商法の授業で
いつもスーツ×カラーシャツをきてて
しかも腹話術人形にそっくりな奴が教室にいることは
気付いていた。
よりによって本日は　あまたある空席の中から
わざわざワタクシの隣を選んで座ったのであります。
そして　授業が始った瞬間から机に突っ伏して
（まさにヤルキ満々で昼寝）。
わっけわかんねーぜ。なんだこいつ。
ていうかこの授業眠くなるよね。
気付いたらワタクシもうつらうつら・・・
寝ながらなんとなく視線を感じたので
薄目あけてみると　腹話術人形がこっちを見ている。
見るな。人の寝顔を見るんじゃない。
まあ　なんだかんだで
そして授業終了後。
腹話術人形は喜々として
「来週から一緒に授業にでませんか！！！」
なんだよ藪から棒に。
わっけわかんねーぜ。なんだこいつ。
確かに　この授業は少し面倒くさいし
試験前に役立つ友人はつくっておいて損は無い。
しかしながらキミ、いきなりそれはねえだろ。
突如として本題を切り出してくる奴なんて
何を考えているのかわからないし、きっと虚言癖があるに違いない。
いや、もしかしたら
学生のフリして本業は闇商人でポーションを500ｷﾞﾙで
売りつけるようなとんでもない奴かもしれない。
スーツ×カラーシャツという身なりが
カタギではないことを物語っている。
とりあえずここは出方を見ようではないか。

「はあ、でも来週休みですよね。」
「いや、別に来週じゃなくったっていいんですよ！」
「そーですよね。」
「今何年生ですか」
「３年」
「あ、ボクも３年なんですー」
「ああ、一緒かい　ほー。」
「どうですか？授業に一緒にでましょう！」
「あー　そーねー」

マテマテ、「授業に一緒に出る」という概念がそもそもわからないぞ。
この133教室にいる学生全員は、始鈴から終鈴までの間、
この授業に出席しているという時点で　
みんな「授業に一緒に出ている」ことになるんじゃないのか？
だからアンタとワシは、今も昔もこの133教室の空間を共有して
きたんだから既に目的は達成してるのでは？
それとも隣に座れということを意味しているのか？
わっけわかんねーよ。
解決とはほど遠いが　とりあえずここはひとつ、去るとしよう。

「まあいいや、とりまえず、次な！！」
「なんかアナタって　見かけによらずサバサバしてますね」

・・・・・ドウイウ意味ダ？
喧嘩を売っているのかコイツ。
とどのつまり、見かけはサバサバしておらず、
たいそうネチっこそうだと言いたいのか？
聞き捨てならない言葉だ。
無性に腹立たしい。
まあいいや、腹話術人形相手に喧嘩をしたところで
たぶんいっこく堂に殴られるだけだ。
きっとこいつの前に座ってる奴がいっこく堂なんだ
そしてこいつは腹話術人形だ。
そう思うことにした。


「じゃ、また来週。」
「よろしくおねがいしまーーす」

（・・・来週は休みだっつの・・・）

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