みのるの「野球日記」
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2002年04月29日(月) 桐光学園3年連続第1シード

 春季神奈川県大会準々決勝が4月27、28日に保土ヶ谷球場で行われ、夏の県大会の第1シード4校が決まった。
 前評判の高かった「3強」、すなわち横浜、東海大相模、桐蔭学園のうち、ベスト4に残ったのは東海大相模だけ。横浜は3回戦で横浜商業に、桐蔭学園は28日の準々決勝で日大藤沢に敗れた。勝ち残った東海大相模にしても、3回戦から接戦の連続だった(3回戦 6−4 桜丘。 4回戦 3−2 向上。 準々決勝1−0 藤嶺藤沢)。
 
 第1シードを獲得したのは上記の東海大相模に、日大藤沢、横浜商業、そして連覇を狙う桐光学園。日大藤沢と横浜商業は、かなり久しぶりの第1シード獲得(私の記憶では)。それに対し、桐光学園は3年連続の第1シード獲得となった。
 この春の結果は、「桐光はクジ運に恵まれた」と一部ファンから揶揄されているが、仮にクジ運に恵まれたとしても、神奈川での3年連続ベスト4入りは立派なことだ。

 桐光学園が2000年春に初めて神奈川を制してからの大会結果を見てみると、
      春   夏   秋
  00年 優勝 準優勝 優勝
  01年 優勝 準優勝 ベスト4

 抜群の安定感を誇っていることが分かる。あの横浜にしても、春の大会は今年を含め、ここ2年はベスト8止まり。「春は甲子園に関係ない」と言われればそれまでだが、それは横浜や東海大相模など、実績と伝統のある高校が考えること。チームを率いる野呂監督も、「一戦一戦が桐光の伝統を作る戦い」という。
 だからこそ、クジ運に恵まれたとはいえ、春の大会三年連続のベスト4入りは価値がある。新チームは、秋のブロック予選で法政二に敗退。本大会の準決勝では桐蔭学園に完敗を喫し、「今年の桐光は弱い」というレッテルを貼られた。プロも注目した石井(現東海大)や藤崎(現中央大)が卒業し、旧チームから新チームのレギュラーとして残ったのは照沼と佐藤のふたりだけ。小粒感は否めなかった。
 そんなチームが一冬越え、春にはベスト4入り。秋とは違う桐光学園を見せている。

 準決勝は3日、優勝候補の東海大相模と対戦する。勝てば3年連続の決勝進出。またひとつ、桐光学園野球部の伝統が作られる。



2002年04月13日(土) 先を見据えて(東京大vs慶応大)

 六大学野球が開幕した。
 開幕カードは東大対慶大。東大は先発に4年生エースの浅岡ではなく、2年生の松家を持ってきた。思い切ったことをやるなと、私は思った。いくら期待されている松家と言えども、開幕は経験のある最上級生をマウンドに送り出すと思っていたからだ。

 松家は高校時代、プロのスカウト陣に注目されたほどの逸材。昨年は受験勉強による調整遅れのため、公式戦での登板はなし。しかし、秋の新人戦では法大戦に先発し、好投。期待に違わぬ投球を見せた。今年は開幕前に行われた六大学・社会人対抗戦で最速142kmのストレートを見せるなど、順調な調整を続けてきた。
 毎年のごとく劣勢を強いられるリーグ戦だが、今年は違う。松家の力で、旋風が巻き起こるのではないか。そんな期待を抱かせてくれるシーズン前だった。

 開幕戦。もうひとつ驚いたのは、松家の恋女房に同じ2年生の松尾を指名したことだ。東大は現在、正捕手の河原がケガでプレーできず、オープン戦では4年生で主将の長嶋と、松尾が代役を務めていた。監督は開幕戦に松尾を選んだ。松家と松尾、2年生同士の若いバッテリーである。

 試合は松家が味方守備陣に足を引っ張られる場面が目立った。松家自身も決して調子が良いわけではない。ストレートは135kmを超えるあたり。変化球もすっぽぬけが多かった。でも、そこは松家。要所を締め、大量失点は与えなかった。
 7回を投げ、被安打4、三振5、四死球6。失点は5だが、自責は1。被安打4もクリーンヒットは1本もなく、詰まった当たりが目立った。しかし、結果は結果。5点を失った。エラーが重なり、バッテリーミスは幾度となく起こり、松家がマウンド上で煮え切れない表情を浮かべるシーンばかりが目についた。松家と、周りの8人がバラバラになっているようにも見えた。
 0−8。東大は開幕戦を落とした。 

「今後のためにも、若いバッテリーで臨みました・・・。結果は結果でしょうがないです」
 ベンチで、時にはブルペンで試合を見守り続けた長嶋主将は、試合後サバサバした表情だった。でもその中には、2年生バッテリーに懸ける強い思いも伝わってきた。
 先発マスクをかぶった松尾は、「首脳陣の期待は感じている。残りの試合でそれに応えられるようにしたい」。

 今日の試合、はっきり言って、東大と他校のレベルの差があまりにも開き過ぎていることを認めざるを得ない試合内容だった。「正直、1勝するのは難しい」と東大のある部員は険しい表情で話した。
 
 松家という、東大野球部史でも稀にみる逸材を擁す今年の東大。でも、彼ひとりでできることは限られている。まずはキャッチャーを育てる。主将の長嶋ではなく、あえて2年生の松尾を起用し、そしてあえて松家に開幕戦を任せた。まだリーグ戦は始まったばかり。松家が東大の中で、「浮かない存在」になったとき、他校にとって東大は脅威になるはずである。




2002年04月06日(土) 都立対決(都立日野vs都立保谷)

 江戸川球場で行われた東京都春季大会3回戦を見に行った。都立日野対都立保谷。この試合に勝てばベスト16進出。夏のシード権獲得となる。

 都立日野は昨秋の都大会で強豪岩倉を破るなど旋風を巻き起こし、ベスト8に進出。21世紀枠の東京都代表に選出された。都立勢としては都立国立以来2校目となる甲子園出場を狙っている。
 対する都立保谷は都立城東を甲子園に導いた有馬監督が昨年の春、監督に就任。以来、着実に力をつけてきた。大会前に行われた北信越の強豪・新潟明訓との練習試合では、MAX140kmを超えるエースにひるむことなく立ち向かい、快音を響かせていた。この春の大会では初戦、2回戦と二桁得点で打ち勝ち、今日の3回戦に進んだ。

 試合は2回表に2点を先制した日野が、主導権を握った。2回裏にすぐに同点に追いつかれるものの、3回、5回と得点を加え、常に試合をリード。昨秋ベスト8に進出した実力を見せた。
 保谷は背番号10の右腕小林が得意のスライダーを駆使し、日野打線を何とか6点に抑えるが、自慢の打線が沈黙。ベスト8の原動力である、日野のエース青松のスライダーに翻弄された。
 総合力と経験で勝る日野が、6−3で保谷を下しベスト16進出。第3シード以上を確定させた。

 じつはこの両校、監督同士の交流が深い。年に何度も練習試合を組み、チームのレベルアップを図っている。以前は有馬監督が東東京の都立城東にいたため、夏の大会で当たることはなかったが、昨年からはともに西東京。夏に戦う可能性も出てきた。
 
 今、西東京は日大三が群を抜いて強い。だが、第2グループは混戦模様。都立勢にも甲子園に近づくチャンスはある。都立日野、都立保谷、そして伝統の強さがある都立国立。3ヵ月後の夏の予選で、西東京にも都立旋風が吹き荒れることを期待したい。



2002年04月05日(金) 甲子園とお金

 高野連のホームページを隅から隅まで読むと、興味を惹かれる内容が多く載っている。甲子園大会に出場する選手の旅費や滞在費についても詳しく記されている。(以下抜粋)

出場選手の旅費、滞在費
 1校18名(選手16名、責任教師1名、監督1名)を限度とし、参加実人員には次の通り旅費と滞在費補助金を支給する。
 A、旅費はその代表校の所在地より大阪までの往復普通運賃(特急、急行、新幹線料金を含む)汽船は普通二等の乗船賃を支給する。北海道、沖縄県からの代表校には航空費を支給。
 B、滞在費は3月23日より、出場校の最終試合出場日までの日数に対し1日1名7,500円を支給する。また、同日数分の滞在雑費(練習場交通費、通信費など1日1校20,000円)を支給する。

 これを今大会に当てはめて計算してみる(旅費は各地区によってバラツキがあるので省く)。滞在費は1日1名7500円を18名で計算すると、1校1日で13万5千円。大会を通じて計算すると、3766万5千円になる。雑費の1校1日2万円も大会を通すと558万円になる。滞在費、雑費を合わせると、4324万5千円。それだけのお金が高野連から各校に支給されている。
 
 仮に旅費を往復平均で1人3万円(1校54万円)で計算すると、32代表校で1728万かかる。上記の滞在費、雑費を合計すると6052万5千円になる。32校が参加するセンバツで6000万を超えるとなれば、49代表校の夏の選手権では1億近いお金が高野連から支給されていることになる。

 現在全国大会でベンチ入りできる選手は16名と決められている。これまでのベンチ入り選手の変遷を見てみると、(15年11名)⇒(28年14名)⇒(78年15名)⇒(94年16名)となっている。
 15名からひとり増やすまでに、じつに16年もかかった。14名から15名までは何と50年だ。こう考えると、16名から17名になるのは2010年以降だろうか。

 ベンチ入り選手を増やすことについて、高野連の方が「これ以上は財政的にも難しい」と答えていた記憶がある。
 では実際、ひとり増やすとどれだけのお金がかかるのか。もし今大会、17名のベンチ入りだとすると、
(旅費54万円)+(滞在費209万2500円)=263万2500円
 ベンチ入りをひとり増やすと、これだけのお金が必要となる。
 
 でも、甲子園の入場料を各席100円ずつ上げたり、外野席を100円にしたりすることで、容易に解決できるのではないか。今までタダで入れた外野席が100円になっても、それによってベンチ入り選手が増えることを知れば、ファンも怒ったりすることはないと思う。

 47ある地方大会のベンチ入り選手枠を調べてみると、20人枠が27、18人枠が20ある。予選を勝ち抜いたメンバーを最大で4人削らなければならない。
 聞くところによれば、甲子園出場が決まったその日の夜には、「16人のメンバーを早く決めてくれ」と大会ガイドを発行する主催新聞社から催促が来るそうだ。このメンバー選考に携わったことがある監督は、「ひとりやふたりなら、何とか自費やOB会費を使ってでも甲子園に連れて行きたい」と話す。それだけ、一緒に戦った選手を切るのは心が痛む行為なのだ。

 今大会、仮にベンチ入りが17名だとすると、約6315万7500円ものお金が高野連から各校に支給される。高校生の野球大会で、6000万以上のお金が動いている。
 ちなみに雨で順延となると、それだけ高野連の負担がかさむ。多少の雨では中止にならない事情がわかる。参加している高校としても、応援団の滞在費などで約500万は余計にかかったりする(決勝に行くような学校は大会を通じて8000万ぐらいかかると言われている)。
 
 と、センバツが閉幕した途端、お金の話を持ち出すと怒られそうだが、実際にこれだけのお金が動いてると知ると、ちょっと複雑な気持ちになる。高校生の全国大会に6000万円以上のお金が動く。やっぱり異常なことだろうか・・・。

 ※滞在費の計算等は私独自のものです。正確ではないので、あしからず。



2002年04月01日(月) 生で野球を見る楽しみ

 3月29日から31日まで甲子園に行って来ました。昨年の同じ頃、センバツを見に行って以来、1年ぶりの甲子園。大嫌いなタバコの煙が立ちこめ、個性に富んだ(?)売り子がたくさんいました。甲子園は1年前と何も変わっていませんでした。

 3日間で都合6試合を観戦しましたが、一番印象に残った試合は福岡工大城東対宇都宮工です。あのスパイ事件があったからではありません。一塁側内野席で見ていた私には全く分かりませんでしたし、夜のスポーツニュースを見て、初めて知ったほどです。

 この試合、延長11回裏福岡工大城東の攻撃でこんなシーンがありました。場面は2アウト二塁。城東のサヨナラのチャンス。
 宇都宮工の守備陣に目をやると、外野手は定位置のままでした。ここは1点入れば試合終了。ホームで刺せる位置まで外野を前進させるのがセオリーのはず。
 打者に初球を投じ、1ボール。ここで宇都宮工ベンチが外野の守備位置に気づきました。監督が立ち上がり、センターとライトに「前進しろ」と指示を出しました。でも、その声は外野まで届かず。今度は控えの選手全員が立ち上がり、声とゼスチャーで「前だ!前!」と懸命に指示。ですが、センターが少し前に動くだけで、ライトはずっと定位置のままでした。

 スタンドから見ていた私は「どうすんの? どうすんの! ライトを前にやらないと!」とイライラ。いや〜な予感がしました。
 ふと気づくと、宇都宮工の八城投手がすでにセットポジションに入り、投球を開始。外角に投じたボールをうまく追っ付けられ、打球はライト前へ転がっていきました……。
 ライトはキャッチャーへ好返球。けれども、キャッチャーがこれを落球し、福岡工大城東のサヨナラ勝ちとなりました。捕っていれば、おそらくアウトにできたのではないでしょうか。非常に微妙なタイミングでした。

 もしベンチの指示がしっかりと届き、ライトが1mでも1歩でも前に出ていたら、結果は変わっていたかもしれません。甲子園は大歓声とその広さのため、指示の声が届きにくいと、良く耳にします。練習試合や地方球場なら、ライトへの指示は的確に届いたと思います。

 
 以前、野球小僧の掲示板で「生で野球を見る楽しみは何か」という議論されていました。私はテレビでは見ることができないシーン、もしかしたら自分しか見ていなかったプレーを目にするチャンスがある。それが楽しみで球場に足を運ぶのだと思います。
 
 


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