妄想誘発剤

2006年01月31日(火) きみの持つ力ではいあがれ






できないとうつむいて
あっさりと背をむけて
できることにばかり手を伸ばして

それはとても簡単で楽ちんなこと

できないことができるようになるまでのみちのりは
あんなにくるしいのに
そのうち立ち向かわずにはいられなくなる

涙だって流すくせに



2006年01月30日(月) いつだってできると思いこんでいた



なんだってこの手でなんとかしてやると
そう思っていた

何ものも
傷つけることはできないと
思っていた

思い込んでいた


そう信じていることは
しあわせなことだったの?



2006年01月29日(日) 小さな楽しみをたくさん重ねて




くだらないと笑ってね

それだけでまた

あたしはしあわせだから



2006年01月28日(土) さみしくても平気



さみしくても平気

今はあなたの言葉が

この胸にちゃんとあるから



2006年01月27日(金) すれ違ったあなたにもあなたなりの道が続く




笑顔が少しすてき
髪の毛の色も

けれど
あなたの人生とあたしの人生は交わらない

ここですれ違うだけの他人



2006年01月26日(木) どんな言葉を選び出そうか




さて
どんな言葉を選び出そうか

あなたを振り向かせるために



2006年01月25日(水) 満たされぬ月を仰いで




もっともっとと闇に手をのばして

かけらみたいな小さな光を求めている



2006年01月24日(火) あなたを欲したりしないのに




そんな意味じゃないわ

あたしが言ったのは
何かを壊したいわけじゃなく

まるで違うわ
誤解よ 誤解

あなたを欲したりしないのに



2006年01月23日(月) 些細な変化にもすぐに慣れていくから



新しい生活に
新しい食器
新しい空気に
新しいみちのり

どんな新しいことにも慣れてしまう頃

きっとこの痛みも甘くなる



2006年01月22日(日) もしもさよならを言われたら




もしもさよならを言われたら

あたしは黙って微笑むわ

もう言葉なんてなんの役にも立ちはしないのだから



2006年01月21日(土) 黙って見送る凍える寒さ





震えていたくちびる
吐いた息が白くふんわりと上空へのぼっていく

魂を削るような寒さの中で
あなたの背中をじっと見送る



2006年01月20日(金) 正直だからといって許されるはずもなく





正直ばかりがいいことじゃないのだと

大人はそんなことばかり言う

都合をこじつけるたびに
何を捨ててきたの



2006年01月19日(木) 何かを得ようとしているわけではないけれど





そんなことをしたから
かわりにどうしてほしいということがあるわけじゃない

見返りを求めているわけではなくて

ただ純粋に
そうしなければならないと思っただけのこと

黙っていてごめんね




2006年01月18日(水) あなたに伝えたくて胸がうずいていた




これだけはどうしても伝えなくちゃと思っていたの

もうなんでもないわたしたちだけど



2006年01月17日(火) ここには何も降り注がない



もうあなたがいないからね

あなたが去ってしまったからね



2006年01月16日(月) 手軽にポケットにねじこんで持ち歩く恋




ちょっぴり
くしゃっとなっても
のばせばすぐまたもとどおり

大丈夫になるから
またすぐ適当に扱う

それでも
毎日持ち歩いちゃうわけですよ



2006年01月14日(土) もう見えないのにもちゃんと理由がある





今ではもう見えなくなってしまったけれど
それを残念がってはいけない

きっと見えたままでは進めない
今のわたしたちには
もう手に負えないような
そんなしろものなのでしょう



2006年01月13日(金) たまには信じてみようか



ほんっとにびっくりするくらいウソくさい話だけど

たまには信じてみようか

騙されても けなされても

なんだか笑えるような気がするから



2006年01月12日(木) ラッキーカードを手放さないように




見逃さずにいられたら
いいのに

どんなささいなことも
自分への流れにできたらいいのに

それはむりな話だし
努力だけではどうにもならないけれど



2006年01月11日(水) あたしには守るべきものがある

よかった
あたしには守るべきものがある

よかった
あたしにはまだ居場所がある

よかった よかった よかった

何度も確認しないと安心できない



2006年01月10日(火) 不意に触れるから胸が苦しい





そんな不意打ち攻撃
何気ない装いで
とがった言葉を突き刺さないで

たったそれだけで
息もできない



2006年01月09日(月) そんなの本当はわかっていたよ

そんなの本当はわかっていたよ
だからわざとに言葉にしなかったんだ
しらんぷりして
空ばかりを見て
涙なんかこぼれないように
それはそれで一生懸命だったんだ

きみは知らなかっただろうけど



2006年01月07日(土) あなたの言葉さえ聴けたら



あなたの言葉さえ聴けたら

それでいい

それをおまもりみたいに胸にしまうから



2006年01月06日(金) もう前しか見ない




もう前しか見ない

振り返っているひまなんてないとわかったから



2006年01月05日(木) きみのところまで走っていくって決めたから





まにあわないかもしれないけど
まにあわなくてもいいんだ


たった今

きみのところまで走っていくって決めたのは

ぼくだから



2006年01月04日(水) こんなに淡々とあなたを思いだせる





さよならから
時間がたって

むりやり毎日をこなしていたはずが

いつしかそれが当たり前になって

胸がチクリともしなくなって

決して冷たいわけじゃないのに



2006年01月03日(火) 少なからずおさめてきた想い




仕方のない部分は確かにあったから

多少はみ出ていたかもしれない

それでもできるだけセーブして

おさえてきたのよ


だけど
何のためだったかと問われれば
言葉が見つからない



2006年01月02日(月) ダイスキがもう届かない





もっとちゃんとはっきりと

伝えるチャンスはいくらでもあったのに


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茜 幸美 [HOMEPAGE]

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