ぶつぶつ日記
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昨日トルコから戻りました。 正直言って、イスタンブールはそんなに新鮮じゃなかったのですが、 見るものも一杯あって飽きないところでした。 ぷらっと行ったブルサは、緑もたくさん、史跡もあって、 その上湯船付きのハンマム(風呂)まであって、 とてもゆっくりできてよかったです。 今までみた色々なモスクの中で、 ここにあるウル・モスクが現在ナンバーワンお気に入り。
それにしても、さすが世界3大料理の国。 何を食べてもおいしかった。 旅行中は常に腹五分目くらいを心がけている私ですが、 おなかの丈夫な人には大変うれしい国なんじゃないかと思います。 食べ物1つとってみても、 トルコって言う国は思っていた以上に豊かなイメージ。 今まで、なぜにトルコがEUに加盟したいのか? そうして、EU側も、なぜに全面否定ではなく、 様々な条件を提示しているのか理解できませんでしたが、 短い旅行の中で、なんとなくその状態がわかるような気がしました。 この国は、どう考えても東欧などよりは絶対に豊かで、 経済的基盤もしっかりしている。 以前からヨーロッパの生産基地であることも影響しているのでしょう。
せめてなー、と思いました。 せめてエジプトもこれくらいになれば、 もう少しなーと。 砂漠に作られたお台場のようなドバイみたいになる必要はないけれど、 トルコくらいになれればなー。 思いはなぜか、エジプトに飛んでしまうのでした。 因果な私(^^;)。
スペインに行くときは、ほとんど現金を持っていかずに、 現地のシティバンクで使うだけのお金をおろしている。 トルコにもシティバンクはあるのだけれど、 何せなれない土地、ATMを簡単に見つけられるかどうかわからないので、 久しぶりにTCを作ったり、ドルに両替をした。 さて、こうなると、これらをどこにどう持って歩くか、 というのが結構大きな課題になる。 一箇所にしておいてはいけないのはわかるが、 そうそう現金を隠しておけるようなところが、 普通のかばんにあるはずない。 大した金額を持って行くわけじゃないが、 それでもなくしたり取られたしりたら痛いし、 第一気分が悪くなる。 というわけで、給料泥棒をしながら いらない紙で小袋をいくつかつくり、 あっちへこっちへ分散してみた。
出発は夜。 イスタンブールまでは24時間かかってしまいます。 ドバイでトランジットが長いのです(^^;)。 とりあえず、いってきます!
また、須賀さんの本を読んでいた。 須賀さんの辿った道を紹介するフォトエッセイ集も。 そして、その最後に載っていた年表を見て愕然とする。 須賀さんがペッピーノ氏と過ごしていた時間は、 本当に短かったことに。 であって7,8年あまり。 結婚生活に至っては6年だけ。 その人といると、全てがするするとほどけて行くような そんな相手と出会えたと思ったのに。 ペッピーノ氏の家族を覆っていた不吉な黒い影から、 結局二人は逃れられなかったのか。
でも、とやはり思う。 時間というのは相対的なものだろうか。 どんなに短くても、それ以上の長さを持って 過ごせる時間を持てることは、 全ての人に許されていることではない。 須賀さんがペッピーノ氏や、コルシカ書店の仲間たちと過ごした時間は、 誰にでも訪れるようなものではなかった。 特別な、苦しむことを厭わない人のみが享受できる時間・・・。 人生の生き方において、激しさと穏やかさは同居できない。 濃密な激しい時間を持ってしまう人は、 極当たり前に、穏やかに生きて行くことができず、 七転八倒しながら生きて行く。 そして穏やかさを選んだら、時には退屈とも思える日常を 大切に生きて行くしかない。
そのどちらもが、輝きにあふれる人生になりますように。 私も、濃密な時間を持ちたいと思う。 どちらかというと、七転八倒して生きて行く方を選んでいる自分に、 諦めとおろかさを感じながらも。
2003年08月16日(土) |
なんでも金儲け・・・ |
我が家は動物を飼うのが嫌いである。 テレビで自然ものを見るのは大好きな親だが、 実際家に動物がいるのは絶対にいや!と言い切っている。 最近では親子して自分たちのことを、 「結局、動物がさほど好きじゃないんだよ。」 と言い出す始末である。 でも、だからこそ、わかることもある。 動物に対する責任とか、周囲との関係とか。
そんな中で、最近のペットブームの陰で、 過剰な繁殖が行われ、たくさんも問題が起こっているという番組を見た。 近親交配や、遺伝子病のキャリアを無視した配合、 かなりの確立で障害が現れることをわかっていながらの、 希少価値を求めた交配、などなどなど・・・。
ブリーダーって言うのは、犬好きの人がなるものだと思っていた。 そのブリーダーは自分では犬好きが高じて・・・と言ってたけれど、 本当に好きだとはみていて思えなかった。 廃墟のようなめちゃくちゃな家の中。 そこで生まれてくる障害のある犬たちを、 あっけらかんと「生きられませんよー。」という神経。 そんな犬たちが死んでいくのをみて、 どうして心が痛まないで、同じことを繰り返せたんだろうか。
障害のある犬が生まれてくることがわかっていながら、 ブリーダーは飼い主に何も説明をしなかった。 その説明もなく行われた交配から生まれた 耳と目に障害を持つ犬を飼う飼い主は、 「そんな危険があるならそんなことさせなかった。 自分ももっと勉強しなくちゃだめだったんだと思う。」 と言っていた。 寝たきりに近い犬を介護する飼い主は、 「追い詰められて、布団をかぶせて殺してしまおうかと思うこともある。」 と正直な、重い気持ちを告白していた。 人は、何かが起こってからはじめてそのことに気がつく。 それは仕方がないこと。 だからこそ情報の公開が必要だと言う獣医師。
なんでも金儲けなんだな。 小さな命だって、命は命。 でも、そんなことを無視して、 金儲けをしているたくさんの人たちが、 今日もうごめいているのだ。
涼しいを通り越して、寒い・・・。 雨も降っているし、お盆で町は閑散としているし、 これがまた心理的に寒さを倍増させている。 それにしても、今年は一体、夏はどうしちゃったんだろう? という話をヨーロッパに住んでいる友人にしたら、 「雨が見たい」と言われてしまった。 マドリッドでも日中日陰で46度! 涼しいはずの北の方でも連日40度を大幅に超えていて、 死者もでるは毎日ニュースになっているそうだ。 足して二で割れればいいのにねえ・・・と話しているが・・・。 熱波で今年のフランスの葡萄は最高、 ワインも最高になる見通しだそうだが、 日本の果物は、今年は最高にマズイ。 野菜も高いし、米もどうなるんだ。 そしてお盆ももう終わり・・・。
2003年08月11日(月) |
noblesse oblige |
ノーブレス・オブリージという言葉を始めて知ったのは、 白洲次郎氏の伝記の中でだった。
noblesse oblige=高い身分の者の負う重い道徳的義務。
社会的に高い身分にあるものは、 それに伴い、様々な道徳的義務を果たさなければならない。 欧米(そしてアラブにもこの精神はある)で 当然のようにされているこのことが、 日本という国には全くかけていると思う。
現在、日本の企業ではリストラが進められている。 しかし、そこで辞めさせられていくのは、 あまり役付きの高くない一般社員がほとんどである。 本来、その企業の舵取りをしてきて、 結果収益ダウンなりを導き出してしまった重役連中が、 責任を取って辞めることは、 よっぽどの社会的問題が発生しない限りはないようだ。
また、本来国を背負っているはずの国会議員たちの 低俗で意味のない、様々な行動。 首相ですら国会答弁中に逆切れする始末。 自分のいった発言に対する責任感のなさには、 目を被うものがある。
最近の調査では、企業が進めているリストラや効率化に対して、 企業側と雇用側の意識の差が明らかになっている。 企業側は意気揚々とやっていることも、 雇用側から見れば、将来に対する不安を増すものでしかない。 国が進めている「痛みを伴う改革」も、 痛みを感じるのは下々ばかりで、 この改革案が進めば進むほど、 持てるものと持てざるものの差が広がって行くという。
高い地位についたことに対し、とやかく言うことはないが、 それには大きな責任が伴うことを、 全く認識していない人たちがどれほどいるか。 そして、自分たちの今の地位が、 実は見えないたくさんの持てざるものに支えられていることなど、 露ほども想像しないのだろう。 そして、その上部の責任感のなさが現在の日本の状況を生み出し、 なかなか抜け出られない原因ではないかと思う。 まず、自分たちが一番に痛みを味わってほしい。 それを見れば、こちらの意識も引き締まる。 いつまでも、胡坐をかいているのばかりを見せ付けられたのでは、 こちらだって、何もしないで寝ている方が楽になってしまうのだ。
と、かなり真剣に考えちゃってる今日の私。 理由は簡単。 シリンジの通常タイプが9月末で廃盤になるからだ。 わからない人には暗号のように聞こえるこのシリンジ、 注射器のことなんだけれど、 私はこれを使ってほとんどのアラビア語を書いている。 しかも、通常セットでは売っていない ブルーノズルという一番細い物を使って、 書いている。
シリンジタイプの銀粘土がなくなるわけではないが、 新しく出た650という低温焼成のものが残るということ。 所が、これが固い!!! とてもじゃないが、ブルーノズルだと細すぎて、 出てきやしない。 しかもこの650という素材、乾燥が異常に早いため、 シリンジにしてもすぐに乾いてノズル口がふさがれるのだ。 つまり、細かい作業には全く向いていないということ。
こういう時、銀粘土という素材の限界を感じる。 素材的には無限の可能性があるが、企業側の姿勢にだ。 お花やお茶の家元制度じゃないが、 インストラクター制度というものを作っていて、 店子を増やして行くスタイル。 また作っているメーカーが2つだけで、 企業原理である競争もない。 普通の銀はどこで買っても銀。 でも銀粘土はどこでも買えるってものじゃない。 こちらは選べないのだ。
売ってやるから黙って作れってこと? でもさ、買ってもらっているんじゃないのかね? 市井のイントラの意見など聞いているのか、 自分たちが変えたいように突然変えて行く。 イントラ資格を取得するための作品だけが、 作れる素材であれば良いのか。 そのあとには、無限の創作が待っているんじゃないのか。 本部の素材に対する姿勢を問いたい。
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