中井貴一を敵役に回すのはそろそろやめにしてくれないかなあといい加減思いたくなってしまう相変わらずの役どころ。ですが、この方はさすが殺陣がうまい!背筋のピンとした伸び具合といい、太刀筋といい、足捌きといい、年の功ですかあれは。交わす妻夫木も頑張っているんだけど、彼はまだまだ。まあ、余りこういう役回ってこないものね彼の場合は。 珍しいですよね、妻夫木にアクションさせるってところ。かなりワイヤー使っていましたねあれ。アクション担当に中国人スタッフがいましたし、まさにワイヤーアクション。吊られて回って飛んでます。アクション頑張ってるなあとしみじみ思いました。練習したんだろうね、刀の振り回し方とか。
それでまあ、ええ、いろいろと失笑苦笑爆笑な感じの映画でしたけれど。
笑いどころ ・カラス天狗みたいな妖怪との戦闘シーン。キンキンキンキン金属音は激しいのに、腕の動きが合ってなくて、聞こえてくるはずのない音が聞こえるとか。 ・夕陽をバックに、振り向き様の妻夫木がにやりと笑みを浮かべるとか。 ・瑛太が登場した瞬間とか!(あまりの衣装の似合わなさに呆れた)髪型が微妙だったんだよね、多分それがいちばんの原因だったと思うんだけど。長髪は似合わないってのははっきりしたよ。短いままがいいよ!
急所を蹴られて辛そうな百鬼丸でしたが、あれはどろろと出会う前に取り戻していた場所なのか。それとも、どろろと旅をしている間に取り戻したものなのか、そんなくだらない上にシモなところが妙に気になったりして。
ニュージーランドの広々とした草原?の向こうにぽっかりと浮かび上がる城。CG具合が素敵で、うわー違和感。ていうか、これってアニメじゃダメだったんだろうか(それは言っちゃいけない)だって、躰の部品作って電気流して繋げちゃってるんだよ。そういえばあの子役は結構うまかったんじゃないだろうか。
百鬼丸を拾った医者も謎だよなあ。エレキテルの一言に時代を感じたけど。
いちばんの謎は琵琶法師。最初から最後までずっと通して出てくるのに正体不明。和尚のことも医者のことも知ってて、妖刀百鬼丸を持ち込んで、実はおまえが裏で糸を引いてたんじゃないのっていうくらい準備万端なんだもの。
話としてはねえ。 親子愛に方向を転換しようとするから無理が出る。心理描写は一切ないから、登場人物がどうしてそういう行動を取るに至ったのか、さっぱりわからない。 諸悪の根源おとっつぁん醍醐も最終的には息子を助けようとするしでいろいろ中途半端。原作は一体どんななのか、そこが気になる。どの辺まで端折られているのかってところがね。 にしても、随分と矛盾した母上サマだったなあ。醍醐さんも息子は可愛かったみたいだし。だったら化け物に息子を売らなきゃよかったんじゃないのかとか思ったり思わなかったり。結局、醍醐も妖怪に惑わされていただけってところにもっていきたかったのか。いや、やっぱり子供は愛しかったってところがオチか。
取り合えず、躰のいろんなところ奪われてしまって、桶に入れて川に流された赤ん坊百鬼丸の様相はまるでヒルコだよなあ。
サントラが結構好きだった。 百鬼丸の自覚が早かったのには驚いた。まだ女には戻らないって強がってるどろろを早々に手篭めにしてしまいそうな予感がした。
結論。 唐突に人間臭くなったものだ百鬼丸。
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