにちは、カン・チュンド です。

先日わたしはこういうお話をしました。

「株式・債券・キャッシュに資産を配分し、
グローバルに投資する・・」

しかし、単に異なった投資対象を組み合わせるのが
運用の設計図作り(ポートフォリオ)ではありません。

例えば、日本株式 というハイリスクな金融資産に
(どうして)外国債券 を組み合わせるのでしょうか?

それは 両者が歴史的に
「異なった値動きをしている」からです。

(上記は)少し硬い言葉で「相関関係が低い」と云います。 


値動きが異なる金融資産を
組み合わせたポートフォリオは、

個々の金融資産 で計測するより、
(同じ期待リターンなら)
引き受けるリスクの大きさが小さくなります。

これが「合理的な分散投資」と呼ばれるものです。

いわゆる フリーランチ
(無料でゲットできるノウハウ)ですね。


しかし、この「合理的な分散投資」を実践しても
思わぬ 落とし穴 が待っています。

それが「コスト」です。

コスト は主に、

・(一時的な)手数料
・  税金
・(継続的な)手数料


に分けることができます。


(さて、また過激なことを申し上げますが)
(実は)多くのファイナンシャル・アドバイザー は、
7つのスマイルを併せ持った セールス・パーソン です(笑)

彼らが販売する 投資商品 は
(その経済的な 動機 として)彼らが得る
手数料(コミッション)と直結しています。

(注 これはいい悪いの問題ではありません・・)


そんな彼らから私たちが
(色の付いていない)客観的なアドバイス を
得られる確率はどれくらいでしょうか・・?

(皆さん、よーく考えてみてください)

手数料(コミッション)をベースとしたアドバスは
(何のためになされるかというと)
金融商品を販売・仲介するためですね。

(それは誰の利益になるかというと)
代理店・販売会社・仲介業者の 利益 となるのです。

もし皆さんがファイナンシャル・アドバイザーと
話す機会を持たれたなら、

「どうしてこの人は こんなに熱心に、
 この商品を勧めてくれるのだろう?」

と最低5分間は考えてみましょう・・(笑)


< だいじな基本 >

・購入の際、あるいは売却する際に「手数料」を要求される、
あるいは解約控除、解約手数料の名目で「手数料」を要求される
金融商品 には手を触れないように!

(コストの塊を食しても 全然おいしくありません・・)


一方、お客様から頂戴する手数料(フィー)のみで
報酬を得ているアドバイザーは、
商品販売・紹介 のしがらみから解放されます。

それは(お客様にとっても)
「解放」を意味します。

(もはや金融商品の購入・非購入について
 気を遣う必要がないから・・)

フィー・オンリー・アドバイザーは
客観的なアドバイスを(それ自体)
商品 として販売しているのです。


そして、お客様と同じ側に座らせていただき、
お互いの利害 を確認し合うのです。

< 晋陽(しんよう)の立場 >






2004年05月08日(土) 金融 と 投資 の常識を学ぶ勉強会・・


こんにちは、カン・チュンド です。

さて、

お金のことだけが
「特別」だなんて誰が決めたのでしょう? 

金融商品は「数字」に強くないと
理解できないなんて、誰が決めたのでしょう?

金融業界でご飯を食べている人々は、
お金のことをムズカシク語っています。

彼らは消費者の方と 距離 があった方が
自分たちの付加価値を維持しやすいと考えるからです。

距離? きょり?

(距離にもいろいろあります)


例えば、金融 とは
お金 と お金の「橋渡し役」を担う システム です。

・お金が必要だという人 (需要がある)
・お金を提供してもいいという人 (供給がある)

需要がこの辺りにたくさんあるのに、
あそこではお金が余っている
というのはよろしくないですね(笑)


実は 金利がいくらだとか、
こんな金融商品、あんな金融商品と言っているのは
「橋渡し役」の 具体的な姿 なのです。


一方、投資 とは・・?

すぐに 株(かぶ)とか、
金融商品 を買って儲けるとかいうイメージ・・。

しかし(そもそも)投資 とは、
不確実な未来 のために お金 と エネルギー を注ぐこと です。

実はわたくし先日結婚したのですが、
「結婚こそ、人生で最大の投資 ではないでしょうか?」

自分の伴侶は
ぜんたいどういう人なのだろう・・?

この人と共に生活することで、
わたしはさまざまな影響を受け、
わたしの人生の方向性、
可能性 が半ば決まってくる・・。

(あー、恐ろしい・・笑)


では、なぜ人は結婚するのでしょうか?
< 幸せ になりたいからですね・・ >

幸せ は、投資(結婚)に対する
期待リターン(収益)なのです。


あるいは、
26歳の会社員が 公認会計士 を目指します。   

50万円のお金を払って資格学校に通います。
8万円分の本を買う。

この人は「コスト」と
「時間」と「エネルギー」を費やして、
収益 を獲得しようとしているのです。

(これも 立派な投資 です)
  

(既婚者の方、どう思われますか?)

結婚は 一か八か 賭け でするものではありません。


(人間がふたり居れば)
喧嘩もするし、意見の相違も出てくるとは思いますが、
お互いがよりよい関係を「育んでいく」というイメージ ですね。


(また)自分に投資する、
その成果も 一朝一夕 では現れません。

投資するということは 育む ことなのです。

< それはあたかも、植物 を育てること・・ >


そして、金融 と 投資 について学ぶ
ベース(土台)はあくまで
ライフプラン(人生設計)なのです。

「皆さんがこれから
 どういう 人生 を歩んでいかれるのか?」

をしっかり規定しないと、
この勉強会の意味は半減してしまいます。


第4回 知的人生設計入門 【お金のなる木の見つけ方】

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2004年05月07日(金) ファイナンシャルプランニング序章 その2)


こんにちは、カン・チュンド です。

資産家の方、ビジネスオーナー、また、世の中で
プロフェッショナルと呼ばれる方々は
(たいていが)たいへん合理的な頭 を持っておられます。

お金と向き合う場合も(当然)
その「合理的な頭」を活用すべきですね。

(しかし残念ながら)多くの方が
戦略なし に投資というフィールドに馳せ参じてしまいます(笑)

(いきなり ゲーム を始めてしまう・・困)


わたしは投資の設計図のことを
ポートフォリオ と呼んでいますが、

この設計図を作るには(まず)
入念なリサーチをする必要があります。

リサーチは大きくふたつの分野に分かれます。

1.市場(いちば)・金融資産 についてのリサーチ
2.自分自身へのリサーチ


上記 自分自身へのリサーチ のことを、
世の中では「ライフプランニング」と云います。


また、ポートフォリオを作成するに当たっては、
妥当な期待値(この場合、期待収益率)を設定する必要があります。

例えばこんな喩え)

リンゴの木を植えて、
収穫するまで何年くらいかかるか、
一本のリンゴの木から何個くらいの実が取れるだろうか・・。


その場の思いつきで(本人は 本能 と
思っているでしょうが)投資 を行う人は、

「どの株が、どの金融商品が、今年いちばん儲かるだろうか・・」
ということしか考えていません。

< 直径90日の思考 に陥っているのです・・ >

注)その場の思いつきで
  金融商品 を購入するのは 投資 ではありません。


合理的な運用者は、
明確な方法論 と 規律 をその懐に抱えて、
淡々と投資を行うのです。

(そして、そういう人が
 資産形成 という果実を手にしているのです・・)


(ところで)この20年間で、金融理論 は
もっとも合理的な投資手法を明らかにしてきました。

それは株式・債券・キャッシュに資産を配分し、
グローバルに投資する手法です。


実は ポートフォリオの収益は(その9割以上が)、

「どんな株式を買うのか?」
「いつ買っていつ売るのか?」より

「金融資産をどう組み合わせるのか」
= アセットアロケーション(資産の配分)によって
決定されるのです。

これが有名な
「ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因」です。

※ 1986年 ブリンソン・ビーバウワー・フッドの三氏により
「ファイナンシャル・アナリスト・ジャーナル誌」に発表された論文。


この論文は、長期的に見れば、
個別銘柄の選択や、市場タイミングを計る手法は
ポートフォリオの収益にはほとんど貢献しない
ことを喝破しています。


ブローカー業務(仲介業務)に携わるほとんどの方は、
この「ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因」に
墨を塗っているのです(笑)

個別銘柄 を選択してくれない、
市場タイミングを計ってくれない
(売り買いをしてくれない)となると、

証券会社は商売が成り立たなくなるからです。



2004年05月01日(土) 何事も 対抗馬 が出るのはよいことです

     
こんにちは、カン・チュンド です。

(随分とご無沙汰してしまいました・・)

さて、日本経済新聞の向こうをはって
フジサンケイ ビジネス アイ という

日刊ビジネス紙 が発刊されていますが、
皆さんお読みになられたことがありますか?

フジサンケイ ビジネス アイ ホームページ


上記HPを覗くと、
総合、国際、金融・証券 というカテゴリーに混じって
中国 というカテゴリーが独立しています。

試しに昨日のリード をピックアップしてみますと・・、

・中国、金融機関の貸付規制が本格化
・中国国務院、鉄鋼など4業種で投資額の規制を強化
・中国で不動産価格急騰に警鐘 今後10年で5倍以上に

のような記事が見受けられます。


(ところで)ニュージーランドが
政策金利の引き上げを決めました。

アメリカでも金利引き上げが
視野に入ってきています。

中国の中央銀行(人民銀行)も、
政策金利の引き上げを余儀なくされるでしょう。

中国にとっては 世界の主要な顔 になって以来、
はじめての「ブレーキ踏み」となります。

舵取りは難しいものになるでしょうが、
この経験自体が たいへん貴重なのです。

20〜30年のスパンで見れば、
中国の金融当局は、

今後何度も景気の「ブレーキ踏み」を
試みなければならないからです。

(よく言われることですが)

遅れてきた者の メリット は
たくさんの前例・知識を データベース として
蓄積できることです。


(中国はまだこのメリットを
 十分活かしきれていないのではないか・・?)


さて、フジサンケイ ビジネス アイ ですが、
実際の紙面でも 同紙は 中国 に力を入れています。

中国株式の株価(A株も含めて)を毎日掲載するなど、
独自色 を出すことに躍起になっています。

確かに(長年 日経新聞に慣れた人にとっては)
独特の紙面構成でしょう。

※ 活字がたいへん大きく見やすいのも特徴です!


昨今、日経新聞の 官僚化 が叫ばれていますが
(わたしが叫んでいるだけ?)

「対抗馬」が出ることで、
日経新聞の活性化 にも繋がればいいですね。

何事も「スペースを独りで占領する」のは
よくありませんから。

(全部自分のものだと勘違いしてしまいます・・)

スペースを共有する
(ほんとうは嫌かもしれませんが)

同業者がとなりで食事をしている様が
「新たなスペース」を創造しようという活力を与えるのです。

(そうでしょ?)

そして、ユーザーにとっては価格・サービス面で、
様々なメリットが転がり込んできます。

これが「競争原理」です。
(ナチュラルな競争こそが、革新 を促す・・)

新聞・出版関係の業界は
いちばん規制に守られ、遅れているフィールドです。

(いちばん遅れているからこそ)
利益 の 源泉 が眠っているのです。





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