木陰で遊ぶぞ〜!



2002年11月04日(月)

ハロウィンな走り書き 続


いつ、これ、「衣食住」になってたんだ?!
たぶんジャンルの分類が増えたせいで、自動的になってしまったんだろうけれど……。
昨日の午前一時頃、「文芸」にしておく。
創作日記とはちょっと違うし。
なんだか連日ですが、ハロウィンの続きでも、しましょうか。
んでは、れっつらごー。






 誰かが笑ってる。くすくす、くすくす。若い、女の人。近い。
「おや。お目覚めか、姫君」
 綺麗な女性が、朱色を背景に楽しげな表情で清瀬を見下ろしている。
 寝ぼけ清瀬がほえ?と見返す。女性はくすくす笑った。さっきから聞こえていた声だ。
「そんな顔をするでないよ。せっかく理性を保っていたというのに無駄になってしまうではない
か」
 長い爪の背で清瀬の頬を撫でる。やや硬質で滑らかなものの少し冷たい感触を感じながら清
瀬は無意識に目を細めて彼女を判別しようとする。
「……どなた、ですか……?」
 少し掠れた声が出る。女性は清瀬に顔を近づけ、視線を絡め取るように艶めく底知れない深
い闇の瞳で覗き込む。
「魔女さ」
 黒の彩るふっくらとした肉感的な唇が妖しく囁く。甘く耳に届く心地のいい声。
「愛らしい寝顔だったぞ。まるで天使のような、あどけない」
 降りかかる黒の髪と彼女自身から香る蠱惑的な芳香に取り巻かれる。間近の体温。陶器のよ
うに白い肌と黒のコントラストがゆっくりと落ちてくるのを、清瀬はぼんやりと見つめ……。
「と、思っているのだろう? そこで惚けている月影(ゲツエイ)君」
 清瀬の鼻の頭に音を立ててキスを落とすと彼女は清瀬から離れると別の方向を見る。
 ぼへっとしていた清瀬はそこでようやくはっと我に返ると体を起こして同じ場所を見た。
 そこにいたのは朱色を基調とした布で覆われた壁の前に、クッションの小山に埋もれたよう
にあぐらをかいて座った小さな男の子。
 清瀬達をうっとりと見つめている。
 ヨーロッパの民族衣装のような服装がなんだかしっくり似合っている。
 そしてその頭には不思議なものが。
 それは、犬耳。
 犬夜叉バリの、犬耳。
 色が茶色だから鋼牙……いや鋼牙は耳は普通か。
 清瀬は回転しだした頭で一人ツッコミ。
 どこかの神経が麻痺しているのか、この現状に取り乱さない――否、取り乱せないことに気
づいていない。
 魔女と名乗る彼女がこそっと清瀬に。
「こう見えてこいつは狼男だ。喰われんように気をつけろ」
「ってこぅらぁー!! 余計なこと……を……」
 床に手をついて立ち上がろうとし、自分を見つめている清瀬に気づいて。
「……………」
 頬を染めて、そろそろと元のあぐらに戻りもじもじしだす犬耳君。






 あい。ハロウィンす。(笑)
 魔女と狼男。続々出しまっせー。(どこの人)
 って、つまりまだ続くのか……。(沈)
 そういや犬夜叉と鋼牙って、耳と尻尾と足(靴)が反対だ。おぉー。(発見)
2002年11月03日(日)

実はこんな話になるかもしれなかった! 〜蝶の影のいろは歌〜


ハロウィンの続きでなく。
雪華さんへの送り物、蝶の影のいろは歌(全五話)の、最終話、こうなるかもしれなかった!というのを載せるのであります。
あははははは。




 ……馬鹿だよ。あなたは。

↑愛宇の心の呟き。もともとは「組織を変えるという大変なことを両親を殺されたという恨みだけでやろうとしているなんて、無茶な人だ」という意味の言葉のつもりでした。
が、愛宇ちゃんが気づいちゃったおかげで、本編?のようになったのです。




「だから早めたんだ! 少しでも奪われる命が少ないように、――妹を死なせないように――」

「あのときの俺の気持ちがわかるか? ずっと前から思っていたんだ。自分には、本当はどこかに妹がいるんじゃないかって。それがこんな形でも本当にいたとわかって」

「あのときのわたしの気持ちがわかる?

↑愛宇が気づく、と私が思いつく前に書いた部分。
二人とも、口調がなんか違う。(笑)
これでは、勇宇は愛宇という妹が知って、無殺生を徹底しやすくするために総帥交代を早めたという設定。
本編では、んなこと関係なく着々と総帥交代の計画は進んだだけという設定。




 一つ一つの動作に時折覗く懐かしさが残像になっては消えていく。

 生き別れの、私の、たった一人の血を分けた肉親。

↑話の展開に関係なく入れることは可能だったかもしれないんですが……。
なーんも特別な動作とか、してないんですよね。
それに、肉親だ何だと言えるような心の余裕ないし愛宇。




「この国にこだわり過ぎだからな」

「もうそれでは生き残れないことぐらい、よく知っているはずだ。気兼ねなくこっちが動けるように、憎まれ役をわざと自ら買って出てくれたようにしか思えない。知らないのは周りだけで。尤も、俺以外の何人がそう思っているかは知らないけど」

↑……うむむ。組織について、語る勇宇。
どういうつもりで書いたんだっけ?? 若者は国際派ってことで。




 啓華は生まれつき声を出せない。その代わり、不思議な力を持っている。一般に超能力と呼ばれているものを。
 手話

「宇という漢字には『空間』の意味がある」

「と、辞書に書いてあった」

「笑うなよ」

↑本格的?に最終話を書き始める前に書いていた部分。
啓華がこういう設定だったため、愛宇はサイコメトリーさせようかっていうのもありました。
おかげで愛宇と打ち込むと「サイコメトリーの能力を持つ」という説明が未だに。(爆笑)
宇という字についてのは漢和辞典から。(笑) 一応、托斗。
そういえば、津鬼と啓華は兄妹です。二人の会話ありませんでしたけど。




「兄さん」

「ごめん、なんて言わないで」

「裏切れない奴がいるんだ」

「次期総帥」


「今までの長井勇宇の人生を捨てろって言うのか!」

「わたしだって、瀬名を知らない十六年間があった」


「十六の誕生日に教えられた。わたしが養女だって。ショックだった」

↑今までの〜はなかなかお気に入り。でも展開の関係で入れられませんでした。
入れたかったな〜。受け止められても、思い切れるわけなんてないっていうのが。




 一度狂わされたわたしたちの路はもう元に戻せない。

「馬鹿―――――!!!」


 心の中では何度も何度も言っていたのに、呼べなかった。
 「兄さん」、と。

↑勇宇が去った後、泣きながら叫ぶ愛宇。
これも、「気づく」と思いつく前。愛宇に大声を出させてみたかった。(笑)




友達に見られたときに交わした会話。
『愛宇ってこういうの趣味だったっけ?』
『ダメかなー。安かったし、おもしろいなーと思って』

 平然と

↑ほのさんの生血つき弾丸キーホルダー(……なんというかなぁ……)を見て、愛宇の回想。
平然と嘘をつく、とか、違うことを言う、という風に書こうとしてました。
そして愛宇はそんな自分に悲しい笑みを。




『ね、愛宇ちゃん』
『なに? ほのさん』
『いろは歌の意味、知ってる?』
『いろは? 知ってるけど、なんで?』
『んー、なんとなく聞いてみただけ』

 色は匂へど散りぬるを
 我が世誰ぞ常ならむ
 有為の奥山今日越えて
 浅き夢見じ酔ひもせず


 諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽

↑題名に絡めよう、と思いついた一案。蝶の出現だけに終わりましたが。
生前のほのさんが、愛宇とこんな会話をしてたーという。
会話の始まりが唐突にしかなりそうもなかったので、ボツ。




「勇宇〜vv」

「  ?! なんでここに」

「出かける勇宇見つけて、声かけようと思ったら様子おかしかったから、つけてきたv」
 いつもだったら気づくのにさー。

「……さっき話した奴」

 さっき話した奴、って……  この子が……次期総帥〜〜?!

↑こんな感じっていう案だけあったのを今、飛び飛びながら文字にしてみました。
日記に裏の裏設定として書いてはいましたが。女の子ってのは。
これやっちゃったら全体がぎこちなくなりそうだったんで、即却下。
いろはじゃないって、こんなの。(苦笑)




以上、こんな話になるかもしれなかった!いろは特集?でした。
本編は上のリンク先へどうぞ。
ハロウィンの続きは……いつか。(え)
カウンタ消しちゃいました。あははー。

   


オリジナル小説サイト