本当は |
もう「僕」なのか、「私」なのか、 分からなくなってきている。
それが不安で、どちらかが失われていくのが不安で、 僕は彼の前で主張した。 「僕は君のために私を演じている」と。
馬鹿な話だ。
可愛らしく振舞うたびに、 ほんのひとかけらの違和感と、 お褒めに預かる高揚感に僕はまた僕を見失う。 『貴方には、救いがないじゃない』 カウンセラーがそう僕に語りかけた。
僕は自分が男であると主張するのに、 恋愛対象が男女両方であると言う事実。 そして、現在の恋人が男であるという事実。
心の中がぽっかりと空いていて、 永遠に埋まらないよ、と嘆いてる。 誰といたって楽しくない。 そもそも、楽しいことすら幻想だったのかも知れない。
憂うつ。
ゆっくり、休みたい。 でも、僕にとって強迫観念がそうはさせてくれない。
休んだら置いていかれる。 休んだら悪口言われる。 休んだら仲間に入れてもらえない。 休んだら彼が他の女の子と遊んでしまう。 休んだらもう話についていけない。 休んだら。。。。。
休まなくても、起こる時は起こる事象なのに、 いざ休もうとするとそれが気になって気になって吐き気を催す。 今立ち上がらなければ、もう2度と立ち上がれない、くらいの心で。
傷ついたかな。 彼は傷ついたかな。 僕なら傷つく。 だのに、僕は彼に、その言葉で刺した。
事実なんて、いらないのに。
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2007年06月16日(土)
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