【ザレゴト・タワゴト・ササメゴト】


2010年02月10日(水) 「小劇場」というジャンルの芝居

これはあくまで俺個人の演劇観なんだけど、
舞台ってのはさ、非日常の世界な訳よ。
確かにそこには人がいて実際に動いて、物事は起こっているんだけど、現実じゃない。 それをお金払って観るわけ。仮想の非日常の追体験にお金払ってるの。 だからそこに、予算がないとか機材がしょぼいとか舞台が狭いとか美人設定の役者がブスだとか、みみっちい現実の問題を見たくないんだよ。

 夏の夜の夢でシェークスピアは「足りない部分は観客が想像力で補え」って書いたけど、ほとんどそういう「観客力」の必要ない芝居もある。意識せずに想像力が働いてくれる芝居だってある。 けど、あまりに大きな「観る努力」を必要とされる芝居はどうだろう。

 だますなら徹底的にだまして、完全に日常から連れ出してくれないと意味がない。俺はそう思う。少なくとも、俺が観劇するうえで舞台上に求めるのはそういうもの。 中途半端なマイムや「つもり」の演技は嫌いだ。まあせいぜいこんなもん、なんて根性で後は観客任せの芝居は観たくない。

だから
逆に言うと、冷静になったときにガッカリするような残念なものがあったとしても、それを意識させないような演技でも気迫でもストーリーでもまあ何でもいいんだけど、何か強力に自分を「あっち側」に引っぱってくれる要素があったら、そんな芝居であれば、俺は観たいと思う。


 < マエ  モクジ  ツギ >


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天瀬紺太(仮) [ 俺 ]
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