2004年02月27日(金) |
次回セミナーでは「リスクの本筋」についてもお話します |
こんにちは、カン・チュンド です。
(もうすぐ春ですね・・)
わたしはお客様との 面談(コンサルティング)の中でよく、
「未来のことは誰にもわからないですよ・・」 というお話をします。
(実際)つい500年ほど前までは、 未来 とは真っ暗な 洞窟 であり、 そこに光を当てることができるのは「神のみ」でした。
ルネッサンスの時代に至るまで、 人は 宗教心から、また世俗の風習から、
「未来」を、現在 とは独立した事象として 捉えることを避けてきたのです。
しかし今、私たちは以下の 事実 を知っています。
未来 はただ恐ろしいものではなく、 機会(チャンス)をもたらしてくれるものだ。
そうです、
未来 = リスク とは【不確実性】のことであり、 【不確実性】こそが 可能性 を広げてくれる バネ なのです・・。
(わたしが 独立FP として 活動を始めて4年になりますが、)
このような仕事をしていると時に、 「不安の配達人」になっている自分に気付いたりします。
・(このままだと)国の年金制度は破たんしますよ・・。 ・給与体系が大きく変わっていきますよ・・。 ・日本という国もどうなるかわかりませんよ・・。
はあー(とため息・・)
(反省の意味も込めて申し上げますが)
不安 を煽るだけでは意味がありませんし、 (また)不安 に浸ってしまうのもよくありません。
◆「不安 とは、そこに存在して 当たり前のものだからです・・」
よく「たいへんな時代だ」と言われますが、 13世紀の庶民と比べると、
私たちの人生における【不確実性】は 何十分の一かになっているはずです。
それは、私たちの先達が、
【数字】という道具を使って 未来 を捉える努力をしてくれたおかげなのです。
(長い歴史の中で)
ヒトは【数字】を獲得することではじめて、 未来 = リスク = 【不確実性】と対峙できるようになりました。
(それはひとつの 発明 と言ってもいいくらい、 インパクトのあるものでした)
投資 を行う上で リスク とは 活力の源 であり、 (また)破滅の源 にもなり得ます。
(リスク をどう捉えるかは、 投資の成否を占う上でたいへん重要です・・)
弊所が主催する勉強会、
知的人生設計入門 【お金のなる木の見つけ方】では、
【リスクをコントロールする木】と題して、 詳しいお話をしてまいります。
(ひとつだけお教えすると・・)
・時間 をどのように捉えるかで、リスクの姿 は変わってくるのです。
2004年02月24日(火) |
中国のいちば について |
こんにちは、カン・チュンド です。
株式市場という「いちば」は
・会社にとっては 資金調達の場 であり、 ・運用者にとっては 投資の場 となります。
さて、わたしは先日来、
中国の企業群の「集合体」である、 市場(いちば)自体に投資をしましょう とお話していますが、
この、中国の市場(いちば)を 定義するのが少々厄介なのです・・。
大陸中国には 深セン 上海 という ふたつの市場があります。
中国政府は 外国人投資家のお金 も 取り込みたかったので、 「B株市場」というものを作りました。
これは、釣り堀の中に囲いをこしらえて 「外国人専用コーナー」を作ったようなものですから、 規模 がたいへん小さいのです。
(釣り堀のほんらいは A株市場 です)
B株市場 は時価総額が小さいので、 欧米の機関投資家には人気がありません。
今となっては、中国国内の運用者も B株のいちば に参加できますから、
A株 と B株 を分けておくこと自体、 あまり意味がなくなってきています。
(ところで)中国政府 はずいぶん前から 中国企業が「裏ワザ」を使って(海外から) 資金調達することを黙認してきました。
中国企業 による 香港市場(いちば)への上場 がそれです。
H株は(シンプルに)中国の企業が 香港に上場するパターンです。
レッドチップは中国の企業が 香港に子会社を設立して、 それを上場させるパターンです。
さて、今 中国の企業は 資金調達の 意欲 に溢れています。
(ぜひとも 資金 が欲しい・・。 今 投資 しなければいつするのだ??)
会社の 経営陣 はこう考えます。
香港という「いちば」に上場すれば、 不特定多数の投資家から 資金調達 ができる。 (しかも 海外からの資金 です)
一方、海外の運用者 にとっては (投資対象を物色する上で)
香港という「いちば」に 上場しているか否かが 「試金石」となります。
◆ 香港市場 は中国であって、中国でない、 湾の先に突き出た「前線基地」なのです。
(世界中の運用者にとっては) 中国企業 に投資する「入口」となります。
(実は)この香港市場に上場する 中国企業 を中心に捉えつつ、
(外国人が投資できる)上海B株、深センB株に 上場する企業も範疇に入れた
株価指数(インデックス)を開発しているのが MSCI(モルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル)です。
そのインデックスの名を MSCIチャイナ と云います。
このインデックスは 未だ 発展途上 です。
りんごで喩えると、 「中心の 蜜 の部分」と云えるでしょうか・・。
極めて的を絞った、 かつ 小柄な インデックス なのです。
組み入れ企業は現在43社 (2月23日現在 )
しかも、
CHINA MOBILE、PETROCHINA、 CHINA LIFE INSURANCE の三社で、 組み入れ割合のおよそ40.6%を占めています(2月23日現在 )
「特定企業の影響が大きすぎる」 と揶揄されるかもしれません。
しかし、当インデックスは いまだ 初期の姿 なのです。
中国の 株式市場 が大きく変貌するに伴って、 (インデックスの)銘柄入替え が 幾度となく行われるでしょう。
組み入れられる企業の数も 増加していくでしょう。
「いちば」はあたかも生き物のように 「衰える企業」を吐き出し、
「新たに芽吹く企業」を取り込み、 その姿を変えていきます。
それに伴って インデックス(指数)自体も 成長していくのです。
この MSCIチャイナ の値動きに連動することを目指して 2001年の11月に設定されたファンドが
iShares MSCI チャイナ・トラッカーファンド です。
ETF として香港市場に上場しています・・。
2004年02月19日(木) |
ポテンシャル(潜在力)について その2) |
こんにちは、カン・チュンド です。
昨日はサッカーの日本 対 オマーン戦 を見ながら、 焼き鳥屋さんで とろろごはん を食べていました。
焼き鳥屋さんの店員さん(注文を聞きにくる人)は ふたりとも 中国系 の方で、
(なぜだか)「あさりの茶碗蒸し」 という言葉が云いにくそうでした・・。
(そういえば)先週 は外出の機会が多かったのですが、 電車の中で二回、 「中国語の新聞」を読んでいる人を見かけました。
(もちろん日本の方ではなく、 中国系の方が中国語の新聞を読んでいる光景です・・)
世界でいちばん人口が多い国が 経済発展 を続ければ、
世界中に その国の人 = チャイニーズ が溢れます。
これは予測というほど大げさなものではなく、 自然の流れ(方向性)なのです。
例えば、中国の設備投資の計画が 「世界の生産能力の分布」を がらりと変えてしまう可能性があります。
過剰な投資 を行うことで (過剰な)生産能力を身につけてしまう。
それが 世界の製造業に影響を与える・・。
(日銀総裁は 中国経済のことを インフレイーター(インフレを喰う)と表現しています)
まさしく「中国がくしゃみをすれば・・」 という形容が 当てはまってきているのです。
中国経済は今、90年代前半以来の 景気拡大局面 にあります。
(いやいや)そんな生やさしい言い方では 十分ではないでしょう。
中国経済は、燃え盛る火に 油 が 注がれるかのように 過熱 しています。
・金利水準が下がっています ・地方政府は財政支出を拡大、 さまざまなプロジェクトを組んでいます (たいていがハードの建設計画です)
・(もちろん)外資の直接投資も盛んです ・人民元の相場を安定させるために 政府は「為替介入」を繰り返しています
↓ 大量の人民元が市場に流出 ↓ 通貨供給量が増加の一途
中央銀行 は過熱した 景気 を冷ますために 遠からず【利上げ】に踏み切るでしょう。
燃え盛る火に 砂 をかけるのですから、 (つまり、景気 にブレーキをかけるということですから) 悪い影響 が出ないわけがありません。
しかし、今や中国経済は 世界の需要や成長 にとって
欠かすことができない 「エネルギーの起点」となっており、 暴走 を放置することはできないのです。
(そしてここからが重要なのですが)
まだ若く、荒削りな 中国 においては、 今後も 好・不況の波 が (大きなうねりを持って)襲ってくることでしょう。
(株式市場 も 時に大きな くしゃみ をするでしょう)
やはり一党独裁だからダメなんだ、 失業問題が深刻になる云々、
中国悲観論、衰退論 という言葉が 幾度となく登場することになります。
だいたい若手の作家というものは、 「自分は天才だ。なんでも表現できるような気がする」 と思った一週間後には
「自分はダメだ。一行も書けない・・」 と悩んだりしているのです。
好・不調の波 が激しい ということは、 ポテンシャル(潜在力)に優れている ということ。
(また基本に戻りますが)
私たちは来年の家族旅行のために 投資 を行うのではありません。
果実の成長 を、気を長くして待ちましょう。
2004年02月17日(火) |
ポテンシャル(潜在力)について |
こんにちは、カン・チュンド です。
「実はわたし、文学 をかじっていたことがあります」 と云うと、驚かれるでしょうか?
小説 とは、 ヒトの営みの(ひとつの)発露 であり、 単純に 上手、下手 という言葉で形容することはできません。
先日の芥川賞では、 若い女性ふたりが受賞されていましたが、
「ほんとに そんなすごい小説なの?」と 首をかしげている人がいるかもしれませんね。
(そもそも)人を感動させる 物語 とは、 既存のルール上で語ることができるのでしょうか・・?
(芥川賞を受賞したおふたりに対しては) 「まだ若いからね・・」という(否定的な) コメントが聞こえてきそうですが、
それ自体おかしな話だと思います。
まだ若いからこそ、 既存のルールに縛られず、 自分の 型 を堂々と披露できるのだと思います。
荒削りだからこそ、 (周りとは違う)光 が放たれ、 作品自体の「魅力」が増すのではないでしょうか。
◆ 作家 にとって大切なことは ポテンシャル(潜在力)であり、 完成性 ではないのです。
さて、 (小説家 と 中国という国 を 同じ土俵で語ると叱られそうですが、)
まさしく今の中国 も 完成性 ではなく、
ポテンシャル(潜在力)に 優れているとわたしは思います。
・2003年末の携帯電話加入者数 約2億6900万台 ・2003年の中国の一人あたりGDP 1090ドル ・2003年の 自動車販売台数 439万台 ・2003年上半期の設備投資 は33.8%の増加
果たしてこれらはただの「数字の羅列」でしょうか?
「図体 がでかいだけじゃない・・」 と揶揄されるかもしれませんが、
スケール は(経済という世界の中では) 大きな影響力 を持ちます。
(また)これらひとつひとつの数字の中には、 人間の 欲 が隠されています。
それも【より快適な暮らしがしたい】という、 健全かつストレートな 欲求 です。
それは多少の 荒地 や くぼ地 も飲み込む大きな「津波」のようであり、
その「津波」は 波状 となって連続的に、 (しかも)加速度的にやってきます。
(私たちは今後、この「津波」が想像を絶して 成長することに 驚愕することになります・・)
例えば、四川省の 馬爾康 に住む 18歳の青年にとっては、都会に出ること、
(そして)都会に出て見入りのよい仕事を 見つけることは(まさしく)「健全な欲求」です。
そして(懸命に働いて)なんとか 田舎に仕送りをするようになります。
(両親に服をプレゼントしてあげたりします・・)
やがて都会で異性と知り合い、結婚し、 (手狭ではあるがこぎれいなアパートに引越し)
電気炊飯器を買い、テレビを買い、 洗濯機を買い、クーラーを買い、車を月賦で買い、
子どもができて4、5年も経てば、 ローンで家を買うようになるのです。
このような「健全な欲求」が、 10億個 存在するとイメージしてみてください・・。
(スケール とは、 経済という世界の中では 大きな影響力 を持つのです)
中国経済は「そこから風向きが変わってしまう」ような、 【エネルギーの起点】になりつつあります。
例えば、
中国の「大豆」輸入が増える → ブラジル、アルゼンチンの農家が潤う → 日本のトラックが売れる
という 構図 です。
中国で「大豆」の輸入が増えているのは、 食用 としてではなく、 飼料(エサ)としての需要が増えているからです。
(そうです、より多くの人が 「肉」を食べるようになったのですね・・)
実は1月のセミナー(お金のなる木の見つけ方)の中でも、 中国 が話題に上りました。
(これは 交流会 の席でのお話ですが)
ある男性の方は「とにかく排気ガスがすごい、 公衆衛生の概念 が日本とはまるで違う」 と云われていました。
また別の女性の方は(中国に行った後)
「喉がおかしくなって、しばらく喋れなかった」 とおっしゃっていました。
確かに ポテンシャル(潜在力)には優れていますが、 まだまだ荒削りな体を成しているのが 中国 です。
その 行動 は、ただ勢いに任せて文章を書きなぐる 「作家」のようでもあります・・。
続きは 次回 に。
こんにちは、カン・チュンド です。
先日は28歳の坂本さん(独身)を例に挙げて、 5年以上置いておける100万円のうち、
どれくらいの割合で 「リスク性の資産(株式、外国債券等)」を保有するのか・・? というお話をしました。
5万円のみなのか、 (それとも)90万円なのか によって
坂本さんが引き受けるリスクの大きさは 大きく異なります。
「どれくらいのリスクなら許せるのか (引き受けてもいいのか)」を その人の【リスク許容度】と云います。
もし、坂本さんの【リスク許容度】がとても小さいのなら、 5万円のみを「リスク性資産」に投資し、 あとは「元本確保型資産」で保有しておけばよいのです。
(これも立派な投資ですね・・)
大切なことはあなたの 【リスク許容度】を測ることであり、
むやみやたらにリターンを狙うのは 「無謀」と言わざるを得ません。
(わたしの経験上) ただ大きなリターンを求めている方は、
決まって「よいこと」しか 頭の中にインプットしていません。
(ホントです)
例えば、マーケットがくしゃみをしたり、 熱を出したりすると、 たちまち「パニック」に陥ったりします。
※ 夜眠れなくなったり、 胃が痛くなったり、仕事が手に付かなくなったり という症状を併発する恐れあり・・。
(先ほどお話した) 「どれくらいのリスクなら許せるのか」がわかってくると、
元本確保型 と リスク性資産の割合 を 決定することが可能になります。
< これがすべての始まり です >
そして、5年後、10年後の「世界地図」から、
・資産(アセット・クラス)の 配分 ・国・地域別の 配分
を決定していくのです。
ここまでくれば、 あなたにとっての最適な資産配分 (アセット・アロケーション)が見えてくるでしょう。
< だいじな基本 >
今現在の「世界地図」を見て 投資 をしてはいけません。
なぜなら 投資 とは、 未来の出来事 から【果実】をもらう作業だからです。
未来の出来事 を扱っているのですが、 投資という作業 は今、始めなければならない・・。
(これが投資の難しさであり、面白みでもあるのです・・)
さて、「未来の出来事」を占う上で大切なことは、 「地図は 繰り返し繰り返し 入れ替わってきた」 ということです。
これまでの 成長履歴 を元に、 投資をするのではなく、
これから先の「潜在成長力」を測って、 投資を行うことが 投資の王道 になりますね。
◆ わたしは今後の世界が、
アメリカ 欧州 東アジア の 「3極構造」になると考えます。
東アジア を具体的に言いますと、
中国、日本、朝鮮、台湾、ロシアの一部の 地域、華僑経済圏を含めた 東南アジア諸国、オーストラリア ニュージーランド の各地域 です。
そして、アメリカ 欧州 東アジアの3極のうち、 どこを「メイン」に置くかは、 あなたの 世界観、未来観 によって異なってくるでしょう。
考えてみますと、 古代文明(メソポタミア文明)の頃から、 経済の先進地域は 中東、ギリシャ、 ローマ、イギリス、アメリカ と 西へ西へと移動してきました・・。
そして今、太平洋を跨いで 東 east に回帰しようとしているのです。
カンさんは要するに 「中国に投資したら、」と云っているのですか?
はい、そうです(笑)
正確には【東アジア】が今後、 いちばんの成長拠点になる と云っています。
(こういうことをお話すると決まって・・)
東アジア に投資する、しない。 株式 という「道具」を用いる、用いない。
つまり、「リスクを取るか、取らないか」という 2元論 のイメージになりがちですが、
決してそんなことはありません。
あなたはそもそも(人生で) 走るか、走らないか の選択をしますか?
(皆、時には走りますし、 走り方にはいろいろあるものです・・笑)
投資においては 「果実 をどれくらい大胆に求めるのか・・」 の違いがあるのみ です。
例)
今年28歳の会社員 坂本さん(独身)には 今5年以上置いておけるお金 100万円 があります。
この100万円のうち、どれくらいの割合で 「リスク性の資産(株式、外国債券等)」を保有するのか・・?
5万円なのか、 (それとも)90万円なのか によって
坂本さんが引き受けるリスクの大きさ は 大きく異なります。
(しかし、果実を求める という点では同じ行為ですね)
< だいじな基本 >
私たちは「果実 をどれくらい求めるか、 リスクをどれだけ引き受けるか」 について、細かい調整 を行うことができます。
なぜなら、投資という「作業」は 設計(プラン)があって、実行(ドゥー)すること だからです。
10人いれば、 10通りの プラン があってしかるべきですね。
そして 設計(プラン)さえしっかりしていれば、 引き受けるリスク、期待するリターンの大きさを (ある程度)規定することができるのです。
設計(プラン)こそが重要度の90%を占めており、 実行(ドゥー)は その後の余韻 といってしまってもいいくらいです。
< だいじな基本 >
設計(プラン)に基づいて、 実行(ドゥー)することが大切なのです。
(シンプル・・)
設計(プラン)に基づけるかどうかは 人の心の問題 であり、 自制心 といいましょうか、 いや 規律 の問題 といってもいいですね。
チカチカと光る、瞬きひとつ許さない 電子情報 に 惑わされる必要はないですし、
感情を刺激すること細かい 個別銘柄の動き に 心を奪われる必要もないわけです。
(もちろん)チャート と呼ばれる 人間本位・理屈付け未来予想図 に 見入る必要もないのです。
投資においては、 自分の気持ちをどれだけコントロールできるか、
設計(プラン)で掲げた あなたの 意思 と 合理性 を、 あなた自身がどこまで信頼し得るのか・・。
それが 9割がた 大切なのです。
忍耐 といってしまえば(ありきたりですが) 我慢強さ を要求されるものなのですね。
したがって、「わたしには 投資 なんてとてもとても・・」 と思っている慎重派のあなたこそ、投資 に向いているのです。
(ホントです 笑)
こんにちは、カン・チュンド です。
私たちは「東アジア」に住んでいますから 日本 が地図の真ん中にあることに違和感を覚えません。
しかし、アメリカに住んでいる人から見ると 東アジアはどうも「極東」らしいのです。
( Far East と云います・・)
地図 というのは 「どこから見るかによって」その 形状 が異なるのですね。
例えば、オーストラリアの人は、 「どうして私の国はいつも 下側 に位置しているの! そもそも 南 が下側なんて、誰が決めたのかしら?」
と思っているかもしれません。
さて、アメリカ人が アメリカ以外の先進国群 に投資する場合 MSCI EAFE指数 という「物差し」を用います。
この EAFE、 E は ヨーロッパ、A は オーストラリア、 FE は Far East(すなわち)極東アジア を指します。
しかし、東アジアを 軸 に世界地図を作れば、 大西洋より 太平洋が 真ん中に来ますね。
(誰もがうすうす感じていることですが)
21世紀は 大西洋 から 太平洋 へ、 カネ・モノ・ヒトの流れ がシフトします。
(これは向こう10年間の、 飛行機の 離発着数 を見れば明らかになるでしょう・・)
◆ そうです、 (そもそも)地図 とは入れ替わるものなのです。
(例えば)中国の人民元は、 いまだ世界にデビューしていません。
為替も 固定相場 となっています。 (下記のような 動き があるにはありますが・・)
香港の銀行による人民元取り扱い認可へ
魅力ある商品・サービスは、 当局がいくら管理しようとも、
アンダーグランド、非公式の「いちば」を通じて 勝手に流通してしまいます。
(人民元 も例外ではありません・・)
このまま中国が発展を続ければ、 人民元 が今の場所に居続けることはできないでしょう。
「成長したら、それなりの身なりをして、 それなりの場所に座らないといけないよ・・」
世間の常識 がそう云います。
中国政府はまず、為替レートの変動幅 を 広げるという手段に出てくるでしょう。
そして、「通貨の価値」が高くなるということは よいことなのです(笑)
(人間でいうと)襟元を正すようになります。 物言いにも気をつけるようになります。
「通貨の価値」にふさわしい 国 にならなきゃ。 ということで 構造改革 が進むのです(ホントです)
(環境がヒトを育てるのと同じです・・)
わたしは アメリカ、EU、東アジアのお話をしていますが、
◆ グローバル化した世界 では お互いが多数を相手に ジャンケン をしているようなものです。
まず、
・いろいろな方向に気を配らなければなりません。 ・自分だけが勝ち続けるのは(もはや)不可能・・。 ・ジャンケン のルールには従う必要あり。
今 中国 は、世界のいろいろな国と 機会を設けて ジャンケン をしています。
ですから(どんなヒトから見ても) 中国 が ジャンケン をしている姿をよく見かけるのです。
(これを世間一般では)経済成長 と呼びます。
中国のプレゼンスは、 これから一層大きくなるでしょう。
ちょっと待って!
カンさんは前に 「予測とは当たらないから、予測 というのです」 って言っていたじゃない!
はい。確かにそう言いました(笑)
しかし、上記は 予測 ではありません。 物事の流れ です。
わたしが今お話しているのは、 「やがてここにも新しいビルができたり、
大きな道路ができたりしますよ」 という少しだけ未来のことなのです。
私たちは、新しいビルや、道路ができると、 もの珍しさも手伝ってしばし眺めたりしますよね。
(新鮮 ですから・・)
しかし、2、3ヶ月もすると そこにビルがあることや、新しい道路が 存在することをなんとも思わなくなります。
新たな地図が 日常 になってしまうからです。
そして、 「あのビルができる前、あそこには何があったっけ?」 と問うてみても、容易には思い出せなくなります。
ヒトは「変化」というものに 慣れやすい生き物 なのです。
(何十万年と「変化」に適応してきた DNAを受け継いでいるのですから・・)
しかし、こと 投資 となるとどうでしょう?
私たちの頭はとたんに硬くなってしまいます(笑)
今ある 地図、 目の前にある 風景 しか見ようとしないのですね。
これから先、地図 がどんなふうに 入れ替わるかをイメージしないのです。
(風景 として 頭 に 惹起しない・・)
(繰り返しになりますが) 予測 というほど大それたことではありません。
地図 が入れ替わることがわかっていて、 そこには「リターンの源泉」が存在するのです・・。
あなたなら 列の最初 に並びますか?
それとも 最後 に並びますか?
(わたしからの問い掛けです)
列の最後 に並べば、 不確実性 は下がりますが、 リターンも小さくなります。
列の最初 に並べば、 (待っている)時間も長く、
不安になったりもしますが、 リターンは大きくなります。
これが「投資をすること」の本質 です。
こんにちは、カン・チュンド です。
「今から20年後」のことをイメージしてみてください。 そう云われたら、あなたはどうしますか?
私たちは 未来 のことを想う時、 たいてい 現在 を起点に考えます。
20年後の世界は「今の先(延長線上)にある」と 無意識に思いがちなのです。
(断っておきますが)今から20年後のことなんて、 誰にもわかりません(笑)
仮に予測できたとしても、 そんなもの当てになりません。
(予測とは当たらないから、予測 というのです 笑)
私たちが考える以上に、 これから20年で実にいろいろな変化が起こるでしょう。
なぜなら、今までの20年でも (信じられないくらいの)変化 がありましたから・・。
(シンプル・・)
変化 の本質とは、 地図 が入れ替わってしまうことです。
地図 とは、私たちがさまざまな場所へ行く際に なくてはならないものですね。
「世界はこのように在るよね・・」という 前提 が 地図 には載っています。
その 地図 が入れ替わるとは、 「物事の前提」が崩れてしまう ということです。
(当然、いろいろなストレスが発生します・・)
実は、この「地図 が入れ替わってしまうこと」こそが 経済成長のダイナミズム なのです。
< 変化のないところに 成長 はありません >
そして 投資 とは、 このダイナミズムの「果実」を受け取ることなのです。
今日の世界では、カネ・モノ・ヒトが、 さまざまな国の上空を行きかっています。
もはや「日本の経済は・・」 「イタリアの人口は・・」 「アメリカの失業率は・・」
というように、ひとつの国を起点として 経済 を語ること自体、難しくなっています。
例えば、アメリカです。
アメリカは、 自分の国の通貨が世界中で通用するので 「為替の痛み」に鈍感ですね。
(当然)通貨の価値 についても鈍感です。
アメリカは(自国の都合で) せっせと「アメリカドル」を刷り続けているわけですが、
あまり意味のない、 価値のない「アメリカドル」が充満すると 「ドル」そのものの価値が下がってしまいます。
(かつてのイギリスのように?)
「アメリカドル」はほら、 金(ゴールド)とちゃんと交換できるよ、
価値の裏づけがあるんだよ、 という「金本位制」が停止となって33年が経ちました。
今後「ドル」の権威が揺らげば、 世界のあちこちで歪みが出てくるでしょう。
たとえば「ユーロ」に もう少しお金を分散しておこう、など・・。
< これも 地図の一部が入れ替わることなのです >
わたしはよく「三角形」の話 をします。
「アメリカドル」だけ、というのは、一点 です。 面 も 線 もありません。
しかし「ユーロ」があれば、二点 ですね。 選択の 線 ができます。
そして、 三点目 があればなおいいです。ね?
(線 が 面 になります・・)
それが「アジア」になります。
それも「東のアジア」なのです。
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