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2003年10月10日(金) ■ |
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考古学今昔物語」坪井清足 金関恕 佐原真 |
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「考古学今昔物語」企画・編集むきばんだやよい塾実行委員会 坪井清足 金関恕 佐原真 日本考古学の重鎮3大巨頭がほとんど無報酬で2回に分けて講演とシンポジウムを行った、その記録。そのうちの一人は数ヶ月前に「余命数ヶ月」と宣告されたばかりの佐原真である。その会場に数千名の人たちが集まる。考古学ファンとはこういう「物好き」たちが集まった良い意味での「素人」の集団なのだ。企画・編集はむきばんだやよい塾の人たち。弥生時代最大規模の遺跡・鳥取の夢木晩田遺跡のガイド養成を目的とした学習サークルである。 話の内容は日本考古学小史と現代考古学への提言。『現代の考古学者はどんどん物から離れていってしまっている』というような重要な指摘が語られています。考古学ファンなら必読の本でしょう。大手出版社発行ではないので一般書店においてある可能性は低い。amazon.com等のサイトで申し込もう。
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2003年10月09日(木) ■ |
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『陽陰師Ⅱ』滝田洋二郎監督 |
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『陽陰師Ⅱ』滝田洋二郎監督 55点 いろいろとサービス精神たっぷり。 深田恭子のあえぎ顔は一瞬かと思っていたら案外長かったし、 萬斎の女装姿も見えたし(一瞬のみ美しかった)、 蝶々娘は今度はオウム返しのセリフだけではなくきちんと秘書していたし、 伊藤英明は分を知ってコミカル部分に専念していたし、 物語を分かりやすくする配慮か、 本来古墳時代に決着がついたはずの出雲との確執を 平安時代の「出雲村」に舞台を移し代えて描き、 本来伊勢に在るはずの聖剣を平安御所において在ったりするし、 中井貴一はあとの展望はなにも無くテロに走るし、 結局妖怪変化は今回はほとんど出てこないし、 すみませんだんだん不満点ばかりになってしまいした(^^;)
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2003年10月08日(水) ■ |
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大極宮〈2〉 大沢 在昌 宮部みゆき 京極夏彦 |
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大極宮〈2〉 大沢 在昌 価格: ¥590 今回のモトネタ(ウエブ連載「週間大極宮」のこと)は2002年3月から10月までの8ヶ月しかない。というわけで「その他ネタ」がずいぶん充実しているので、毎週インターネットで彼らのHPを訪れていても退屈することは無いだろうと思う。今回、モトネタに対して三人が語り下ろしている分量はずいぶん多い。モトネタより多いのではないか。特に「ルパン三世」や「ゴジラ」「ガメラ」に対して熱く語っているところなんか面白かった。
この本の内容と、彼らの作品そのものとはずいぶんギャップが在る。大沢は私生活では飲んでゴルフしてダイエットして勝浦の別荘で楽しんでいるだけに見えるが、ハードボイルド作家としては日本では無くてはならない存在に年ごとになってきている。宮部はゲームばかししているように見えるが、いつのまにか作品は出来あがっていてその全てがベストセラーへ。彼女の超売れっ子ぶり、作品の各賞総なめぶりはいうまでもない。京極はこの本の中でいちいち進行度をチェックされていた「覘き小平次」が次ぎの年の春に見事に山本周五郎賞を獲った。 この本は作品と私生活のギャップを楽しむための本である。よって彼らの作品に接したことの無い人にはつまらない本だろうと思う。
去年彼らがやった私費での「大極宮フェア」(書店の中で出版会社の枠を取り払う試み?)は面白い試みだった。成功しているようには思えないが、出版不況をなんとかしたいという彼らの気持ちはよく伝わったので、せめてこういう本を買ってその想いに賛意を表したいと思う。
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2003年10月05日(日) ■ |
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『恋のウタ』三枝克之 |
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万葉集に現れた恋の歌に、現代語訳をつけ、若い男女の写真を配して、読みやすくした本だ、ということである。 しかし訳者が悪いのか、そもそも万葉集を訳する事自体無理なのか、歌のリズムも言葉の力も分散してしまい、この試みは成功しているとはいい難い。例えば「恋のエネルギー」というより、「恋力」と言った方がよっぽど新鮮で的確だ。1200年前の言葉の方に『詩』としての力を感じる。 ただこの本によって、私の知らなかった恋の名歌をたくさん知る事ができた。万葉恋歌の入門編としては面白い本。以下私の気に入った歌と簡単な感想を記す。 「あい見ては恋慰むと人はいへど見て後にぞも恋まさりける」(デートの後の気持ちはいつの時代でも同じだ)「朝に日にみまくほりするその玉をいかにばせにかも手ゆ離れざらむ」(男の身勝手と言えばそうなんだけど)「たまさかに我がみし人をいかならむ縁をもちてかまた一目みむ」(こうやって一目ボレが生まれる)「月草の移ろいやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ」(今なら一言メールだけでもと言うところだろう)「立ちて居てたどきも知らず我が心天つ空なり土は踏めども」(地に足がつかない想い)「吾妹子が笑まひ眉引き面影にかかりてもとな思ほゆるかも」(あなたの面影がちらついて離れない)「この頃の我が恋力記し集め功にもうさば五位の冠」(仲間内での恋自慢)
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2003年10月04日(土) ■ |
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「花おりおり」湯浅浩史 |
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(毎日更新目指す)と言いながら、飛び飛びになりつつあります。 やはりこの目標自体無理があったかも(^_^;) でも計算では年間230くらいの投稿は可能なので、 まだ一応題名はこのままにしておきます。
「花おりおり」朝日新聞社 湯浅浩史 矢野勇 この本を手にして一年たった。夏、秋、冬、春、夏、季節ごとに1~2回本のページをめくり、回りにある花々の名前を確かめてきた。「雑草という名前の草は無い」と言った人もいたがまさにその通りで、野の花という名前の花はない。目に付く花の名前が「シオン」なのか「ヨメナ」なのか分かったほうがなんとなく嬉しい。 歴史に関心がある私には在来種なのか渡来種なのか、渡来種ならいつ頃なのか必ず記入があるのが嬉しい。歴史上の有名人がこの花を愛でたことがあるのかないのか想像できるからだ。 世の花の辞典は生物学的特長に多くの記述が割かれていて、花の名前の由来、文学的な扱われ方に言及しているものは少なかった。その意味ではこの本は「文系の花辞典」といえるのかもしれない。ただし、辞典としては花の種類が若干すくない。現在も朝日新聞紙上で連載がされているのも肯けることではある。
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2003年10月02日(木) ■ |
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『S.W.A.T.』クラーク・ジョンソン監督 |
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題名:『S.W.A.T.』クラーク・ジョンソン監督 思ったより良かった。 コリン・ファレルは男らしいし、 ロドリゲス姉ちゃんはなんだか女っぽくなって来たし、 いやな上司はヘンにどんでん返しなどしないで、 最後までいやな上司のままだし。 こんな筋書きになるな、 と想像していたらチャンとそんな筋書きになったし、 退屈しない程度にアクションはあるし、 うーん、だんだん悪口言っているような気分になってきた(^_^;)
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