V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
喫茶店を探しながら、クルマで随分走った。全然見つからない…見つけても満車で入れない…。喫茶店大国の岐阜でこんなに見つからないのは珍しい。そして、30分くらいウロウロして、やっと見つけたお店にビックリ!ホットコーヒーを頼んだらセットでフルーツとゼリーとフレンチトーストがついて、なんと420円! おまけに店主が超紳士で…見つからないストレスはすっかり癒された。さすが岐阜の喫茶店。来る人を幸せにしてくれる。今度は昼を抜いていこう。心配りに感謝した。
携帯電話ショップを複数経営している社長から緊急の相談である。昨年、社員が複数、同時に辞めてしまう危機に見舞われた。抜けた人財を補おうと学校回り組したが、人を紹介してもらえない。仕方なく初任給を大幅アップしたところ、人財は確保できたという。しかし、その影響で既存社員との給与バランスが悪くなってしまう。それをどうしたらよいか、という相談である。その話を聴きながら、採用が難しくなっている事実を改めて確認した。そして、その状況を何とかしようと、総務な度社内の誰かに師事するのではなく、自ら現場周りをしている社長の姿を美しいと思った。
今月は中小企業女性の活躍推進セミナーでパネルディスカッションのコーディネーターを2度務めた。1回目のパネラーは100年企業の鉄鋼商社でありながらパートさんを全員正社員化した(株)カノークスと、女子力でヒット商品開発に成功した鳥越樹脂工業。2回目は1回目と同じカノークスと、85年から在宅勤務を取り入れた急成長中の広告代理店のアドプランナー。いずれも女子力の引き出し方が素晴らしい会社ばかり。女活=働き方改革。これができるかできないか…これからの企業を左右すると実感した。
仕事の帰りにサマンサタバサのエクレアのお菓子を買って帰った。以前から家族に頼まれていたからだが、そのデザインのかわいさに圧倒された。さらにポニョンの方は、パッケージに「Thank you」や「Yeahhh!」「DO❤KI」などのメッセージがプリントされた袋があって、それに入れて誰かにプレゼントできるようになっている。味だけでも、デザインだけでもなく、さらにプラスワンの付加価値を出すことマーケティング的な発想が見事だと思った。
「怒ってはいけない」と思いながら、流石に怒れてしまった。タクシーの運転手に早い段階で「一万円しかないけどいいか?」と尋ねたら「これは困る」という。「じゃあ、コンビニ寄って」とお願いしたら、「そういうのは乗車前に用意するものだ」と説教された。そこで「カチン!」と来た。実はこの運転手、お釣りの1,000円札は何枚も用意していた。それを使いたくなくて、私に「困る」と言ったのだ。何でも客が偉いとは思わないが、自分都合を優先して客に説教するなんて上から目線もいいところだ。こういう人がいるのはとても残念だ。
クライアントの社内で製販会議が開催された。会議の前、開発部長は試作品を前に「どうせ何も決まらないのだろう」と嘆いた。試作品を評価するのは販売部門。その販売部門に「これは〇〇というお客に売れます。〇〇円で〇〇個を買います」という、いわゆるバイヤー魂が弱いため、試作品は作ったものの是も非もわからず、前に進むか否かも定まらぬまま最初から諦めムードなのだ。社内会議の特有の甘えが出た形だ。こうした時間の使い方が、日本の生産性を弱くしているのも事実。会議をする以上、次に進むために何を決める会議なのか、それを明らかにしないと意味はない。
見えない環境だからこそ、その人の本性が出る。客先で「暗闇研修」なるものが開催された。指導者は一般社団法人日本ダイバーシティ推進協会の久保代表理事。受講者はアイマスクを付けて、指示に従った作業を5人一組のチームで行う。見えない中で積極的に声をです人、サポートする人、順番を確認する人、出来上がりを確かめる人など、誰が指示するわけでもないのに皆、自分の役割を見つけてそれを果たそうとする。私は見学者だったが、自分が受講者だったらどんな役回りを自分で選んだだろうか…試されてみたくなった。
朝ドラ『あまちゃん』のときからの大ファンである「のん」が声優を務める映画『この世界の片隅に』を観た。評判が良いので期待して行ったら、主人公すず役では「天才」とかそういう言葉で表現できないくらい、彼女の声に泣かせてもらった。『あまちゃん』の時もそうだったが、この人しかできない仕事をやる人だ。ますますファンになりました。もう消えたりせず、末永く大女優・声優として活躍して欲しいと思う。同時に組織が社員の個性を潰してはいけない。これは会社にも言えることだと思った。
福岡で、西鉄タクシーのTOYOTAの「ミライ」のタクシーに初乗車。ボディに「さざ波」のデザインが施されている。運転手さんもとてもいい人だった。運転手さんによると、福岡に来る外国人はこの車が水素自動車とは認識していないようだが、デザインと静かな走りにビューティフル!と言ってくれるという。伝わるクルマ、素晴らしい!伝える力のことを思うと、世界中にその良さを瞬時に伝えることができるモノづくりには敵わないと思う。
「結果に結びつく原因を作り続ける」。17日の発表会で好成績を収めた支店は、結果よりも行動量を中心に管理した店だった。結果を出すための原因となる行動量目標をつくり、その行動量目標に足りない場合、別の方法で行動量を増やすことをしていた。例えばアンケートによる相談依頼が予定の半分しか集まらなかったら、そこで諦めずに、少しでも見込みのありそうな人にテレアポをして相談を増やしていた。そうすることで成果を積み上げていったのである。このようなときに目先の結果欲しくてティッシュ配りとか全くやり方を変えてしまうマネージャがいる。それはいけない。粘り強く原因を作り続けることが大切である。
「Vプランがあったから皆の心がひとつになれた。Vプランを信じてずっとやってきて本当に良かった」。そう語ってくれたのは、昨日の発表会に参加した九州の熊本地区の支店長と係長だ。震災後一か月間、同支店は機能停止に追い込まれた。再開後、職員たちは何から手を付けていいかわからなかった。そんな職員たちに支店長は、震災の直前に皆でつくったVプランを示した(Vプランは私が指導している行動計画のこと。リーダーだけでなく皆でつくるために、それがチームワークにつながって成果が出るという特徴がある)。「私たちにはVプランがあるじゃないか。皆でつくったVプランをやりきろう!」と語りかけた。そして皆それに賛同し、以来、辛抱強く被災者の皆さんの相談に乗り続けた。そして、結果的に目標を大きくクリアした。このように感謝されると、本当にこの仕事をやっていて良かったと思う。ありがとうございます!
今日は九州全土に事業所を持つ会社の営業力強化研修の発表会。好成績を出した支店の支店長からこんな手紙をいただいた。「1年間にわたり営業力強化研修大変お世話になりました。多くのことを毎回教わり今後の糧にしていきたいと思っています。一年間で若手社員のやる気の引き出しと目標に対するこだわりの醸成は目を引くものがあり、支店長としてしっかり人財育成ができましたし、喜びを共に味わうことができました。ありがとございました。お客様の会の協力も仰ぐことができVプランは大成功でした」。支店長として、支店長職に自信と誇りを持っていただく。講師としてこんな嬉しいことはない。私も多くを教えていただきました。ありがとうございます。
季節柄計計画作りを指導している。計画策定のポイントは、「何をやるか」という計画作りの前に、「なぜ今、上手く行っていないか」という反省をキッチリすることだ。上手く行っていない理由がわからなければ、行動を始めたときに「また失敗したらどうしよう…」という疑念が頭をもたげてしまい、壁にぶつかったらすぐに逃げてしまう。「原因は分かった。これを変えればいいんだな。もう言い訳はしない」という覚悟ができて、はじめて人は前に進める。言い訳を止め集中力を高める現状確認に時間を割くことはとても大事なことなのだ。
「店が人を育てる、今の店の内容を濃くするだけでは人は育たない」とは、あるチェーン店の会長に聞いた人財育成法だ。店が人を育てるとは、店数を増やしていく、ということ。つまり出店準備から開店、運営までの一連のプロジェクトに携わることで人が育つという。一方「内容を濃くする」というのは店舗の改善のことを言う。「創業は易く守成は難し」というが、創業から学べることの方が多いのだろう。既存事業の改善より、新規事業を起こす。人財育成のためにも新規事業に挑戦し続ける経営をして欲しいと思う。
建設会社の営業部長から幹部育成研修の依頼。課題を聴いていると「一部の有能な社員が数字をつくる。彼らが目標の半分を稼いでくれるので、いつも目標を達成できる。一方で稼げていない社員もいる。これを平準化したい」とのことだった。そこで部長に「皆で目標達成」ではなく「皆が目標達成」が理想なのか?と聞いたらそうだという。ここに疑問を持って研修でなんとかしたいと思う人と、結果さえ出ていればいいやで片付けてしまう人。前者の人は少数派だが、今の時代には欠かせない人だと思う。聞いていて是非チカラになりたいと思った。
6年前、ある後継社長が強く不安を感じた事件があった。それは同社の一人の有能な社員が辞めていったときのセリフ。「私は先代(カリスマ社長)の部下であったが、(二世である」あなたの部下でない」。それを聞いてほかの社員もまた同じように自分のことを見ているのではないかと不安になった、という。しかし、以後6年間、辞める人財もほとんどいなかった。社長は社員を「部下」と呼ばすに「友」と呼ぶ。そのフレンドリーな感覚が、社員にやりがいを与えている。
名鉄電車に乗ったら、そこは「ガンバレ受験生」のメッセージだらけの桜咲くトレインという車輛だった。社内には予備校の応援メッセージが一杯かな?と思ったら、それは昔の話。今は一般人のメッセージと、協賛企業からのメッセージが多数掲載されといた。協賛企業も、名鉄のほか、ANA、サークルK、ファミリーマート、ポッカサッポロ、愛知トヨタ、東邦ガス、愛知銀行、三井住友海上、CBCラジオ、東海ラジオ、FM愛知、ZiP、名鉄百貨店、河合塾など多種多様。受験生のみならず、受験生の親に響くメッセージが多数。予備校のような受験生直需産業だけでなく、市民も企業もコラボして応援する姿に共感した。こういうのも「コトマーケティング」ですね。
新聞によるとエンゲル係数が20数年ぶりの高水準だという。貧困家庭の増加が原因か?と思ったらそうではなく、共稼ぎ夫婦が増えているから。働く女性の増加で冷凍食品、チルド食品、総菜などの需要が伸び、結果的に高額化しているのだという。確かにスーパーのレジで並びながら奥様方が何を買っているのかを見ていると、野菜を買うよりもチンすればいい冷凍食品を爆買いする人を多数見かける。働く女性の増加は消費スタイルも変えている。
某社の働き方改革コンサルティングのため、岐阜のナンバーワン紙問屋の(株)トコロ様にお客様30人と訪問。「同音同響」の理念と5Sと三定改善が徹底している姿を学ばせていただいた。通算6回目の訪問だが、改善を重ねている姿と、篤いおもてなしに、見学者一同大変感激。常務が「私は何もしていません。全部部下たちが準備しました」と語っていたが、机上のウエルカムグッズをはじめ、言われなくても自ら気づいて動く、その人間力が素晴らしい。特に今回は事前にお伝えしていた質問「部下面接の仕方」「感動入社式のやり方」などを解説いただきヒントが多数あった。見学の機会をいただいたトコロの皆様、ありがとうございます!心から感謝します!
昨日の日記を書きながら、このことはコンサルティング会社にも当てはまるのではないかと思った。単に商品メニューを揃えて「さあ、いらっしゃい」というのでは、お客さんはなかなか集まらない。コンサルティング業界でも、新たな業態を開発し、「店を増やして業態を有名にする努力」をしないといけないのでは、と思った。近年評判の「認定ビジネス」はその一つではないかと思う。
観光地の表参道を歩く。土産物屋や買い食い屋などが軒を連ねる。この中で、単に土産物を並べて売っているような店には食指は動かない。ところが抹茶シュークリームの大きいもと小さいものをたこ焼きのようにして提供している店や、アンコではないいろんな味のどら焼きを提供してくれる店、ソフトクリームにハチミツをかけて提供するハチミツ屋に、焼き味噌おにぎりを専門に出す店など、新しい業態には惹かれる。普通の店の顧客は、店に来て、モノを見て、その場からネットで注文されてしまう時代。やはり、業態開発こそが小売り店の生きる道なのだろう。
ある小売店の社長が、中期経営計画立案時に、商品部(仕入れ担当部門)の計画を見て2つのことを聞いた。第一はPB比率をどこまでにしたいのか、ということ。これは会社の粗利益率向上とリンクしている。第二は、自社で開発したPBを他社にも売れないか、ということ。それは例えば、ユニクロの商品をユニクロ以外の店でも売れということだ。小売りがメーカー機能を持ち、開発輸入できるということはそういうことだと感心した。
PBは一般的に安いが、単に安いものではない。そこには「間違いがないもの」という信用がないといけない。その信用を与えるのは「店」である。店のプランドへの信用が「安いけど安物ではない。値打ちなものだ」となる。ユニクロもしまむらも、他店と売っているものは同じだが、売り方を変えて独自の業態を開発し、そのブランドが浸透してる。「店名を浸透させる業態開発」こそがPB化を進める土台である。そのためにエリアNo.1となることは、PB化促進の上で重要なことなのだ。
ある小売りチェーン店の会長と話す。先ごろ息子に社長を譲ったが、その切っ掛けを聴いたところ「最近は、息子との衝突が増えた」とのことだった。現場の店を見て回ると、店の姿(コンセプト)が自分の想いとは違う。売れるものばかりを優先して雑貨のようで、「どんな店なのか」が伝わってこない。よって息子さんと衝突するのだが、結果的に自分が持論に拘ってはいけない。現場に顔出すのは止めよう、と思ったという。自分が築いて来た店だからこそ、「一葉落ちて天下の秋を知る」の心境だったのかもしれないと思った。
NHKの『72時間』という番組が好きでよく観ている。ある場所に来る人に、なぜ、どんな目的でここを尋ねて来るのかを72時間インタビューし続ける番組。十人十色というが、ガソリンスタンドを利用する人や氷屋を利用する人、オートレース場に来る人、動物園に像を見に来る人…まさに十人十色の生き様がそこに描かれている。静かで、淡々としていて、特段「これを伝えたい」という主張のない番組。却ってそこが今の時代に受け容れられている理由かな、と思う。自分の中の力みをとり、脱力したいときには最高の番組だ。
女性設計者の活躍でヒット商品開発に成功した鳥越樹脂工業の開発部長にインタビューした。同社はCADを用いて自動車産業の試作品を作る仕事をしていたが、2002年頃にCADが内製化されて仕事が激減。以来試作品でなくパーツを創って納めるようになったが、自動車ばかりの一本足打法では不安なので、OEMで美容器具などの製造を始めた。その後、同社の技術をギフトショウで公開したところ、雑貨問屋から製造の依頼があり、ヒット商品『あわわ』の誕生につながったという。技術を市場を変えて応用していく発想も素晴らしいし、具体的な商品ない技術をギフトショウでPRするのも面白い。是非、第二第三のヒット商品を開発して、多角化が必要な自動車部品業界のベンチマーク企業となって欲しい。
女性が活躍する会社のアドプランナーの副社長にインタビューした。同社は世の中が女活と言い出すずっと前から育休制度、在宅勤務、フレックスタイム、時短などを導入。例えば産休中の女性がメンターとして若い社員の営業をネットではもちろん、同行(現場へ直行直帰)でサポートしたりしている。女性社員の既婚率は57%でそれだけ両立ができている、ということ。人が辞める=赤字、辞めてもらっては困るという発想で女活に力を入れてきたというが、正直言ってこんなに女活が上手い会社が名古屋にあったのかと驚いた。
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