妄想誘発剤

2001年08月31日(金) 特別な事をしようというつもりは毛頭ない ただ思い浮かんでしまっただけのこと

詩人
だってさ
詩を綴れば
誰もが詩人
特別な何かがあるわけではなく
文字を綴ってさえしまえば
誰もが詩人
なんだい
これは特別なことじゃないんだ
誰かの上に立とうとか
すべての気を惹こうとか
そんなことを考えてるわけじゃない
ただ
ただ
思い浮かんだだけだよ
ねぇ みんな



2001年08月30日(木) 静寂というには心地好く 寂しいというにはあどけない

まだ知らないことを
あなただけが知っているの?
わたしが知らないことを
あなただけが持っている
なぞなぞの答えをあなただけが知ってるみたいに
私は
あなたのてのひらのうえ
心地よく
あどけない



2001年08月29日(水) 月が水面に映ります 風がさざなみたてました 私はゆうるり歩きます

ちいさな私と
ちいさなあなた
あの水面にも届かない
あの風にも届かない
あの月になんて届くわけがない
小さな私と
ちいさなあなた
ふたりが持っているのは
誰もにも触れられない
大きな気持ち



2001年08月27日(月) 意に沿わぬ 後悔のアラシ 青に似て

純粋なものほど
幼いと
勝手に思いこんでいるだけなのでしょうか
青い純粋を
どうしてこうも
うとましく思うのでしょうか
幼い自分を否定したくて



2001年08月26日(日) ためらわない足取り 曲げられない視線

ためらわない足取り
しっかりと
いつもしっかりとその一歩一歩に
力を込めて歩けたら
私、きっともっと大切にできると思う

曲げられない視線
視線をそちらに向けていたのに
見ていなかったことがある
時計をじっと見つめた後で
何時だったのかわからない時がある
でも逆に
あまりにもはっとして
視線をそらすことができなくなることもある
胸に刻めるだけ刻むように
そこを凝視する



2001年08月22日(水) もの憂いに 若葉しだれる うたせ雨

気分が下向き加減なの
激しい雨が
私をたたいて
あの葉っぱみたいに
うなだれている



2001年08月21日(火) 晩夏の頃 季節うつろう ぬるい風

まだ風はぬるい
まだ風はおもたい
けれど
着実に時間は流れて
秋へと注がれている



2001年08月18日(土) ひまわり 陽射し 宵浴衣 いのち短し 恋せよラララ

だって
だって
オンナノコだから
恋って
どんなものか
知ってみたい



2001年08月17日(金) 日に焼けた 腕は今年の 夏軌跡

夏の足跡は
その腕に
カタチとなって

過ごした時間の長さよりも
密度



2001年08月16日(木) 頬ゆるみ しずむ意識は 枕中

幸せな夢に抱かれて眠りましょうよ
私にはまた目覚める朝があるから
私たちにはまだ
時間があるから



2001年08月13日(月) 目覚めた夏の足音を 遠く響かす蝉時雨

そこここに
もう知らないうちに
忍び寄ってきていたのね
想いを込めた
夏の封印



2001年08月09日(木) 流れ星みたいとあなたが言った きらきらしていたのは何?

何をそんなふうに例えたの?
夜の一瞬の流れ星を見たこともないくせに
ひゅうっと消えていったそれを
見ていた瞳がせつないくらいにきらきらしていた
流れ星みたいだったのは
なあに?




今すごい偶然が 目の前を通りすぎた!!
こんなこともあるんだねっっ!!



2001年08月08日(水) ひとりぼっちであなたを想う ここが二人の場所

窓にもたれて
どこを見るともなく
眺めていたのは

ここにひとりぼっちでいるのに
あなたのような空気があって

眺めていたのは
きっとあなただ



2001年08月06日(月) サルバンコ 映えて哀しい 紅の色

哀しい気持ちに身を置くことが
苦しいけれど
脱け出したくない
この甘い誘惑はどこからくるの


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茜 幸美 [HOMEPAGE]

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