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2001年08月11日(土) ■ |
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モラルって何? |
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「暗黙の了解」という言葉がある。つまり、特にルールとして定められてはいないが、了承されている決まりのことを言う。
メジャーでは、大量点差で勝っている相手に対して、盗塁をしかけるのはタブー視されているのでという。某雑誌のコラムでは、それは相手を貶めることだと書いてあった。
しかし、私にはそれがどうしてもわからないのだ。メジャーリーグのプレー精神には敬意を払うのだが、やはりこれだけはどうしても理解できない。何故大量点をもらっている時に盗塁をすることが、相手を貶める行為となりうるのだろう。
盗塁が姑息だから? でも、ルール上認められているプレーだし、走れるのに走らないことの方が、相手を貶めているように思う。野球の試合は言うまでもなく真剣勝負だ。
モラルって何だろう。大差のときは盗塁してはいけないという暗黙の了解。私にはどう考えても優越感のなせる技としか思えない。
甲子園大会、今日の第二試合。大分・明豊が20−0という大差で2回戦進出を果たした。同校は、14点差をつけた地点で、スクイズを敢行している。そのことが、世間でどう評価されるのか、これからに注目してみたい。
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2001年08月09日(木) ■ |
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嗚呼、冷凍みかんに浪漫あり。 |
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せっかくだからと、夏の祭典・高校野球を見に行くことにした。
最後に甲子園大会を球場で観戦したのは、20歳のときだから、今からもう6年も前のこと。規定や環境が毎年めまぐるしく変わる高校野球のことだから、球場の雰囲気もさぞ変わっていることだろうと思っていた。
しかし、久しぶりの外野席に腰掛けると、そこは時の流れを忘れる光景があった。寝転がって試合を見ているおじさん、ちょろちょろする子供、黄色い上着のアルバイトの売り子たち…。
売っているものも大きく変わらない。かちわりに、シャーベットに、缶ビール…。そして、忘れてはならないのが、冷凍みかんだ。
個人的には「誰が食べんねん」と思うだが、冷凍みかんは根強く売られている。 ビニール袋に並サイズのみかんが5個。
たまたま隣り合わせた見知らぬ家族連れのおばちゃんやおっちゃんから、「良かったら、食べる?」と言われて、1つ2つ戴いたといったエピソードを持っているひとは、少なくないと思う。私もその一人だ。
また、そこから会話が弾むこともある。アルプススタンドあたりだと、応援しているチームも同じなので、意気投合の度合いも違う。今では、そうそうお目にかかれない「ふれあい」というヤツがそこにはある。
業者が一体何を根拠に5個を1セットとして売り出したかは、分からない。本当なら、2,3個で売ってもいいはずだ。
5個というのは、微妙な数字だ。
冷凍みかんの魅力は、冷たい上にその自然な甘さだ。あと値段が300円くらいなので、下手に冷菓類を人数分買うより、安くついたりする。
家族単位や連れ合って買う場合、5個というのは、たいてい余分が出る数字だ。そこで、残りを側にいる人にあげるという行為が生まれる。
明確なコミュニケーションが出来ずとも、もらった側は「そういえば、あのとき、冷凍みかん、もらったな。おいしかったなあ」と夏が来るたびに思い出すだろう。それは決してマイナスのものではないだずだ。
冷凍みかんは、硬い上、皮を剥かねばならないため、食べるのは面倒な代物だ。 しかし、ただ喉を潤し、胃袋も満たすだけではなく、心まで満たされるように配慮された意味ある果実だ。
霜に包まれたオレンジ色の球体には、甘い果実と浪漫が詰まっている。
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2001年08月06日(月) ■ |
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僕たちの原点 |
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抽選会が行われ、組合せも決まった。 甲子園大会は、いよいよ開幕を待つのみとなった。
しかし、そんななか日本全国の99%の高校が新チームを始動させている。今日、私は応援している学校の新チーム最初の練習試合を見に行った。
グランドには、あどけなさの抜けない小柄な選手たちがいた。1年生はおどおどしさがなくなり、落ち着きすら感じる。2年生は最上級生の自覚と実感のなさが混じっていて、ある意味1年生よりも初々しかった。
大阪の強豪校をむかえての試合だったが、終盤は1点差と迫った。ここで、大雨と雷で約1時間の中断。その上、グランド整備当があってからの再開だと推定した。私は途中で帰ってしまったのでわからないが、1点差のあと、試合はどうなったのだろう。
さて、明後日から甲子園大会が始める。 甲子園大会に先だって。テレビ局では各校の選手はいろいろなアンケートを取って、それを試合中継時の話を中に取り入れていく。
あれは約10年前のことだ。 ある試合で実況アナウンサーが話していた。
「アンケート項目の中に「好きな色」というのがありまして。全体としては「青」とか「赤」とか明るくて派手な色が多かったのですが、今打席に入っているこの選手は、「茶色」って答えてるんですよ。 気になって、なんだかった聞きましたたら、「茶色は僕たちが汗にまみれて練習しているグランドの土の色。だから、僕たちの原点なんです」。 そう答えてくれました」
当時私は高校生で、その選手は年上だったのだが、「高校球児って、やっぱ違うなあ」という敬意を抱いた。
私はこのことは後々まで深く心の残っていた。だから、華々しい甲子園大会を目前に控え、グランドで練習試合を観戦したのだろう。 そして、好んでグランドに行くようになったのは、この目で「僕たちの原点」を見たいから。
明後日から晴れ舞台に上がる高校球児たち。広い球場に多くの観客が入る。今年は地方大会から有力校が初戦だ敗退するという波乱が相次いだ。 本大会である甲子園大会でもそに傾向は強いと思う。 原点に立ったままのプレーは出来るかが初戦突破のカギとなる。
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2001年08月01日(水) ■ |
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魔法 |
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野球は、さまざまなものと出会わせてくれる。
音楽もその一つだ。 私は野球中継や関連番組を見ていると、そこで使われるテーマソングにも興味を覚え、CDショップへ走る。今日のお目当ては「BASEBALL」。しっとり聴かせるバラードだ。田中秀典という人が歌っている。関西風に言うと、「ごっつベタな」タイトル。そのまんまやないかいっ! しかし、これが自称「テーマソングフリーク」の私の心を捕らえたのだ。
「BASEBALL」は、高校野球京都大会がテレビ中継された際のエンディングで流れていた。何気なく聞いていたはずだが、気付いたら画面の至近距離まで接近し、正座をしていた。野球テーマの大半は、選手(たいていの場合が高校球児)を応援する立場の女性から主人公だと相場が決まっている。 ところが、この歌は逆なのだ。選手が応援してくれている人のことを思って歌っているものだからだ。 また、ここには実際選手が持っていそうな本音も見え隠れしている。そのフレーズを2,3上挙げてみたい。
「弱音を吐かせてmygod」 「期待に応えたいんだ 無理かもしれないけど」 「怠けたい そんな弱い意志がどこか僕にあった気がする」
高校球児はどうも「ひたむきでまっすぐ」という部分だけが表に表れがちだが、こういう弱い部分はあまり見えてこないし、見てはいけないような風潮も否めない。作詞もされている田中秀典さんは、そういうところに疑問を漢字られたのかもしれないなと思った。
その中でも私が一番印象に残っているフレーズは、サビでもある一節。
「頑張れ」 その一言だけが 僕のバットに魔法を掛けたんだ
もし、本気でこう思える球児がいたら、怖いものなしだと思う。野球ほど本人の努力とかけ離れたスポーツはないと思う。神頼み的要素とても多い。「奇跡は日々の練習のたまもの」でもあるが、日々練習したからといって奇跡が起こるろは限らない。自分の能力や努力も大事だ。しかし、それ以外のものもある。 それを奇跡とか神様とかいう言葉ではなく、「魔法」と表現して作者は素晴らしい感性の持ち主だと思う。
そう、野球は魔法なんだ。 笑われるかもしれないけれど、幼いころ、テレビアニメでステッキ一つで呪文を唱えたら何でも出来る魔法使いの少女に憧れた。自分もなりたいと思った。誕生日が近くなると、母におもちゃ屋で売っている魔法のステッキをねだった。 やがて、魔法が現実とかけ離れたものだと知った。そんな私は今、野球にのめり込んでいる。バットという名の、グローブという名の、強靱な肉体という名のステッキでスタジアムは魔法にかかる。そういえば、ペナントレースで優勝目前になると叫ばれるあれも「マジック」…。すなわち「魔法」と呼ばれている。 そっか、野球の危機が叫ばれながらも、球場に人が集まるのは、それがあるかわなんだ。 球界にはさまざまな問題がうずいている。ドラフト、FA、選手の年俸の高騰、プロアマの壁、少子化現象…数えあげたらキリがない。阪神だった、いつまでたっても優勝できない。でも、それでも多くのファンが野球から離れられないのは、魔法にかかっているからだ。
この魔法は、いつまでたっても解けて欲しくない。
「BASEBALL」
弱音を吐かせて mygod 血豆だらけの手が雨に濡れてとてもしみるんだ とても宛てがなくて 何かやりきれなくて 僕がどっかに行っちゃうようで
“甲子園”と書いたずぶ濡れのTシャツは ぼろぼろになって見るも無惨 グランドの向こう側 誰かの影を見たよ それが君だとは気付かずに
涙を拭うその仕草を 君に見られた放課後 「頑張れ」でもその一言が 僕のバットに魔法を掛けたんだ
期待に応えたいんだ 無理かもしれないけど 他に何も見当たらないから 掛け声がかすれても無意識に叫んでた それは君のエールのおかげ?
怠けたい そんな弱い意志がどこか僕にあった気がする ありがとう こんな僕なのにさ 独りじゃないんだって思えたよ
すり減ったスパイクも 穴だらけのグローブも 息を吹き返すように僕に力を与える
真っ暗なグランドに佇む僕を包み込むように 眩くダイアモンドを照らすバックライト そんな君でいた たとえばそれが夢のように叶わない望みだとしても 「頑張れ」その一言だけが 僕のバットに魔法を掛けたんだ
「頑張れ」君の声が聞こえる It’s my life 君あってのベースボール
作詞作曲・田中秀典 編曲・森俊之 universalmusic
後日談
田中秀典さんが、地元のラジオ番組にゲスト出演された。 21歳というお若い年齢に驚いた。 この曲は、野球部にいる友人を見て作ったのだそうだ。 選手にかわるプレッシャーとか弱さとかそういうものを表現したかったのだとおしゃってた。 母校は最近甲子園ではご無沙汰の千葉県の古豪だそうだが、一体どこなんだろう。
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