2005年08月17日(水) |
■動態予測と形状予測 |
■「動態予測」という言葉は、確かニコンが最初期のオートフォーカス機にそのような言葉を冠したと思います。動く被写体の動作を予測してピントが追随する機能、そんな意味だったと思います。
ここでは「相手の動きを予測して、それに合わせる=追隋する動きの意」としておきます。
しかし法形練習でこれを使われると、恐いものが有ります。(分かっている)受けの方向に突き蹴りが向かってくるのでは危険です。練習になりません。もっとも、受けの動作があまりにも早ければそうされるでしょう…。
最近、観た総合格闘技の試合の中で、足関節の逆技がとても上手い選手が出場しました。「足関十段/あしかんじゅうだん」の異名を付けられたその選手は、「へぇー!」と舌を巻くほどの技の持ち主。
試合では負けてしまいましたが、これが動態予測をされた負けなのでした。
■プロ格闘家の運動能力は素晴らしく、同じ技は通じないようです。試合中、同じ技を何度も仕掛けると、動態予測され合わせ技=裏を取られてしまいます。
観戦した試合でも、得意技にこだわり過ぎ、左構えから頭部を右に向けて足を取りに行き、右構えの相手選手に左膝蹴りをカウンターされ、一撃で敗れました。
相手が一枚上手だったのか、二十五回も足技を取りに行った拙攻か、「道院長の書きたい放題/2002年01月28日(月) KI観戦 」で述べている、ミルコvs藤田戦と全く同じ再現となりました。
相手に学習されてしまったのです。しかし、学習を直ちに実践できる能力が凄いですね。
■最近の試合で似たようなケースとして、山本キッド選手がザンビアス?選手と打撃ルールで対戦した試合。直線的なアッパーカットを何度も繰り出し、ついにはザンビアス選手に動態予測され、強烈な右フックを見舞われ、KO負けしました。
余談ですが、野球の星野仙一氏の話です。
現役時代、どうも自分の投球フォーム、というか投球前の癖を相手チームに盗まれていることに気付いた氏は、それを逆手にとって、例えば鼻に手をやればカーブのところを、直球を投げて打ち取るように工夫した、と言います。そのうち、相手チームは癖を読むのを諦めてしまったのだそうです。
先ほどの足関十段も、得意技プラス裏技。例えば、巴投げと大外刈りの組み合わせを持つと強力な威力を発揮するように、セットの技=押すと引く、上と下、内と外等を持っていたら良かったですね。山本選手も同様です…。
■動態予測は攻撃、防御の両用に使用されますが、「開き対の理」「構えの理」が了解できていると、その応用範囲はさらに広がるでしょう。
同時に、「…足が体の横に出れば、回し蹴りが予想されます。腕が頭上に縦に伸びれば、手刀打ちが予想されます。下体に三角、ないしUの字状の空間が(必要以上に)開いていれば、金的に隙有りなのです。」(2004年01月27日(火) 八方目について・1 )で書きましたように、形状予測も少林寺拳法では大切です。
むしろ、セットと言っても過言でありません。
尚、動態予測と、相手の動きを読む=予測することは、若干異なる概念と思われます…。
/////////////
【注意】本「書きたい放題」は気持ちの問題もあり、即日にアップします。ですので、当日中、あるいは翌日にかけ、表現の過不足を改める場合があります。印刷して読む場合は数日後にお願いします。
表現が異なったまま残るのは、私にしてみれば不本意であります。いずれ、リニューアル?=改訂して行きたいと考えています。★印なんか付けますか…。
////////////////////////////////////////////////
↓関連すると思われますので、掲示板の書き込みを追加します。
色彩予測? 投稿者: あつみ♂ 投稿日: 8月26日(金)11時39分27秒
◇またまた野球からの話しです。以前、大リーガーのバッターは相手投手の皮膚色をみて球種を判断している、と何かの本で読みました。
私は野球をやりませんのでこの点は良く分からないのですが、手の掌が相手に向くと、白っぽいらしいのです。第三の予測法、色彩予測?があるのですね。
これは分かります。黒い煙を見たら、ほとんどの人は火事を連想します。武道=日常では…、相手の手がキラッと光ったら、即、緊急判断を要します…。他にありますかね?
◇◇先日の読売新聞、巨人軍の鹿取ピッチングコーチが、大魔人・佐々木投手の引退を称える記事が載っていました。
佐々木投手の投げる直球とフォークの腕の振り=形状はまったく同じで、しかもフォークの落差が大きく、「これは大リーガーといえども容易に打てないのではないか」と予測していたら、案の定、大きな成績を残した、という話でした。(要約です)。
◇◇◇私が大学一年次、個人乱捕、関東二連覇、全国大会優勝者であった四年生のN先輩は、三年次の全国大会の雪辱を果たす為、「小回し!小回し!」といって、一心不乱に胴蹴りの練習をされていました。
立派な体躯から繰り出す強烈な左右フックが得意な先輩がそれを身につけた時、無敵となって、念願の連覇達成になりました。相手にしてみれば、上下攻撃にプラスして、直蹴りと回し蹴りの区別=形状予測が極めてつけ難い、やっかいな攻撃だったのでしょう。
我々もそれを習って身につけましたが、困った事に、後年その蹴りで「蹴り天三」をやると、膝と膝が良くぶつかりました。haha!
|