雨は飴 - 2005年05月30日(月) 閉じたまぶたの上に音が降ってきた。どこまでものびる彼女の声。 七年前は聞くのが苦しいくらいの怒りに満ちていた声は今、やわらかくどこまでも伸びていく。彼女の伸ばした手を思い出した。 手首の傷跡から硬く、引き連れたように伸びていた手。細く無駄なく付いた筋肉の美しい踊り子の腕。彼女の手は今、どこを差しているのだろう。そこに、怒りの力はこもっていない気がした。 バイオリンとギターは彼女にそって伸び、彼女の美しい腕もどこまでも揺らめきながら伸びていく。揺らめき、絡まり、縺れ解け合って。 見えないけれど、きっと幸せなのだろうと思った。 意味不明にですが、感想文。 落ち込んでいたのに、まだ向き合うと落ち込むのに。それでも音を聞いている時は落ち込んでいないのです。 -
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埃の積もった本棚 |