凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

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2003年12月30日(火)

里帰りは赤ん坊にとっては初めての遠出と外泊だった。

世間の家族は赤ん坊がいようと旅行や外泊は普通にするんだろうけれど、赤ん坊付きになってから夫の出不精(というか引篭もりと言っても過言じゃあるまい)はますます拍車がかかり、近所のスーパーかせいぜいホームセンターに行くのが精一杯の外出になってしまった。
これじゃいけないと私が一生懸命遊園地や運動公園なんかに連れ出している。
同じ集合住宅の奥様なんか下の子が一歳にもならないうちから一家でキャンプに行ったりスキーに行ったりしてたのに。
このままだと子供まで夫同様引篭もり系になりそうだ。

勝手に篭ってくれ。
でもそうなっても私はあんたたちの世話なんかしないぞ。
自分の世界に浸りきって外界との接触をおっくうがる人間を外界に繋ぎ止めようと努力するのはうんざり。
自分自身を篭らないよう克己心奮い立たせているのに。


2003年12月28日(日) 帰省

細い路地を下り庭へ入ったとたん波の音が聞こえた。
家並みの向こうに見える灰色の海。
あぁ。この音を聞いて育ったんだ私。
車のエンジン音や集合住宅内の他人の生活音じゃなく。
遠くから低く静かに聞こえるこの波の音を聞いて。

隣のおじさんが「おや、帰ってきたね。」と声をかけてくる。
私の赤ん坊を見て「子供は多いほうがいいよ。歳を取ると寂しくなる。」とつぶやくように言う。

私の中の田舎の時間は結婚前で止まっている。
だから、あの廊下にいつも座って庭をながめていたおばあちゃんが亡くなってもう何年も経ったとか、特撮キャラクターの名前を一生懸命教えてくれていたあの男の子がもう大学生でどこかで一人暮らしをしているとか、あれこれ言われてもピンと来ない。

でも、おばあちゃんは縁側にいないし男の子は遊びに来ないし隣のおじさんはこんなに見事な白髪じゃなかったしもっと張りのある声でいつも「帰ってきたね!」と声をかけてくれていたし。


田んぼの側に新しくパン屋が出来ていた。
田舎には珍しいベーカリーショップ。
「おいしいんだから!」と友達が絶賛していたので寄って買ってみた。
普通に、デパ地下や駅のパン屋にあるパンだった。
どちらかというとスパイスが効きすぎたカレーパンは口に合わなかったしスコーンはなんだかしっとりしていて物足りなかった。
でも、私もここに住んでいたら、きっとこれをたまらなくおいしいと思ったかもしれない。


故郷を離れて、確実に時間が経ち、色んなものが変わっている。
当然だ。仕方ない事だ。けれど


寝床で、波音を聞きながら寝た。
波音と、赤ん坊のぐずる声と、アイの寝息を聞きながら。


2003年12月09日(火) パーマ屋

母が居る間に髪を切りに行かせてもらう。
前回美容院に行ったのは夫のお盆休みの時。
ゆうに四ヶ月は経ってるわけだ。

「前回担当させてもらったEが退職しましたので担当は私が」
あ、そうなんだ。
Eさんは同じ歳だった。たまたま郷里が私と同じだった。
二歳の子が居る。保育園に預けて働いていると言っていた。
夫婦とも実家が遠いので子供が病気の時とか困ると言っていた。
今日も娘が熱を出してて
「え?子供さんは誰が見てるんですか?」
「夫の母を田舎から呼んで見てもらってるんです」
それもそうそう頻繁に頼めるわけもなく。

「Eは実家に帰ったんです」と新しい担当の人が言う。
「旦那さんの?」「いえ、Eの実家ですよ」
そうなのか。なんか色々事情はあるんだろう。

Eさんの郷里は確かうちとそう変わらないくらいひなびた所だ。
この地方都市の中心部で働いていた彼女はさぞかし洗練された都会の女性として周囲の目にうつるだろう。
その田舎町の片隅で都会で培ってきたセンスと腕を生かして美容室を始めたりするのかもしれない。
「やっぱり都会で働いていた人は違うね〜」と感心されながら、地元のおばさん達に垢抜けたパーマ屋さんとしてもてはやされて若い人には羨望のまなざしで見られながら。
子供が熱を出せば母親に預け。いや、隣の面倒見のいい年寄りなんかが見てくれたりするかもな。
「私のひ孫は遠くにいて全然遊びに来ないから」と喜びながら。
勝手に想像してほのぼのする。

夫婦二人だけで子供を育てながら共働きするのは互いにかなり協力し合わないと無理だ。
どちらか都合がつく方が仕事を休んで子供を見るのは当然。

アイの時、「三歳までは働かずにアイの面倒を見てくれ」と夫は言った。
今度は?と聞くと「働きたいなら働いて良いよ」と言う。
「私が働くって事は、そっちにもそれなりに協力してもらわなきゃいけないって事だけど?せめて保育園なり幼稚園なりへ送るとか。夜も私達が寝てから帰って来るんじゃなくて、せめて子供をどちらか風呂に入れる位やってもらわないと」と言うと不機嫌そうに「それじゃ俺は転職しなきゃな。今の会社じゃ早く帰るのは無理だから」と言う。
はぁ。つまり、私が働くのは私の勝手で自分には関係ないって事か。
働きたいなら働け、と。でも家事育児は今までどおり自分はノータッチだ、と。
「協力しあう」って考えはまったくないのねこの人には。



おそらく次に美容院に行けるのは夫が休みのG.W.あたりだろう。
自由に動けたのはアイが入園して赤ん坊が生まれるまでの一年間だけだったなぁ。
まぁ育児中だから仕方ない。


遠く、窓から吹き込む風が潮の匂いを運ぶ店内で、おばさん達の髪にロットを巻きながら笑顔で世間話をするEさんの姿を想像する。
店内の片隅で遊ぶ子供。「パーマをあてて頂戴」とやってくるおばさん達。


田舎に帰りたいな。


2003年12月08日(月) お遊戯会

幼稚園のお遊戯会。
朝からアイは早起き。「今日はお遊戯会〜♪」と自分から起きて来た。
いつもこうならどんなに楽か。
朝食を食べながら「アイちゃんきんちょーするー」などとニコニコ。
しまいには「お腹痛くなってきた…」とまで言い出しやがって一人前に繊細な神経が育っているかのようにソワソワ。
適当にあしらい登園。

田舎から母が見物にやってきた。
運動会やお遊戯会など行事が可愛いのは幼稚園のうちだろうしな。
去年のお遊戯会は妊婦だった。
突き出た腹でホールの床に座っているのが辛かった。
今年はその腹の中にいた生物を腕に抱いて見物。
確実に一年という月日が過ぎているんだなぁと赤ん坊を見て実感する。

ホールは親馬鹿孫馬鹿の寿司詰め状態。
自分の子供の出番は待ち遠しいが、他所の子の出番なんぞ退屈この上ない。
あくびをかみ殺しつつ早く終わらないかなーと願う。
それでも、同じ集合住宅内の子供達が出ると舞台に釘付け。
台詞を間違えはしないか舞台の上で真っ白になって固まりはしないかと他人の子ながらハラハラしながら見てしまう。
上手く出来てそでに引っ込むと、安堵となんともいえない感情で胸がいっぱいになる。

さて、アイのクラスの番。
アイはなんとどういうわけか主役だ。
もっとも主役はダブルキャストならぬトリプルキャストだけど。
さぁちゃんと台詞は言えるかしら お腹痛いのは大丈夫かしら 舞台で便意をもよおしたりは
そわそわしつつ首を伸ばし舞台を見ようとすると、ぐずりだしていた赤ん坊が本格的に泣き出した。
あぁ限界か。退屈だし空気悪いし場所がないから抱かれっぱなしだし不快この上ないよねあんた。

誤魔化す赤ちゃん用ジュースもお菓子もとっくに無くなった。
「いいからおっぱいふくませたら」と母は恐ろしい事を言う。
そんな事をこんな所でやったらのちのちこの園で語り伝えられてしまうじゃないか。
「お遊戯会の時、舞台見ながらおっぱいあげてたお母さんがいたんですってー」
「うわーはずかしー他所のパパ達もいるのにねー」etc
万が一、どこかのホームビデオの片隅にその授乳光景が写っていたらどうする。
その一家で七代先まで語られてしまうかもしれないぞ。
「昔はお遊戯会の最中に乳をやってる母親もいたが」なんて。

泣き声が本格化したため結局外に出る。
他所さまのビデオ撮影の邪魔だものね。

冷たい外の空気をすうと、赤ん坊は泣き止んだ。
空気悪かったよねやっぱ。
あぁでも今アイのクラスの出し物なのに。
まぁ仕方ないか。予想してたし。
見れたらラッキー程度の気持ちでいたからね。
来年もお遊戯会はあるし。
しかし来年赤ん坊は一歳半。
来年のほうが歩き回って大変なんじゃなかろうか…(遠い目)


2003年12月07日(日) 休日

インターフォンが鳴る。はいはい。もうどうでもいいや。
同じ階のYちゃん姉妹だ。
時刻は朝の九時。まぁ昨日の八時台よりはましか。
それでも連日の訪問は正直迷惑。
何せ赤ん坊は今、はいはいしつつ手に触れるあらゆるものを口にいれる月齢。
その一番の問題はアイのおもちゃだ。
別室に置いていても私や赤ん坊の側に持ってきて散らかしたがる。
それにYちゃん姉妹が加わると「貴様らそんなに赤ん坊を殺したいか!」とちゃぶ台をひっくり返したくなる。

Yちゃんちの両親は休日は昼まで熟睡。
早起きの子供達は暇を持て余し、我が家に来てしまう。
こちらは迷惑かけては…と遠慮してYちゃん宅に遊びに行きたがるアイをいつも止めているのに。
あちらは遠慮も何もないらしい。はぁ。

いいや。昨日は家で遊ばせたんだから、今日はYちゃんちで遊ばせてもらおう。
「たまにはYちゃんちで遊んでみたら?」と思い切ってアイごと子供達を追い出す(←おい)
すぐ戻ってくるかと思いきや、昼近くまで帰ってこなかった。
おやおや、と迎えに行こうと外へ出ると階上から子供達の声。
どうやら集合住宅内を駆け回って遊んでいるらしい。

帰ってきたアイが、持っていったおもちゃをYちゃんちに忘れてきていた。
一人で取りに行かせるとそのまままた遊ぶので一緒に取りにお邪魔する。
「ごめんねお邪魔しちゃって」と挨拶すると「うんー寝てたらアイちゃんの声がしてさー」と言われる。ちょっとカチン。
その前にお宅の子がうちに遊びに来てたんだけど。
あぁいかんいかん、顔に出さないよう笑顔笑顔。
「外で遊んで来いー!って追い出しちゃった」とYちゃんママは高笑い。
そ、そう。それならうちもこれからそうさせてもらおう。って寒いよ外は。
悪い人じゃない。おおらかな人だ。おおらか過ぎて私がついていけないだけで。

夕方。「Yちゃんちに遊びに行きたい」と言い出すアイに「もう五時になるから駄目だよ。Yちゃんちも今日はパパがお仕事お休みで家でゆっくりしてるから、邪魔しにいっちゃ駄目」と言い聞かせる。
そこへインターフォン。出るとYちゃん姉妹。おいおいおい(怒)
くつろいでいた夫がイライラしているのが分かる。
はぁ。どうすればいいのやら。

やっぱりこちらのスタンスっていうか、ここまではいいけどここからはちょっと困るっていうのをはっきり言っておかないといけないんだろうなぁ。
常識の範囲でやってもらえればいいんだけど。
それとも休日朝八時台から他所にパジャマのまま遊びに来てそのまま昼まで居てまた夕方五時過ぎに遊びに来るのってどこも普通なのかしら。
私が遠慮して気を回しすぎ?

ってか、うちが休日なのに在宅だから狙われる(?)んだよね。
よそのお宅は休日はどこも親子でお出かけだもの。
夫は休日は自分のリフレッシュに充てるのに精一杯で子供の事まで考えつかない。
終日、自室に閉じこもりパソコンでゲームしたりTV見たり本読んだり自分の趣味に忙しい。
子供なんかほっといて私も閉じこもりたいよ。まったく。


2003年12月05日(金) 英語教室

今月から幼稚園の英語教室に行くことにした。
なんつーか、時期外れだなぁとは思うけど、同じクラスの子が行ってるとかでアイ本人が行きたがったことと、夫が行かせたがった為、だ。
そして私は赤ん坊を抱え、雨の日も風の日も、英語教室への送り迎えをせっせとする事になったわけで。
まぁいいけど。どうせ専業主婦である私なんかあんたらのパシリみたいなもんだろうから。

クラスの園児達が今まさに帰らんとしているところへアイを迎えに顔を出す。
たちまち「あ、あいちゃんのおかあさん」「あいちゃんのおかあさんだ」「あいちゃんのおかあさーん」と園児達がこっちに手を振る。
おいおい。誰だあんた達。
「はーいこんにちはー」とにこやかに手を振るが、どの子がどの子か分からない。
それにしても、いつの間に顔を覚えられたんだろう私。

アイを連れ英語教室へ。
教室は園から離れた別の場所。
園内でやってくれれば助かるのにどうして園の幼児教室は別の場所にあるんだろう。
アイを教室へ送って、いったん家へ帰るなりどこかで時間をつぶすなりしてまた終わった時間に迎えに来なければいけない。
あぁ面倒。

とりあえずショッピングセンターで時間を潰して迎えに行く。
お迎えのお母さん達が数人。顔はわからないが、当然同じ幼稚園の同じ学年。
「こんにちは」と挨拶をすると「アイちゃんのおかあさんですよね」と声をかけられる。
「同じクラスのYです。」あぁアイから時々名前を聞いていたっけ。
「よければついでだから」と園から教室まで、アイも連れて行って下さるという。
うわぁ。有難いけれど。
「赤ちゃん連れて大変でしょう?」
ええ。確かに。今日みたいな雨の日は。でも。
どこまで甘えていいのかしら。今日が初対面みたいな人に。
お付き合いの距離がわからない。



そうか。
皆が私を妙に覚えてくれるのはいつも赤ん坊連れだからなんだなきっと。
良くも悪くも、赤ん坊連れは目に付きやすいって事か。
心しておかねば。


2003年12月03日(水) 幸せな瞬間

デパートの授乳室。
先客だったママさんと世間話をする。
何ヶ月ですか、に始まり夜中の授乳だのミルクの量だのとりとめのない話を当り障りの無い程度に交わす。
赤ん坊を抱いていると共通の話題を探す手間が省けるので便利。

乳房に吸い付いていた赤ん坊の首がかくんとそれる。
いつのまにか眠っていた彼女の、それでも口元は吸い付いている形のままくちゅくちゅと動いている。
夢の中で乳を吸っているのか。

「寝たみたいです」と言うと「最高に幸せな瞬間ですね」とママさんが笑う。
曰く、赤ん坊にとって一番の幸せは、授乳中にそのまま寝てしまう事なんだそうだ。
母親の腕の中、体温に包まれ、安心感の中満腹になり眠りにつく。
それが赤ん坊にとってこれ以上無い幸せなんだとか。

ふぅん。
これが幸福に浸っている人間の寝顔なのかぁ。
腕の中の幸福の塊。
マイナスイオンならぬ幸福オーラが出ていそうね。



***************



奥様は18歳。いいのか寺原。
結婚より今のあなたにはもっと大事なやるべき事が山積みだろうに。
なんにせよ、お幸せに。来年を期待してます。
馬原に取って代わられないように精進して下さい!

それよか新庄、やっぱりいい味出してるおいしいキャラだ。
日ハム戦が楽しみ。
日ハム商品は買わない主義だったけど、新庄が入団するからこれからはちょっと位は買う事にしようかな。(←いい加減)

藤井投手のチャリティゴルフがあったらしい。
村松選手も参加。さすがに小久保選手は居なかったみたいね。
若田部は?やっぱり来れなかったのかな?
ニュース画面からは久しぶりにのびのびしてる選手達が見れた気がした。





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