日々あんだら
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どうでもいい話だが(と言いつつ、この日記にはほとんどどうでもいい話しか書いてない)、 うちの職場の上司の一人に、とにかく口臭のきつい人がいる。 どれぐらいかと言うと、打ち合わせをしていると時々気分が悪くなるぐらいのレベルである。 正直、体調の悪い時にはあまり近寄りたくない。(そんなことも言ってられないんやけど) でもまあ、そういうのは個人差はあれ、誰でも多かれ少なかれあるものやし、仕方ない。と自分を納得させている。
でも、気にはなる。 本人は気付いてないんかなぁ。こういうのって、いびきと一緒で自分では気付きにくいものやしなぁ。とか。 これ、家族の人たちは大変やろうなぁ、ずっと一緒だと慣れるもんなんやろうか。とか。 周りの家族や親しい人たちは指摘してあげないんやろうか。まあ、いびきなんかよりずっと言いづらいよなぁ。とか。
他人事のようにそんなことを日々考えて気を紛らわせてたんやけど、ある時ふと違うことが気になってしまった。
…おれは大丈夫なんやろうか。
と。
一度気になりだしたらこういうのって止まらない。 もしかして、おれも気付いてないだけで、実はけっこう臭かったりするんちゃうやろうか。 周りの人たちは内心「臭いなぁ」「自分では気付かないんだろうなぁ」「誰か親しい人が言ってあげればいいのに」などと 日々思っているんじゃなかろうか、とか。 そういえば心なしか、最近人にさり気なく顔をそむけられることがあるような気もしてきた。
でもこういうのって、確認のしようがないのである。 周りの人に「おれの息、臭くない?」と聞いたって、よっぽどの関係でもない限り「大丈夫。そんなことないですよ」と答えるに決まっているのである。 おれやって、件の上司から聞かれたらそう答える。答えざるを得ない。
どうしようもなく、内心にずっと引っかかったまま過ごす毎日。 隣の席の部下と話をする時にも、不自然じゃない程度に距離を置いて話をするようになった。 いやいや、これ、息が臭くなかったら、向こうが「あれ?私避けられてる?」って思うぞ。
そんな悶々とした日々の中で、とうとう見つけたのです。そして速攻でポチったのです。
パパラパッパパー♪
はい、ブレスチェッカー!(ドラえもん風に)
まあ、ウチにはドラえもんじゃなくてAmaz○nが届けてくれたんですけどね。(笑) ホンマ、最近、探したらなんでもあるね。そして買えるね。 スマホが四次元ポケットですよ。
タニタの商品で、文字通り、息の臭さレベルを計測する装置である。 寝る前に開梱し、電池を入れ、いつも以上に念入りに歯を磨き、説明書もそこそこに計測してみた。 ケースを開けるとスイッチが入り、数秒待ってブルブルと震えたら、5秒ほど息をふきかける。 これだけで測定してくれるのである。
結果は…赤ランプ3つ点滅!! 6段階中の6!! 「非常に強いにおいを感じます」やないかーい!!
やっぱりそうやったんか! おれ、知らずに周りの人たちに迷惑かけてたんか!! ごめんなさい!生きててごめんなさい!息をしててごめんなさい!! てゆーか○○さん! 今まで他人事のように「臭いな〜」と思っていて大変失礼しました!! 今度からは「仲間仲間♪」と思うようにします!!(T_T)
と羞恥と反省と絶望感に囚われていたんやけど、説明書をよく読むと書いてあった。 「歯磨きやオーラルケアをしたあとは、20〜1時間程度おいて計測してください」と。 そっか、この計測結果は歯磨き粉の臭いを拾っただけか。 そやんな、大丈夫やんな。よし、今日はもう遅いから寝よう。そして明日の朝に計測しよう。 (20分待って同じ結果が出たら寝られへんかもしれん…)
そう考えて眠りに落ちたのが昨夜のこと。 そして今朝。 起きてすぐ、枕元に置いてあったブレスチェッカーを手に取って計測しましたがな。
結果。赤3つ点滅。 一緒かい!!|Д`)
いや、待て、寝てる間に口の中に菌が繁殖して寝起きは臭いがきつくなる。 このタイミングでの計測結果はノーカウントだ。
気を取り直して歯を磨き、身支度を整えて家を出て、途中の駅の乗換の時、地下鉄の通路でドキドキしながら計測。
結果は…
ドキドキ…
頼む、緑ついてくれ、緑。
緑!1個点灯、1個点滅! 6段階中2つめ!! 「弱いにおいを感じます」
よし、これなら許容範囲内! おれの精神的ダメージとしてかすり傷レベル!! だって生きてるんだもの。無味無臭なわけがない。日本人の平均レベルか、それより少し臭わないぐらいやわ。(※無根拠)
そんなわけで、今朝は清々しい気分で出勤し、仕事にいそしんだのでした。
でも、それだと顔をそむけられてる理由が別にある、ってことですよね…
郵便受けに、見覚えのない名前の人からの喪中葉書が入っていた。 恩師の奥さまからだった。
その方は大学時代のゼミの教授で、2年間教えを受けた。 今までお世話になった何十人の先生の中で、本当に「恩師」と呼べるのは数人しかいないんやけど、 その方はその中の一人。
僕は「可」をかき集めてギリギリ卒業できたという、学業の面ではいわゆる不肖の弟子だった。 でも、先生の言葉はいくつも自分の中に残っている。
いつも仰られていたのが「腰は低く、志は高く」。 我々が言われたのは「30分話して僕の知らないことが1つも出てこなかったら、その人のことを『つまらん人やなぁ』って思うんです。僕の研究室にはいつ来てもらってもいいですが、僕の知らない話をなんでもいいから1つは用意してきてください」 なのでいつも研究室のドアを叩く前に話す内容を頭の中で整理する癖がついた。(笑)
他のゼミでは新ゼミ生を選ぶのは教授本人だったけど、先生は我々学生にそれを任せてくれた。 「君たちの後輩なんやから、君たちが選びなさい」と仰られて。 一つだけつけられた注文は「なにかひとつすごい人を選んでください」ということ。 「すごく頭がいい、でも、すごくアホ、でもいい。すごく真面目でもすごくええかげんでもいい。普通のやつはいらん」と。
論文指導でも、ご自分は数理経済学が専門なのに、我々がそういう論文を書こうとしたら嫌がられた。 曰く「君らが書くようなことは、僕には全部わかっとる。わかりきったことを延々読まされることほど苦痛なことはない。だから、多少荒唐無稽でもええから、僕の固くなった頭では浮かばないような自由な発想で書いてください」と。 なので、我々のゼミからは、学部の論文審査で上位の論文はめったに出なかった。(笑)
我々の卒業に際して贈ってくれた言葉は「阪神大震災の時、高速道路が横倒しになったやろ?あれは縦揺れは想定していたけど、横揺れは想定していない設計やったからなんだそうです。無駄がないものは人でも物でも、想定外のことに弱い。君らは無駄なことをたくさんしなさい。それが君らの強さになる」 この言葉は今でも僕の行動指針の一つで、写真も山もこの言葉のおかげだと思っている。
そしてその2年後、定年まで数年を残して母校を退官され、新興の大学へ移って行かれた。 「ここにいたら自分のやりたいことはなんでもできるし、会議で意見を言うたらたいてい通る。でもそれってつまらんやろ?」と言い残して。 本当に、好奇心とユーモアと柔軟性を持ち、それを持ち続けようとされている先生だった。
卒業してから何年かはOB会でお会いしてたけれども、現役生がいなくなってOB会も途切れてしまった。 またいつかお会いしたい、と常々思っていたんやけど、年末年始のご挨拶を送る程度だった。 そして、もう会えなくなってしまった。
会いたい人には会いたい時に会いに行かなあかん。 人生何回目かわからない後悔。
林敏彦先生のご冥福をお祈りします。
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