サッカー観戦日記

2003年05月31日(土) 総体兵庫予選 準々決勝 滝二−御影工  市尼−県西宮

何十年ぶりかで5月に本州上陸を果たした台風の影響でキックオフ時間を1時間半遅らせた総体予選準々決勝。会場の滝二は高台にあり、いかにも風の強そうなところだ。台風は広島を通過しているはずだが、とりあえず雨は降っていない。



総体兵庫予選 準々決勝 滝川第二−御影工
5月31日(土)滝川第二高校 11時30分 クレー 晴 台風


滝二               御影工
−−−岡崎−−瀧原−−− −−−山口−−大谷−−−
−−−−−長谷川−−−− −−−−−−−−−−−−
−−新井−中根−柏木−− 松岡−井上−−川尻−柏田
山上−河本−−三村−岡田 大矢−石澤−−山本−村田
−−−−−上杉−−−−− −−−−−中山−−−−−

滝二の選手名には全く自信がない。トップ下の7番を長谷川としたが、キャプテンマークをつけているし新井のような気がする。総体プログラムは市販していないし、写させてもらえないことが多い。この日は強風でそれどころではなかったが。交通ダイヤは特に乱れていないが個人的に台風の影響を受け、キックオフに間に合わず、前半は半分も過ぎてからの観戦となってしまった。両校はプリンスリーグにも参戦しており、「事実上の決勝戦」と言う声もあった。さて、到着してすぐスコアを聞くと、すでに御影工が先制している。ショートパスをつなぐ滝二とタテに速い御影工という予想通りのゲーム運びが進む。御影工はCF山口へのロングボールのこぼれを大谷が狙う。井上の左足のフィードもよかった。

ハーフタイムで滝二は山上→中杉を投入。LBに5番柏木、ボランチ8番中杉、右に7番長谷川、トップ下10番新井、左に13番中根という大転換を図る。後半も滝二がぼるを支配するが、御影工もクロスには強く、長身SW2番山本、4番石澤がことごとく跳ね返す。山本は好カバーも持ち味。11分、滝二・10番新井→18番盛本を右にいれ9番瀧原をCFに16番岡崎を左に置く3トップ。7番長谷川をトップ下に戻す。両ウイングがドリブルで崩す。16分、滝二・2番三村の深い位置からのロングスローを誰かがそらし、7番長谷川が決め、1−1の同点となる。御影工は井上のミドルパス、松岡のドリブルくらいしか攻め手がなくなり苦しい。18分、滝二・13番中根がドリブルで突っ込み、こぼれたボールを9番瀧原が撃つが、枠外。7番長谷川も何度も突破し、23分にもサイドを破り好クロス、GK中山も好飛び出しではじき出す。27分には御影工・村田が警告2枚で退場となってしまい、御影工は完全に自陣を固めるしかなくなる。が、28分、井上がスルスルとあがり、ミドル。決まったと思ったがGK上杉が素晴しいキャッチ。滝二も終了間際のチャンスを決められず、延長戦となる。

その延長前半、不愉快なことが起きてしまう。御影工の選手がハーフウェーライン付近で痛む。GKが手で保持していたボールをあまりゴールラインから離れていないタッチに蹴り出す。ハーフ付近には観戦者が多いために気を使ったのだろうが結果的には甘い行動だった。滝二は当然プレゼントボール。しかし、GKに戻して、元の状態にするわけでもなく、ゴールキックにするわけでもなく、なんとゴールライン付近の相手スローインにしただけで、しかも全員でプレスにいく構えである。ベンチの黒田先生からも制止の声はかからない。以前96年のヨーロッパ選手権でオランダが同様の振る舞いに出た際に解説の田嶋さんは「汚い」を連発した。ゲーム中の瞬間的なラフプレーならまだ仕方が無い。しかし滝二は一人二人ならともかく、ベンチも含めた全員がこのような汚い行動に出るのだ。サッカーにケガはつきものだ。だからこそ、敵味方を問わずサッカー仲間に対する最低限の配慮として、少なくともプレーが止まった状態でタッチにボールを蹴り出す行為、それに対ししっかりプレゼントボールを返す行動は義務といっていい。高校生にもなって「知りませんでした」では済まされないし、黒田先生が知らないわけもない。滝二のこの行為を見るとサッカーを愛する者として怒りを感じるよりも情けないやらやるせないやら・・・・・・。御影工としては絶対に奪われてはならないケースだったが、滝二がこのスローインを奪い、ペナ正面へつなぎ、そこでファウル、得たFKを決め、その後も安定してボールを支配し、ベスト4入りを果たした。



2003年05月25日(日) 関西女子リーグ1部 第4節 ラガッツァFC高槻−神戸FCレディース Lリーグ 第3節 スペランツァ高槻−宝塚バニーズ

関西女子リーグ1部 第4節 ラガッツァFC高槻−神戸FCレディース
5月25日(日)萩谷 10時30分 曇 強風


高槻             神戸
−−−中島−−島村−−− −−−18−−8−−−−
−−−−−乃一−−−−− −−−−−52−−−−−
尾山−奥田−−坂井−井上 −−12−6−−5−−−
−−山下−上辻−椰木−− 16−−7−−4−−62
−−−−−大野−−−−− −−−−−1−−−−−−


ラガッツァ(以下高槻)は関西女子リーグの常勝チーム。このリーグの参加しない有力チームとして高槻と同等の実力を持つ大体大・啓明女学院・日ノ本学園が挙げられるが体力重視のサッカーをしており、技術・戦術・将来性では高槻が上回るといっていいだろう。高槻のスタメンの過半数は中学生。一方神戸FCは2種以外の全てのカテゴリーのチームを持つ大クラブで神戸FCレディースは神戸FCの女子チームのトップチーム。ちなみに2種チームはヴィッセル神戸ユースに移管された。

ゲームは技術に優る高槻が完全に支配し、ハーフコートマッチと化した。正確なキックを持ちFKも蹴る上辻が後方から組み立て、冷静な坂井とチーム1の技術を持つ奥田のインサイドはボールをほとんどカットされない。12分にはCKのこぼれを井上が狙うがポスト直撃。乃一は時々ハットさせる輝きを放つプレーを見せる。17分には左スミへ絶妙なミドル、しかしGKナイスキャッチ。島村がポスト役でキレのある反転を見せる。神戸FCは驚異のスピードから強引にシュートを狙うエメルソンみたいな18番(ミキ)以外は特に目立つ選手はいないが粘り強さは見事だった。技術が低く、カウンターにいけず、攻撃はブツ切れとなって厳しい展開。35分ハーフの前半ロスタイムに上辻のCKをファーの奥田が決め、高槻先制。前半のシュート数は15対1だった。

後半5分には島村がゴール前で受けて15m反転シュート、2−0とする。奥田は抜群の技術を随所に見せる。トップチームのインサイドはテクニシャン揃いなのでポジションを奪えてはいないが、他のチームならレギュラーも十分狙えるだろう。U−18代表も射程圏内。高槻のプレスが落ち、神戸FCは徐々にロングボールが18番につながるようになる。7分、上辻から直接奪いシュート、10分には交代出場の盛をぶっちぎりシュート、12分にもタテ突破からゴール前の8番に出さず角度の無いところから突き上げるシュート。19分、神戸のスルーパスにGK上野、前に出かかるが止まり18番が追いつき冷静にシュート、これが決まる。おそらく上野は前に出ていても追いつけず18番にかわされた可能性が高かったが、判断を躊躇し不十分な姿勢でノーチャンスなシュートを打たせてしまった。26分、高槻CKのこぼれをシュート、またポスト直撃。29分、バックパスのクリアミスがフリーの18番への最高のパスとなり、快速ドリブルで持ち込み冷静に決める。神戸ついに追いつく。この後も攻める高槻・カウンター神戸の状況が続きタイムアップ。2−2の引き分けとなった。

殊勲賞は神戸の18番しかいない。スピード豊かなドリブルからシュート!ポストに入りヒールパス!パスはほとんどなし。プレーの幅は限られていたが迫力十分でチームの中では実効性も兼ね備えていた。高槻の奥田のようなパッサーがいればゴール数も倍増しそうだ。


Lリーグ 第3節 スペランツァ高槻−宝塚バニーズ
5月25日(日)萩谷 13時 曇 強風

高槻           宝塚
−−−阪口−−久山−−− −−−若林−−今枝−−−
−−−−−庭田−−−−− −−−−−三浦−−−−−
相澤−高倉−下小鶴−松田 −−稲葉−伊丹−小林−−
−−中鍋−桜井−鳥越−− 平田−西手−−田中−阪上
−−−−−轟−−−−−− −−−−−安田−−−−− 

今シーズンは西日本リーグから上位3チームが決勝リーグに進む。田崎は当確として残り2枠を高槻・宝塚・伊賀・湯郷で争う展開が予想される。ホーム高槻としては4チーム中最も力が落ちると思われる宝塚戦は落とせない。宝塚としても決勝リーグ進出のために伊賀戦に続き勝ち点を奪いたいところ。

かつての天才MF佐々木博和氏率いる高槻は技術のある選手を揃え、個々の実力やポテンシャルは宝塚よりも一枚上回る。鳥越・高倉・相澤・庭田の4人が代表経験者で、轟・下小鶴も代表候補入りの経験があり、ラガッツァから昇格した阪口もU−18代表候補の期待の新鋭である。代表キャップ79を数える高倉と下小鶴の技術系ボランチに象徴されるような技術重視のサッカーが持ち味。中鍋・鳥越はストッパーながらどんどん攻めあがる。ベテラン鳥越は以前は攻撃的なポジションだった。マークをこまめに受け渡しバランスを保つ。両サイドは俊足で特に相澤は日本トップクラスのスピードを誇る。FWは技術系ドリブラー阪口と点取り屋久山のコンビ。

宝塚は4バックで両サイドは守備的。小柄ながら力強い伊丹がDFラインの前で相手を潰す。左利きで技術を活かした突破力があり左足クロスもいい稲葉とスピードが売りの小林がサイドに張り出し、シャドーストライカー・タイプの三浦が素早い判断でFWに出す。中盤は守備面での連携が甘く、選手間の距離も離れすぎていてあまり機能していない。長身RB阪上は代表候補入り、平田はU−16選抜入りの経験がある。

序盤は宝塚がリズムをつかむ。5分、宝塚・稲葉のクロスを轟キャッチミス、ファーには大胆にもRB阪上が待ち構えておりヘッドも辛うじて轟がセーブ。10分、高槻右クロスから久山シュートはイマイチ。12分、宝塚左サイドのFK稲葉から正面で田中がフリーからヘッド、決定的な場面だったがGKの正面に飛び、轟キャッチ。14分、高槻・庭田が右サイドからゴールライン近くまで切れ込みマイナスのグラウンダークロスも久山にきっちりついていた田中がカット。14分、宝塚・三浦早い判断で若林へ、左に流れて受け切り返し正面の三浦に戻し、20mミドルは外れる。17分、稲葉が抜け出しかけるが、高槻CKに逃げる。ショートから今枝につながるがシュートブロック。19分、高槻DFのクリアを拾った庭田のスルーパスを受けた阪口のシュートは安田セーブ。このあたりから高槻のペースになり、支配率が高くなる。22分、空中戦のこぼれを拾った宝塚・伊丹が力強いタテの突進からミドル、外れる。直後、高槻・庭田の吸うルーパスを阪口ダイレクトではたき久山のシュート。23分、高槻カウンター阪口がポストに入り右に開いた庭田へ、右クロスにファーで待ち構える久山が切り返しで一人かわし冷静にシュートを決め高槻先制!30分、バックパスに今枝が詰めるが轟は無理に前に出そうとして今枝に当ててしまうがボールはマウスを外れる。33分、高槻・相澤スピード抜群のドリブルから左足クロス、庭田にわずかにあわず。34分、宝塚・小林スピードを活かした突破からクロスを稲葉が頭で絶妙の落とし、若林のシュートは鳥越ブロック。35分、宝塚・小林タテ突破からクロス、今枝のヘッドは上に外れる。37分、宝塚・田中が久山にプレゼントパス、阪口にはたき左足シュートは当たり損ね。40分、高槻スローインから庭田中央に切れ込み左足シュートはDFブロック。結局前半は1−0で終了。

前半はともに中盤の守備が甘く、攻め合いになってしまった。高槻のボランチは球際の力強さが足りずチャージで奪うシーンは皆無だったし、宝塚は伊丹に頼りすぎていた。後半どう変化するかが鍵か。相澤と小林のスピード対決も興味深い。

1分、宝塚・小林の突破からクロスにファーに突っ込む稲葉のヘッドは外れる。4分、高槻は下小鶴に代え中野。守備の強化が狙いか?後半高槻はファーストディフェンスが良くなり宝塚は小林や稲葉への狙い澄ましたパスが出せなくなる。10分、宝塚がオフサイドトラップを狙うが西手が残っていて失敗、阪口フリーでクロスが高倉へ、トラップでもたつきシュートはブロックされる。13分、宝塚・三浦を高倉きっちりマークするもうまいトラップで前を向きスルーパス、長すぎGKキャッチ。15分、高槻・阪口から久山が抜け出しかけるが、平田が物凄いスピードで戻りカット。20分、宝塚・三浦とのワンツーで小林が右を突破しクロス、今枝フリーでヘッドも外れる。21分、高槻は相澤に代えて奥田を入れ、久山を中央に右・奥田、左・阪口の3トップに変更する。中盤は右・中野、左・松田、トップ下・庭田、底・高倉で、攻撃的な選手交代である。狙いは当たり、以後の高槻のシュート数は9本を数えた。決まらなかったが、技術の問題というよりシュートタイミングが悪く、DFにブロックされるため。ロスタイムには久山のバー直撃弾もあった。結局1−0で高槻の勝利。

高槻は守備の甘さが気になった。中鍋は足先だけの弱いタックルを跳ね返されるシーンが目立つ。桜井はイージーなパスが多かった。鳥越はさすがというか、ここぞと言う場面での好守を見せた。下小鶴はせっかくキックが上手いのに判断ミスや相手にバレバレのパスをカットされるシーンが何度かあり、守備も読みに頼りすぎというか、チャージ・タックルとも弱く、上を目指す選手としては物足りなかった。大ベテラン高倉のラモス的なずうずうしさはさすがというか。相澤は不調なのか、攻撃面では目立たなかった。松田は抜群のスピードを見せた。守備は苦手のようだ。庭田は圧倒的な存在感でパッサー、クロッサー、フィニッシャー役をこなし、完全にチームの柱となった。阪口は技術の高いドリブラーで、スピードある久山と噛み合えば今後が楽しみ。ただ決定力はあまり感じない。

宝塚は阪上・平田の両SBがスピード豊かで簡単に振り切られることはないが、1対2の苦しい守備が多かった。伊丹は粘っこく、力強い守備と大胆な突進、ミドルやFKと奮闘し、敢闘賞ものの大活躍。小柄ながら低い姿勢からのチャージは破壊力十分。小林のタテ突破や稲葉のドリブルは魅力的だがインサイドやSBとの連携がなく、サイドに開きすぎて、守備時には他の選手に負担をかけてしまった。判断の早い三浦と上手い若林のコンビは見ていて楽しい。宝塚は曲者揃いだかイマイチ噛み合っていない。



2003年05月18日(日) Lリーグ 第2節 宝塚−湯郷

さてこの日やや強引な観戦スケジュールを組んだのは湯郷に興味があったからだ。何度も行ったことのある岡山県美作町にある湯郷温泉が地元活性化を狙い誕生させたクラブ。仕事との両立が厳しい現在のLリーグにあって確実に仕事とサッカーの両立が可能なこのクラブはむしろ恵まれた環境にあり、代表クラスを含め有力選手が軒並み加入している。とはいえ1年目には全女岡山県大会で吉備国際大の前にまさかの敗北を喫しており、チーム力自体はさほど期待していなかった。スタンドには美作から駆けつけた大応援団も陣取り、ホーム宝塚の応援を圧倒している。


Lリーグ 第2節 宝塚バニーズ−湯郷ベル
5月18日(日)萩谷 14時 晴 微風


宝塚                湯郷
−−−今枝−−若林−−− −−−−−岡本−−−−−
−−−−−三浦−−−−− −−−中川−−宮間−−−
−−稲葉−伊丹−小林−− 中田−北岡−−城地−松原
加治屋−西手−田中−阪上 −−山崎−藤井−福原−−
−−−−−安田−−−−− −−−−−福元−−−−−

この日の宝塚の中盤の守備はルーズで組織的でもなかった。シャドーストライカー・タイプの三浦はポジションが高すぎ、サイドアタッカーの稲葉・小林はサイドに開きすぎ、4人のMFの距離が長い。必然的にDFは下がるしかない。レアルのような圧倒的個人能力がなく、一方的に相手を守勢に追いやる力のないチームにとってこのようなゲーム運びは致命傷となる。

それに対し湯郷は基本技術がしっかりしていてプレスが甘ければ強いボールでパスをしっかり回せる力がある。ベテランも多いチームだけに宝塚のスキを確実に衝くゲームを展開する。ボランチのベテラン北岡(元田崎)が城地(元高槻)を上手くリードしつつ攻撃を組み立て、中川(作陽高在学)宮間(元ベレーザ・U−18代表)が自由にポジションを移動しながら攻撃に絡む。守備でも特に変わったことはしないが、バランスをしっかりとり、宝塚MFを孤立させて奪う。一度はサッカーを断念し帰郷したというFW岡本はスピードがあり、ポストも確実で1トップの仕事をしっかり務め、加入1年目の湯郷が一方的優位に立つ。藤井の統率する守備も堅実でGK福元(元U−19)は身体能力が高い。

先取点は意外な形で入った。33分右に開いた岡本がクロス、アウトにかかったミスキックが直接ゴールイン。さらに38分右CKを福原がアウトに掛かった強烈な右足クロス、城地がヘッドで決め0−2とする。41分には左に流れた三浦のクロスを若林が決め、前半を1−2で折り返す。

ハーフタイムで宝塚が中盤をどう修正するかが勝負の鍵だったが、特に修正はないようだ。こうなると湯郷の勝利は必然的なものとなる。

後半も宮間・中川がスペースを自在に使いチャンスを量産する。開始早々宮間のクロスを中川ヘッド。10分福原のハーフラインを少し越えた右サイドからのFKのこぼれを再び福原が入れ、ニアの岡本が落とし中川が決める。宝塚の選手は個性的なのだが、個性をチームの中で有効に活かせる選手が少ない。15分過ぎから湯郷はややペースダウン。スタミナ不足かと思ったが、純粋にペースを落としただけのようだ。18分、中川→江口。22分、若林→宇良。33分、ダイレクトパスから右に流れた岡本のクロスを大外から走りこんだ中田が決め、とどめの4点目。その直後松原→光藤。10番を任させる選手で操山高在学、もちろんU−18の資格もある。タテの突破力を持つ選手。宝塚は身体能力の高い伊丹の展開力からサイドハーフの突破力が頼り、という状況で蹴って走るのみ。37分、稲葉・小林→久志・河野に交代。河野が右、久志が左の中盤に入る。42分には加治屋が岡本に直接奪われ、前に出るしかないGK安田の頭上越しにループを決め1−5とし、まさに内容通りのスコアで湯郷が圧勝した。

今期は西日本からは上位3チームまでが決勝リーグに進む。熊本と湯郷はノーチャンスだろうと予想していたがとんでもない誤りだった。別格の田崎を除くと高槻・伊賀・宝塚・湯郷の争いとなりそうだ。また湯郷の大応援団はLリーグでは破格の存在だ。こういうチームの登場はサッカーファンとして実にうれしく思う。



2003年05月17日(土) クラブユース選手権(U−15)大阪予選 3決 高槻FC−C大阪 関西学生春季リーグ第9節 近畿大−桃山大  関学大−京産大 

U−15代表に布さんが就任し、久しぶりに納得できるジュニアユース代表監督が誕生した影響でどうも最近中学生を観たくてしょうがない。この日は一日中クラセンの方を見たかったが、誘いがあったし大学サッカーを優先し、クラセンは1試合だけ観戦する。会場の南津守へは堺筋線天下茶屋から徒歩20分ほど。ゴール裏のスタンドからピッチを見下ろす。

クラブユース選手権(U−15)大阪予選 3決 高槻FC−セレッソ大阪
5月17日(土)南津守人工芝 10時 晴 無風

高槻FC         C大阪
−−−原恭−−中野−−− −−−−定−−松宮−−−
−−−−−佐藤−−−−− −−−−−柿谷−−−−−
上野−南辰−−森本−春藤 −−宮山−大庭−奥谷−−
−−藤原−八木−平松−− 谷川−岡崎−−植田−松本
−−−−−原武−−−−− −−−−−堀之内−−−−

このゲームの勝者は関西大会でのシード権を得る。高槻FCは主将の藤原君をストッパーで起用しスイーパーには前のゲームで好プレーを見せた2年生の八木君が入る。この日は原武君・平松君・八木君・佐藤君・中野君と2年生は5人。C大阪も松本君・柿谷君・定君・大庭君・岡崎君と2年生が5人いる。

高槻FC、開始すぐに右を起点に素早いパス回しから上野君がGKと1対1のチャンス、惜しくも決まらず。高槻FCは藤原君が松宮君をマーク、平松君が定君をマークする。5分にもFKで森本君がGK堀之内君が待ち構えているサイドを狙い、一瞬GKの逆を突くが、セーブ。さらに佐藤君のスルーパスに原恭君が抜け出すが、これもGK堀之内君がシュートブロック。10分と経たないうちに決定機3回と一方的なペース。しかし植田君が再三良いカバーリングを見せてよく耐える。C大阪はFWの足元へのパスがことごとく潰され、柿谷君も前を向けず、スペースに蹴ったボールも高槻DFに読まれ、チャンスにならない。高槻FCは高い位置でボールを奪い、ワンツーを多用する得意の細かい攻めで中央突破を繰り返す。14分、高槻FCのCK、原恭君のボールが正面に走りこむ小柄な佐藤君に点で合いヘッド、バーを叩いたボールを中野君が押し込みついに先制。19分、高槻FC、ペナ手前中央でのパス回しから春藤君が右からフリーで放ったクロスかシュートか分からないボールがポストを叩く。21分、FK原恭君のボールがファーの上野君の足元へ、しかしトラップミス。22分、南辰弥君の左からのスルーパスを受けた森本君が正面フリーから20mミドル、これも決まらず。26分、原恭君からDFの裏へのスルーパス、上野君はシュートも打てたが後方に戻し原恭君のシュートはDFブロック。結局前半は1−0で終了。C大阪のシュートは2本に終わった。

後半C大阪は奥谷君→西口君。高槻FCは春藤君→石井君を左に入れて上野君を右に回す。また八木君をストッパーにして藤原君をスイーパーに戻す。開始早々、C大阪・松宮君が左から上野君をかわしてシュート。気合を感じるプレーだ。柿谷君も2年生ながら高槻の当たりを力強く跳ね返し、ドリブルから周囲に好パスを出し始める。パスはとても柔らかい。CKから植田君の高いヘッドは惜しくも外れるが、このゲーム初の決定的シュート。10分には定君のミドルがバーを叩く。後半C大阪は一度サイドに出して高槻の守備を広げてから中を崩す攻撃でペースを掴む。左の宮山君はドリブル突破からの正確な左足クロスや確実なキープ力でタメを作り、柿谷君や谷川君にいいボールを供給し後半のキーマンとなった。右の西山君も引き球を多用するキープでタメを作りトリッキーなパスなどで局面を打開する。大庭君も堅実・確実な捌きをみせた。一方高槻はDFが後方を気にして足元へのボールへの守備が甘くなり、C大阪FWに収まるため、中盤も下がり、攻めが薄くなってしまった。C大阪はミドルの山を築くが多くはブロックされてしまう。このまま逃げ切りかと思われたロスタイム、クロスのこぼれを松本君が決めてC大阪は劇的な同点ゴール。後半だけでシュート15本の猛攻が報われた。ゲームは引き分けとなり、PK戦の結果C大阪が勝者扱いで、関西大会のシード権を得た。




試合終了後速やかに長居へ移動する。四つ橋線岸里から乗って大国町乗り越えなのだが、階段上るのが面倒なのでその先まで行き、折り返して大国町で同じホーム反対側の御堂筋線に乗り換えて長居へ。

関西学生春季リーグ第9節 近畿大−桃山大 
5月17日(土)長居第2 12時 ピッチ並 晴 無風


近畿大               桃山大
−−−浅野−−片山−−− −−−−森−−川井−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−南茂−−−−−    
石橋−足立−−小寺−山本 −−大西−井上−柳田−−
寿−佐々木−−藤原−阿部 福西−江添−−木村−重光
−−−−−土田−−−−− −−−−−広瀬−−−−−

最終戦を待たずしてすでに桃山大は優勝を決めている。いわば消化ゲーム。しかし近畿大とすれば関学大と京産大が勝ち点7で8,9位、近畿大は勝ち点8なので勝てば残留決定、しかし引き分け以下なら入れ替え戦行きの可能性が出てくるのでなんとしても勝たねばならない一戦だ。

桃山大はいつもの通り中盤の素早い寄せからのサイド攻撃でペースを握る。クロスから2トップがシュートという形を何度も作り、24分、重光が大きく左へ展開し、受けた森がペナ左外から鋭いドリブルでペナ内へ持ち込んで決めて先制。30分過ぎから近畿大の流れとなりミドルを次々と放つがゴールを脅かすものでもなく、逆に41分、森のペナ内正面からのシュートが右ポスト直撃、こぼれ球を柳田が蹴りこみ2−0。前半で勝負アリ。

ハーフタイムで桃山大は一気に4人交代し、完全にテストモード。5分、桃山大・南茂が寿の裏のスペースに出し、受けた森が速いドリブルで一気に持ち込んでシュート、これが決まる。12分、南茂の左クロスに近畿大DFのルーズなマークをはずした川井が打点の高いヘッドを決める。13分、近畿大・寿の左足FKはポスト直撃。15分、近畿大・石橋に対し桃山大・LB廣瀬が不用意なファウルでPK献上。これを石橋自らが決め1−4。24分、この試合やりたい放題の森の右クロスを川井がスルーし吉北が決め1−5。以後も桃山大が完全にゲームをコントロールしたまま終了。記録を見ると近畿大はシュート21本放っているが守備を崩したものはあまりなく、淡白なミドルばかり多かった。入れ替え戦に向けて近畿大はこんな負け方をしてはいけないだろう。



公式記録




関西学生春季リーグ第9節 関学大−京産大 
5月17日(土)長居第2 14時15分 ピッチ並 晴 無風

関学大               京産大
−−亀ケ渕−−小松−−− −−−江南−−薄−−−−
−−−−−橋本−−−−− −−−−−−−−−−−−
上貝−鈴木−−古家−佐伯 宮川−大城−−高館−松井
−−守生−春川−山口−− 齋藤−久田−−林−−山領
−−−−−永田−−−−− −−−−−吉田−−−−−

直前のゲームで近畿大が負けて勝ち点が伸びなかったため、京産大は引き分ければ勝ち点で近畿大、得失点差で関学大を上回り残留が決まる。関学大は勝てば残留、引き分け以下で入れ替え戦となる。

京産大は中盤・最終ラインともにフラット。プログラム写真の表情にインパクトのある大城が左足でゲームを組み立てる。2トップは小柄で薄がウイングタイプ。江南がストライカー。両SBは守備的でフィードがうまい選手。

関学は両サイドがともに突破力に優れた選手でボランチも攻撃の起点となれる、パスの正確な選手。FWは長身小松と点取り屋亀ケ渕のコンビで、サイドからガンガンクロスを上げるサッカー。

関学大は佐伯が好調で右から積極的に仕掛ける。京産大はカウンター狙いで動き出しのいい薄が上手く起点となる。13分、関学大・上貝の左CKに小松がドンピシャヘッドを決めて先制。上貝のキックが凄すぎた。関学大はサイド攻撃を徹底し、左が詰まれば上貝が一気にサイドチェンジ、右が詰まれば古家に戻し長短様々なパスで崩す。ただ橋本が不調でドリブルは止められ、トラップも読まれて簡単に奪われるなど、中からは崩せず。京産大のインサイドは読みがいい。前半ロスタイム、亀ケ渕が左に流れて受けクロス、ファーに走りこんだ佐伯が決め2点目。

後半立ち上がり、京産大・薄の突破で得たFK、大城の左足からGKに向かうボールに二人飛び込むが惜しくも合わず。6分、関学大・古村の右クロスを受けた上貝が冷静に右スミに流し込み3−0。勝負あったと思った。この日はとても眠かったため観戦仲間の知人(関学OB)に残留おめでとう、と一声掛けて長居をあとにした。しかしこの後京産大が2点取り返し関学大を追い詰めていたのだった・・・・・・。結局は関学大が4−2で逃げ切り残留を決める。


公式記録



2003年05月10日(土) クラブユース選手権(U−15)大阪予選 G門真−吹田JFC千里丘  G大阪−高槻FC  関西学生春季リーグ第8節 関学大−大産大

この日は万博から萩谷へとはしごしなければいけないので車を使った。


クラブユース選手権(U−15)大阪予選 敗者復活戦 ガンバ大阪門真−吹田JFC千里丘
5月10日(土)万博人工芝 10時 晴 無風


このゲームの勝者は関西大会進出、敗者は予選敗退が決まる大一番。

吹田JFC千里丘は2年前全中で準優勝した千里丘中が母体となったクラブ。日本発の本格的なニュータウン作りで知られる千里ニュータウンは当然ながら住人の年齢バランスが極端で、万国博覧会から約30年経ち一時は爆発的に増えた学生も今や学級数が当時の半分以下と言う状況で、千里丘中も単独ではチームの維持が困難となり、昨年度は全国どころか三島地区内ですら苦戦していた。そこで今年度からは中学サッカー部としてのチーム登録をやめて、前年度から登録している吹田JFC千里丘として一本化して大会にエントリーしている。千里丘中の生徒は平日の多くは中学サッカー部として練習し、週末はクラブとして練習と言う形をとる。

一方G門真は以前は門真スポーツクラブと言う名前だったがG大阪の傘下に入ったクラブで独立採算制を採っている。G大阪は他にG堺もあるが、門真からはモノレールで十分G大阪の練習場に通えるためか人材がG大阪に流れ、G堺ほどは人材が集中していない印象がある。

吹田JFC千里丘        G門真
−−−山本−−田中亮−− −−−持留−−寺東−−−
−−−−−隅内−−−−− −−−−−−−−−−−− 
−−厨−−足立−谷川−− 大前−河村−−山本−牧−
遠藤−寺西−−井上−岡田 中本−小林−−門−−及川
−−−−−高田−−−−− −−−−−外山−−−−−

吹田JFC千里丘(以下千里丘)の選手名はガンバカップのプログラムから。寺西君ではなく海山君かもしれない。エースの登君は出場しないがこの日の2トップも強力だ。ボランチの足立君はガッチリした体つきで身体能力が高く、キック力を生かした展開やロングシュートもある。ただ膝にサポーターを巻いている。3月末にも同じところを痛めていて、気になるところだ。CB二人は大柄で空中戦にめっぽう強い。トップ下の隅内君も強い。

千里丘のキックオフシュートで幕を開けたこのゲーム、千里丘中として全国で揉まれた伝統からか、ゲームの入り方が上手く序盤からガッチリペースを握る。5分、右クロスにファーへ走りこんだ遠藤君がループシュート、惜しくも外れる。G門真も13分大前君の綺麗なクロスを持留君がループで狙うが外れる。18分、千里丘・隅内君のスルーパスに山本君が素晴しいスピードでタテに抜けて受け左足シュート、外れる。G門真は両SBが1対1に強く千里丘のサイド攻撃を少しずつ封じ始める。千里丘はSHが上がるタイミングを次第に掴めなくなり足立君の展開力が生きなくなってくる。またG門真のSHの大前君・牧君がクレバーで上手いポジショニングで千里丘SHを消し始める。大前君は足も速く、キックも正確だ。しかし千里丘もタテへの速い攻めで対抗。22分、千里丘・足立君のミドルはGK外山君ナイスキャッチ。24分、G門真、相手スローインを直接カットし、最後は持留君がシュート、ポストを叩く。27分、千里丘・山本君が速いドリブルで二人かわし左足シュート、GKキャッチ。28分、G門真カウンターから牧君の右クロスに河村君が落ち着いて決め先制。千里丘中・遠藤君→田中翔君。29分、千里丘・田中亮君がスピード十分の突破をみせるが最後はGKに止められる。

後半の入りはG門真が上回った。いきなりのクロスでCF寺東君が寺西君に競り勝ち、流れを引き寄せる。寺西君は普段滅多に競り負けることがないのか、千里丘に動揺が走ったように見えた。5分、G門真・持留君のタテ突破から左足シュートが決まり2点目。しかし7分、千里丘・足立君が正面から力強いミドルを決め1点差に迫る。8分、G門真・牧君の右クロスを持留君トラップミス、しかしこれがDFの虚をつき結果的に絶妙のトラップとなりシュート、しかし井上君がブロック。10分過ぎからG門真ペースとなる。中盤の守備が早くなり、千里丘にショートパスをつながせない。足立君はやむなくタテに早い攻めに出るが、決定機は作れず、G門真の支配時間がどんどん長くなるのだった。さらに15分頃足立君が足を攣り、千里丘はますますピンチとなる。18分、G門真・寺東君のファーをよく見ていた右クロスを山本君がつなぎ、持留君が落ち着いてダイレクトで決め突き放す。26分には大前君がスピードで相手二人をぶっちぎりとどめの4点目。直後に足立君が完全に足を攣って動けなくなりピッチの外に出て、そのまま試合終了。足立君の健闘には感動した。最高のコンディションでのプレーできなかったことが惜しまれる。


クラブユース選手権(U−15)大阪予選 準決勝 ガンバ大阪−高槻FC
5月10日(土)万博人工芝 11時30分 晴 無風


G大阪          高槻FC
−−−角原−−寺本−−− −−−原恭−−中野−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−佐藤−−−−−
安本−倉田−−堺−−星原 上野−南辰−−森本−春藤
下平−−原−−池田−野口 −−加藤−藤原−津田−−
−−−−−久保見−−−− −−−−−原武−−−−−

高槻のスタメンのうち中野君・佐藤君・加藤君・津田君・原武君の5人が2年生。3年生もナイキ大阪大会(1年生大会)時には決勝進出している。(そしてG大阪に大敗)2年生もナイキ大阪では準決勝でG大阪に身体能力差を活かされ0−10と大敗しているが技術は高い。

G大阪は2トップに長身CF寺本君とやはり高さのある角原君を起用。左利きの快速・星原君はこの日は右サイド。

高槻FCは寺本君に加藤君がマーク、角原君には津田君がマーカーにつく。開始直後にG大阪・下平君がロングスロー。身体能力の高さに高槻FCの表情が変わる。2分、G大阪・ゴールキックから星原君が思い切ったシュート、GKキャッチ。4分、下平君と安本君の連携で左サイドを崩し中へ入れるが堺君のシュートは枠に飛ばず。7分、高槻FC・原恭章君ドリブルで左を突破しクロス、跳ね返されたボールを森本君が右に展開し春藤君がいいクロス、しかしGK久保見君がなんとか触る。9分、G大阪・安本君左サイドからアウトにかかった30m以上あるロングシュートがサイドネットに突き刺さる。信じられない!14分、G大阪、浮き球をデンジャラス気味に星原君が落とすが笛は鳴らず。これを寺本君が決める。18分、高槻FC・春藤君→石井克君。上野君が右WBに回り石井克君は左WBに入る。G大阪の左サイド攻撃のケアか?G大阪は2トップにボールが収まる。高槻FCのDFはしっかりカバーリングポジションを取っているのだが、G大阪はスピードに物を言わせてカバーの選手もろともちぎるシーンが何度もあるため、足元へのボールに思い切った守備が出来なくなってきている。空中戦は最初から勝負にならないが足元にまでボールが収まっては高槻FCは苦しい。21分、G大阪・角原君が大きなフェイクでマーカーを外し、ナナメ前にマーカーをスピードで外す走る寺本君にパス、これを決めて3点目。23分、高槻FC原恭章君が細かいフェイクで池田君をかわしペナに進入するところを倒されFK。森本君のシュートは外れる。27分、高槻FC・津田君→八木君が角原君のマーカーに入る。高槻FC・原恭章君はG大阪・池田君に何度も仕掛け、優位に立つ。石井克君は星原君の左足を止め、右足でクロスを上げさせる守備で無力化させる。ロスタイム、高槻FC中野君右45度の決定的シュートはわずかに左に外れる。直後のカウンター、野口君が左の寺本君へ放り込む。高槻FCはDFとGKの連携ミスでDFはボールを追わず、GKが遅れて飛び出す。寺本君のシュートに藤原君がクリアに行くがボールはサイドネットに突き刺さり4点目。

ハーフタイムに星原君→井谷君。後半2分、高槻25mFK、原恭章君のシュートはゴール上。4分、G大阪・寺本君からDFをスピードで外した井谷君へパス、これを決め5点目。通常なら十分なカバーリング距離を取っていたのだがスピード差が大きすぎた。10分にもG大阪・寺本君のゴールが決まる。以後高槻FCは選手を次々と入れ替える。藤原君をトップに上げ、DFは石井雅君をSWに南聖哉君と八木君で組む。比較的身体能力の高いDF陣に変えてから守備が安定した。トップ下にも山本君と次戦をにらんだ布陣か?20分間スコアは動かず終了した。この結果G大阪は昨年の3位決定戦で敗れた雪辱を果たし、決勝進出と関西大会でのシード権を獲得した。




関西学生春季リーグ第8節 関学大−大産大 
5月10日(土) 萩谷 14時15分 ピッチ良 晴 無風


関学大          大体大
−−−原崎−−大黒−−− −−−森前−−廣津−−−
−−−−−玉置−−−−− −−−−−−−−−−−−
上貝−古村−−鈴木−佐伯 原田−荒木−−梁−−夏田
−−守生−春川−山口−− 椿本−前田−−趙−−丸尾
−−−−−水田−−−−− −−−−−古田−−−−−

2部降格の可能性もある関学とすれば勝って楽になりたいゲーム。一方すでに残留を決めている大体大は落ち着いてゲームに望める状況にある。応援の控え部員を見ても殺気立つ関学とリラックスムードの大体大と好対照。リーグ終盤には毎年見かける光景だ。

関学大はボランチに古村を起用。大型ながら柔らかいプレーが魅力で攻撃力を買われた起用だと思う。春川をSWに、右にはスピードを活かしたクレバーなディフェンスでユニバー代表も射程圏内の山口、左には守生が入る。切れ味鋭い突破から弾丸クロスを上げる上貝もユニバー代表クラスだ。FWは原崎・大黒とドリブラー二人が並ぶ。

大産大はポスト役の森前の1トップ気味で強引なドリブルもある点取り屋・廣津が下がり目でプレー。中盤は荒木がやや守備的で梁は積極的に上がっていく。

前半は双方互角の中盤での潰しあいで、あまり見所が無かった。こういう展開は大体大の計算どおりというか、勝ち点3が欲しい関学大としては面白くないはずだ。ケガもあり玉置が30分で橋本に交代。このまま我慢比べを続け終盤勝負狙いか、関学大はハーフタイムでの選手交代はなし。

後半4分、大体大は右CK椿本のボールに大外から前田がファーに走りこんでドンピシャのヘッドを決め大体大が先制。関学大も攻撃意識が高まり大黒が何度も単独ドリブルを仕掛けるが決定機を作るには至らない。逆に梁を中心とする大体大カウンターを浴びてしまう。10分、関学大・大黒→亀ケ渕鼓。ドリブラーを下げストライカー投入。12分、関学大左CK上貝弾丸クロスを山口ヘッド、惜しくも決まらず。21分、大体大・疲れの見える森前→川越。同じタイプの長身CFだ。24分、大体大・梁ドリブルから右の夏田に出し、クロス、川越フリーだったがヘッドはわずかに届かず。25分、関学大・右サイド佐伯→長身CF小松。大体大に中盤で上手く守られているので放り込み狙いの交代。25分、関学大のCK、亀ケ渕鼓から小松ヘッドも大体大GK古田好セーブ。28分、関学大の左アーリークロスに小松がニアへ勇気ある飛び込みを見せるが、届かない。小松はポストに激しく激突し、ケガが心配された。大体大GK古田もサッと駆け寄る。と、思いきや小松を通過して激突でずれたポストに駆け寄り、元の位置に戻す。見事なギャグセンスとマリーシアぶりである。一瞬スタンドから笑い声が上がる。大体大の控え部員(二人面白いのが前に立ってリード)も古田を笑う声が上がる。(小松を笑ったわけではないが、挑発的)これに対し関学サイドからは「いてまうぞ、オラー」と関学ボーイらしい紳士的な声。実際に襲い掛かる気配はない。どうやら小松も無事なようだ。よかった、よかった。31分、関学FKを小松難しいヘッド、惜しくも決まらず。小松は果敢なプレーを続ける。すごい根性だ。35分、大体大・椿本から逆サイドへクロス、夏田が中に落としゴール正面の廣津へ、DFも必死にブロックに行くが廣津は冷静にスルーし、原田が落ち着いて決め2点目。絵に書いたようなゴール。43分には関学のシュートのこぼれの浮いたボールを古田はなぜかキャッチせずヘッドでクリア。古田にはある種の余裕と独特のユーモアがあるが、このゲームではそれが色濃く出た。44分、関学大は原崎がPKを決めるがここまで。結局2−1で大体大がシナリオ通りのゲーム運びで勝ち点3を加えた。

関西学生選手権に向けて大体大はチーム状態もよく、特に守備が安定してきているか?ここまで完封勝ちはないが、大崩れしなくなっており、この日の守備もしっかり最後まで秩序を保っていた。トーナメントではGKも含めた守備陣の健闘次第では総理大臣杯の出場も狙えそう。

一方の関学大は特に悪い点があるわけでもないだろうが勝てない。問題点を強いて挙げるならクロスに対する守備が甘い気がする。阪南大のサイドアタックを完封してはいるが。具体的・明確な改善策がなさそうな状況下で残留をかけ最終戦に望む。選手たちは神経が滅入るだろうな。


公式記録



2003年05月05日(月) 総体大阪予選 5回戦 阿武野−堺東 大冠−八尾

この日の会場の大冠高校はグラウンドの隣の体育館2階からの屋外が観戦スポットになっている。実は土足禁止なのだが一般観戦者は誰も守っていない。申し訳ないが私もいつも土足だ(笑)。敷物があればなおありがたいのだが、それはおこがましいというものだろう。場内放送までしてくれるので、個人的にお気に入りの会場のひとつである。運営の生徒も礼儀正しい。客はほとんどマナーを破っているのに(笑)。これで観戦スポット以外のことで迷惑をかけたらばちが当たるというものだろう。


総体大阪予選 5回戦 阿武野−堺東
5月5日(月・祝)大冠高校 9時30分 クレー 晴 無風




阿武野          堺東
−−−坂本−−豊島−−− −−−18−−11−−−
−−−−−夏谷−−−−− −−−−−15−−−−−
−−山田−五林−吉田−− −−−8−10−19−−
平野−平井−−桜井−林− −2−14−−16−12
−−−−−浅野−−−−− −−−−−21−−−−−


シードの阿武野は初戦となる4回戦の寝屋川戦を3−0と順当に下しての5回戦進出。堺東もくじ運に恵まれた感はあるが、こちらも無難に勝ち上がった。7時半起床とやや朝寝坊した上に朝食はきっちりとるポリシーなのでゲームには遅刻した。すでに阿武野が先制。

阿武野は4バックでボランチと連携してマークをこまめに受け渡しバランスを保つ。SBが上がれば逆サイドのMFが下がり最終ラインのバランスを保つ。DFからショートパスをつなぐ攻めが基本でキーマンは五林。ボールを受ける姿勢がよく、確実な技術と判断力があり、長短のパスで組み立てる。また左の山田はポジショニングが抜群で攻守にわたりサイドを制する。左足から工夫をこらした精度の高いクロスもある。坂本は引いて受けるトップ脇タイプ。ドリブルもある。動き出しのいい豊島が点取り屋。

前半半ばから後半にかけて堺東がボールを支配する時間帯があり、いい形を作るがラストパスが入らない。阿武野は五林からのロングパスからFWをサイドに走らせるカウンターで応酬。8分、阿武野・夏谷が左から抜け出し飛び出したGKの上をループで抜き2点目。15分にはFKで夏谷のボールを五林がヘッド、しかしGK片手でセーブ。16分、阿武野・豊島高速ドリブルシュートで3点目。この後も堺東がボール支配時間では上回り、決定機の一歩手前まではいくが、その割りにシュートまではいけずカウンターを浴びる、という流れのまま。阿武野の試合巧者ぶりが際立ったゲームだった。


総体大阪予選 5回戦 大冠−八尾
5月5日(月・祝)大冠高校 11時 クレー 晴 無風


大冠              八尾
−−−永松−−辻野−−− −−−辻村−−草野−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−井上−−−−−
中山−前川−−木下−寺田 −−橋本−福田−今津−−
中川−檜山−−矢野−茎田 田村−田中−−石井−吉田
−−−−−田尻−−−−− −−−−−坂本−−−−−

大冠は総体出場経験もある府立の強豪。国際主審でありJでも笛を吹く日本のコリーナこと奥寺先生が昨年度まで指導されていたチームとしても知られる。技術を活かした突破力と左右両足から工夫をこらしたクロスを入れる中山と動き出しのタイミングが良くサッカーをよく知っている寺田がワイドに開いたフラットな中盤。中山はFKも両足どちらも蹴る。前川はFKとミドルパスあり。最終ラインは高さのある檜山がストッパー的な仕事が多い。辻野はトリッキーなプレーも得意なテクニシャン。ちなみに奥寺先生の赴任先は新設校で府下全域を学区とする地区唯一の全日制単位制の槻の木高校。あっという間に強豪校にのし上がるかもしれない。

八尾は例年受験のため3年生は夏で引退する。つまり総体で負ければ引退であり、一種独特の気迫を感じる。こういうチームは劣勢時に底力を発揮することが多い。このチームを見るのは数年ぶりとなる。トップ下の井上は技術があり左右両足でしっかり蹴る。RB茎田が主将。LB田村は左利き。ロングスローあり。石井は高い。ボランチ福田の展開力を活かしたサイドアタックが特徴。

序盤は若干八尾がボール支配率で上回る。7分、福田が今津に展開しアーリークロス、ヘッドは外れる。8分、井上が十分ためてから左へ、上がってきたLB田村が絶妙なクロス、ファーにわずかに合わず。11分、辻村の左足シュートはバー直撃。しかし16分、押されていた大冠・中山が左を突破してクロスをニアに飛び込んだ永松へ、こぼれ球を前川が決め大冠が先制。この後いきなり大冠ペースになる。19分、大冠・辻野が左から中の永松へ、冷静に落とし、後方から走りこんだ前川の20mシュート、しかしGK坂本ナイスセーブ。23分、八尾・今津の右クロスがファーの草野に正確に合いヘッドで同点に。唐突感のあったゴールだが、これで流れは八尾ペースとなる。24分、引いて受けた辻村のスルーパスに今津が右から走りこんでシュート、これは大冠GK田尻がセーブ。同点のまま前半終了。

後半も序盤は八尾が押し気味。しかし決定機はなかなか作れず。大冠も29分、前川の右クロスに交代出場の20番がスタンディングヘッドを外したくらいで、やはり決定機は奪えず結局引き分けとなる。PK戦では双方一人ずつ外して迎えた7人目で八尾が外し、大冠が勝者扱いとなった。次戦は阿武野との高槻決戦となる。



2003年05月04日(日) クラブユース選手権(U−15)大阪予選 2次リーグ C大阪−枚方FC G大阪−柏原FC 高槻FC−FC岸和田

この日は点差のつく可能性の高い対戦カードが揃った。といっても闘争心があるかぎり勝負がついたゲームでも十分内容を楽しむことはできる。この日は車で万博へ。GWなのにエキスポランドは空いている。宝塚ファミリーランドも潰れたしポートピアランドも身売りという昨今、ここも大丈夫なのだろうか。


クラブユース選手権(U−15)大阪予選 2次リーグ セレッソ大阪−枚方FC
5月4日(日)万博人工芝 10時 晴 無風



C大阪          枚方FC
−−−山田−−松宮−−− −−−木村−−青木−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
宮山−柿谷−−大庭−井谷 橋長−−岡−−大出−4−
谷川−岡崎−−植田−河崎 藤本−沢田−片久世−村上
−−−−−堀之内−−−− −−−−−高瀬−−−−−

まったく気づかなかったがどうもこの日はU−15代表の布監督が観戦していたようである。この大会の仕組みは2次リーグの各グループ1位の8クラブと2位トーナメントを勝ち上がった2クラブ、合わせて10クラブが関西大会へ進む。このグループのこれまでの結果は寝屋川レグルス4−0枚方FC、C大阪3−1寝屋川レグルスとなっており枚方FCは3点差以上つけて勝たなければC大阪を上回れず、2位以内に入れないため2次リーグでの敗退となる。6点差をつけて勝てばグループ1位だがさすがに無理だろう。

もう後がない枚方FCは序盤から攻守にわたり積極的で、中心選手の岡君を素早くサポートし、チャンスを作る。岡君と橋長君を起点にLB藤本君がサイドを破るシーンも何度か見られた。しかし10分過ぎからC大阪も落ち着いて後方でのパス回しからリズムを掴む。フラットな中盤引き気味の大庭君を軸にパスが回り始め、サイドに展開しレフティー宮山君のクロスが入る。18分、柿谷君の正面やや左からのミドルをGK高瀬君セーブするがこれを拾った井谷君が中に折り返し松宮君が決めC大阪先制。20分、井谷君が中にドリブルし、右アウトでスルーパス、松宮君が決め2点目。さらに河崎君のクロスを松宮君が決めハットトリック。前半は3−0で終了。

後半はC大阪が落ち着いて後方からしっかり組み立てるのに対し、前半で事実上予選敗退の決まった枚方FCは集中の切れた選手も現れ、寝屋川戦以上にプレーが中途半端になってしまった。柿谷君は柔らかいパスを随所に見せ、松宮君も強引な突破が生きてくる。柿谷君のミドル、柿谷君の浮き球パスを西口君、再び柿谷君、スルーパスを受けた西口君、絵に描いたようなパス回しから定君、最後はPKをイヤイヤ蹴った植田君と大量6点を決め、9−0でC大阪圧勝。点差ほどの実力差はなかったが、C大阪は終始落ち着いていた。


クラブユース選手権(U−15)大阪予選 2次リーグ ガンバ大阪−柏原FC
5月4日(日)万博人工芝 11時20分 晴 無風



G大阪          柏原FC
−−−−角原−−星原−− −−−−8−−26−−−
−−−−−安本−−−−− −−−−−15−−−−−
−−−堺−倉田−井谷−− −−77−5−−33−−
下平−−原−−池田−野口 39−22−−7−−29
−−−−−久保見−−−− −−−−−21−−−−−



このグループのこれまでの対戦結果はG大阪1−0セントラル、柏原1−0セントラルなのでこのゲームの勝者が関西大会出場、敗者は2位トーナメントに回る。柏原も実績あるクラブだし、セントラルをG大阪と同スコアで破っているのでもしかすると、と注目していたが、実際にはやや力の差があった。

まず最初の攻撃でG大阪・堺君のスルーパスをDFの裏で受けた角原君が切り返して決めG大阪先制。3分には安本君のCKをファーで下平君がヘッドで2点目。大型LB下平君は安定したボールコントロールで攻めの起点となり、堺への正確なタテパスや井谷君への一気のサイドチェンジを再三決める。左の堺君はサイド突破、中へのドリブルやスルーパス、下平君を引き出す動きなどバランスの取れたプレーの出来るクレバーな選手。右の井谷君は再三深い切り返しを見せ、1対1ならほぼ突破していた。柏原FCは26番に代えて35番をLHに入れ77番をトップ下に上げる。これは井谷君対策だろう。しかし井谷君はそれでも徹底マークを跳ね返し突破からのクロスを見せる。柏原は5番がFKで工夫をこらしたボールを蹴っていた。守備面でもセンスあるポジショニングでG大阪の猛攻をよく防ぐ。しかし27分にはついにG大阪が追加点。混戦から角原君が決めた。

後半G大阪はCF角原君→長身寺本君、RB野口君→森君と交代しサイドアタックを徹底する。9分、LHに回った安本君のグラウンダークロスを堺君が落とし、後方から走りこんだ下平君が決める。10分井谷君が中央へパス、受けた寺本君がDFをスピードでちぎり決める。12分、FK担当の安本君→近藤君。井谷君がFK係に。28分、倉田君のスルーパスに寺本君がオフサイドトラップをかいくぐり抜け出す。井谷君も出ており1対2の状況。GKも素早く飛び出すが寺本君、落ち着いてかわし6−0とした。そのまま終了。

柏原FCはセントラルと同等のチームだったが、前からプレスを掛けたセントラルと引いて守った柏原の違いがスコアの差として現れた。G大阪相手に引いて守るのは厳しい。



クラブユース選手権(U−15)大阪予選 2次リーグ 高槻FC−FC岸和田
5月4日(日)万博人工芝 12時40分 晴 無風



高槻FC         FC岸和田
−−−中野−−原恭−−− −−−−7−−10−−−
−−−−−小関−−−−− −−−−−−−−−−−−
上野−南辰−−森本−春藤 15−24−−11−9−
−−加藤−藤原−八木−− −6−−5−−2−−14
−−−−−原武−−−−− −−−−−12−−−−−



FC岸和田を観るのは初めて。岸和田といえば巨人・清原の出身地で野球が盛んな土地だがサッカーではあまり聞かない。だんじり祭で行ったことがある程度。ベンチをみると女子選手もいる。高槻と違い女子チームも少ないのだろう。高槻はスタメンのうち中野君・小関君・加藤君・八木君・原武君の5人が2年生。

序盤から高槻FCがショートパスをつないでペースを握る。中央で何度もワンツー、いかにも高槻FCらしいサッカー。岸和田はだんじりの如く激しく当たりに行くがその脇を高槻の選手がスルスルとかわしていく。南辰弥君が柔らかいボールタッチとスルーパスが得意なタイプ、FKも蹴る森本君は展開力のあるタイプでともに守備でもカンが良く、インサイドを攻守に制圧。12分、森本君のクロスを尾崎君ヘッド、GKキャッチ。13分には上野君が意表をつくループ、辛うじてセーブ。28分、藤原君を起点とした遅攻から南君のスルーパス、良い動き出しで受けた小関君がペナで一人かわしシュート、高槻先制。岸和田はFWの7番を下げ中盤インサイドに19番を入れて1トップに変更し、守備を固める。

ハーフタイムで高槻は八木君、上野君→南聖哉君、石井君に交代。後半3分、南辰弥君のスルーパスをまたも小関君が良い動き出しで受けて決め2−0。13分には春藤の右クロスをGKなんとかFWの前で触るが、こぼれを南辰弥君が決め3−0としゲームを決める。小関君→1年生佐藤君、南辰弥君→2年生佐藤君といったメンバーチェンジを行いつつ高槻FCの攻勢は変わらず。岸和田も次々と選手交代を行い、20分には女子選手もストッパーに入る。終了間際の岸和田のFK、2番の蹴ったボールをGK原武君が平然と見送るがゴールイン。謎のゴールだ。間接FKと勘違いしていたのだろうか?結局3−1で終了。小ワザ満載でこの日一番楽しいゲームだった。

EXE−高槻myd戦は少ししか見ていない。今年はEXEのほうがやや強そう。



2003年05月03日(土) クラブユース選手権(U−18)関西予選  交野FC−フェルサ  フジタ−樟葉

この日の会場のいきいきランド交野には車が一番楽な交通手段だが、この日は高槻ジャズストリートに行く約束があるので、京阪交野線を利用した。サッカーも音楽もライブ至上主義者なので全国からジャズバンドの集まる機会を逃すわけにはいかない。

クラブユース選手権(U−18)関西予選 予選リーグ 交野FC−フェルサ
5月3日(土)いきいきランド交野 10時 クレー 晴 無風


交野FC           フェルサ
−−加賀城−−川口−−− −−−小林−−寺西−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−山形−−−−−
金振−松本−−石橋−津田 小茂田−村井−浜上−菊野
大崎−細見−−疋田−奥野 −−田中−柴田−中村−−
−−−−−山田−−−−− −−−−−半田−−−−−

名門・交野の中盤はかなり流動的で津田が左サイドに来たり、金振がトップ下に入ったりとかなりの自由を与えられている。石橋が引き気味。松本がバランスを考えたポジショニング。細見がSW。津田がFKを蹴る。

予選初出場のフェルサは2トップの能力が目立つ。まずまず正確なキックの小林とスピードがある寺西。

序盤から技術に優る交野がボールをつないで攻める。金振と津田がかなり自由なポジションをとり、ドリブルやスルーパスを狙う。が交野には囮になる動きなど、ボールのないところでの動きが乏しい上、あまりチームプレーを意識した選手も少なく、「自分が、自分が」というプレーが目立った。相手を格下と甘く見ていたのかもしれないが。疋田が小林をマーク、寺西には石橋が下がって対応する。フェルサは技術がイマイチでDFはシンプルにクリアを繰り返す。15分、フェルサのカウンター寺西のスピードを活かした突破に疋田たまらずファウル。得たFK小茂田から小林が疋田のマークを外してドンピシャのヘッドでフェルサが先制。22分、フェルサ菊野警告2枚で退場。小林が右に入り、寺西の1トップとなる。フェルサの両アウトサイドのクロスはまずまず。寺西の突破には交野もファウルせざるを得ないシーンも。20分、フェルサのFK、小林から寺西のヘッド、マーカーの大崎がきっちり体を寄せて防ぐ。フェルサは村井と浜上が辛抱強い守備でインサイドを自由にさせない。しかし山形はコンディションでも悪いのか、運動量が少なく、カウンター時にも起点になれない。31分、交野は川口に代えて9番投入。CFに入る。直後加賀城がうまく右サイドに流れてボールを受け、クロス、ニアを取った9番のシュートは惜しくもサイドネット。加賀城はこの後もサイドに再三いいタイミングで流れて受けてクロスという形を見せた。疋田はなかなかいいストッパー。序盤で相手のプレーを飲み込むと、後は確実なマークを見せた。カバーリングもよかった。松本はクレバーなチームプレーヤー。前半は交野ペースで終了。

後半4分フェルサは動きの重い10番山形を下げ、9番を投入する。5分、フェルサ村井が左を突破しクロス、正面でフリーの寺西にぴったり合うが、ボレーは当たり損ね、こぼれたところを小林が打つがDF必死のブロック。13分、交野、正面25mFK津田のシュートをGK半田はじき、詰めた松本と激突。20分、交野、加賀城またも右に流れて得意のウェーブの動きで受けてアウトに掛けたシュート、惜しくも外れる。23分、SW細見、警告2枚で退場。石橋が下がって4−3−2の布陣。30分、交野、交代出場の19番のスルーパスに反応した金振が決め、ついに追いつく。フェルサは前半から奮闘した村井と浜上への負担が重かったか、運動量も落ちて厳しい状況となった。直後には加賀城のシュートがバー直撃。34分には交野LB大崎が決めついに逆転。実力に優る交野は残り時間にあまりバランスを考えず攻勢に出る。しかしロスタイム、フェルサ、カウンターから寺西に出て得意の高速ドリブル、左サイドから中に切れ込み右足ミドルが右スミに決まり2−2の同点。交野の選手は全員がっくり。さらにフェルサ、小林の右クロスに寺西が胸で落とし9番決定的シュートはわずかに外れる。結局引き分け。

個人の能力では交野が上回ったが、チームの意思統一で優るフェルサが健闘を見せた。村井・浜上は献身的なプレーで中盤を支えた。ある程度技術も備えカウンターの起点にもなった。そして精度の高い小林のキック、スピード豊かでまだまだ伸びそうな寺西。初出場ながらそれなりにしっかりしたチームだった。

交野は個々の選手がバラバラにプレーしている印象を受けた。特に中盤。パスを回さず、中盤を支配している割に、相手を消耗させることが出来ず、フェルサのスタミナを持たせてしまった。また1点リードの残り時間に守備を忘れて攻撃に出てしまいみすみす勝ちゲームを逃してしまった。個々の選手は一芸を持っている。多分J以外のトーナメントのベスト4には今年も入るだろう。その先に進むためにはもう少しチームプレーを意識しないと厳しいと思う。


クラブユース選手権(U−18)関西予選 予選リーグ フジタ−樟葉
5月3日(土)いきいきランド交野 11時30分 クレー 晴 無風


フジタ              樟葉
−−−米原−−森川−−− −−−炭永−−田辺−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−南本−−−−−
浦東−稲積−−村橋−東膳 −−青山−芦田−大口−−
光野−加藤−−岡崎−ノブ 赤峰−米田−−野崎−木崎
−−−−−西井−−−−− −−−−−中村−−−−−

フジタは昨年のチームもなかなか強力だったが、そのメンバーがほとんど残り一段と力をつけている。登録1年目の樟葉には厳しすぎる相手だ。伝統的に守備意識が高く、カウンターを得意とするクラブ。細かく具体的なコーチングや正確な読みと潰しが売りの岡崎、よく声を出し、展開力もある主将稲積、同じく展開力がありFK得意な村橋、左足FKがあり右サイドから中に入るプレーが得意の東膳、動き出しの速さの光るリアルストライカー森川と好選手を揃える。

序盤からフジタの猛攻、それも守備でも集中を切らさない全くスキのない猛攻である。2分、右CK東膳の左足から急激に落ちるボール、ニアに飛び込んだ森川の右足ボレーであっさり先制。直後のゴール正面FKで樟葉が壁の調整に気をとられているスキに東膳が直接左足であっさり決める。フジタが試合巧者というよりも樟葉はスキだらけだった。樟葉は炭永が引いて田辺の1トップに変更し、守備を固める。加藤の放り込みに樟葉DFヘッドをかぶる、これを予測していたかのように森川が拾って決め3−0。樟葉はチーム1の技術を持つ主将青山をトップ下に入れ、2トップに戻し真っ向勝負の形をとる。おそらく東膳に対する守備から解放し、攻撃の形だけでも作りたい、ということだろう。20分過ぎにはLB光野の左足クロスがニアをとった森川にピンポイントで合いヘッドが決まる。さらにRBの22番(ノブ)の右クロスを稲積が落とし森川にはわずかに届かないが、これが絶妙なスルーとなり待ち構える米原が決め5点目。30分LB光野のクロスがDFを振り切った森川に合うがシュートはGK中村好セーブ。終了間際にも光野のクロスがファーの東膳にピタリとあうがヘッドは外れる。

前半のフジタは東膳がキレキレで面白いように突破していた。SBのクロスが正確でスピードもあり、しかも森川がDFを簡単に外し、樟葉としてはどうすることも出来ない展開になってしまった。

後半も展開は変わらず。7分浦東のスルーパスを受けた稲積が横にはたき、正面20mのシュートを森川が決める。9分RBのアーリークロスをいいタイミングでファーに入った森川が空中でのバランスのいいヘッドで決める。13分、右クロスを森川ヘッドで決める。24分CK浦東のボールを東膳ヘッドで決める。終了間際にもゴールが決まりフジタは10−0と圧勝。

相手との実力差はあったがフジタの個々の能力の高さは際立つものだった。今年は全国に行く力は十分ある。Jとの対戦が楽しみだ。


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T.K. [MAIL]