My Huckleberry Friend***
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今日 客に怒られた。 何したかって何もしてないんだが。 しなかったことによって怒られた? まるで真正不作為犯のように。 そんな言い方された。 なんなんだよまったく。 何が起こったかといいますと・・・
「もうワンタイムだそうです。どうします?」 「どっちでもいいよ」 「どっちでもいいっつのは?どう?まだ居たい?」 「決めていいよ」 「決めていいよって言われてもなぁ。ワシに決定権ないからな」 「怒!もう少し居てよとかそういう一言はないわけ?」 「いや、そりゃ 居たいと思うなら居てもらった方がいいけど」 「もう少し居てくださいとか頼めよ」 「頼めよって言うってことは延長で良いんだな?」 「だからさぁ なんで頼むことができないのよ」 「頼むかどうかはどうでもいいとして、自分の意思がどうなのかってのは 確認しなきゃならんだろうが」 「普通こういう商売は もう少し居てって頼むもんだろう」 「それもアリだとは思うが 普通かどうかは判断できん」 「それは当たり前のことだろう!!?」 「そうは思わないな。別にどんな反応取ろうが 普通か普通でないかなぞ たいした問題じゃないだろが。」 「なぜそうひねくれるんだ」 「ワタクシ自身良かれと思った行動をしたまでなんだが。 カネが発生している以上、お客サンの意思確認は取らないとな。 ようは お客サンの財布と希望を考慮した上でお客サン自身が決めて もらうことであって、店の女に決断をゆだねられてもなぁ」
こんな具合に。まあ、屁理屈をこねました。 こういう商売は理屈なぞ通用しないんだが、細かいとこまでイチイチ つっかかってくる客に腹が立ったので 理屈でねじ伏せてやろうと思った。 客の気持ちはわからないでもない。 「もう少しいてよーん」と媚びられた方が気分良い。 しょうがねえ、居てやるよ と優位な立場で居られる。 だが、ワシにそんな真似はできない。この商売向いてないから。 正直、こいつの言うことは一理あるんだが、 楽しいと思ってるんだかよくわからん客に もう少し居てくれなんて 頭下げられっかよ。そりゃ店的には居てもらった方が ¥になるので助かるんだが・・・ (実はどっちでもいいなら帰って欲しい笑) まあ、夜の商売の人間はこんな態度じゃいかんけど ワシに対しては ちょっとばかし無理な注文なんだよな。 確かに絶対に人に頭を下げるハズのないワシが ここで金もらって労力を提供するっていうこと自体 意味不明なんだが。 ワシって給料ドロボーだな。 この商売明らかに向いてないのを承知で働く。 顔が好きで指名してくれるヴァカもいるしな。 店に来るか来ないかなんぞ、好きにしてくれ。 営業もしねーよ、来たきゃ来れば良いし 来たくなきゃ来なきゃ良い。 カネがないなら来るな。帰りたいならさっさと帰れ。 こんなスタンスで。殿様商売だ。
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