加藤のメモ的日記
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2023年08月29日(火) 50年以上続く海洋放出

東京電力福島第一原発事故で発生した汚染水の海洋放出を、24日にも開始すると決定した岸田政権。「汚染水の海洋放出は30年続くのか。とても受け入れられない」(福島県の漁業者)と怒りの声が上がっている。漁業関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない、という政府の国民、福島県民への約束を踏みにじる暴挙である。

放出回避の手立てはある。政府は真剣な検討をせよ

福島県漁連をはじめ、沿岸各県漁連などが、こぞって海洋放出に反対している。8月21日に岸田首相と面会した全漁連の坂本会長は改めて反対を表明した。首相は20日に福島県を訪問したのに、地元もの漁業関係者や自治体首長らと面会もしなかった。

志位委員長は「聞く耳を持たず、約束も守らない岸田首相の政治姿勢は民主主義の根幹を揺るがすものである」と厳しく批判した。汚染水の増加を止める広域遮水壁の設置、「大型タンク貯留」「モリタル固化」など海洋放出を回避する手立ての真剣な検討を求めた。

50年以上続く海洋放出

東京電力の計画では、汚染水の海洋放出の終了は「約30年後」しかし、海洋放出の前提となているげんぱつのはいろけいかくは、溶け落ちた核燃料の取り出しに何年かかるかもわからず、水戸市が全く立っていない状況である。

福島県「廃炉に関する安全」の監視協議会の専門委員会を務める柴咲・福島大学教授は、「凍土壁」の効果が上がらず、原子炉建屋への地下水の流入が続き、汚染水が増え続けている現状から、海洋放出は今後、少なくとも5年以上続くと指摘している。

半世紀以上の長期にわたって、放射性物質を含む汚染水を海に流し続けることに道理はない。政府は「海洋放出は国際駅な安全基準に合致する」とした国際原子力機関(IAEA)の包括報告書で安全性が証明されたかのように説明している。

しかし、報告書の序文でIAEAのグロッシ事務局長は「汚染水の放出は日本政府の決定であり、この報告書はその政策を推奨したり指示したりするものではない」と強調している。

IAEAは”安全の根拠”にならない

市民や有識者らでつくる原子力原子力市民委員会は、IAEAの報告書は「海洋放出の『科学的根拠』とはならない」と指摘し、次のように詳しく批判している。

●「IAEAは原子力利用を促進する機関で中立的とはいえない。報告書は政府の決定を前提にして追認したに過ぎない」

●「世界の原発がトリチウムを含む水を放出しているというが、事故炉から生じた汚染水が意図的に海に流されことは一度もない」
「タンクに貯めた水の7割近くにトリチウム以外の放射性物質が排出濃度基準を超えて残っている。政府・東京電力はアルプスの二次処理によって基準以下にして放出するとしているが、報告書はアルプスの二次処理性能を評価していない。

●報告書は大型タンクの保管やモルタル固化などほかの選択肢を検討していない。これはIAEA自身の安全基準に反する。

●関係者の理解なしに放出しないとの約束を無視した不誠実で不透明なプロセスを完全に見逃している


『新聞 赤旗』8.27


2023年08月26日(土) 福岡市長からのメッセージ

ニセ電話詐欺、一人で悩まず相談を

福岡市内でニセ電話詐欺が増加しています。その手口も巧妙化し、SNSなどを通じて、未成年者を巻き込み、犯罪に加担させるケースも後を絶ちません。福岡市は、ニセ電話詐欺詐欺や悪徳商法などに関する出前講座の実施や、福岡市LINE公式アカウントを活用した防犯情報の配信など、犯罪や消費者トラブルの防止に取り組んでいます。

被害に遭う危険性は誰にでもあります。困ったときは一人で悩まず、家族や周囲の人などに話してみてください。消費生活センターや警察でも相談に応じています。

『市政だより』9.1


2023年08月24日(木) 「デルタ株」襲来 オリンピックはどうなる

新型コロナコロナウィルスの感染拡大が続ているにもかかわらず、政府な6月20日に緊急事態宣言を解除し、東京オリンピック開催に向けて着々と準備を進めている。6月頭には新型コロナウィルス感染症対策分科会の尾身茂会長の「今の状況で普通は開催しない」という発言もあったが、まるでお構いなしだ。中止という選択肢は完全に断たれた。一方で、「欧米の感染状況と比較すると、日本の被害は10分の1なので、東京オリンピックが開催できないはずはない」という意見もある。

一方で、「欧米の感染状況と比較すると、日本の被害は10分の1なので、東京オリンピックが開催できないはずはない」という意見もある。実際、人口100万人当たりの累計死者数(2021年6月9日時点)は、イタリアが2109人、フランスが1704人、イギリスが1891人、アメリカが1826人であるのに対し、日本は116人だ。一桁少ない。しかしながら、状況は刻一刻と変化している。とりわけ従来型よりも格段に感染力が高い変異株が猛威を振るっている現状においては、より注意が必要だ。

昨年一年間の日本の累計死者数は、約3500人だったがアルファ株(イギリス型の変異株)が猛威を振るい始めた今年1月以降、約半年で累計死者数は約15000人にまで急増しているからだ。すなわち、イギリス型の変異株によって半年で1万人もの人が死亡しているのだ。そして、いま世界中で心配されているのが、デルタ株(インド型の変異株)だ。デルタ株はアルファ株よりもさらに感染力が高いといわれている。

ウィルスの感染力を示す指標に「実行再生産数」(R1)と呼ばれるものがある。すでに感染が広がっている状況において、一人の感染者が次に平均で何人に感染させるかを示す数字だ。従来型コロナウィルスのR1は1.26から1.84お間だ。この約1.32倍程度と推測される。ところがイギリスのデータによれば、デルタ株のR1は5以上と、従来型の約2.8倍にもなるという。日本政府は1日100万回の目標を掲げ、ワクチン接種を急ピッチで進めているが、必要回数のワクチン接種が人口の約48%で完了しイギリスでは、デルタ株の猛威によって感染者数が急増している。

「東京都健康安全研究センター」が6月上旬に行ったスクリーニング検査によると、都内の陽性者数の約3割からデルタ株が検出されており、日本でもデルタ株の感染拡大は現実のものとなっている。いつイギリスのような感染急増が起きてもおかしくないのだ。こんな状況下でオリンピックを開催するならば、腹をくくって緊急事態宣言を7月上旬から中旬まで延長すべきだったのではないか。

前回の緊急事態宣言は3月21日に解除されたが、アルファ株が急速に拡大し、約1か月後の4月25日に再び緊急事態宣言を発出する羽目に陥っている。宣言を出しては引っ込めのいたちごっこを繰り返している間にも、変異株の猛威は刻一刻と広がる。

オリンピック開催強行、そして場当たり的なコロン対策。この間の政府の対応を国民はどう評価するのか。ジャッジの場である解散総選挙は、スポーツの祭典終了後間もなくやってくる。


週刊現代 7.10


2023年08月22日(火) 第8波超える感染実感

コロナ病床、満杯「毎日が綱渡り」
新型コロナウィルス感染拡大の第9波と言われている状況下で、医療現場の厳しさが、増している。猛暑にによる熱中症とも重なり深刻な状況です。都内の医療機関で診療にあたる谷川医師に聞いた。

新型コロナの感染拡大で。救急医療や入院病床がひっ迫している。
7月まで若干の余裕があった発熱外来の診療枠はいっぱい。陽性率も6割ぐらいだったのが、8〜9割に達する状況になっている。

咳、のどの痛み、熱など風邪症状で受診した人は検査で軒並み陽性の結果が出ている。患者を搬送してきた救急隊員に聞くと「署には全然戻れない」と話している。コロナの入院病床はどこも満杯で毎日が綱渡りの状況である。熱中症疑いで救急搬送されたコロナ陽性だった高齢女性は、「軽度の意識障害と、血中酸素飽和度の低下で入院が必要と判断した。入院先を探してもなかなか見つからず、いよいよ困って前日に別の患者を満床で断られた医療機関に連絡したところ、運よく入院できた。

クラスター(感染者集団)も起きている。10人ほどがクラス認知症グループホームで感染者が出たため検査したところ、入居者全員の感染がわかった。新型コロナの感染症法上の位置付けを5月から9月に移行し、患者の把握は「全数」から、決まった医療機関から報告を受ける「定点」に変わった。

そのため単純な比較はできないが、実感としては昨年末から今年初めにかけての第8波を超える状況である。東京都の「60歳以上の定点医療機関の患者報告数」は第8波のピークだった1.05を超え、1.99(8月10日発表)というデータもある。最新のすうじは1.82とさがっているが、お盆休みで検査が減った可能性があり、引き続き注意が必要である。

症状があっても
5類に移行して起きているのが、”症状があっても受診しない””受診しても検査しない、検査されない”という状況である。現在の数字は、そういった状況の中のものだがら、感染がかなり広がっていることは間違いない。地域で感染がかなり広がっていることは間違いない。地域で感染が広がると医療従事者や、その家族にも感染が拡大しただでさえひっ迫した現場が人手不足に陥っている。

肺炎を起こして重症化する人は以前より少ないが、それでもワクチン未接種や接種回数が少ない人、最後の接種から時間がたっている人では、血中酸素飽和度が低下するような肺炎を起こし、重症化する例は今でもある。また、熱やせきなどの症状は軽くても腎臓や心臓に基礎疾患がある人は、感染を契機に基礎疾患が悪化し、重篤化することが少なくない。

感染拡大への対策は。これまでと基本的に同じである。、マスクの着用と、細かな手洗い、十分な換気をしっかりと行うことが大事である。


『赤旗』8.27


2023年08月17日(木) 暗い孤独死と、明るい在宅死

「部屋中に積みあがったゴミは、なだらかに傾斜していることが多いのですが、その中に丸いくぼみがあると、ここで寝ていたんだなとわかります。大量のコンビニ弁当の容器や栄養ドリンクのビン、家族写真などの遺品が残されている現場もある。奥さんを亡くした後、夫が自炊できずに不摂生で身体を壊し、ギリギリの状態で生きていた様子も伝わってきます」

こう語るのは数々の孤独死の現場を取材してきたノンフィクション作家の菅野久美子さんだ。清掃業者に交じって部屋にはいると、その人がどんな最期を遂げたかが見えてくるという。「体調の変化もあって、自力でふろに入れなくなる人も多いです。特に男性は周囲の人間関係から孤立しがちで、『なんかあの人、辛そうだな』と気にかけてくれる人が少ない。自分自身のケアを放棄してしまう。『セルフネグレクト』状態になった挙句、トイレにも行けなくなって、焼酎のボトルに尿をしていた人もいました」(菅野氏)

孤独死の現場と聞くと、古いアパートを想像する人もいるが、ごく普通の3LDKの分譲マンションで起きることもある。全国で年間27.000人が孤独死をしているという統計も発表されている。一人で幸せに死ぬことはおろか、健康な生活を続けることもできず、苦しみながら死んでいく。連れ合いに旅立たれた後、そんな「暗い孤独死」への道をたどってしまう人は少なくないのだ。

一方、同じように家で亡くなったとしても、最後の最後まで幸せな時間を過ごした人もいる。日本看取り士会会長の柴田久美子氏は語る。「末期がんを抱えながら、一人暮らしを続けていた入江正信さん(仮名)の体調に変化が訪れたのは、なくなる約一か月前でした。買い物やゴミ出しなど、これまで一人でできていたことが急に難しくなったのです」

そのまま生きる気力を失い、生活の質が急速に低下していってもおかしくはない。だが、入江さんは違った。「ヘルパーの助けも借りながら、亡くなる三日前まで大好きな入浴を続けました。かかりつけ医、訪問看護師に加え、在宅看取りのサポートをする「看取り士」も入江さん宅を定期的に訪問していました。亡くなる前日には、禁止されていた炭酸飲料を飲むことができましたし、お気に入りのテレビ番組も好きなだけ見られました」

次の日の朝、看取り士が到着した時点で、入江さんの呼吸は浅く、ゆっくりとしたものになっていた。事前に決めた通り救急車を呼ぶこともせず、呼吸が停止していく入江さんを、看取り士は優しく抱きしめた。連れ合いを亡くし、同じように一人で生きてきた人でも「暗い孤独死」と「明るい孤独死」では大違いだ。両者を分けたのものは何だったのか。前出の柴田氏は答える。

「自分が死ぬことを受け入れ、自宅で死ぬためのチームを築けたかどうかではないでしょうか。在宅診療医はもちろん、訪問看護師やヘルパー、看取り士との間に信頼関係があれば、いざという時に備えて自宅のカギを預けることもできます。さらに、入江さんのように最後に食べたいものや行きたい場所といった希望を叶えるサポートまでしてもらえるのです」

自宅で明るく死んでいった人たちには、身近に頼れる家族はいなかったが、決して『ひとり』ではなかった。


『週刊現代』7.10


2023年08月15日(火) 食べる時間で寿命が決まる ��

実は朝食でトマトを食べると老化防止につながるというデータもある。トマトに含まれるリコピンの吸収効果は、朝が最も高いためだ。愛国学園短期大学非常勤講師の古谷明子氏が解説する。

「リコピンは強い抗酸化作用があるため、老化を進める活性酸素を除去してくれます。老化を防止するだけでなく、癌の発生を抑えることも期待されるのです。体内時計が動き始めた後の昼食で気をつけたいポイントは、高血糖と高血圧を防ぐことだ。「私たちの研究では、昼食抜きで朝食の10時間後に夕食を食べると高血糖に陥りやすいとの結果が出ています。血糖値を安定させるため、昼食は抜かずに食べましょう。

体内時計は味覚にも影響を及ぼします。体内時計が活発に動く昼から夜にかけては、塩辛い味を感じにくくなり、濃い味付けを好むようになります。昼食や夕食では塩分を過剰に摂取しやすくなり、高血圧の原因になるのです。(前出・柴田氏)高血圧の予防には食塩摂取量を抑えるほか、塩分を体内に排出するカリウムを豊富に含む食材を昼に食べる方法もある。

かぼちゃ、イモ類、白菜といった野菜を意識して食べると、自然と減塩ができるのだ。前出に古谷氏が補足する。「意外なところでは、魚のカンパチがカリウムを多く含んだ食材です。日本人の比留間のカリウム吸収量は足りていない傾向があるため、高血圧の予防と思って取り入れるとよいでしょう。

冷えを改善、よく眠れる

夜は体内時計の動きが鈍り、代謝が落ちるためインスリンの動きが悪くなる傾向がある。一度上がった血糖値がなかなか下がらなくなってしまうのだ。高血糖を防ぐため、夕食は遅くとも就寝の2時間前には食べ終えておきたい。
「お茶に含まれるカテキンには血糖値の急上昇を抑える効果があります。時間栄養学の観点でいうと、夕方にカテキンの作用が最も高まります。夕食の前にいっぱいのお茶を飲むのは非常にいい習慣だといえます」(前出・柴田氏)

生姜の辛み成分であるジンゲロールには、血管を拡張して冷えを改善する働きがある。そのため夕食で生姜を食べると寝つきやすくなる効果があるのだ。

体内時計の働きによって、朝と夜とでは健康への影響が変わる食材も存在する。「牛乳に含まれるトリプトファンは、睡眠を促すメラトニンの原料になります。メラトニンは作るのに時間がかかるため、朝のうちに牛乳を飲んでおくと、その日の夜の睡眠の質を上げてくれるのです。

一方で、同じく牛乳に含まれるカルシウムは吸収効果が夜に最も高まります。骨を強くしたい人は、夕食に牛乳を取り入れるといいでしょう」(柴田氏)健康食の代表格である納豆も同様だ。大豆に含まれる難消化性タンパク質は腸内細菌の餌になるため、朝の納豆は便通の改善につながる。

夜に納豆を食べるともたらされるのは、血栓ができるのを予防する効果だ。柴田氏が続ける。「納豆に含まれるナットウキナーゼは血液をサラサラにして、血栓の発生を防ぎます。血栓は早朝にできやすいため、夜に納豆を食べておくのをすすめます」何を食べるかだけではなく、いつ食べるか。立ち止まって考えることが、長生きの実現に役立つかもしれない。


『週刊現代』11.12


2023年08月14日(月) 食べる時間で寿命が決まる ��

朝は米魚でいい
「今まで栄養学では『何をどれだけ食べるか』ばかりが注目されていました。しかし、2017年に体内時計に関する研究がノーベル医学・生理学賞を受賞したころから、『何をいつ食べるか』に着目した『時間栄養学』の重要性が急激に高まっているのです。

こう語るのは早稲田大学理工学先進理工学部教授で、薬学博士の柴田氏重信氏だ。柴田氏は「時間栄養学」の権威として知られており、新着『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい』(講談社プラスα新書)を10月に上梓している。

「1日は24時間ですが、人間の体内時計は約24.5時間のサイクルで動いています。普通に生活していても、体内時計には必ずずれが生じるのです。体内時計の狂いが大きくなると、がんや糖尿病など多くの病気の原因となります」(柴田氏)実は不調の原因となる体内時計のずれをリセットする方法がある。それが毎日の食事だ。柴田氏が解説する。

「人間の体には時計遺伝子という遺伝子が存在します。血糖値を上げると時計遺伝子が活性化し、止まっていた体内時計が動き出します。これで人間の社会活動と体内時計のサイクルがかみ合うのです。時計遺伝子もう一つの働きとして、同じものを食べても、時間帯によって体に与える影響をける役割もあると明らかになっています。同じ食べ物でも、口にする時間を意識して効果的な食べ方ができれば、肥満の予防や善玉菌の多様性の保持、免疫系のバランスを保つのに役立つ。

食べる時間を意識すると、健康的に年齢を重ねることが可能になるのだ。まずは、朝食に取りいれたい食材から見ていこう。朝食に求められるのは、体内時計をスタートさせ、代謝を上げる役割だ。柴田氏が語る。「

「朝食は体内時計を動かす、目覚まし時計のような役割を担っています。重要となるのは、お米に代表される、体内時計を動かすインスリンを分泌しやすい食べ物を口にすることです。青魚などに多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)といった不調和脂肪酸にも、体内時計を動かす効果があります。お米と魚の組み合わせは最高の朝食だと言えます。朝食のイメージは薄いですが、マグロやサーモン、しめさばといった寿司は、夜よりも朝に食べるのがお勧めです」

日中の活動でエネルギーを消費するため、朝食はカロリ。−を多めにとってもさほど問題にはならない。余裕がある時は主食と主菜のほかに、副菜を用意するといいだろう。「もし一品追加できるなら、同じく体内時計のズレを解消する水溶性食物繊維が含まれるワカメやヒジキ、納豆を加えるといいでしょう。わかめの味噌汁やヒジキのサラダなどにすると、朝でも食べやすいと思います」(柴田氏)


『週刊現代』11.12



2023年08月13日(日) 韓国・梨泰院クラッシュ 1500人圧死

報じられない「もっと鬼畜な現場」

ハロウィン直前の週末、多くの若者が集まる韓国・梨泰院で起きた大惨事。その裏では一部の若者たちがあまりにも無軌道な行動をとっていた。

「なにこれ!ウケる!」救助活動を手伝っている最中に聞こえてきたのはしゃぐような声に朴温習さん()20代・仮名)は耳を疑った。目の前に広がるのは阿鼻叫喚の地獄絵図。隙間なく密集した群衆が、さまざまな言語で助けを求めて絶叫していた。

「助けて!」「押せ!」「戻れ」四方八方から押された圧力によって、誰もが苦痛に満ちた表情を浮かべている。避けそうなほど口を大きく開き、断末魔のような悲鳴を上げている女性。目を見開いたまま、動かなくなってしまった男性。顔色がみるみるうちに紫色に変わっていく少女。それなのに「酔っぱらった男女が犠牲者にスマホを向けて、笑っていたのです。救急車の前で『セックス』と連呼しながら、飛び跳ねていた集団もいました。地獄があるとしたら、あの光景のことでしょう」(前出・朴さん)

横で踊りまくる若者たち

10月20日、若者たちで賑わう韓国・ソウルの梨泰院エリアで、午後1時15分ごろ群衆雪崩が発生した。日本時の女性二人を含む156人が圧死するという大惨事が起きた小道は、幅3.2メートルほど。その道の、長さわずか3.7メートルほどのスペースに約300人ほどの人々が押し込められた。多くの犠牲者は倒れて下敷きになったのではなく、立ったまま周囲の人々に押しつぶされ圧死した。

この大惨事にもかかわらず、犠牲者を好奇の対象とするやじ馬が無数に存在したことはあまり報じられていない。中には救助され、下着姿や半裸状態で心肺蘇生をされている女性たちを性的な目で見ていた男性もいた。「失神した女性の服をわざと脱がし、救助や心肺蘇生に見せかけて体を触っていた男性もいた。

「失神した女性の服をわざと脱がし、救助や心肺蘇生に見せかけて身体を触っていた男性もいたそうです」(韓国留学中の日本人女子大生)混乱に乗じて、ショックを受ける女性に励ますふりをして声をかけ、「お持ち帰り」を試みる男性もいたという。大勢の遺体が横たわる場所で、エゴと欲望をむき出しにする人々。まさに「鬼畜な現場」だった。

この日、韓国人の夫と梨泰院を訪れていた川上絵里さん(20代・仮名)も信じられない光景を前に唖然とした一人だ。「すぐ近くに、救助される人や死にそうな人達がいたのに、町中にクラブミュージックが爆音で流れ、お酒を飲んで踊りまくる集団もいくつも見かけました。現場に残された犠牲者の財布やスマホを盗んだ火事場泥棒もいたようです」

犠牲者の多くは、四方から圧力がかかり、胸部や腹部圧迫されて呼吸困難に陥る「外傷性窒息」を引き起こしたとみられる。「外傷性窒息は発症すると、血圧低下や血中の二さん炭素濃度が上昇します。同時に静脈が圧迫されて血液が戻らなくなり、顔色が紫色に変色する。そして二酸化炭素の麻酔作用で痛みや苦しさがわからなくなり、眠るように命を落とします。体重の5倍の力で圧迫された場合、およそ5分で死に至る。圧迫直後に救助されなかったら助かりません」(法医学が専門の徳島大学・西村教授)

SNSで「いいね」稼ぎ

そうした意識不明の人々の傍らには、冒頭でも紹介したように悲惨な最期を迎えた若者たちに手を合わせるのではなく、スマホのカメラを向けて撮影する人々の姿が多く見られた。「血だらけの道路、並んで横たわっている遺体、下着姿で人工呼吸を受けている負傷者、担架で運ばれる人々などを撮影。フィルターなしでこぞってSNSに投稿していた人々がいて問題になっています」(東京新聞論説委員の五味氏)

ジャーナリストの金敬哲氏も、おもわず眼をそむけたくなるような惨状を狙って撮りに行く若者たちがいたと指摘する。「SNSに投稿して『いいね』を貰うことに快感や幸福を覚え、存在価値を見出している若者たちが増えています。そうした人たちの多くが事故現場撮影し、配信したのでしょう」

そんな言動に対し、韓国国内からも、「あまりにも恥ずべき行為だ」と批判の声が上がっている。一方で、前出の朴さんによると犠牲者に対する批判も多くみられるという。梨泰院のハロウィンは人が多く、「行かないほうがいい」と再三、注意喚起されており「自業自得」というものだ。

批判の矛先は韓国政府や警察庁にも向けられた。事故発生が懸念されていたにもかかわらず、認識が甘く、対策が不十分だったからだ。野党は大統領に謝罪を求めており、今後の対応次第では政権を揺さぶる事態に発展する可能性もある。

悲鳴と批判、同情や嘲笑などが入り混じって渦巻く中、このままでは別の場所で同じような事態が起きかねないと五味氏は語る。「自然発生的なハロウィンイベントは、韓国では集まった人と気軽に盛り上がれるコミュニケーションの場として、若者に人気です。厳しい受験競争や兵役がある韓国で、ストレス発散になるこのイベントは自分を解放できる側面があるようです」

その背景には、先行きの見えない韓国の社会で、若者たちの間に漂う懸念が垣間見える。「就職も結婚も難しい。夢もなく、他人には興味がないけれと、楽しことだけには熱中する。今だけを生きる、といった刹那的な感覚の若者がふえています。(前出・金氏)悪夢やハロウィンは起こるべくして起こったのかもしれない。

『週刊現代』11.12


2023年08月12日(土) ムー大陸

12.000年前、太平洋上に沈んだ幻の大陸

「遥かな昔、太平洋上にムーという大陸があった。そこには巨大な神殿とヤシの緑に縁取りされた、美しい7つの都市が栄え、人々はまばゆい太陽の下で何不自由なく暮らしていた...」

1926年、イギリスのジェームス・チャーチワードが著した『失われた大陸』の一節だ。実はこれが、ムー大陸研究の幕開けだった。チャアーチワードはイギリスの元陸軍大尉で、インドに滞在中、ヒンドゥー僧侶と親しくなった。そして、ある高僧から文字らしき模様が模様が刻まれた粘土板を手渡され、解読を命じられた。2年後読み解かれた粘土板には、遠い昔に母なる国「ムー」からインドへ渡ってきた「聖なる兄弟」と呼ばれる人々によって記された歴史が記されていた。

その後チャーチワードはチベット、タイ、太平洋島々などを回り、ムー大陸の遺跡を発見していく。彼によれば、ムー大陸はすべての行事と政府、宗教を司る王・ラ、ムーによって統治され7つの都市は火のような光を放つ不思議な金属で飾られていた。また彼らは航海術に優れ、東はアメリカ大陸、北はシベリア、西はインド・チベットと、その勢力を世界中に広げていったという。

ところが、12.000年前、突然大地が鳴動し、休火山が炎をあげる。噴火と地鳴り、地震によって大陸はうねり、沈み始める。そこに巨大な津波が襲い、大洪水の中、すべて手は海中に消え去ってしまったのだ。

ムー大陸の存在を示す遺跡はまだ見つかっていない。


『超古代オーパーツ』


2023年08月09日(水) 辺野古新基地

知事承認なし 苦し紛れに違法工事

「無謀な既成事実づくりだ」。沖縄の地元紙・琉球新報は社説(96月23日付)で批判した。県民多数がはんたいする名護市辺野古の米軍進基地建設で、防衛相が必要な知事の承認もなしに、新たな工事の手続きを始めたからである。なぜ岸田政権は強硬手段に出たのか…

本格的な夏の日差しが照り付ける沖縄。辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、新基地建設反対の座り込みをする市民が「土砂投入をやめろ!」などと記したプラカードを掲げていた。

名護市在住の中村聖子さん(71)は民意を無視し、あらゆる無法を集めて強行する政府のやり方は許せない」と語る。新基地建設では、埋め立て予定地の大浦湾側に軟弱地盤が広がっていることが判明した。地盤改良なしには工事ができず、国は設計変更を迫られた。どれには公有水面埋立法に基づき知事の承認が必要。玉城デニー知事は2021年、防衛相の設計変更申請を不承認にした。大浦湾側の工事ができないため、埋め立てに必要な土砂量の8割以上はまだ投入できていない。

防衛相は今年4月、大浦湾側の埋め立てに必要な土砂を、辺野古川区域に仮置きする工事の手続きを開始した。7月10日期限で入札された。知事承認なしに工事を進めることに沖縄平和市民連絡会北上さんは「違法工事だ」と怒る。防衛相の工事を受注する関係者が明かす。「辺野古川工事はもうすぐなくなる。大浦湾側の工事ができないため、使っていた土砂運搬船は別の現場に行くことになる。大浦湾工事が可能になった時に再度、確保するのは大変だから、防衛相は無理やり工事を作っている」

国の強硬姿勢から浮かび上がるのは、新基地建設で行き詰まり、焦る岸田政権の姿である。

見通しなく焦る岸田政権

海面下90メートルに達する軟弱地盤」

地盤改良の動きはなし

沖縄県名護市辺野古の米軍進基地建設を巡って、軟弱地盤という壁にぶつかった国は、地盤改良のための設計変更で乗り切ろうとした
しかし、玉城デニー知事の不承認で、国は再び壁にぶつかった。県内の自民党地方議員は「一番困っているのは工期の遅れ。辺野古は早くやりたいのに全くできていない」と語る。

防衛省が今回、手続きを始めたのは、大浦湾側の埋め立てに必要な土砂を、辺野古川区域に仮置きする工事である。防衛省は2013年に自公が支える仲井知事(当時)が承認した埋立承認の中に同工事が含まれているとして、「工事は可能だ」だと主張している。しかし、これは全くの嘘である。防衛省が20年に県に出した設計変更申請。当初計画からの「変更内容」の一つとして辺野古側の埋め立て区域に大浦湾用の土砂を仮置きする計画が記されている。変更の目的は「工期の短縮」と説明されている。当初から予定されていたのであれば、設計変更申請に記す必要はない。

沖縄県は、防衛省の説明に「重大な疑義がある」として照会文書を提出。同時に入札手続きを中断するよう求めた。それを無視して7月20日に改札を行った防衛省。デニー知事は「防衛省から十分な回答が得られていあに。やはり疑義があると言わざるを得ない」と批判した。

沖縄平和四民連絡会の北上毅さんは、防衛省の狙いを「工事が止まってしまうことを何としても避け、順調に進んでいると見せかけるためのもの。県民の諦めを狙っている」として指摘する。大浦湾埋め立て土砂を仮置きする工事のはずなのに、肝心の地盤改良に向けた工事の動きは全くない。


『赤旗』7.30





2023年08月08日(火) 老いと病に向き合った人たち

松方弘樹 享年74

どんな無様でもいいから、芝居がやりてえな

「松方さんは60歳を超えたとき、肉体の老いと映画人生の陰りを最も感じたのではないでしょうか。自身がプロデュースした映画が軒並み失敗して、莫大な借金を抱えた。私生活でも仁科亜希子さんと離婚して、財産も、子供の親権も全部失いました。その頃、杏林大学病院での健康診断で、医師に『生きているのが不思議なくらい悪い状態だ』と言われたそうです。

こう語るのは晩年の松方弘樹さん(2017年没)にインタビューを続けていた『無冠の男 松方弘樹伝』の著者・伊藤明彦さん(60歳)だ。60歳を機に、酒もたばこも止めた松方さんだが、2016年2月に頭痛を訴え入院。10万人に一人といわれる難病・脳リンパ腫が見つかる。

脳リンパ腫の治療法は、抗がん剤投与と放射線療法の二つで、激しい肉体的負担を伴う。伊藤さんは本の出版を諦めかけていた。ところが3月、奇麗な文字で加筆修正された原稿が伊藤さんお元にFAXで届いた。「パートナーの山本真理さんに口述筆記させて、送ってくれました。検査のため脳に針を刺して細胞を採った直後だったそうです。松方さんの責任感の強さに頭が下がりました」

しかし、松方さんは脳リンパ腫の治療中に、脳梗塞を発症する。医師は付き添う山本さんに「回復しても、半身不随になります。役者としての復帰は無理でしょう」とひそかに伝えたという。

「役者にとって大事なのは記憶だ」と常々語っていた松方さん。脳が病に蝕まれて記憶が失われる恐怖と闘い続け、何とか役者として復帰しようと懸命なリハビリを続けた。周囲に気付かれないようにサングラスにマスク姿で、入院していた東大病院の近くの不忍池の周りを這うように歩いていた。

「言葉もうまく発せらない。体も思うように動かない。そんな状態でも、医者や看護婦と接するときは、相手がイメージする松方弘樹を演じることが染みついていた。『先生、もっと奇麗な看護師を呼んでくれよ』なんて冗談を言って、明るく豪快な松方弘樹を見せようとしていた」

2016年の秋ごろになると、松方さんの症状は一進一退を繰り返した。大好きだったカツサンドをバクバク食べる日もあれば、意識が朦朧とする日もあった。体重は40キロまで落ち、リハビリも思うように進まなかった。「このころ松方さんは「俺は車椅子に乗ったままでも、どんなに無様でもいいから、芝居がやりてえな」と周囲に、漏らすようになったそうです。

12月に脳リンパ腫が再発した松方さんは2017年の1月21にちに帰らぬ人となった。復帰に執念を燃やして受けた男が、迫りくる死を前に漏らした言葉は、最後まで、最後まで芝居への愛に満ちていた。


『週刊現代』7.10




2023年08月06日(日) 妻の死後認知症になったら

妻の死後、認知症になったらどうなるか、きちんとイメージできていますか。

3か月ぶりに北海道にある実家に帰った時のこと、一人暮らしの父(87歳)の異変に気付きました。ハンガーにかけてある服を、なぜかもう一度洗濯機に入れていたのです。「まだ着ていない服でしょう」と指摘すると、「そうかい」と返ってきたのですが、その声にも元気がない。夜、電気をつけて寝るようになったりと、何かが変なのです。

埼玉県に住む青木哲也さん(60歳・仮名)は薄々感づいていた。ついに、父親の認知症が始まったのだ。2020年の統計によれば、全国で65歳以上の認知症患者は、約602万人なんと6人に一人が認知症になっている。夫婦2人のうちは元気だった人も、妻を、夫を亡くし、孤独な生活を送ると認知症になっていた。

夫婦二人のうちは元気だった人も、妻を、夫を亡くし、孤独な生活を送ると認知症になってしまう可能性が高い。そのとき何が起こるかを知っておかなければ「暗い孤独死」に陥る危険性がある。


認知症の特徴は、加齢による「物忘れ」とは全く違う。「異変」が起きることだ。「朝食を食べたこと自体を忘れる」「失くしたものを誰かに取られたと思い込む」「食器を良く割るようになる」など、少しづつ生活に支障をきたす出来事が増えていく。では少しでも思い当たる節があったら、一人暮らしを諦めるべきなのか。

そんなことはない。星稜大学特任教授の山口博氏は語る。「躊躇せず、,まずは介護サービスの助けを借りればいいのです。買い物、調理、ゴミ出し、洗濯などは訪問介護を頼り、週1〜2回デイサービスに通って入浴や体操をする。そうした中でケアマネージャーやヘルパー、訪問介護士とのつながりを持っておけば、認知症が進行しても孤立せずに済みます」

だが、認知症で一人暮らしを続けることに限界があるのも事実だ。介護サービスがあるといっても。46時中、人が一緒にいてくれるわけではないからだ。ホームオン・クリニックつくばの院長・平野邦夫氏は語る。「薬の管理が難しく一度に何錠も飲んでしまう場合や、火の不始末でボヤを起こした場合などは、在宅療養を続けるのが危険だと判断します。これからの時期はエアコンをうまく使えず、熱中症で倒れる人もいる。深夜によその家のベルを鳴らすなど、奇行や徘徊が出始め、警察にお世話になった場合も、一人暮らしは難しいと言わざるを得ません。

金銭管理の問題にもぶち当たる。認知症が軽度のうちは社会福祉協議会の日常生活自立支援事業を利用できる。1回1.000円程で預貯金の払い戻し、預入を代行してもらえるのだ。とはいえ認知症が進行すると口座が凍結され、成年後見人を付けるしかなくなる。事前に銀行で家族などを代理人として指名した置けば、凍結後の出金ができる場合もあるので、検討しておこう。

この段階になれば、グループホームへの入居も必要だ。この時、子供を頼れればいいが、それが難しければ、これまでに関わってきたケアマネージャーや医者の助けを借りるしかない。常に最悪を想定し、最後に頼れるつながりを作っておこう。


『週刊現代』7.10


2023年08月05日(土) 非正規雇用を見直せ

非正規雇用を見直せ

しかし日本には「労働市場の分断」という深刻な問題もあります。労働者の6割を占める「正規雇用労働者」は恵まれた給与と福利厚生を享受していますが、残り4割の「非正規雇用労働者」は、低賃金で不安定な暮らしを余儀なくされている。日本企業は、非正規雇用労働者を使い倒すことで人件費を抑えてきました。岸田総理が本当に日本経済を復活させたいなら、労働市場の分断という問題を避けて通ることはできないでしょう。

まずは最低賃金を引き上げることから始め、非正規も含めた労働者全体が潤うようにするしかない。人件費を切り詰め続けてきた日本企業の在り方を変えることができれば、岸田総理名前も自ずと世界に知れ渡るようになるはずです。


「岸田さんは煮え切らない男」 

岸田さんは夏目漱石が書いた『それから』という小説の主人公・長井代助という男とよく似ています。代助は裕福な家の次男で、働かずに実家の仕送りで暮らしていた。「高等遊民」でした。しかも三千代という女性に恋心を抱いていたにもかかわらず、親友の平岡に彼女を譲ってしまうほど意志が弱い人間でした。

この代助と同じように、岸田さんは「煮え切らない男」だと私は思っています。そうした性格ゆえ、岸田さんは「政治家らしくない政治家」だと言っていいでしょう。本来、政治家というものは明確な「権力の意思」を持つものだと、19世紀のドイツの社会学者マックス・ウェーバーは述べています。その点では「日本を取り戻す」と繰り返し「戦後レジームからの脱却」をめざした安倍元総理は、「権力の意思」がはっきりしていました。

しかし岸田さんは何をやりたいのかわからない。そして代助が実家の財産で暮らしていたように、安倍政権のレガシーを「遺産管理人」として、守っていけば長期政権でいられる、という思惑があったのでしょう。ところが旧統一教会の問題をはじめ、さまざまな不良債権が入っていたことが判明した。そこから岸田さんの迷走が始まったのです。

岸田さんは政治家としての軸がないため、その時々の状況に流されて「機会主義的」な対応をしています。たとえば旧統一教会問題では、宗教法人の解散請求の要件について「、民法の不法行為は入らない」と発言した翌日に「入りうる」とガラッと答弁を変えたこともありました。しかも堂々と国会で謝罪までした。与党も野党も驚愕したはずでっす。それまでの安倍さんや菅さんだったら、木で鼻をくくるようにしれっとした対応貫いたでしょうから。しかし岸田さんは、簡単に態度を変えることができてしまう。 

「機会主義的」というのは、ある意味で危険なことです。たとえば戦前の近衛文麿総理は皆から期待されたものの、自分が何をやりたいのか定まらず右往左往した挙句、戦争の泥沼に突入していきました。カラーがなく、摩訶不思議な透明人間のような岸田総理。しかし、そんな「異色の総理」だからこそできることもあります。それは小泉政権以来続いてきた「分断」を乗り越えることです。例えば60年安保で国を二分した岸信介さんのあとに登場した池田勇人さんのように、バランスをとっていけばいい。

強い権力の意思を持たない岸田さんなら、野党とも妥協点を見出していけるはずです。それこそ一つひとつの政策ごとに、維新の会や共産党と手を結んだっていいでしょう。カリスマではない岸田さんだからこそ、議論を活発化させて国民の関心を政治に向けさせることができると、私は信じたいです。

姜尚中(政治学者)

『週刊現代』11.12



2023年08月02日(水) 暗愚の岸田が日本を滅ぼす

自信なさにボソボソ喋るメガネの男、キシダに国を任せていて大丈夫なのか?世界は日本の総理に厳しい目を向けている。いったいどうすれば日本は復活できるのか、国内外の7人の賢者に聞いた。


円安、インフレ、止まらない国力衰退
「日本経済復活のために、定年を撤廃せよ」

指をくわえて見ているだけ

岸田政権がこのまま続けば、経済はますますダメになる。日本政府のやり方を見ていると、そう思わざるを得ません。そもそも岸田文雄首相は現在、世界中で起きている「インフレ」がどれほど異常なものなのかわかっているのでしょうか。

2021年の段階から初期のインフレは起き始めていましたが、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は「インフレはすぐに収まる」と主張して利上げをしませんでした。私自身もこの時点ではFRBの判断を正しいと考えていました。パンデミックで落ち込んだ生産体制が、時期に復活すると見ていたからです。

ところが中国がゼロコロナ政策を続けたことで計算が大きく狂いました。モノの生産は停滞し、物価の上昇が加速していった。これは過去の経済学の常識を超える現象、私にも予測がつかないものでした。未曽有のインフレに危機感を抱いたFRBは、今年3月以降、利上げを繰り返しえしてきました。『ドル高』になり、他国の経済に影響が出るという批判もあります。しかし、バイデン大統領はトランプ前大統領に負けず劣らず「アメリカファースト」です。アメリカ政権とFRBが恐れているのはインフレ率が高止まりすることであり、他国の苦しみを考えている余裕はありません。

一方、岸田政権はアメリカの動きを、指をくわえて見ているだけ。表面上だけでもいいので、『量的緩和をいつやめてもおかしくない』というジェスチャーをすれば円安に少し歯止めをかけられるのに、それすらしていない、ひそかに為替介入をやってはいますが、それも「焼け石に水」にすぎません。

「労働生産性が低すぎる」本当に日本経済を復活させる気があるなら、岸田総理は誰も触れてこなかった領域にメスを入れる覚悟を決めなければならないでしょう。ずばり、「定年」を廃止するのです。

日本経済復活の一つの原因は「労働生産性」が低いことです。日本の労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟38か国中23位となっています。そしてこの生産性を悪化させてるのは、定年制度だと私は考えています。スキルを積み上げた人も、一定の年齢を迎えると自動的に仕事から離れてしまう。まだまだ元気で働ける労働者を退職させてしまえば、国民一人当たりの生産性は当然下がります。

経済学的には、労働生産性が上がれば、通貨の価値も上昇します。私は20年以上前から「生産性がすべてとは限らないが、長い目で見ればほとんどすべてである「と言い続けてきました。岸田総理にも、この言葉を受け止めて行動に移してもらいたいものです。


ポール・クルーマン (経済学者)     『11.12週刊現代』


加藤  |MAIL