先日、伯母から電話があり、

一通り要件を済ませたあと、

ふと「おまえは元気なのかい？」と聞かれた。


僕は、一瞬黙り込んだあと、

「元気です」と答えて電話を切った。


本当は、「助けてください」と言いたかった。

だけど、そう言おうとしたら、

首を絞められたかのように

苦しくなって、言えなかった。


昔からそうだ。

心配してくれる人には、何も言えない。

ひきつった笑顔で、何事もないかのように

ふるまってしまう。


お願いだから、僕に元気か、大丈夫かなんて聞かないで。

僕には、何も答えられないから。


BGM : No Tell Lover - Chicago

もし、誰かと約束をして、

果されるのを待っているのに、

時が経って優先順位がかわり、

忘れ去られてしまっても。


僕は、その人を恨むべきではないんだね。

だって、無意識のうちにつけられた優先順位は、

変えようがないもの。


待たせたその人が悪いわけでも、

待ち続けた僕が悪いわけでもない。

誰のせいでもないんだね。


どこかで、「忘却は罪である」という言葉を

見かけたことがある。

僕もそう思っていた。


だけど、生きているものはすべて、

時が経てば忘れてしまうこともある。

その約束の優先順位が

お互いに違っていただけのこと。

それは誰も責められない。


僕も、果されない約束のことは、

もう忘れるしかない。

何度か泣くかもしれないけれど。

それが、前に進むということなのだろう。


BGM : Determination - Todd Rundgren

やっとわかってくれたみたいだね。

僕からはもう搾り取れないってこと。


これからどうするつもりなのかは

知らないけれど、

あなたの期待にはこれ以上応えられない。


ギブばっかりでテイクが全くないつきあいは、もうごめんだ。

僕は慈善家じゃない。

他の「ともだち」を探すんだね。


でも、あんな扱いを受けても、

心の底では謝っている自分がいる。

最後まで頼らせてあげられなくて

ごめんね、って。


友情っていったい何だろうね。


BGM : Lean on Me - Bill Withers