加藤のメモ的日記
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2016年05月13日(金) 熊本地震

救出活動阻む余震

被害が拡大する熊本地震の被災者への支援の輪が広がっている。備後地域の各市役所などでも義援金を集める募金箱が設置されたほか、福山市などから応援職員の現地派遣も相次いでいる。また、県警から派遣された広域緊急援助隊の隊員69人が4月18日、広島に帰着。大隊長を務めた井波博之・警備隊長(52)に緊迫した現地の様子を振り返ってもらった。

広域緊急援助隊は15日午前8時ごろ、熊本県益城町に到着した。日没まで休まず不明者の捜索活動に携わった翌16日午前1時25分、公園の駐車場で野営中に「本震」に遭遇した「『ドドドドド』と突き上げられるような大きな縦揺れが起こり、隊員みんなが飛び起きた。無線から「全隊出動」の指令が響き、辺りは物々しい雰囲気に包まれた。

停電で周辺は真っ暗になり、道路は混乱した様子の住民たちであふれた。倒壊した民家の寝室に90代の女性が取り残されていると情報が入り、現場へ向かった。町全体に土ぼこりの臭いが充満している。建物にジャッキを立て、がれきを取り除く作業を懸命に繰り返した。「生きとってください」。約1時間後、女性を救出。意識は朦朧としているが、無事のようだ。「大丈夫ですか?」「助かってよかった!」。隊員の間で安堵の声が広がった。

17日は道路が寸断されていたため、宮崎県まで迂回して同県南阿蘇村の被災地に到着。東海大阿蘇キャンパス近くの1階部分が潰れた学生アパートで、20代男子学生の救出にあたった。一刻も早く救出したいと気持ちがはやったが、余震が起こるたびに作業を中断。救出した学生は意識がなかった。「もっと早く屋外に出してあげられたら」。悔しさをにじませた。

隊員たちは現地ではほぼ寝る間もなく、捜索や救助活動続けた。食事も簡単に済ませ、風呂に入る時間もなかったという。管理官は「どんな災害が起きても、市民や県民のためにいち早く活動ができるように、力をつけておかなければならない」と被災地での活動を振り返った。



『毎日新聞』4.19


加藤  |MAIL