種を蒔く庭土小さく囲ひけり
春光を砕きては波かゞやかに 稲畑汀子
死刑 (つづき) 2004,3,1 こさんがあつ、ベストセラーの養老孟司著「バカの壁」になぜ、あんなインチキ教祖に若者が惹かれていったか?について書かれていた箇所を知らせてくれる。 ↓以下抜書き ================================= 彼ら(信者)の確信は、麻原が教義として述べている神秘体験を彼らがそのままに追体験できることから来ている」(竹岡俊樹氏の『「オウム真理教事件」完全解読』
つまり麻原はヨガの修行だけをある程度きちんとやってきた、だからこそ修行によって弟子たちの体に起こる現象について「予言」出来たし、ある種の「神秘体験」を追体験させることができた・・・自らの身体と向かい合ったことのない若者にとって麻原の「予言」は驚異だったことでしょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ なぜ入信したか?という答えにはなっていないかもしれませんが 入信した後はこのような操作をしながら、松本サリン事件、坂本弁護士殺害事件、地下鉄サリン事件へと若者を煽動して行った のではないでしょうか?あの胡散臭いおっさんが、カリスマに見える人もいるんだという事実。人間とは複雑な生き物なんですね〜〜 ↑抜書き終わり ===================================
「ヨガの修行」・・そうなんだね。信仰には理論だけではなく、個人的体験が関わるものね。
私は、宗教教育が必要と思うよ。違うかな。「宗教」という形式化したものではないね。「地上のいかなるものも神とすることなく、お互いに人権を尊重することだけを求める見えない神だけを拝む」ということなんだけど。難しいね。では、こうしたら?悪い例、胡散臭い例を教えるのは?
こういうオームのような例を、忘れずに伝えてゆくということね。歴史を学ぶというのは大切なことよ。「空中浮揚」なんかじゃない。歴史、それが「偉大な知恵」の「しるし」なんだよね。私たちが知りうる知恵。
人類の歴史もあれば、個人的な歴史もある。夢からさめた元信者たちに語ってほしいと思う。犯罪の犠牲となり亡くなったかた、今も苦しんでいるかた、悲しみの中にいるかたがたに対しても、語ってほしいと思う。
鳥インフルエンザ 2004,3,4 京都府丹波町の農場で鳥インフルエンザに罹った鶏大量死。届出が遅れ、生きた鶏や鶏ふん、肥料を流通させ続けたその農場から、感染が広がっている。町内では農場に通じる道が通行止めになり、警察が検問、自衛隊が車と人の消毒作業を行っていると言う。
ウイルスは加熱すれば死滅、人にはうつらないということなので、私は今までどうり卵や鶏肉を食べることとする。
鳥インフルエンザ(2) 2004,3,8 鳥インフルエンザ感染の届出が遅れたことで感染が広がり、批判の渦中にあった農場の会長夫妻が自殺した。この騒動の発端となった責任の重さに耐えられなかったのだろう。
破局と困難に出会うと、自分を守ろうとする衝動に身を任せることがある。持ち分が多いほど捉われて、正しい判断ができないかもしれない。そいうい失敗は誰にでも起こりうる。咄嗟にどういう行動にでるか、自己保存に固執しない、という練習が大切なのだ。これまでの報道を聞きながらこんなことを考えていた。
死んだ鶏を袋に詰めて処理するという大変な作業に大勢の方々が当たっているという。初期に封じ込めができなかったことによる被害の拡大は、私には想像もつかないほどである。
さまざまな問題を突きつけられる状況にあるのは、わかる。けれど、事件の報道について常に思うことだが、渦中にある人に、少しの静かさを与えることはできないものだろうか。無力の闇に引き渡され、恐怖と緊張の中にいるものには静まる時が必要なのだ。
浅田農場の件(めぐちより) 2004,3,9 日記読んだよ。これじゃ自殺しちゃうよ、と思ってたら…。個人とか小さい団体に対して、最近は国がすぐ訴える!とやるじゃない? なんか違うと思うのよね。同じ人が同じ事をしないために、本人に反省して貰わなければならないけど、 死にまで追いやることはない。人間はミスを犯すもの。 航空事故のヒューマンエラーを無くすために、いろいろと試みがあったじゃない?柳田さんの本、随分読んだよね。個人のモラリティーのアップも重要だけど、関係省庁はそれに頼らないシステムの構築にも尽くすべき、と思うのだけどねえ(めぐち)
そうだね。鶏の場合は補償も制度化ていないそうだもの。経営者としては、損失をなるべく少なくしようと走るよ。後から、とんでもない悪いことをしてしまったと思うにしろね。そいうい弱さ、愚かさが人にはある。そこから次を考えていくんだよね。そうやって、より安全な社会を作ってゆく。「個人を訴える」というのは逆行しているのね。自殺に追いやってしまったのは、そういう面でも損失だね。
柳田さんはこの頃何をしているんだろうね。もっと、発言していただきたい。柳田さんの考えの根っこのところが、好きだなあ。『個人のモラリティーのアップも重要だけど、関係省庁はそれに頼らないシステムの構築にも尽くすべき』そうだったね。国がシステムを作っていくという作業は、きっとどこかで、こつこつと進められていると思う。そういう報道をもっとしてほしいね。応援するためにもさ。ヒステリックになりすぎるんだよ。冷静にならなきゃ、良い考えもできないよ。
仮退院 2004,3,11 神戸児童殺傷事件の加害者が仮退院した。 逮捕時14歳、現在21歳。
殺害された土師淳君(当時11歳)の父守さん、 山下彩花ちゃん(当時10歳)の母京子さんの談話が 発表された。 悲しみ苦しみ憎しみが消えることは決してないけれど、 苦しみの末に行き着いたそれぞれの言葉だ。貴くて、 そのほかの言葉は何一つ加えたくないと思う。
仮退院をした男性の両親の手記全文も新聞に載る。 「精神医療と矯正教育の成果が認められた」とされる 男性の、これからの苦しい道をも思い合わせると、 これまた、この上に何を加えることができるだろうか。
少年の更生に力を尽くし、退院を許可した方々は重い 責任をともに背負ってゆくことになろう。
土師さん、山下さんの苦しみを共有するすべもなく、 またどんな責任を負うわけでもない者が、徒に気負ったり、 引きずり下ろすような言動で反応することは避けようでは ありませんか。
『現実の社会は決して甘くはありません。そして、平穏な 日々ばかりの人生ではないでしょう。それでも、人間を、 生きることを、放棄しないでほしい。それこそが私たち 遺族の「痛み」を共有することになるのです』 『こどもを取り巻く最大の環境である私たち大人が、今一 度「自分は何のために生まれてきて、何のために生きてい るのか」を真剣に問い直さなければならないように感じ ます。そして、行き詰った死生観を立て直すことや、 「子どもの幸せのための教育とは何か」を深く思案して いくことが根本的な解決の方途ではないかという感を強 めています』『これからは、「彼が更生した」ということ だけでなく、むしろ、つらい体験を使命に転換すべく 、私自身が社会に深くかかわり、自分なりに社会に貢献 することにエネルギーを注いでいきたいと思っています』 (以上朝日新聞11日記事山下京子さん談話の一部
墓参り 2004,3,25 富士山の麓の町にある、実家の墓に母と弟妹と行きました。 オーバーコートを着こんで行くほどの寒さではありません でしたが、所々に雪が残っていました。火山礫のざくざく した土を踏んで、父の墓に線香と花を供えます。病む事も 無く逝った父の、3回目の春のお彼岸です。ほんとうにう らやましい死に方よねぇ、と静かに思えます。
墓のすぐ横では、しばらく途絶えていた炭焼きが復活して、 酸っぱい臭いがしています。積み上げられた薪もきれいな 模様に見えます。みな心地よく思えます。
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